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2012年08月13日

中国の太陽電池産業・メーカーの苦境を解説している「朝日新聞」の記事

下記URL先ページでは、中国太陽電池メーカーが置かれている現在の苦境について解説されています。

(ニュース記事)
・中国太陽電池大手10社 負債総額175億ドル 業界に破産リスク蔓延(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/news/xinhuajapan/AUT201208090109.html

具体的には、

・中国の太陽電池産業の状況
 ・業績の見通し
  A株上場企業が発表した2012年上半期1-6月)の業績予告では、約80%の企業が業績悪化を予想している。
 ・欠損額
  海外(香港含む)に上場している中国系の大手メーカー10社の、2012年第1四半期(1-3月)の欠損額は計6億1,2000万ドル。
 ・粗利益率
  2012年第1四半期の大手10社の粗利益率は、全て10%以下
 ・負債規模
  米「Maxim Group」の最新データによると、中国の大手10社で累計175億ドルに到達している。
  同国の太陽電池産業全体が破産リスクに直面しており、中でも下記2社のリスクが最も大きい。
  ・「江西賽維」:
   負債と自己資産の比率は7.4。(欧米の会計基準では債務返済能力を備えていない)
  ・「尚徳電力
 ・為替差損
  ユーロの対ドルでの下落により、下記の数字となっている。
  ・「阿特斯」:800万ドル
  ・「英利緑色能源」:3,000万ドル
  ・「天合光能」:2,200万〜2,300万ドル
 ・売掛金回収期限延長
  ・「Helix Investment Management」社によると、中国の太陽電池企業の多くが、120〜180日間に延長している。
  ・「江西賽維」は2012年第1四半期のアナリスト電話会議において、
   ・売掛金の債権回転日数:220日間
   ・買掛金の債権回転日数:185日間
   に延長した旨を公表している。

・「中国再生可能エネルギー学会」の孟憲淦副理事長による見方:
 ・最近数年間で中国でのソーラー製品の生産量は増えているが、
  ・欧州の債務危機
  ・米国の反ダンピング・反補助金調査
  により、中国の太陽電池市場は減退し始めている
  製品価格も下落が続き、収益性は大幅に圧縮された。
 ・太陽電池産業の粗利益率は、
  ・2010年:30%程度
  ・2011年:10%未満
  ・2012年:更に悪化
  と低下が続いている。
  粗利益率が10%以下になった場合、企業は赤字になる。
  4.5%以下であれば欠損を免れない。

・各企業の状況:
 ・「江西賽維」:
  ・2012年上半期財務状況
   ・欠損額:10億8,000万
   ・負債総額:266億7,600万
   ・負債率:88%前後
    償還期限が2013年の債務は3億8,000万ドル。
    一方、手元資金は1億3,700万ドルに留まっており、これによる債務完済はできない。
  ・粗利益率
   ・2011年第4四半期
   ・2012年第1四半期
   ともに、−65.5%。
 ・「尚徳電力」:
  ・負債総額:35億8,000万ドル
  ・粗利益率:2012年第1四半期は0.6%。
  ・2012年第1四半期の財務報告発表時に、
   ・「負債で破産する恐れがある」
   との見方を示した。
 ・「英利緑色能源」:
  直近で、2012年第2四半期について
  ・太陽電池モジュール出荷量:前四半期比13〜14%増
  ・粗利益率:4.5%程度(※従来予想は4.5〜9%)
  との見通しを示している。

多結晶シリコンの価格:
 「中国太陽電池産業連盟」のデータによると、2012年1-6月には30.5ドル/kgから23.6ドル/kgまで下落した。
 (下げ幅は22.6%)

等の数字・状況が挙げられています。


かなりの量の情報が雑多に盛り込まれている記事ですが、Suntech Power等の名だたる中国メーカーが既に危機的な状況に置かれているということには、唖然とさせられました。

かつて太陽電池生産量で世界トップだった独Qセルズ社が、市況の急速な悪化により、僅か数年で経営破綻に追い込まれたことを思い出しますが、低コストを利点として急激な生産能力・供給量拡大により勢力を強めてきた中国企業が、その自らがとってきた方策の結果として、かつてのトップ企業と同様の苦境に置かれているとすれば、何とも皮肉な話だと感じざるを得ません。

とはいえ、「諸行無常」「盛者必衰」というのが道理だとしても、最近数年間での状況変化の急激さは幾らなんでも異常な気がしますが、これが政府補助などに頼らざるを得ない現在の太陽電池産業・市場の現実であることは、受け止めなければならない、とも考えます。


※関連記事:
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posted by 管理人 at 12:35 | Comment(0) | 市場・業界の動向:アジア
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