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2014年02月16日

米ITCが、中国・台湾製の特定の結晶シリコン太陽電池製品による、米国産業の損失を判断

米国国際貿易委員会ITC)が2014年2月14日に、

  • 中国・台湾製の特定の結晶シリコン太陽電池製品により、米国内の産業が実体的な損失を被っていると判断した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

調査対象になった製品

  • 下記に該当する結晶シリコン太陽電池セル、モジュール、積層体及び/またはパネル
    ・部分的または完全に、他の製品(建物集積材料など)に組み立てられたものを含む。
    ・下記に当てはまる、対象国以外の関税地域で(全てまたは一部が)製造されたセルを用いている。
     ・対象国で生産されたインゴット・ウエハーを使用している。
     ・対象国で製造開始し、対象国以外の国で完成したセルを含む。
  • セルは、
    ・厚さが20μm以上。
    ・p/n接合を持つ。
    ・他のプロセス(洗浄、エッチング、コーティング、発電電力の収集・出力のための他の素材の付加(導体パターン等))の有無には寄らない。

調査対象から除外された製品

  • 薄膜型太陽電池製品(アモルファスシリコン、CdTe、CIGS)
  • アンチダンピング関税・相殺関税(2012年12月7日に最終決定)が既に適用済みの、中国製の結晶シリコン太陽電池セル。(モジュールに組み込まれているか否かは問わない)
  • 下記条件に該当する消費者製品
    ・1製品内のセルの表面積が、計1万mm2を超えない。
    ・セルが恒久的に、その製品に組み込まれている。
    ・セルの機能は発電のみであり、発電電力はその製品で消費される。

今後の予定

  • 今回の決定を受けて、米商務省(DOC)は該当製品に対する調査を続ける。
    また、下記の措置を行う。
    2014年3月26日ころ:予備的相殺関税の決定
    同年6月9日ころ:アンチダンピング関税の決定

またニュース記事[2]では、中国・台湾からの太陽光発電向け製品の輸入額について、下記の数字が記載されています。(※2012年は商務省、2013年はITCの統計による)

  • 中国
    ・2012年:20億ドル強
    ・2013年:前年の約1/3減少(約14億ドル?)
  • 台湾
    ・2012年:5億1000万ドル
    ・2013年:前年から40%以上増加(約7億ドル?)

2012年のペナルティー措置では、中国製以外のセルを用いた中国製モジュールが対象外だったので、最終決定前から台湾でのセル生産が急に活発化していましたが、今回のITCの判断内容からは、その回避策を潰すものであることが伺えます。

中国・台湾からの太陽光発電向け製品の(米国の)輸入額は、中国の減少と対照的に台湾が増加していますが、果たして台湾でも中国と同様に、メーカーに対して「不適切な水準の助成」が行われているのか、という点は興味を引かれるところです。

太陽光発電の導入拡大に及ぶ影響については、前回措置決定の翌年(2013年)の米国での太陽光発電導入量は堅調な伸び(前年比15%増)だっただけに、米国側としては、中国・台湾製品の輸入量が減少してもさほど影響は無い、と見ているのかもしれませんが、現状でも両国の製品が一定のシェアを確保しているのは確かであるだけに、今後新たにペナルティー関税が実施された場合、太陽光発電の導入拡大に水を指す可能性は否定できないと考えます。

いずれにせよ、つい先日の通商代表部による、WTOへのインドの提訴と合わせて、「ルール」の中で自国産業に最大限有利な状況を確保しようという、米国側の姿勢は強く感じられます。
もっとも、太陽電池メーカー以外(設置業者など)にどう影響するのかは判りませんが。


※参照・参考サイト:
[1]USITC VOTES TO CONTINUE CASES ON CERTAIN CRYSTALLINE SILICON PHOTOVOLTAIC PRODUCTS FROM CHINA AND TAIWAN(米国際貿易委員会)
http://www.usitc.gov/press_room/news_release/2014/er0214mm1.htm
[2]米ITC、中国・台湾の太陽光発電向け製品が国内産業侵害の恐れと仮決定(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0LJ5DP20140214

※関連記事:

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posted by 管理人 at 02:33 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米
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