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2018年05月17日

シャープが新しい「住宅用『クラウド蓄電池システム』」を発表、急速充電で充電時間を半減、自立運転の出力も2.0kWに拡大

シャープ社が2018年5月10日に、

  • 住宅用クラウド蓄電池システム JH-WBP67A/JH-WBP70A
を発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


特徴
  • 急速充電に対応
    満充電の所要時間を、2.5時間従来機比1/2)に短縮した。
    (※入力電力4.0kWで充電した場合。実際は電力使用量や天候などにより変動する)
    これにより、晴れ間が短い場合でも、効率よく蓄電できる。
  • 自立運転時の出力を拡大
    「ハイブリッドパワーコンディショナ JH-42JT2/JH-55JT3」では、自立運転時の出力(従来機種1.5kW)を、最大2.0kWに拡大した。
    これにより停電時には、生活必需機器(照明、冷蔵庫など)の他に、電気ケトルや扇風機なども同時に使用できる。
公称容量 8.4kWh
希望小売価格 291万円(税別)
※リチウムイオン蓄電池「JH-WB1821」、ハイブリッドパワコン「JH-42JT2」、モニタ、電力センサ、ケーブル等を含めた価格。
機器の組み合わせにより価格は異なる。
大きさ・質量
大きさ質量
蓄電池
「JH-WB1821」
幅700mm×奥行360mm×高さ605mm
(突起部含む)
約135kg
パワコン
「JH-42JT2」
「JH-42JT3」
幅666mm×奥行201mm×高さ429mm
(取付金具含む)
約24kg
発売日 2018年7月6日より順次。
月産台数 250台


蓄電池の充電時間の半減に、自立運転時の出力を約1.3倍に拡大という2点が、やはり個人的に最もインパクトがありました。

家庭用の電源として、平常時・非常時ともに、使い勝手の大幅な向上を図ったことが伺えます。

ただし一方で、希望小売価格は(組み合わせの一例とは言え)一式で300万円近くであり、まだまだ購入者を選ぶ、高額な商品だと感じざるを得ません。

生産ペースは、1年で3000台ということになりますが、現在の日本国内で実際にどの程度の需要が有るものなのかは、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用「クラウド蓄電池システム」ほかを発売(シャープ社、2018/5/10)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180510-b.html

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2018年04月07日

シャープ社が6インチの単結晶シリコンセルで変換効率25.09%を達成、「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を採用

シャープ社が2018年3月27日に、

  • 6インチ単結晶シリコン太陽電池セルで、変換効率の記録を達成した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


セルの種類 単結晶シリコン型
採用技術
  • 自社モジュール「BLACKSOLAR」のバックコンタクト構造
  • 表面にアモルファスシリコン膜を形成するヘテロ接合技術
を融合した「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた。
セルの大きさ 6インチ
セル変換効率 25.09
電気安全環境研究所(JET)が測定した。
開発の背景 NEDOのプロジェクト「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の一環として、シャープ社が開発した。


2015年の発表[2]によると、シャープ社は2014年時点で、同じ「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた単結晶シリコンセルで、変換効率25.1%を達成していました。

この数値は今回発表[1]を既に上回っていますが、ただしこの2014年の達成記録においては、セルの大きさが不明です。
(※これはNEDOの発表[3]でも同様、他社の成果ではセルサイズが明記されている)

その点、今回は「6インチサイズ」と明記されており、4年前よりも量産段階に近い条件で、達成されたセル変換効率かと思われます。


今回発表の前月(2018年2月)には、中国のTrina Solar社が、6インチのn型単結晶シリコン・裏面電極型セルで、変換効率25.04%を達成したと発表していました。

今回のシャープ社の発表は、そのTrina社の数値を上回っており、太陽電池メーカーとしてのライバル意識が、感じられる気がします。

奇しくも?測定した機関(JET)も同じなので、数値の比較としてはインパクトがあります。


ただしTrina社の発表では、「低コストな量産化に優れたIBCプロセス」を用いたと明記されています[4]が、シャープ社の発表のほうでは、「BLACKSOLAR」の名称以外に、量産技術と具体的に結びつく記述は有りません。

その点で量産化への距離は、Trina社のほうが近いのでは、という印象を受けてしまいます。


今回のセル開発が行われているNEDOのプロジェクトの機関は、2019年度まで[2]とのこと。

そのため、シャープが「ヘテロ接合バックコンタクト構造」を用いた太陽電池を製品化するのは、まだ先のことになりそうですが、それまでにどこまで性能を向上できるのか、今後の成果発表にも注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて世界最高の変換効率25.09%を達成(シャープ社、2018/3/27)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180327-a.html
[2]当社の高効率バックコンタクト型太陽電池の実用化に向けたテーマがNEDOに採択(同上、2015/6/16)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150626-a.html
[3]太陽光発電分野の技術開発成果を発表(NEDO、2015/10/26)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100476.html
[4]トリナ・ソーラー 大面積IBC単結晶シリコン太陽電池セルで 変換効率25.04%の世界新記録(Trina Solar社、2018/2/14)
http://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/wed-02142018-1800

※関連記事:

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2018年01月08日

シャープが太陽光発電関連事業の大部分を、子会社「シャープエネルギーソリューション」に集中させる方針

シャープ社が2017年12月26日に、

  • エネルギーソリューション事業」の一部を、子会社「シャープエネルギーソリューションSESJ)」に、吸収分割により承継させることを決定した。
と発表していました[1]。

今回はその中から、主な情報をまとめてみました。


背景
  • シャープでは2016年8月に新経営体制が発足して以来、構造改革を続けている。
  • 今回の事業承継には、創エネ・蓄エネ・省エネ分野での更なる競争力強化のために
    • 自社の「エネルギーソリューション事業本部」
    • 子会社「SESJ」(太陽光発電システム等の販売を担当)
    を一体化することで、効率的な事業体制を構築する狙いがある。
期待される効果
  • 今回の承継によりSESJ社は、太陽光発電システムの国内・海外すべての、販売・施工〜アフターサービスを手掛けることになる。
    この強みを生かし、売上拡大を図る。
  • また、
    • 組織の簡素化
    • 重複業務の合理化
    等を加速することで、収益性を向上させる。
SESJ社が承継する権利義務 効力発生日における
  • シャープ社「エネルギーソリューション事業」に属する資産・負債
  • それらに付随する権利義務
を、吸収分割契約書に定める範囲において承継する。
ただし、
  • 堺事業所での太陽電池製品製造
  • 奈良事業所での化合物太陽電池製造
に関する事業は含まれない
SESJ社の事業内容
  • 承継前:  
       
    • 太陽光発電システムの販売  
    • 空調・電気設備工事  
  • 承継後:  
       
    • 住宅用太陽光発電設備・蓄電池・HEMS等の企画・開発・販売・サービス  
    • 産業用太陽光発電設備の設計・施工監理・メンテナンス  
    • メガソーラーIPP事業  
    • その他エネルギーソリューション事業  
今後のスケジュール
  • 2018/1/9:契約締結の予定
  • 同4/1効力発生の予定


シャープ社の太陽電池・太陽光発電事業の体制が、これまで本社と子会社に分かれており、整理されていなかったということには驚きました。

ちょうど今回の発表と同時期には、

  • ハンファQセルズ社が、トルコで年産能力500MWの太陽電池モジュール工場を着工した
ことが報じられていました[5]が、四半期単独でのモジュール出荷量が1GWに達している海外メーカーも有るいっぽうで、日本メーカーが勢いを失っている(生産能力の縮小など)理由は、このようなところにもあったのでは・・・と考えてしまいます。


ともかく、シャープ社の太陽光発電関連事業の合理化・効率化が、(製造事業が対象外とはいえ)今回の事業承継で進むことは確かだと思われます。

これが厳しい市場環境の中で、少しでも国内大手メーカーの競争力アップに繋がっていくことを、強く願うところです。


※参照・参考資料:
[1]会社分割(吸収分割)による子会社への事業承継に関するお知らせ(シャープ社、2017/12/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2017/171226-1.pdf
[2]太陽電池、日本勢テコ入れ急ぐ シャープは販売子会社に移管:(日本経済新聞、2017/12/26)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO25048780V21C17A2TJ1000
[3]シャープエネルギーソリューション社
http://www.sharp-sesj.co.jp/
[4]エネルギーソリューション事業本部(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/recruit/newgraduate/businesses/energy.html
[5]ハンファQセルズ、トルコで年産500MWの太陽光パネル工場(日経テクノロジーオンライン、2017/12/26)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122610309/?ST=SP

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2016年05月30日

シャープが化合物3接合型モジュール(968cm2)で変換効率31.17%を達成、今後は地上用も視野

シャープ社が2016年5月19日に、

  • 化合物3接合型太陽電池において、モジュール変換効率の記録を更新した。
と発表していました[1]。

主な内容は次の通り。


  • 達成したモジュール変換効率31.17
    産総研が確認した数値。
  • 該当モジュールの大きさ968cm2
  • 今後の方針
    高効率化と低コスト化を追求し、地上での用途開拓(各種移動体の電源など)に取り組む。
    (※現在の化合物3接合型は、主に人工衛星などに用いられている。)

最近では複数の国内メーカー(シャープ含む)において、高効率の太陽電池として、ヘテロ接合の結晶シリコン型の開発が進められていますが、その変換効率は

であり、流石に数値の上では、シャープの化合物3接合型の優位さが際立っています。

しかしその非常に限定された用途(宇宙用がメイン)から、生産コストは結晶シリコン型より遥かに高いと推測され、一般の住宅用・産業用としては(少なくとも現状では)全く向かないものと思われます。

そのため今回の発表の中で、「地上での用途開拓」にはっきり言及されているのは意外であり、新たな道として今後の展開が楽しみでもあります。


※参照資料:
[1]太陽電池モジュールで世界最高の変換効率31.17%を達成(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160519-a.html

※関連記事:

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2016年02月08日

シャープの2015年10-12月の「エコソリューション事業」は売上高35.6%減、国内の太陽電池需要は住宅用・産業用ともに減少

シャープ社が2016年2月4日に、2015年度3Q2015/10-12)の業績を発表していました。

今回もその資料[1][2]から、太陽電池を含む「エコソリューション事業」セグメントの状況を抜き出してみました。。


業績

カッコ内は前年同月比、または前年同月の実績値。

売上高営業利益
20151-3月742億円
(54.2%)
607億円の赤字
(165億円の黒字)
4-6月368億円
(46.6%)
39億円の赤字
(1億円の黒字)
7-9月418億円
(43.4%)
13億円の黒字
(4億円の赤字)
10-12月345億円
(35.6%)
50億円の赤字
(16億円の赤字)

※1-3月・4-6月・7-9月の数値は、当ブログの過去記事から引き継ぎいだものです。


2015年度3Q(10-12月)の状況

  • 売上高
    太陽電池の販売は減少。
    国内における住宅用・産業用の需要減少などにより、減収となった。
  • 営業利益
    ポリシリコンの評価替えの実施などにより、赤字。

今後の方針

中期経営計画で掲げたソリューション事業への転換に、引き続いて取り組む。

  • 各地域の市場ニーズに応じたエネルギーソリューションの提案
  • 国内外でのEPC事業拡大
    • 蓄電池・HEMSの販売強化
    • 地域活性化に繋がるメガソーラー発電事業
    などに取り組む。

セグメント売上高の減少幅(前年同期比)は、直近の3四半期よりは縮小したとはいえ、今だに3割超という大幅減であり、日本国内での太陽電池販売で相当な苦戦が続いていることが想像されます。

FITの最近のデータ[3]を見ると、国内「非住宅」の認定容量は減少が続いており、「住宅」は安定して増加しているものの、そのペースは毎月60〜80MW程度。(「平成27年8月末時点」〜「10月末時点」の数字より)

加えて海外メーカーの攻勢も続いているとなれば、国内市場でのシャープの太陽電池販売の回復は、非常に厳しいと見ざるを得ません。

それだけに今後の業績回復は、「ソリューション事業への転換」を如何にスピーディーに実現できるかに、かかっているのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]平成28年3月期 第3四半期 決算短信(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/2/1603_3q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(ノート付き)(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/2/1603_3pre_nt.pdf
[3]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

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2016年01月05日

シャープが2015年12月に、国内メガソーラー4件の稼動開始を発表

シャープ2012年12月に、日本国内におけるメガソーラー計4の稼動開始を、相次いで発表していました[1]〜[3]。

各発電所の概要は次の通り。


  • シャープ浦幌太陽光発電所」:
    • 場所:北海道の浦幌町
    • 太陽電池モジュール容量:約2.3MWDC
    • 運転開始日:2015年11月30日
    • 事業会社:「合同会社クリスタル・クリア・エナジー」(芙蓉総合リースとシャープが共同出資)
  • シャープ苫東の森太陽光発電所」:
    • 場所:北海道の苫小牧市
    • 太陽電池モジュール容量:約45.6MWDC
    • 運転開始日:2016年1月1日
    • 事業会社:「合同会社苫小牧ソーラーエナジー」(オリックスとシャープが共同出資)
  • 南相馬小高太陽光発電所」:
    • 場所:福島県の南相馬市
    • 太陽電池モジュール容量>:約2.7MWDC
    • 運転開始日:2015年12月28日
    • 事業会社:「合同会社クリスタル・クリア・ソーラー」(芙蓉総合リースとシャープが共同出資)
  • シャープ塩谷第二太陽光発電所」:
    • 場所:栃木県の塩谷町
    • 太陽電池モジュール容量:約1.6MWDC
    • 運転開始日:2015年12月28日
    • 事業会社:「合同会社クリスタル・クリア・ソーラー」

今回は偶然かもしれませんが、それでも日本のモジュールメーカー1社が、国内で開発に携わった(そして運営にも関わる)メガソーラーの稼動開始を、1ヶ月のうちに4件も発表するというのは、なかなか無いことだと思います。

そう言えばシャープは2015年10月には、北海道で太陽光発電所のメンテナンス拠点の運用開始予定(12月の予定)も発表しており[4]、経営不振が取り沙汰される中でも、かねてから業績発表などでたびたび言及されていたソリューション事業の展開を、国内で着々と進めていることが伺えます。


※参照資料:
[1]「シャープ浦幌(うらほろ)太陽光発電所」の商業運転開始について(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/151204-a.html
[2]シャープ苫東の森(とまとうのもり)太陽光発電所の運転開始について(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/151224-a.html
[3]福島県、栃木県で太陽光発電所の商業運転を開始(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/151228-a.html
[4]「シャープ 北海道太陽光発電メンテナンスセンター」の開設について(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/151028-a.html
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2015年11月06日

シャープの2015年4-9月の「エコソリューション事業」は売上高418億円(前年同期比43%減)・営業利益13億円、太陽電池は販売減も構造改革推進で黒字化

シャープ社が10月30日に、2015年度2Q累計期間(2015/4-9)の業績を発表していました。

今回はその資料[1][2]の中から、太陽電池を含む「エコソリューション事業」セグメントの状況を抜き出してみました。


業績

カッコ内は前年同月比、または前年同月の実績値。

売上高営業利益
20151-3月742億円
(54.2%
607億円の赤字
(165億円の黒字)
4-6月368億円
(46.6%
39億円の赤字
(1億円の黒字)
7-9月418億円
(43.4%
13億円の黒字
(4億円の赤字)

※1-3月と4-6月の数字は、当ブログの過去記事から引き継ぎ
 7-9月の前年同期比も、過去記事(2014年度通期業績)の数値を用い、当ブログ管理人が計算したものです。


2015年度2Q(7-9月)の状況

  • 売上高
    太陽電池の販売減少により減収。
    前年度の米子会社売却なども、減収の要因となった。
  • 営業利益
    構造改革の推進(サプライチェーンの見直し等)などにより、黒字に転換した。

現在の取組み・実績

  • 国内ソリューション事業の拡大
    蓄電池の拡販、直流エアコンの開発など。
  • アジアでのEPC事業の拡大
    タイ国での新会社設立など。
  • 国内住宅用の強化
    高効率な太陽電池モジュールを製品化。

太陽電池モジュールの販売量は、今回も全く記載がありませんが、前年同期比4割減というセグメント売上高の急減度合いを見ると、表に簡単に出せないぐらいの、深刻な状況が続いていることが推測されます。

その一方で営業利益は持ち直しており、構造改革がしっかり成果を挙げつつあることも伺えますが、そもそも国内のFITの新規認定量が、住宅・非住宅の双方で先細り感が強くなっており(=市場の縮小)、加えてメーカー間の競争も激しくなっているとなれば、国内市場向けだけでは業績の改善には、自ずから限界があるようにも思われます。

その意味で、今回の発表のうち「アジアでのEPC事業拡大」については、今後の進捗に強く注目したいところです。


※参照資料:
[1]平成28年3月期 第2四半期 決算短信(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/3/1603_2q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(ノート付き)(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/3/1603_2pre_nt.pdf

※関連記事:
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2015年08月05日

シャープの2015年度1Qは売上高368億円(前年同期比46.6%減)・営業利益は39億円の赤字、日本国内は住宅用・産業用ともに販売減

シャープが7月31日に、2015年度第1四半期2015/4-6)の業績を発表していました。

ここでは発表資料[1][2]の中から、太陽電池を含む「エネルギーソリューション部門」の状況を抜き出してみました。


業績

前四半期(2015/1-3)の数字と合わせて表にしています。
 カッコ内は前年同月比、または前年同月の実績値。

売上高営業利益
2015/1-3742億円
(54.2%
607億円の赤字
(165億円の黒字)
2015/4-6368億円
(46.6%
39億円の赤字
(1億円の黒字)

また2015/4-6の売上高については、3月に売却された米Recurrent社の数字(前年同期(2014/4-6)に売上高約158億円)を差し引いて計算しなおすと、下記のようになります。

売上高
2015/4-6368億円
(30.7%

2015年度1Q(4-6月)の状況

  • 需要の減少
    日本国内では市況が低迷し、住宅用・産業用の両方とも、販売が減少した。
  • ポリシリコンの価格下落
    長期契約との単価の差(約22億円)を、新たに引当処理した。
    (これにより赤字幅が拡大)

今後の方針

  • 住宅用PVシステムの販売強化
    高効率単結晶モジュールを核とする。
  • 固定費の削減
    海外調達モジュールのサプライチェーン見直し等の、構造改革に取り組む。
  • ソリューションビジネスの強化
    蓄電池やEPC等の展開を強化する。

Recurrent社が抜けた影響は確かに大きいですが、そのぶんを差し引いても、2015/4-6の売上高は前年同期比3割減であり、販売の大幅な下降ぶりは否めません。

営業利益については、前四半期(2015/1-3)は諸々の特別損失が計上された特別な状況だったのでさて置きますが、その前の2014年度3Q(16億円の赤字)と比べると、赤字幅は更に広がっています。

太陽電池モジュールの販売量は今回も記載されておらず、減少が続いているものと推測されますが、それ(販売量の減少)が赤字拡大の一因にもなっているのではないでしょうか。

また、ポリシリコン調達の長期契約による割高な負担が、いまだに響いていることが伺えますが、以前表明されていた「製造プロセス全体での吸収」が今後実現できるかどうかは、黒字化達成のためにも非常に気になるところです。

日本市場に関しては、指定ルールの導入や電力買取単価の引き下げにより市場環境が悪化している産業用はともかく、手堅い市場として期待される住宅用も需要が減っているとなると、パナソニックRECも展開の重点化を表明している中で、シャープにとっては厳しい状況が続くと考えざるを得ません。

ただし、シャープは住宅用で長年培ってきた経験・技術があり、また高効率モジュール「BLACKSOLAR」も擁しているだけに、販売競争で簡単に負けるとも考え難く、今後シャープの巻き返しが成るか否かは、強く注目したいところです。


※参照資料:
[1]平成28年3月期 第1四半期 決算短信(シャープ社)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/4/1603_1q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(ノート付き)(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2016/4/1603_1pre_nt.pdf

※関連記事:
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2015年05月30日

2014年度通期のシャープの「エネルギーソリューション事業」は、売上高38%減で営業赤字626億円、今後は地域ニーズへの対応で巻き返しを図る

シャープが5月14日に、2014年度通期の業績を発表していました。

今回はその公表資料[1]〜[4]の中から、太陽電池を含む「エネルギーソリューション事業」の状況を、抜き出してまとめてみました。

まず、業績とその背景は下記の通り。


業績

  • 2014年度通期
    • 売上高2708億円(前年度比38.3
    • 営業利益:626億円の赤字(前年同期は324億円の黒字)
  • 四半期ごと
    ※金額の単位は円。
    1Q2Q3Q4Q
    売上高690億739億536億742億
    (前年同期比54.2%減)
    営業利益+1億-4億-16億-607億
    (前年同期は+165億)
    営業利益率+0.3%-0.6%-3.0%-81.8%
    (前年同期は+16.5%)

背景

  • 売上減の減少
    太陽電池の販売減少が響いた。
  • 利益減少の要因
    • 米国太陽光発電182億円の損失
      ※Recurrent Energy社の売却は、同社が手掛ける太陽光発電プラントの開発・販売事業が
       ・開発の初期費用に、多額の資金が必要
       ・収益の変動性が大きい
       ことが理由。
    • 欧州事業(3Sun)の構造改革関連143億円の損失
    • ポリシリコンの長期契約単価差引当587億円の損失
      材料コストの負担が、慢性的な赤字体質につながっている。
    • 堺工場の減損処理92億円の損失
      収益性が低下し、投資額の回収が見込めなくなった。

(これまでの業績発表では明示されていた)太陽電池モジュールの販売量は、今回は何処にも全く記載が有りませんでした。

売上高の約4割という減少幅、また国内住宅用PVのシェアトップをパナソニックに奪われた[5]ことを合わせると、モジュールの販売量減少が、相当に深刻であることが想像されます。

これに関することとして、ポリシリコンの不足感が強い時期に結んだ長期契約が、利益の圧迫にかなり尾を引いているようで、単なるモジュール販売だけで大手他社に張り合っていくのは、現状ではもはや無理なのかもしれません。

その状況の打開策だと思いますが、中期経営計画では、全社の事業が5つの社内カンパニーに再編されており、「エネルギーソリューション」もそのカンパニーの一つ。

そして、同カンパニーでは方針として「地域のニーズに合わせたソリューション事業への転換」が掲げられており、地域別の方針は下記の通り。


日本国内

PVと蓄電池をベースに、

  • HEMS
  • エコキュート
  • 省エネ家電
等を、クラウドで繋ぐソリューションを提案していく。


海外

下記のソリューションを展開していく。

  • アジア
    ・EPC事業
    PVディーゼルハイブリッド事業(ディーゼル発電機との組み合わせ)
  • 米国
    ピークカットシステム(需要ピーク時の電力消費を削減)
  • 欧州
    PVサーマルシステム(太陽熱も活用)

そしてこれにより、2017年度時点で

  • 海外事業の比率:3
  • ソリューション事業の比率:5
の達成を目指すとのことです。


ソリューション事業への注力については、ここ1年ほどの業績発表の中で毎回提示されていたものの、具体的な姿(他社とどう違うのか等)は良く見えませんでしたが、今回はかなり興味深い方針が示されたと感じます。

そう言えば米Recurrent Energy社の売却理由となった要因(プロジェクトで多額の初期費用が必要、収益の変動が大きい)は、大規模発電所で先攻するFirst Solar社やSunPower社の業績でも、良く伺えるものです。

個人的にはこれまで、シャープがソリューション事業の強化を掲げながら、Recurrent社を売却したことが腑に落ちませんでした。

しかし、自社グループの強みを生かそうとする今回の中期経営計画の内容を見ると、シャープとしてはRecurrent社の売却により、大規模発電所の分野で(先攻する大手他社と)正面から競争することを避ける選択をしたのでは・・・と感じられます。

自社の得意な分野に集中して活路を見出す、という意味では、屋根設置に注力するパナソニックと、実は同じ姿勢なのかもしれません。

今回示されている地域ごとの展開内容が、実際にどれだけ成功するのかは、勿論まだ判りませんが、日本メーカーの雄の一社であるシャープが、市場への強い対応能力を発揮してしたたかに生き残っていくことを、強く願いたいものです。


※参照資料:
[1]平成27年3月期 決算短信(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4q_tanshin.pdf
[2]プレゼンテーション資料(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2015/1/1503_4pre.pdf
[3]特別損失の計上に関するお知らせ(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2015/150514-7.pdf
[4]2015〜2017年度中期経営計画(同上)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/event/policy_meeting/pdf/shar150514_1_nt.pdf
[5]シャープの突き放しにかかるパナソニック、まずは太陽電池に新規投資(産経関西)
http://www.sankei.com/west/news/150519/wst1505190012-n1.html

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2015年04月25日

シャープが「BLACKSOLAR」の新機種を発表、パッシベーション膜の改良でモジュール変換効率を0.9ポイント向上

シャープ2015年4月21日に、住宅用単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」の新機種を発表していました[1]。

機種は

  • NQ-220AE<標準>
  • NQ-155AE<コンパクト>
  • NQ-101LE<コーナー>
  • NQ-101RE<コーナー>
の4種で、主な特徴は下記の通り。


変換効率を0.9ポイント向上

セル受光面・裏面のパッシベーション膜に、下記の新技術を採用した。

  • 受光面窒化シリコン膜(+に帯電して正孔を押し戻し、発電ロスを従来機種より90%低減)
  • 裏面酸化アルミ膜(−に帯電して電子を押し戻し、発電ロスを同75%低減)

これらにより、キャリア(電子・正孔)の再結合を従来よりも抑制。

標準機種(NQ-220AE)ではモジュール変換効率19.1(従来機種より0.9ポイント増)を実現した。


多様な屋根に対応

  • ルーフィット設計(コンパクト機種・コーナー機種も用意)
  • ワイドレンジパワコン(入力運転電圧の範囲が広い)との組み合わせ

により、多様なサイズ・形状の屋根で、発電容量を最大化できる。


厳しい独自試験に合格

  • 自然環境下より厳しい条件(高温・高湿)での「加速劣化試験」
  • IEC規格より厳しい「繰り返し風圧試験」「滑雪試験」

など独自の品質評価試験を行い、「Quality Test Standard of SHARP」に適合している。


シャープの太陽電池事業については、一時は堺工場売却の噂が出、それが否定された後も「社内では完全なお荷物事業」という報道[2]があるだけに、今回の新製品にはシャープの意地が表れているとも感じられます。

特にモジュール変換効率を1%弱アップしたのは、年間発電電力量の明確な増加という点で、ユーザーにとって非常に大きな魅力となるのではないでしょうか。

もっとも、フラッグシップモデルであるはずのこの「BLACKSOLAR」についても、海外調達が検討されている[3]とのこと。

もしそれが実現されれば、(技術力・製品開発力は別として)海外メーカーの製造技術が、日本のトップメーカーと同水準であることの証明になってしまう気もしますが、価格競争力を確保するためにはそれも止む無し、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]住宅用 単結晶太陽電池モジュール「BLACKSOLAR」4機種を発売(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150421-a.html
[2]苦境のシャープ、なぜ太陽電池を続けるのか(東洋経済)
http://toyokeizai.net/articles/-/65722
[3]シャープ、太陽電池事業で海外からのODM調達を検討−住宅向け製品にも拡大(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320150422bjaj.html

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