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2018年10月23日

NPC社が2017/9-2018/8の業績を発表、海外では新興国での太陽電池設置が活発化、日本では設備メンテナンスやパネル廃棄処理への意識が上昇

NPC社が2018年10月9日に、

  • 20188月期通期2017/9-2018/8)の業績
を発表していました[1]。

その中から、太陽電池業界の状況に関する情報をまとめてみました。


<市場の状況>

海外
  • 太陽光発電システムのコスト低下
  • 環境意識の向上
等により、従来の主要市場(米・中・印)の他、
  • 南米
  • 中東
  • アフリカ
等の新興国でも、プロジェクトの入札を経て、太陽電池パネルの設置が開始されている。
また、「ESG投資」を意識した民間企業の自家消費向け需要も拡大している。
(※ESG投資とは、
  • 環境(environment)
  • 社会(social)
  • 企業統治(governance)
に配慮している企業を、重視・選別して行う投資[3])
日本国内 年間の太陽電池設置量は、縮小傾向にある。
ただしメガソーラーの建設は、各地で引き続き進んでいる。
また、各種政策の影響もあり、
  • 太陽光発電システムのメンテナンス
  • 適切な廃棄処理
に対する意識は、高まってきている。

<NPC社の事業における状況>

「装置関連事業」 太陽電池製造装置において、米国の主要顧客向け大型ラインや自動化・省力化装置が、順調に計上された。
「環境関連事業」 自社のサービスに対して市場ニーズが高まってきており、
  • 大規模発電所の検査サービス
  • 太陽電池パネルのリユース
が好調だった。


ここ2年ほどの国内モジュールメーカーの業績発表においては、太陽電池事業の苦境を反映してか、同事業や市場に関する言及が極めて乏しくなっています。

そのため、日本の製造装置メーカーであるNPC社の今回の業績発表([2]も含めて)は、貴重な情報だと感じます。


新興国での太陽光発電プロジェクトについては、今年(2018年)に入ってから、海外の大手モジュールメーカー(JA、TrinaJinko)だけでなく、日本のシャープ社からも、相次いで発表されていました。

今回のNPC社の記述では、コスト低下・環境意識の向上・ESG投資への対策という、太陽光発電プロジェクト活発化の背景が伺えます。


また製造装置の供給においては、技術革新を続ける米First Solar社と15年以上に渡る信頼関係がある([2]の8枚目)とのことで、この点はNPC社の強みの一つと思われます。


いっぽう日本国内については、メガソーラー建設がまだ盛んというのが意外でした。

もっとも、非住宅「発電事業」向けの太陽電池モジュール出荷量は大きく減少しており、また「非住宅」の新規認定分も伸びていない(むしろ減少している)[4]ことから、メガソーラー建設も(残念ながら)遠くないうちに落ち着いてしまうものと予想します。

しかしその一方で、発電設備のメンテナンスや、太陽電池モジュールの廃棄・再利用という、新しい需要が生まれていることは、非常に興味深いです。


※参照・参考資料:
[1]2018年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(NPC社、2018/10/9)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/62550/5270227a/c811/4ab2/befc/10a49085bb07/140120180927411116.pdf
[2]2018年8月期 決算説明会資料(同上、2018/10/11)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/62550/468af729/9034/4142/a7e8/ce761ae9fc14/140120181011416291.pdf
[3]ESG投資(コトバンク)
https://kotobank.jp/word/ESG%E6%8A%95%E8%B3%87-1611233
[4]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfoSummary

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2015年05月01日

Applied Materials社がセル配線用の新製品「Applied Tempo」を発表、「Fine Line Double Print」と高スループットでセル製造コストを低減

Applied Materials社が2015年4月23日に、太陽電池セル用メタライゼーション配線形成)装置の新製品「Applied Tempo」を発表したとのことです[1]。

概要は下記の通り。

  • 特徴
    下記のメリットにより、Wあたりのコストを業界最小に抑えることができる。
    • Fine Line Double PrintFLDP)」技術:
      自社の精密材料技術を生かして、セルの導線(フィンガー)の高さを増し、幅は縮小。
      これにより、
      セル変換効率のアップ(0.2%向上)
      銀ペーストの使用量削減
      ・金属線の破断の抑止(歩留まりの向上につながる)
      との効果がもたらされる。
    • 高いスループット
      高度な搬送技術と高速制御により、配線の印刷プロセスと品質を維持しつつ、ウエハー3200枚/時以上のスループットを実現した。
  • 導入実績
    現在既に、太陽電池メーカー数社に導入され稼働している。
    その1社はJA Solarで、同社ではセル生産量を7万5000枚/日以上までアップした。

JA Solar社でのセル生産能力を7万5000枚/日とすると、単純計算で1年(365日)休み無しだと2737万5000枚。

いっぽう、2011年8月発表の「Applied Baccini Pegaso」では、セル生産能力は年間2000万枚以上であり、今回の「Applied Tempo」では30%以上アップしたことになります。

もっともこれは、あくまで単純化した比較ですが、それでもこの4年間のうちに、セル製造装置の性能が劇的に向上していることは、強く感じられます。

またこのような数字を見ると、いずれも新興企業であるはずの中国大手メーカーが、市場での厳しい競争の中で、しっかりコストダウンを進めて競争力を確保していることも、合点が行く思いがします。

またJA Solar社については現在、販売製品のうち、収益性の高いモジュールの比率を高める方針を採っており、今回の発表の中で企業名が記されているのは、用いている製造技術の一端を明確に示すことで、自社製モジュールの性能や信頼性をPRする狙いも、あるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]アプライド マテリアルズ セル変換効率を高める 新しい太陽電池メタライゼーション装置を発表(Applied Materials社)
http://www.appliedmaterials.com/ja/company/news/press-releases/2015/04/%E3%82%A2%E3%83%97%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%89-%E3%83%9E%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%BA-%E3%82%BB%E3%83%AB%E5%A4%89%E6%8F%9B%E5%8A%B9%E7%8E%87%E3%82%92%E9%AB%98%E3%82%81%E3%82%8B-%E6%96%B0%E3%81%97%E3%81%84%E5%A4%AA%E9%99%BD%E9%9B%BB%E6%B1%A0%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%82%BC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%A3%85%E7%BD%AE%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A1%A8
[2]Applied Tempo Metallization System(同上)
http://www.appliedmaterials.com/products/tempo
[3]配線の重ね塗りで太陽電池セルの変換効率を向上、米AMAT(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150428/416501/
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2015年03月25日

フェローテックの2014年4−12月の「太陽電池関連事業」は、売上高5割増も営業赤字は拡大、多結晶パネルの価格下落や米・中・台の貿易摩擦が影響

1ヶ月以上前になりますが、フェローテック社が2月12日に、2015年度3Q累計期間(2014年4月〜12月)の業績を発表していました[1]。

その中で「太陽電池関連事業」(シリコン結晶製造装置、シリコン製品、石英坩堝、角槽など)の状況は下記の通り。

  • 売上高:約140億円(前年同期比54.5%増)
  • 営業利益:約8億5000万円の赤字(前年同期は約4億円の赤字)
  • 背景:
    • 多結晶型太陽電池パネルの価格下落
      日米で設置量が旺盛な一方、価格競争も続き、販売価格は下落したままで推移。
      これにより、フェローテック社のシリコン製品も厳しい販売価格で推移した。(※売上は前年比増)
    • 貿易摩擦による生産調整
      米・中・台湾間で、太陽電池パネルの貿易摩擦が続いており、一部企業が生産調整を実施。
      これにより、フェローテック社の消耗品製品(石英坩堝・角槽)も、軟調な売上高となった。
    • シリコン結晶製造装置は、メンテナンス部品などの売上高となった。

「太陽電池関連事業」全体の売上高は大きく伸びており、一時期の低迷から製品需要が劇的に回復していることが伺えますが、その一方で赤字は膨らんでおり、シリコン製造関連においても(パネルと同様に)製品価格の下落が相当急激に進んでいることが推測されます。

また「シリコン結晶製造装置」の売上高については、装置本体ではなく「メンテナンス部品」にしか言及されておらず、製造装置需要の本格回復とは言えない(導入済みの装置で十分事足りている)状況と思われます。

もう一つ意外だったのは、世界的に太陽電池パネル需要が旺盛であるはずの中で、生産調整を行ったメーカーがあるという点です。

(当ブログでチェックしている範囲では)大手パネルメーカーの業績発表の中で、生産調整についての記載はありませんでしたが、それ以外のメーカーで例えば、米商務省による調査結果において、ダンピング幅が100%超と判断されたメーカーが大きな打撃(出荷量減など)を受け、減産に踏み切っていることは考えられます。

加えて現在は円安の進行により、一部の中国パネルメーカーが日本の顧客から「20%の値下げ」を要求されているとの報道[2]もあり、部材製造の関連企業についても、(パネルが大幅な供給過多だった一時期よりはマシとはいえ)すんなりと業績回復とは行かないのかもしれません。


※参照資料:
[1]平成27年3月期 第3四半期決算短信(フェローテック社)
http://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2015/20150212172301.pdf
[2]「円安」で悲鳴!・・・中国の「太陽光発電」関連企業=中国メディア(サーチナ)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2015&d=0311&f=business_0311_008.shtml

※関連記事:
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2014年02月26日

NPCが「高速シングルヘッドセル自動配線装置」の新機種を発表、処理スピードは従来装置の2倍

エヌ・ピー・シー社が2014年2月25日に、太陽電池製造向けの「高速シングルヘッドセル自動配線装置」の新機種「NTS-150-S-H-3K-R」を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

開発の背景

  • 世界の太陽電池市場では需給バランスの安定化が見え始めており、NPCの顧客(太陽電池メーカー)においても、今後の積極的な設備投資が予想される。(特にアジア圏)
  • 現在は、太陽電池の長期信頼性に対する関心が高まっている。
    このため、セルの配線工程の機械化・自動化が、太陽電池の品質保持の上で非常に重要なポイントとなっている。
  • 「高速シングルヘッドセル自動配線装置」は、太陽電池セル間を接続する配線装置の高速モデルである。
    具体的には、スプールから引き出したリボンを加工し、適切な長さに切断。
    その後、セルの表裏にリボンを配置して加熱し、ハンダ付けにより溶着する。

主な特徴

  • 処理スピードを向上
    ・リボン供給部の増設(左右2基を搭載)
    ・溶着工程の分割(ホットエアによる仮付け、赤外線ランプによる本付け)
    により、処理スピードはセル1枚あたり3を実現。
    同社の既存機種と比べて、処理能力は2倍にアップしている。
  • 省スペース・低コスト
    装置のサイズは従来装置と大きく変わらない。
    また、既設の標準装置の高速化にも対応できるため、
    ・省スペース化
    ・ランニングコストの低減、投資金額の抑制
    が見込める。

受注見込み

  • 2014年:25件(従来装置の改造含む)
  • 2015年以降:年間30件以上(同上)

NPC社は近年、太陽電池製造装置の需要低迷を受けて、リストラ等を行っていましたが、ここに来て新製品の発表ということで、現在は需要状況が改善する可能性が高まっていることが伺えます。

製造品質という面では、例えば書籍「太陽光発電の不具合事例ファイル」では、セルとインターコネクタ間のハンダ付け部分で不良(発熱)が起こっているケースが非常に多く紹介されていますが、製造工程においてその部分で品質の保持・均一化を進めることは、発電設備の性能の長期維持という点でも、大きな効果をもたらしうるものと想像します。

また処理スピードの大幅向上と、既存装置への適用も可能ということで、太陽電池パネルの製造コスト低減に寄与することも、期待できるのではないでしょうか。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池製造装置の新製品リリースに関するお知らせ(エヌ・ピー・シー)
http://contents.xj-storage.jp/xcontents/62550/dfe5b09f/8406/4216/8dac/274b6d6a6bdc/20140225115123080s.pdf
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2014年02月01日

東京エレクトロンが、薄膜シリコン太陽電池製造装置の製造開発・販売の停止を決定

東京エレクトロン2014年1月30日に、

  • 薄膜シリコン太陽電池製造装置事業からの撤退を決定した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 背景
    東京エレクトロンは2009年に、スイス「Oerlikon Solar」社のアジア・オセアニア地域の販売代理店になり、薄膜シリコン太陽電池パネル用一貫製造ラインの販売・マーケティングを開始した。
    そして2012年には同社を買収し、同製造装置市場に本格参入。
    しかしその後は、生産設備の供給過剰状態により、厳しい事業環境が続いていた。
    これまで
    ・変換効率向上に向けた開発強化
    ・コストダウン
    に取り組んできたものの、市場環境の回復が不透明であり、今後の投資回収が見込めないことから、事業からの撤退を決定した。
  • 対象事業の拠点:
    ・スイスの現地法人「TEL Solar AG」
    ・茨城県の「テクノロジーセンターつくば」
  • 方針
    サポートは継続
     製造装置の製造開発・販売活動は停止。
     納入済みの装置のサポートのみを行う体制に縮小する。
     (※納入済みの装置は、事業停止日以降も自社グループでサポートを継続する)
    雇用
     該当事業の人員は、自社グループ内での再配置を検討する。
     ただしスイス現地法人については、事業規模縮小に応じた人員削減を検討する予定。
  • スケジュール
    ・事業停止日:2014年3月末の予定。

「テクノロジーセンターつくば」の竣工Oerlikon Solarの買収完了から2年経たずしての事業撤退は残念ですが、現在の太陽電池製造装置市場の環境の厳しさも強く感じられます。

PV製造装置事業の売上高は

  • 2013年3月期:8300万円(全売上高の約0.017%)
  • 2014年3月期第3四半期累計:44億8500万円(同約1.14%)

と今年度に入って上向いていますが、これまで当ブログでチェックしてきた限りでも、東京エレクトロンでのFPD・太陽電池製造装置の受注実績は変動が非常に激しく、特に(各国政府の支援策に大きく影響される)太陽電池については、今後の見通しが立たないのも無理のないことだと感じます。

ただ、例えばかつて提携していたシャープタイのメガソーラーに薄膜パネル約40万枚を供給予定であり、日照が豊富な新興国で薄膜シリコン型パネルの需要が今後急増すれば、製造装置の需要もまた大きく上向く可能性があるのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]太陽光パネル製造装置事業からの撤退に関するお知らせ(東京エレクトロン)
http://www.tel.co.jp/news/2014/0130_002.htm
[2]平成26年3月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(同上)
http://www.tel.co.jp/ir/library/report/2014/document/fy51q3tanshin-j.pdf

※関連記事:
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2013年12月19日

東京エレクトロンが2013年度通期の純利益予想を220億円の赤字に下方修正、薄膜パネル製造装置事業で328億円の特別損失

東京エレクトロンが12月18日に、2013年度通期(2013年4月-2014年3月)の連結業績予想下方修正したことを、発表していました。

まず、予想数字と前回予想(10月23日時点)からの増減は下記の通り。

  • 売上高:6050億円(前回予想と同じ)
  • 営業利益:300億円の黒字(同上)
  • 経常利益:330億円の黒字(同上)
  • 純利益:220億円の赤字(前回予想は230億円の黒字)

そして太陽電池製造装置事業について、下記の状況が記述されています。

  • 特別損失の計上
    薄膜シリコン太陽電池パネルの一貫製造ラインを手掛ける「TEL Solar Holding AG」とその連結子会社(2012年11月26日に買収)の、のれんと固定資産にかかる未償却残高について、減損損失328億円を特別損失に計上する見込み。
    これは、
    ・PVE事業の事業計画
    ・同事業が生みだす将来キャッシュフロー
    を見直した結果である。
  • 製造装置事業の現状
    太陽電池パネルは価格に改善傾向がある一方で、生産設備は世界的な供給過剰が続いており、新規投資の回復には至っていない。

昨年のTEL Solar(旧Oerlikon Solar)の買収時には、特にサンベルト地域における薄膜シリコン型パネルの優位が見込まれていましたが、2012年Q3-2013年Q2の米国市場のモジュールシェアでは、上位6社(First Solar、SunPower、Yingli、Trina、Canadian、Suntech)で約6割を占めており[2]、薄膜シリコン型が入る余地は予想以上に限られていた、ということかもしれません。

(発電環境の面で)適地が多く、かつ成長市場である米国でシェア拡大が見込めないとなると、薄膜シリコン型(そしてその製造装置)の需要も当面は厳しいのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]連結通期業績予想の修正および特別損失の計上に関するお知らせ(東京エレクトロン)
http://www.tel.co.jp/news/2013/1218_003.htm
[2]2013年第2四半期の米国PV新規設置は976MW、カリフォルニア州は過去最高(Solarbuzz)
http://www.solarbuzz.com/jp/news/recent-findings/california-sets-quarterly-record-solar-pv-q213-us-adds-976-mw-according-npd-so

※関連記事:
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2013年11月29日

フェローテックの2013年4-9月期は、シリコン製造装置の売上が前年同期比96%減、一方シリコン製品は22%増

フェローテック社が11月27日に、20134-9月期の連結決算を発表していました[1][2]。

まず全体の数字は下記の通り。

  • 売上高:約202億円(前年同期比0.9%増)
  • 営業利益:約1億5900万円の黒字(前年同期は約21億5000万円の赤字)

そして、太陽電池関連事業の業績・状況は下記の通り。

業績

  • 売上高56億8000万円(前年同期比19.1
    製品別では、
    シリコン結晶製造装置5800万円(同96.4
    石英坩堝18億7700万円(同10.9%増)
    太陽電池用シリコン(インゴット、ウエハー):31億2200万円(同22.1%増)
    セル・その他6億2300万円(同45.4
  • 営業利益1億1100万円の赤字(前年同期は23億9300万円の赤字)

状況

  • 中国・日本・米国でのパネル設置量増加や、中国・台湾パネルメーカーの再編が進んだことにより、市場環境は落着きを取り戻しつつある。
    しかし、製造装置の新規需要は無い
    また消耗品(石英坩堝、角槽)は、需要回復の兆しはあるものの、全体として売上高は低調だった。
    一方シリコン製品は、OEM特化したことで、国内や台湾ユーザーからの引き合いが増加しており、受注に結びつきつつある。
  • 石英坩堝
    ・太陽電池向け需要は落ち着いているが、値下げ圧力は依然として強い。
     2013年度上期は、後半から価格が底打ち・数量が増加傾向になった。
    ・多結晶用角槽は、台湾顧客向けが順調に増加している。
  • 太陽電池用シリコン製品
    ・OEMに特化した結果、需要は比較的堅調で、引合も増加した。
    ・欧州の成長は止まった一方、日本・中国・米国は旺盛。
    ・高性能・低価格製品に対する要求が高まっている。
    ・価格は横ばいで推移。
     国内向けは、競争激化により軟調。

太陽電池関連は売上高は減っているものの、営業損益は大幅に改善しており、昨年同期(顧客の業績不振などが問題となっていた)と比べると、市場環境は回復傾向にあることが伺えます。

ただし、シリコン製造装置の売上は100%に近い減少であり、顧客のシリコン製造メーカーでは依然深刻な状況が続いていることも想像されます。

その一方で、自社が製造するシリコン製品が堅調というのは非常に意外ですが、それだけフェローテックの製品が顧客の要求(高品質かつ低価格)に対応できている、ということかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]平成26年3月期 第2四半期決算短信(フェローテック)
http://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2013/20131112153001.pdf
[2]2014年3月期 第2四半期決算説明会資料(同上)
http://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2013/20131127150001.pdf

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2013年10月03日

Applied Materialsが結晶シリコン型セル生産用の次世代「Solion XP Ion Implant System」を発表、n型セル生産にも対応

Applied Materials社が2013年9月30日に、結晶シリコン型セル生産用の次世代システム「Solion XP Ion Implant System」を発表していました[1][2]。

システムの主な特徴は下記の通り。

  • 収率と生産コストの改善
    in-situ patterned dopingにより、収率低減につながる幾つかの生産工程を排除。
    収率アップと生産コスト低減を実現する。
    (※動画[2]では「ウエハーあたりのコスト50%減」との表記がある)
  • 高い処理能力
    精密なスキャニングアーキテクチャとスケーラブルな設計により、1時間あたり3,000枚以上のウエハーを処理できる。
  • 高い拡張性
    2次元の精密パターニング能力により、現在業界で進んでいるn型セルへの移行にも対応できる。
    ※n型セルでは、
     ・現在主流のp型セルより長寿命
     ・セル変換効率20%以上
     との長所が見込まれている。
     他方で大量生産においては、生産工程の排除・プロセスのシンプル化のために
     ・精密なパターニング
     ・ホウ素の高品質なドーピング
     等の高度な技術力が要求される。
  • 生産の安定性
    上記機能と
    ・閉ループ制御
    ・複数パスの垂直走査アーキテクチャ
    により、ウエハー間でのビニングや収率の再現性を可能にする。

同社の製品は既に、多くの太陽電池生産者に採用されているとのことなので、その点では今回の新システムも導入がしやすく、結晶シリコン型太陽電池モジュールの更なる価格ダウンにつながる可能性が高そうです。

更に、ドーピングのパターンが複雑なn型セルの生産にも対応できるとのことで、モジュール製品の今後の継続的な性能アップにも、大きな寄与が期待できるのではないでしょうか。

薄膜型向けシステム(SunFab)から撤退し、事業を絞ったアプライド社が、結晶シリコン型向けにおいて、着実に技術を進歩させていることが伺える気がします。


※参照・参考サイト:
[1]Applied Materials’ Next-Generation Solion XP Ion Implant System Enables Higher Efficiency Solar Products with Improved Overall Yield(Applied Materials社)
http://www.appliedmaterials.com/newsroom/news/applied-materials-next-generation-solion-xp-ion-implant-system
[2]Applied Solion XP Ion Implanter(同上)
http://www.appliedmaterials.com/technologies/library/applied-solion-xp-ion-implanter

※関連記事:
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2013年05月22日

フェローテックの2013年3月期の太陽電池関連事業は、売上高約123億円(前期比54.9%減)・営業損失約39億円

フェローテック社が5月20日に、20133月期決算を発表していました。

発表資料[1]によると、まず全体の業績は下記の通り。

  • 売上高:約384億円(前期比36.1
  • 営業利益:約36億円の赤字(前期は約41億円の黒字)
  • 経常利益:約35億円の赤字(同約33億円の黒字)
  • 純利益:約65億円の赤字(同約17億円の黒字)

そして太陽電池関連事業の状況は下記の通り。

  • 売上高:約123億円(前期比54.9
  • 営業利益:約39億円の赤字(前期は約8億円の黒字)
  • 背景
    太陽電池の導入量は、欧州市場に代わり中国・日本・米国市場で伸びたものの、全世界では前年度並み。
    またパネル価格下落により、欧州・中国メーカーが赤字に転落し、市場環境は非常に厳しかった。
    このため顧客の設備投資ほぼ凍結状態となり、フェローテックではシリコン結晶製造装置などの販売を停止。
    更にユーザーの生産調整に伴い、消耗品(石英坩堝、角槽)の売上も低調だった。

太陽電池関連事業は大幅な減収減益ですが、結局2012年度内は需要改善の兆しは無かった、ということでしょうか。

パネルの在庫過剰が解消されない限り、製造装置や消耗品の販売も回復しないと思われますが、2013年度内に状況が改善に転ずるのか、市場全体の動向を含めて注目していきたいところです。


※参照・参考サイト:
[1]平成25年3月期 決算短信(フェローテック)
http://www.ferrotec.co.jp/pdf/press/2013/20130520153003.pdf

※関連記事:
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2012年12月02日

東京エレクトロンとシャープが合弁契約を解消、当初予定通りで一定の成果が得られたとのこと

東京エレクトロン」社が2012年11月30日に、

・シャープとの合弁契約を解消し、合弁会社「東京エレクトロンPV」を解散した。

と発表していました。

(ニュース記事)
・東京エレクトロン、シャープとの合弁会社「東京エレクトロンPV株式会社」を解散(日経プレスリリース)
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=325290&lindID=4
・東エレク、シャープとの太陽電池製造装置合弁契約を解消(ロイター)
 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE8AT04X20121130
・東エレク:シャープと共同出資の太陽電池装置の開発会社解散(ブルームバーグ)
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MEAFN86JIJUS01.html
・太陽電池の製造装置を開発する合弁会社を解散、シャープと東京エレクトロン(Tech-On!)
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20121130/253872/
・東京エレクトロン、シャープとの共同出資会社を解散 当初予定通りと説明(サンケイビズ)
 http://www.sankeibiz.jp/business/news/121130/bsc1211301858013-n1.htm
・シャープと共同出資の太陽電池関連会社解散 東京エレクトロン(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD300BK_Q2A131C1TJ1000/

上記URL先ページによると、今回の措置の概要は下記の通り。

・背景・目的:
 東京エレクトロンとシャープは、太陽電池分野での相乗効果創出を狙いとして、2008年2月に「東京エレクトロンPV」を設立。
 同社では、薄膜シリコン太陽電池用プラズマCVD装置の開発に取り組み、
 ・量産ライン向けCVD装置の完成
 等、両社にとり一定の成果が得られた。
 同プロジェクトの実施期間は当初から5年間と設定されており、今回は協業関係を発展的に見直し、合弁会社の解散を決定した。

・解散の日程:
 ・合弁契約解消合意書締結:2012年11月30日
 ・解散日:同上
 ・清算結了日:2013年2月末の予定

・その他:
 共同開発したCVD装置の生産は、中止される見通し。
 (製品はシャープ・堺工場の量産ラインに納入されていた)


5年きっかりであれば共同事業の期限は2013年2月のはずだと思いますが、勘ぐった見方をすると、やはりシャープの太陽電池事業の業績悪化が背景にあり、同事業の建て直しの一貫として早めの合弁事業解消となった・・・ということなんでしょうか。

シャープは結晶シリコン型に注力する姿勢を見せている一方、東京エレクトロンはスイスのOerlikon Solarを買収して薄膜型の製造装置事業の強化を図っており、方針が大きく分かれていると感じられ、その点でも今回の合弁解消は自然なことだったのかも、と考えます。


※関連記事:
国内の太陽電池関連企業の動向がまとめられた記事(2009/02/22)
東京エレクトロンがOerlikon Solarの買収を完了、同社の社名は「TEL Solar AG」に変更(2012/11/29)

シャープが堺市の薄膜太陽電池工場を売却する方針、との報道(2012/08/16)
シャープは、国内住宅向け太陽電池(ブラックソーラー等)の国内生産を続ける方針とのこと(2012/08/28)
シャープが国内の住宅用太陽光発電システム販売(現在は累計52万棟)で、今後3年で累計100万棟の達成を目指す(2012/09/30)
シャープの2012年4-9月期の太陽電池部門は販売量542MW(前年同期比6.1%減)・売上高931億円(15.8%減)・営業損失は123億1,900万円、今後は事業の絞込みを進める方針(2012/11/04)
posted by 管理人 at 02:01 | Comment(0) | 製造装置