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2017年04月10日

積水化学工業が「フィルム型色素増感太陽電池」の事業化予定を発表、電子広告やIoTセンサーの電源に

積水化学工業2017年3月29日に、

  • フィルム型色素増感太陽電池」の事業化予定
を発表していました[1]。

概要は次の通り。


<フィルム型色素増感太陽電池の特徴・メリット>

低照度で発電可能 500ルクス以下で発電できるので、屋内などでも使用できる。
薄く軽量 プラスチックフィルムを基板としており、厚さは1mm以下、重さはガラスの1/10以下。
加工・設置がしやすい 曲がるため、曲面への設置が可能。
また、貼付による取付もできる。

<生産技術・体制>

  • 量産技術の完成
    ロール・ツー・ロール量産技術を完成した。
    電極形成→染色→サブモジュール組立を、室温下で連続して行える。
  • パイロット生産機の導入
    自社の「つくば事業所」に、生産能力2万m2/年のパイロット生産機を導入した。

<今後の予定>

  • 採用機器
    この太陽電池を独立電源に用いる
    • 電子看板・POP(パートナー企業と共同し、昨年12月開催の「エコプロ2016」で参考出展)
    • IoTセンサー(Secual社との共同開発を開始[2])
    を、2017年度に発売する。
  • 売上規模
    2025年度に売上高100億円/年の規模を目指す。

2013年時点の目標(2015年度の市場参入)から2年ほど遅れたとは言え、色素増感型太陽電池がようやく、事業化が目前というところまでまで来たようです。

太陽電池単体での販売には言及されていませんが、今回のフィルム型の特徴からすると、(変換効率の高さが要求される)モジュール製品として販売するよりは、用途・設置場所が明確な小型機器と最初から組み合わせるほうが、販売量の拡大が見込める、ということなのかもしれません。

また色素増感型ということで気になるのは、太陽電池の寿命がどの程度の年数なのか、ということですが、その点でも(機器自体の寿命が短そうな)小型機器との組み合わせは、合理的と思われます。

加えて低コストでの製造も期待できることから、今回の事業化が、太陽電池の新たな世界(思わぬ用途など)を見せてくれることを、強く期待したいところです。


※参照資料:
[1]室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池 事業化へ(積水化学工業)
https://www.sekisui.co.jp/news/2017/1302064_29186.html
[2]積水化学工業株式会社と フィルム型色素増感太陽電池(DSC)を使った次世代センサーの共同開発を開始しました(Secual社)
http://secual-inc.com/sekisui_dsc2017/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2016年09月19日

リコー社が完全固体型色素増感太陽電池の製品化に目処、アモルファスSi型と同等の価格、約1.5倍の発電性能とのこと

日経テクノロジーonlineの記事[1](2016年9月14日付)で、リコー社が開発している「完全固体型色素増感太陽電池」に実用化の目処が立った旨が、報じられていました。

その中から、主な特徴やデータを抜き出してみました。


  • 特徴
    • 液漏れや色素の剥離を解消
      色素増感型太陽電池のキャリア輸送層(従来はヨウ素溶液を使用)を、
      ・p型の有機半導体材料
      ・固体添加剤
      の混合物に置き換えている。
    • アモルファスシリコン型と同程度の価格
      一般的に高価なp型の有機半導体材料について、複合機の有機感光体と類似した構造の材料を採用する等、自社の材料技術・デバイス作製技術を活用。
      これにより、既存のアモルファスシリコン太陽電池と同程度の価格とする目処をつけた。
  • 発電性能
    試作モジュール(1.5〜数cm四方)では、同寸法のアモルファスシリコン型の1.5
  • モジュールのサイズ:需要があれば、30cm角も製造可能。
  • 想定用途
    主に室内光による
    • IoT端末
    • 消費電力が比較的小さい周辺機器
    などへの給電等を想定している。
  • 発売時期
    20174にも、出荷を開始する予定。
    (現在、パターニング前のセル(30cm角)の製造ラインを準備中)

アモルファスSi型と比べての発電性能は、標準的な白色LED(200ルクス)下で2倍以上、とされていた以前(2014年6月)の発表よりも控えめです。

とは言え、それでも同面積の価格が同程度とのことであり、また耐久性についても、以前の発表以降に更に試験を積み重ねていると思われるので、小型機器の電源として魅力は十分に大きいものと考えます。

既に量産の準備が進められているとのことで、これでいよいよ来年春以降に、色素増感型の本格的な製品化・実用化が実現となるのかどうか、期待が高まります。


※参照資料:
[1]リコー、完全固体型色素増感太陽電池を2017年4月に実用化へ(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/091404063/?rt=nocnt

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2014年06月13日

リコーが完全固体型色素増感太陽電池を開発、複合機などの技術を応用して発電能力・安全性・耐久性をアップ

リコー社が2014年6月11日に、

  • 電解質固体のみで構成した色素増感太陽電池を開発した。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。

背景

  • 色素増感太陽電池の構造は
    ・透明導電性基板(有機色素を吸着した酸化チタン粒子で多孔質の膜を形成)
    ・ガラス基板(金属薄膜を形成)
    の間に、ヨウ素系電解液を封入したものが一般的である。
    しかしこの方式では、
    変換効率の低さ
    ・液体電解質の使用による、安全面・耐久面の課題
    との点が、実用化の障壁になっている。

特徴

  • 複合機などの技術を応用
    リコーが蓄積してきた
    有機感光体
    超臨界流体
    の技術を応用。
    太陽電池の構造は、複合機に用いられている有機感光体と類似している。
  • 安全性の向上:
    ホール輸送性材料(有機p型半導体と固体添加剤で構成)を酸化チタン粒子の多孔質膜内部に充填する際、「超臨界流体二酸化炭素」を用いることで、高密度な充填を実現した。
    これにより、液漏れやヨウ素による腐食人的有害性のリスクが無くなった。
  • 発電能力の向上
    ・固体添加剤とデバイス構造の最適化
    ・室内光源波長に適した有機色素の設計
    により、室内光における高い発電性能を実現した。
    標準的な白色LED(200ルクス)による発電能力は13.6μW/cm2で、これは
    ・市場でトップ性能のアモルファスシリコン太陽電池(6.5μW/cm2
    ・最も高性能な電解液型色素増感太陽電池(8.4μW/cm2
    を大きく上回る。
  • 高い耐久性
    85の環境下で2000時間経過しても、発電性能の劣化(色素剥がれ等)は確認されていない。

今後の方針

  • 環境発電(エネルギーハーベスト)向けでの応用を、積極的に目指す。

まだ研究段階とはいえ、色素増感型がこれまで抱えていた課題が一挙に改善されていることに驚きますが、それが異業種(複合機など)の技術で実現されたというのが非常にユニークです。

電解質部分を固体化したことで、高温耐久性だけでなく(外からの力に対する)物理的な強度も増すと推測され、その点でも適用の幅が大きく広がるものと考えます。

今回の発表では、実用化の具体的な目処は全く示されていませんが、早い段階での実用化実現を、強く期待したい技術です。


※参照・参考サイト:
[1]室内光に適した高性能の完全固体型色素増感太陽電池の開発に成功(リコー)
http://www.ricoh.com/ja/release/2014/0611_1.html#.U5mU3kA08xg
[2]完全固体型色素増感太陽電池(同上)
http://www.ricoh.com/ja/technology/tech/066_dssc.html
posted by 管理人 at 00:54 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2013年12月07日

積水化学と産総研が、室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功、RtoR化も可能

積水化学2013年12月5日に、

  • 産総研と共同で、室温プロセスによるフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功した。
と発表していました[1]。

研究の概要は下記の通り。

背景

  • 色素増感太陽電池の半導体層は一般的に、二酸化チタンを含むペーストを基板に塗布したものを、高温(500度程度)で焼成して形成する。
    この温度は、市販の有機フィルムの耐熱性を越えており、これが太陽電池のフィルム化での課題となっている。(低温では性能が大幅に低下する)
  • 産総研ではこれまでに、セラミックス微粒子が常温で固化する「常温衝撃固化現象」を発見しており、それに基づいた室温・高速のコーティング技術「エアロゾルデポジション法(AD法)」の基盤技術を確立。
    この手法は、原料粒子を高速(ほぼ音速)で基板に衝突させ、その物理エネルギーにより粒子を結合させて成膜するもので、フレキシブル・高強度で透過率の高い膜を形成できる。
    積水化学はこの技術に着目し、色素増感太陽電池用のセラミック膜(二酸化チタン多孔質膜)の成膜に関する共同研究を進めてきた。

成果

  • 産総研のAD法技術と、積水化学が持つ微粒子制御技術・多孔膜構造制御技術・フィルム界面制御技術を組み合わせることで、
    ・光電変換層とフィルムの高い密着性
    ・良好な電子輸送性能
    を持つ二酸化チタン多孔膜の成膜を実現した。
    変換効率(基盤サイズは4mm四方)は、自社測定で
    ・ガラス基板:9.2
    ・フィルム基板:8.0
    を確認している。
  • ロール・ツー・ロール(RtoR)化による連続成膜にも成功している。
    高温焼成が不要なため、耐熱性の低い汎用フィルムや粘着テープにも成膜が可能になる見込み。

今後の方針

  • 産総研と共同で、変換効率アップ・生産コスト低減に向けて開発を進める。
  • 量産技術を確立し、
    ・自社製品への適用検討
    ・幅広い事業パートナーの募集
    を進め、2015年の太陽電池市場の参入を目指す。
    内外装建材(窓、壁)、壁面設置などの用途開拓を進める)

色素増感型というと個人的には、デザイン性が高い太陽電池が作れる、というイメージが先行していましたが、今回開発された技術により、シンプルで低コストな製品についても、実用化・商品化の実現可能性が大きく高まったのでは、と考えます。

(ただロールツーロールによる量産化を実現するには、電解質溶液の寿命や密閉性の確保など、他の課題についても技術の向上が必要になると思われますが)

用途については、積水化学は住宅事業を手がけているので、量産化の実現後は、特に住宅向けの展開(建材一体型など)が早く進み、屋根設置以外の太陽光発電の導入方法確立につながることを、期待したいものです。


※参照・参考サイト:
[1]世界初!室温プロセスでフィルム型色素増感太陽電池の試作に成功(積水化学)
http://www.sekisui.co.jp/news/2013/1239078_2281.html
posted by 管理人 at 19:15 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2013年11月01日

九州工業大学とウシオ電機が円筒型の色素増感太陽電池セルを開発、完全封止を実現

JSTが2013年10月31日に、

  • 九州工業大学ウシオ電機が、色素増感太陽電池において、完全封止できる円筒型セルを実現した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 背景
    ・色素増感太陽電池の作成において、最も難しく高コストなプロセスは、封止である。
     従来の方法(樹脂を使用)では、外部からの酸素・水分の浸入を完全に防止することが困難だった。
    ・ウシオ電機はランプをはじめとして、円筒型ガラスの封止に優れた技術を持っている。
    ・九州工業大学は色素増感型において、高価な透明導電膜基板の代わりとして、フレキシブルな金属浮遊電極を開発。
     これにより、多様な形状(円筒型含む)の太陽電池が作成可能になった。
  • 円筒型セルの特長
    九州工業大学とウシオ電機の技術を組み合わせている。
    様々な方向からの光で発電できる。(総発電量が多くなる)
    ・水平・垂直設置が可能。
    ・ランプが並んだようなモジュールにすることで、風圧の回避・安定設置が見込まれる。
    ランプと同様に設置でき、メンテナンスが容易になる。
    光の透過と太陽光発電を両立できる。
  • 今後の方針
    ・集約農業向け(土地単価が高く、設置面積が制限される)
    ・植物育成向け(透過と発電を両立)
    といった、従来の平面型太陽電池が適用困難な用途への展開を目指す。

円筒型の太陽電池というと、2年前に経営破綻した米Solyndra社(※こちらは薄膜シリコン型)以来、手がけているメーカーは見当たらないので、今回の発表は非常に新鮮に感じました。

セルの外観・形状も、通常イメージされる太陽電池とはかなり離れたものであり、実用化できれば新しい用途の開拓が十分に期待できるのでは、と考えます。

また光の透過も可能とのことで、デザイン面でも、太陽電池により広がりをもたらす可能性があるのではないでしょうか。


※参照・参考サイト:
[1]完全封止できる円筒型色素増感太陽電地を開発(JST)
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20131031-2/
posted by 管理人 at 07:18 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2013年09月13日

滋賀県近江八幡市で、色素増感太陽電池を搭載した「自発光看板」の実証試験が開始

の「自発光看板」のフィールドモニター試験を開始したとのことです[1][2]。

取り組みの概要は下記の通り。

看板

  • 機能
    日照のある昼間に、太陽光発電により蓄電。
    夜間には蓄電電力により、看板部分を発行させる。
  • 稼動時間:蓄電が十分な場合は、1日の発電・蓄電で10日分の発光が可能。
  • 大きさ:高さ1.6m
  • 製作
    太陽電池は
    ・アイシン精機
    ・トヨタ中央研究所
    が共同開発した太陽電池を用い、アスクネイチャー・ジャパンが製作した。

実証試験

  • 目的:耐久性・実用性・商品性を検証する。
  • 設置場所市役所近江八幡商工会議所2ヶ所(計2基)。
  • 期間2013年9月11日〜2014年3月末まで

アスクネイチャー・ジャパンのサイト[2]では、設備の詳しい写真が掲載されており、昼間・夜間の双方とも、デザイン的に大きな魅力(美しさ)を持っていると感じました。

変換効率は結晶シリコン型に劣るとはいえ、このような設備・機器を実現できるのであれば、色素増感型の実用性は高く、大幅な普及が十分に期待できるのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]自発光看板:色素増感太陽電池搭載、近江八幡市役所などに2基 アスクネイチャー、実用化へ試験的に設置 /滋賀(毎日新聞)
http://mainichi.jp/area/shiga/news/20130912ddlk25040502000c.html
[2]【開催報告】光合成に学ぶ「色素増感太陽電池」フィールドモニター試験(アスクネイチャー・ジャパン)
http://www.asknature.jp/project/1950
posted by 管理人 at 00:34 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2013年07月10日

ニチバンが色素増感型太陽電池向けの封止剤「Nichiban UM」を開発、UV硬化型で液状

ニチバン」社が2013年7月5日に、

  • 島根県産業技術センター」との共同で、色素増感型太陽電池向けのUV硬化型アクリル系封止剤Nichiban UM」を開発した。
と発表していました。

主な特徴は下記の通り。

  • 紫外線で硬化
    波長200〜420nmの紫外光〜可視光を照射することで、短時間で硬化可能。
    このため、加熱溶融が必要なホットメルト型より、太陽電池材料(色素)へのダメージを抑えることができる。
  • 太陽電池の長寿命化に寄与
    液状UV硬化型アクリル樹脂は、透湿度が低く耐電解液性に優れる。
    これにより、太陽電池の色素の変化を防ぐことができる。
    (高温耐久性試験では、95%以上の性能保持率(1,000時間)を確認)
  • 多様な塗布に対応可能
    液状のため、
    ・スクリーン印刷
    ・ディスペンサー塗布
    の両方に対応可能。
    また、様々な形状に塗布できる。

また開発においては、ニチバンが試作した封止剤に対し、島根県産業技術センターが多様な条件での評価解析を行うことで、信頼性の向上が進んだとのことです。


セロテープや絆創膏・テーピング用テープ等で有名なニチバンが、太陽電池向け素材の開発を手がけているのはかなり意外でしたが、それだけ(企業側にとって)太陽電池分野の重要性・将来性が高まっている、ということも伺えます。

硬化時に重要材料への負担が少なく、かつ耐久性・塗布の適応性の面でも優れるとなれば、寿命の確保が課題である色素増感型太陽電池の実用化、また製品のバリエーション(用途)の拡大にも大きく寄与できると思われるので、正式な製品販売の開始を待ちたいところです。


※参照・参考サイト:
[1]色素増感型太陽電池用UV硬化型アクリル系封止剤を島根県産業技術センターと共同開発
http://www.nichiban.co.jp/news/13-07/01.html
posted by 管理人 at 12:01 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2012年10月01日

日本ケミコンが白金を使用しない透明ポリマー電極を開発、色素増感太陽電池では変換効率が白金電極より最大約5%アップ

日本ケミコン」社が2012年9月25日に、

色素増感太陽電池などへの適用が可能な、白金を使用しない透明ポリマー電極を開発した。

と発表していました。

(ニュース記事)
・日本ケミコン、色素増感太陽電池の電極に使える透明ポリマー電極を開発(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201210010011.html

(日本ケミコンの発表資料)
・透明ポリマー電極の開発に成功 白金フリーの色素増感太陽電池など幅広い用途へ
 http://www.chemi-con.co.jp/company/pdf/20120925-7.pdf

上記URL先ページによると、今回の技術の概要は

・製造法:
 独自の導電性高分子技術により、「PEDOT(ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン)」を透明フィルム化している。

・主な特徴:
 ・透明電極としての性能
  ・高い平滑性・透明性(可視光透過率80%以上)
  ・低い表面抵抗8Ω/□)
  ・高い耐熱性(〜160度)
  とのメリットを持つ。
 ・耐腐食性
  「PSS(ポリスチレンスルホン酸)」を用いていないため、中性で耐腐食性に優れる。
  (従来の透明ポリマー電極では、ドーパントに強酸性のPSSを使用しており、周辺部材の腐食が懸念されていた
 ・色素増感太陽電池向け電極としての性能:
  非常に優れた触媒活性を持つため、従来の白金電極より変換効率を最大約5%アップできる。
  また耐久性も、白金電極と同等(85度、1,000時間維持)であることを確認している。

・想定用途:
 ・色素増感太陽電池
 ・ディスプレイデバイス(有機EL、タッチパネル等)
 の電極。

・今後の展開:
 現在、一部でサンプル出荷を開始しており、高評価を得ている。
 事業化は、
 ・学会などでの発表
 ・サンプル供給を通じた市場調査
 を続けつつ検討していく。

等となっています。


発表資料に掲載されている写真を見る限りでは、どの部分が電極なのか判別できず、デザイン面での色素増感太陽電池の可能性が感じられます。

加えて、今回の技術では高価な白金を使わないとのことで、太陽電池だけでなくディスプレイ機器の価格ダウンにも寄与できるのでは、と期待が高まります。


※参考サイト:
・[1]ポリチオフェン(ウィキペディア)


※関連記事:
韓国科学技術研究院の研究グループが、電極の改善で、色素増感太陽電池の変換効率を30%アップ(2009/07/17)
産総研が、白金とほぼ同等の変換効率を得られる、色素増感型太陽電池用の対極材料を開発(2010/12/02)
立山科学工業が、白金電極と同等の性能で価格が1/100のカーボン電極を開発、色素増感太陽電池の価格を半減できる見込み(2012/06/04)
posted by 管理人 at 23:01 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2012年09月24日

東大の研究グループが、色素増感太陽電池の電解液の新しい封止方法を開発、LCDの技術「滴下注入(ODF)」を応用

東京大学の研究グループ(内田聡特任教授、瀬川浩司教授ら)が、色素増感太陽電池電解液の新しい封止方法を開発したとのこと。

(ニュース記事)
・東大、色素増感太陽電池の基板張り合わせ技術(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120924eaaj.html

上記URL先ページによると、技術の概要は

・背景:
 色素増感太陽電池は、基板2枚(封止剤で貼り合わせる)の間に電解液を満たす構造となっている。
 この構造の作製においては現在、基板を貼り合わせた後にを開け、電解液を注入する手法が主流となっている。

・手法:
 LCDの作製に用いられている技術「滴下注入(ODF)」を応用。
 一方の基板上に電解液を滴下し、真空環境下で対向基板を貼り合わせる

・メリット:
 従来手法と比べて、
 ・デバイスの信頼性向上
  (気泡が入りにくく、電解液の漏れも防ぎやすい)
 ・単位時間あたりの作製個数の増加
 が見込まれる。

というもの。

現在は、色素増感太陽電池の実用化に取り組んでいる企業への採用提案が行われているとのことです。


薄膜型太陽電池については、製造工程にFPDとの共通点が多い[1]とのことですが(例えばソーラーフロンティアの国富工場は、日立のプラズマディスプレイパネル工場を転用)、色素増感型太陽電池にLCDの製造手法が応用できる、というのはかなり意外でした。
(考えてみれば、どちらも液体を封入している点は似ている)

ディスプレイパネルと太陽電池は、種類を問わず全般的に、技術的な共通点が多い、ということなんでしょうか?

ディスプレイ向けのODFについて解説されているサイト[2][3]を見ると、設備の縮小や時間の短縮に寄与しているとのことなので、今回の太陽電池製造への適用においても、製造コストの低減につながることを期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]半導体と共通点の多い太陽電池のビジネス(Semiconpottal)
 https://www.semiconportal.com/archive/blog/chief-editor/post-17.html
・[2]これが中小型ディスプレイの全貌(Semiconductor Japan Net)
 http://www.semiconductorjapan.net/serial/display/06.html
・[3]ODF(液晶滴下) (武蔵エンジニアリング社)
 http://www.musashi-engineering.co.jp/case/case_015_00004.html


※関連記事:
東大の研究グループが、色素増感太陽電池セル(4mm四方)で変換効率12.5%を達成、弱い光では13.3%(2012/09/08)
posted by 管理人 at 22:28 | Comment(0) | 色素増感太陽電池

2012年09月13日

日本写真印刷がDSC+二次電池+LEDの照明モジュール「アカリエ」を開発、「王将フード」の店舗などで導入

下記URL先ページでは、「日本写真印刷」社における色素増感太陽電池の事業動向が紹介されています。

(ニュース記事)
・日本写真印刷、色素増感太陽電池の用途開発で協業−5社・団体と実証(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201209120007.html
・日本写真印刷、色素増感太陽電池の用途開発で協業−5社・団体と実証(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/dennavi/news/nkx0320120912qtkf.html

具体的には、

・生産体制:
 兵庫県の姫路工場で、量産試作ライン(生産能力5,000枚/月)をほぼ完成させている。

照明モジュールアカリエ」:
 ・構成:
  ・DSCサブモジュール(12cm四方)
  ・二次電池
  ・LED
  を組み合わせている。
 ・性能:
  2時間の太陽光発電で、輝度約10cdを15時間維持できる。
 ・デザイン:
  ガラス表面のデザインは個別対応が可能。
 ・価格:21万
 ・保証期間:2
 ・販売目標:2014年度に1,000個。

・他社・団体との提携:
 下記を含む5社・団体と協業を開始している。
 ・「王将フード」:
  ・神奈川県の新店舗で「アカリエ」6台を採用済み。
  ・京都市の四条大宮店に、壁面発電パネル(DSC数百枚で構成)を設置する予定。
 ・京都市
  2012年10月に開催される景観と照明のイベントで、「アカリエ」100台を使用し、その後も常設される予定。
  (※管理人注:イベントの詳細は未確認)

等となっています。


日本写真印刷のサイトで「アカリエ」に関する情報が見当たらず、詳細が分からないのが残念ですが、色素増感太陽電池を採用した機器が既に製品化されている、ということに驚きました。

ただ、21万円という価格自体は手軽に手を出せるものではないので、個人的にはより低価格・小型でお手ごろな機器(例えば東日本大震災の避難所で使われた携帯型ライトのようなもの)が開発されることも期待したいです。

また「アカリエ」以外に、太陽電池パネルとしての設置も予定されているとのことで、日本写真印刷の製品が、色素増感型太陽電池の本格実用化の端緒を開くことになるのか、強く注目したいところです。


※参考サイト:
・[1]色素増感太陽電池 EneLEAF(エネリーフ)(日本写真印刷)
 http://www.nissha.co.jp/company/r_and_d/dsc.html


※関連記事:
日本写真印刷が、低価格・高耐久性の色素増感太陽電池を開発(2009/09/15)
日本写真印刷が、姫路市の工場に色素増感太陽電池の試作ラインを導入する方針(2010/06/03)
日本写真印刷が2013年に色素増感型太陽電池の商用生産を開始予定、独立電源向けを想定(2012/05/24)
NEDOが、「有機系太陽電池実用化先導技術開発」の助成先の7法人(5件)を採択(2012/07/10)
posted by 管理人 at 01:06 | Comment(0) | 色素増感太陽電池