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2017年01月16日

産総研・東北大学・FTB研究所が「溌液るつぼ」による単結晶シリコン製造法を開発、太陽電池の変換効率アップ等のメリットあり

  • 産総研の福島再生可能エネルギー研究所
  • 東北大学の金属材料研究所
  • 千葉県の「FTB研究所

が、シリコン融液をはじく「溌液(はつえき)るつぼ」を用いる、低コスト・高品質な単結晶シリコンインゴットの製造方法を共同開発したとのことです[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 従来の単結晶シリコン製造法では「石英るつぼ」(石英ガラス製)を用いるが、これには
    • 熱によりルツボの内壁表面が溶けて不純物(酸素、重金属など)が発生し、シリコン融液に混じる(=シリコンの品質が低下する)
    という欠点がある。

新しい製造法

  • 溌液るつぼ
    耐熱性ガラス製容器の内壁表面に、シリコン融液をはじく特殊処理を施している。
  • メリット
    • 太陽電池の変換効率を向上
      この方法による単結晶シリコンを用いた太陽電池は、従来方法によるシリコンを用いた太陽電池より、変換効率が最大で1.03に高まったことが、確認されている。
    • 製造機器の劣化を抑制
      石英ルツボよりも蒸発する酸素が少ないため、製造用機器の劣化を抑制できる。
      加熱用のヒーターは、従来方法ではインゴット10本程度の製造ごとに交換されているが、今回の製造法ではインゴット20本程度の製造が可能になる。
  • 今後の展開など:
    • 太陽電池の変換効率を更に高めるための研究を、推進中。
    • 国内外の企業が、この製造法に関心を持っており、早ければ2017年度の実用化が期待される。

ニュース記事[1]はつい最近のものですが、この手法自体は、東北大学のサイトでは約1年前(2016年3月)に発表されており[2]、今日まで継続的な研究が積み重ねられていることが伺えます。

またFTB研究所のサイト[3]では、「溌液状態」の例として「里芋の葉の表面」が紹介されており、自然界に既に存在している構造であることに驚かされます。

太陽電池の変換効率(おそらくセル変換効率)は、従来手法によるシリコンの「1.03倍」とのことで、単純に発電電力量が同じ条件下で3%増えると考えると、これはかなり大きなメリットだと感じます。

また、機器(ルツボ自体やヒーター)の長寿命化は、シリコン製造コストの引き下げにも繋がることが期待されるので、本手法の商業生産ラインでの実用化が実現できれば、厳しい価格競争に晒されているシリコンメーカー〜太陽電池メーカーにとっても、追い風となるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]高品質シリコン...低コストで製造 「太陽電池」基板で郡山・産総研(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170108-139885.php
[2]高品質単結晶シリコンの低コスト製造技術を開発−結晶シリコン太陽電池の発電コスト低減に寄与−(東北大学、2016年3月23日)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/03/press20160323-02.html
[3]溌液坩堝のご紹介(FTB研究所)
http://www.ftbi.co.jp/Requinert%20crucible-1.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | シリコン:その他

2016年08月15日

科学技術振興機構が単結晶シリコンインゴットの新しい製造法「NOC法」を開発、高い生産性と歩留まり・太陽電池変換効率を実現

科学技術振興機構(JST)が2016年8月9日に、

  • 太陽電池用の単結晶シリコンインゴットを、新しい製造手法「NOC法」により、生産性の高いキャスト成長炉で製造し、現行の製造方法(CZ法)と同等の歩留まり変換効率を得ることに成功した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 現在の太陽電池市場の主流はシリコン結晶型であり、中でも多結晶型(キャスト成長炉で製造)は、単結晶型(CZ法で製造)より生産性と価格面で有利なため、市場シェアが高い。
  • しかし、多結晶型には
    • 変換効率(18%前後)が、単結晶型よりも1〜1.5%低い。
      (良質のテクスチャー構造が作れないことと、結晶品質が劣ることによる)
    • シリコンインゴットの歩留まりが悪い。(残留歪みが発生してしまうため)
    という課題がある。
  • このため太陽電池業界では現在、キャスト成長炉による高品質な単結晶シリコンインゴットの製造を目指し、技術開発が進められているが、
    • 太陽電池の変換効率や材料の歩留まりで、従来手法(CZ成長炉)による単結晶インゴットと同等の特性を得ること。
    が、大きな課題となっている。

新手法「NOC法」の特徴

成長炉に多くの工夫を加え、ルツボ壁に結晶を触れさせずに成長させることができる。

炉内の不純物を低減 全てのグラファイト冶具を、真空中で長時間高温空焼きし、主な汚染物質(鉄不純物)を除去する。
これにより、太陽電池における少数キャリアのライフタイム(発電性能に直接関わる)が、大幅に向上する。
シリコン結晶内の転位を低減 結晶の引き上げ速度と回転速度を極力遅くすることで、成長方向に凸型となるインゴットを作る。
これにより、インゴット内の転位(線状の格子欠陥)が成長するにつれて、結晶外で排出される。
インゴット内の酸素濃度を低減 インゴット単結晶とルツボの回転速度を引き下げ、また回転方向も結晶と同方向とした。
これによりシリコン融液内の対流を減らし、シリコン融液と石英ルツボ壁との溶解反応を抑え、酸素がシリコン融液に入るのを防止できる。

太陽電池における効果

今回はp型の単結晶シリコンのインゴットを作り、そのインゴットの全領域からウエハーを均等に切り出して、太陽電池を作製した。
その結果、平均変換効率19.0の太陽電池を、極めて高い歩留まりで実現することに成功した。
これは、同じ構造・プロセスの太陽電池で、p型CZウエハーを用いた場合(平均変換効率19.1%)と同等である。
また太陽電池特性については、現在高い市場シェアを占めている「ハイパーフォーマンス(JP)キャスト成長法」で作られる多結晶シリコンによる特性を、大幅に上回っている。


今後の方針

製造するインゴットの大容量化を目指す。
(※現在既に、直径がルツボ径の90%に相当するインゴットを実現している)


歴史が長いことから進歩(発電性能の向上、生産コストのダウン)の余地が少ない、とされる結晶シリコン型太陽電池ですが、今回の発表では、その製造過程の最上流といえるシリコンインゴットの製造で、コストダウンの可能性が示されているのが、非常に興味深いことです。

結晶シリコン型については近年では、インゴットを経由せずウエハーを直接製造する技術の開発も進められており(例えば米1366 TechnologiesのDirect WaferCrystal Solar社のエピウエハー等)、意外にも製造過程の上流におけるこれらの取組みが、結晶シリコン型太陽電池のコストダウンを更に進める上での、大きな鍵なのかもしれません。


※参照資料:
[1]メガソーラ向けの高効率太陽電池用シリコンインゴット単結晶の作製に新規成長法を用いて生産性の高いキャスト成長炉で成功(科学技術振興機構)
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1204/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | シリコン:その他

2013年05月10日

弘前大学「北日本新エネルギー研究所」がシリカからの高純度シリコン生産技術に目処、「サハラソーラーブリーダー計画」の一環

ニュース記事[1]で、

  • 弘前大学の「北日本新エネルギー研究所」が、砂漠などの二酸化ケイ素(シリカ)から、太陽電池用シリコンを低コストで生産できる技術の実現に目処を付けた。
と報じられていました。

記事によると、技術の概要は下記の通り。

  • 背景: サハラ砂漠で太陽電池生産・太陽光発電所設置を行い、欧州などに送電する「サハラソーラーブリーダー計画」の一環として開発された。
  • 手法
    砂から精製したシリカを、るつぼの中で高温(約1,800度)により炭素還元し、シリコンを取り出す。
    これにより、不純物の割合を低減できる。
  • 実証実験
    ・協力機関:アルジェリアの「オラン科学技術大学
     大型の還元炉を、サハラ砂漠に近い同大学が導入する。
    ・開始時期:2013年秋

また[1]では、サハラソーラーブリーダー計画を主導する鯉沼秀臣氏(東京大学大学院の客員教授)による

  • 「大量の電気を低コストで生産、世界中でその電気を融通し合うシステムが可能になる」
とのコメントが紹介されています。


YouTubeには同計画の紹介動画が投稿されており、計画自体は数年前に既に発表されてはいたものの、その目標の規模と遠大さには改めて目を見張るものがあります。


(アカウント「diginfonewsjapan」さんの動画)

今回目処が付いたというシリコン製造法が、現在の一般的な方法と比べて、どの程度のコストダウンを見込めるのかは分かりませんが、場合によっては(砂漠への設置を問わず)結晶型パネル一般のコストダウンにつながれば・・・と期待が高まります。

また砂漠への大規模太陽光発電設置に関しては、砂漠独自の自然・生態系の破壊につながるとの主張も出てきているとのこと[4]で、現実に事業を大規模化する際には、環境への影響を十分に調査することが必要になるとは思いますが、まずは小規模生産での技術の確立に期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]砂漠の砂から太陽電池用シリコン生産 弘前大研究所が新技術(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB08019_Y3A500C1L01000/
[2]サハラソーラーブリーダー計画(北日本新エネルギー研究所)
http://njrise.cc.hirosaki-u.ac.jp/reserach-groups/energy-material-g/sahara-solar-breeder-project
[3]University of Sciences and Technology of Oran Mohamed Boudiaf
http://www.univ-usto.dz/
[4]欲が深すぎる米国の環境保護団体 今度は太陽光パネルが環境破壊を招くと訴訟起こす(JB PRESS)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/37576

※関連記事:
posted by 管理人 at 05:48 | Comment(0) | シリコン:その他

2013年01月31日

東北大学が擬似単結晶シリコンインゴットの「多結晶化」を抑制する手法を開発、ウエハーの歩留まりを100%近くまでアップ可能とのこと

東北大学などが2013年1月30日に、

・太陽電池用の「擬似単結晶シリコンインゴットの育成において、ウエハー歩留まりを大幅に向上させる方法を開発した。

と発表していました。

(ニュース記事)
・東北大など、太陽電池用の擬似単結晶シリコンインゴットの育成に成功(日経プレスリリース)
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=329212&lindID=5

(関係機関のサイト内ページ)
・太陽電池用の擬似単結晶シリコンインゴットの育成に成功 ―結晶粒界エンジニアリングによる多結晶化要因の克服―(科学技術振興機構)
 http://www.jst.go.jp/pr/announce/20130130-2/index.html
・太陽電池用の擬似単結晶シリコンインゴットの育成に成功(東北大学)
 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/01/press20130130-01.html

上記URL先ページによると、研究の概要は下記の通り。

・背景:
 擬似単結晶シリコンは、種結晶を用いて育成される素材で、
 ・多結晶シリコンと同じ製造装置・製造工程を使用可能。
 ・太陽電池の変換効率を、多結晶シリコンと比べ絶対値で1%弱アップできる。
 との利点を持っている。
 しかしこの材料では、シリコン融液からの育成過程において、ルツボに接する部分から種結晶と別の方位の結晶粒が多数発生し、その占有部分が拡大する「多結晶化」が大きな課題となっている。
 例えば、一般的な80cm角状のインゴットで多結晶化が起きた場合、擬似単結晶ウエハーの歩留まりは36%まで低下してしまう。

・成果・手法:
 ルツボ壁から発生する結晶粒により形成される粒界の多くが、「Σ3粒界」であることを発見。
 (Σ3粒界は、インゴットの成長方向に対し傾いて発生するため、成長とともに多結晶部分の面積が拡大することになる)
 これに対する対策として、複合させた種結晶を用いて「Σ5粒界」をルツボ壁に沿って形成する。
 Σ5粒界はインゴットの成長方向に伸び、Σ3粒界と反応して「Σ15粒界」を形成する。
 このΣ15粒界も、Σ3と同じくインゴットの成長方向に伸びるため、多結晶粒の拡大を止めることができる。
 (実際に10cm角のインゴットで、多結晶化を抑制した育成に成功している)

・特徴:
 ・歩留まりの大幅向上
  多結晶化インゴットからの擬似単結晶ウエハーの歩留まりを、100%近くまで高めることが期待できる。
 ・製造ラインへの導入が容易
  現在の多結晶シリコン製造ラインをそのまま使用でき、製造工程の調整なども不要。


太陽電池の変換効率アップのためには、更に「転位密度」の低減を実現する必要があるとのことなので、既存の製造ラインに導入しやすい手法とはいえ、太陽電池分野での実用化はまだ先ということでしょうか。

とはいえ、歩留まりの向上において革新的な成果であることは間違い無いと思われるので、今後遠くない将来に、太陽電池のコストダウン・性能向上をもたらすことになるのを、強く期待したいところです。
posted by 管理人 at 07:53 | Comment(0) | シリコン:その他

2012年02月01日

GT Advanced Technologiesが「DSS450 MonoCast結晶成長システム」を発売、シリコンインゴットの歩留まりは80%以上

GT Advanced Technologies」社が2012年1月31日、「DSS450 MonoCast結晶成長システム」の発売を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・GTアドバンスト・テクノロジーズがDSS450 MonoCast結晶成長システムを発売(財経新聞)
 http://www.zaikei.co.jp/releases/32476/

(GT Advanced Technologieのサイト内ページ)
・DSS450 MonoCast Monocrystalline Growth System
 Increasing the Output of Grade I Wafers
 http://www.gtat.com/products-and-services-photovoltaic-dss-monocast.htm

上記URL先ページによると、今回の製品の概要

・主な特徴:
 ・本システムで成長させた材料から製造する太陽電池モジュールは、総出力において、従来のバッチ式CZ単結晶ウエハー(ホウ素をドープ)を用いるモジュールに匹敵する。
  これは、
  ・製造するセルでは、光誘起劣化(LID)の程度が低い
  ・発電面積が大きい。(完全な正方形領域が得られる)
  との特徴に依る。
 ・スラブインゴットあたりの単結晶歩留まり80%以上を達成。
  他のcast mono技術と比べて、インゴットあたりのグレードIウエハー(単結晶面積が90%超)の枚数50%以上増やすことができる。
 ・自動シード結晶保持機能
  溶融〜成長の間の液浸やオペレーターによる介入を無くし、プロセスの自動化に貢献する。
 ・GT社の「Acuity性能管理ソフトウエア」との組み合わせが可能。

・提供体制:
 「DSS450」「DSS450HP」の両システム向けに提供する。
 上記の炉を既に運用中のユーザーは、フィールドアップグレードにより、今回の新システムに移行できる。

等となっています。


歩留まり率の向上にプロセスの自動化など、メーカー側の製造コストダウンの要求に対応する意図が伺えます。

また、従来システムのアップグレードにより導入できるという点には、顧客への配慮が感じられ、GT社の製品・サービスの魅力アップに間違いなく寄与するのでは、と考えます。
posted by 管理人 at 13:28 | Comment(0) | シリコン:その他

2011年12月15日

ノリタケカンパニーリミテドが2012年1月に、太陽電池シリコンブロック用グラインダーの新製品「クロスマチック式研磨装置」を発売予定

ノリタケカンパニーリミテド」社が12月15日、太陽電池シリコンブロック用グラインダーの新製品「クロスマチック式研磨装置」の発売予定を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・ノリタケ、太陽電池用シリコン研磨の時間半減(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819496E3E6E2E3EA8DE3E6E3E0E0E2E3E39EEBE3E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E4

(ノリタケカンパニーリミテドのサイト内ページ)
・太陽電池シリコンブロック用グラインダー「クロスマチック式研磨装置」販売開始のお知らせ
 http://www.noritake.co.jp/company/press/2011/12/post_60.html

上記URL先ページによると、今回の製品の概要は、

・背景:
 太陽電池用シリコンウエハーの製造において、シリコンブロック(直方体に切断されたシリコンインゴット)の表面にクラックがある場合は、スライス時に割れや欠けが生じてしまう。
 このため、スライス前にシリコンブロックの表面をダイヤモンドホイールにより研磨して、クラックを除去する必要がある。
 この研磨工程では主に
 ・ブラシ研磨装置
 ・エッチング装置
 が使用されているが、これらの方式には
 ・クラック除去に長い時間が必要
 ・ブラシ研磨:
  ・クラックの残存
  ・歩留まりの低下(ブロック端部がダレる)
  ・シリコンブロック表面とコーナー面で、各々専用の研磨装置が必要
 ・エッチング:廃液の処理に手間がかかる
 といった課題がある。

・主な特徴:
 ・ノリタケ社が持つ
  ・鉄鋼向けグラインダーの技術
  ・シリコンブロック研磨作業に適する「ダイヤモンドベルトALTA
  を組み合わせている。
 ・研磨工具がベルト状であるため、シリコンブロック表面の広い面積を一度に研磨できる。
  これにより、研磨時間を短縮する。
 ・シリコンブロックへのダメージを、従来方式の1/5〜1/10程度に抑えられる。
  これにより、スライス時の歩留まり向上に寄与する。
 ・ブロック表面とコーナー面の研磨を1で行うことができ、
  ・省スペース化
  ・設備投資金額の抑制
  に寄与する。
 ・メンテナンス性に優れる。(ベルト交換を、専用治具により約5分で行える)

・種類:
 ・3ヘッドタイプ
  ・機能:粗研磨、中研磨、仕上研磨
  ・価格:3,300万円(標準タイプ)
 ・2ヘッドタイプ
  ・機能:中研磨、仕上研磨
  ・価格:3,800万円(標準タイプ)

・対応ブロックサイズ:
 両機種とも125mm角、156mm角、長さ最長500mmに対応。
・発売時期:2012年1月の予定

・販売目標:
 ・2012年度:1.5億
 ・2013年度:7億
 ・2014年度:20億

等となっています。


ベルト状の研磨工具の採用は、素人目にも平面を研磨するのには理に適っている、と感じますが、逆にこれまでの方式に無かった、というのが意外です。

作業時間の短縮だけでなく、装置の数も従来方式より減らせるとのことで、私としてはやはり、太陽電池の製造コスト低減への寄与に期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]ダイヤモンド研磨ベルトアルタ
 http://www.noritake.co.jp/products/abrasive/coated/alta_belt.html
posted by 管理人 at 13:11 | Comment(0) | シリコン:その他

2011年12月13日

シルトロニック・ジャパンが国内工場を閉鎖予定、太陽電池向け単結晶シリコンインゴット等の需要減少で、2011年夏以降の稼働率が5割を下回る

シリコンウエハー等の製造を手がける「シルトロニック・ジャパン」社が12月12日、国内工場閉鎖する方針を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・シルトロニック光工場、閉鎖し全513人解雇へ
 http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201112130063.html

(関係各社のサイト内ページ)
・WACKER Closes Semiconductor Wafer Production in Japan(Siltronic社)
 http://www.siltronic.com/int/en/press/press-release/pressinformation-detail_9404.jsp
・WACKER Closes Semiconductor Wafer Production in Japan(Wacker Chemie社)
 http://www.wacker.com/cms/en/press_media/press-releases/pressinformation-detail_30720.jsp

上記URL先ページによると、閉鎖されるのは山口県光市島田の光工場で、状況の概要は、

・背景:
 シルトロニック・ジャパン社の前身は、1985年に新日本製鉄が出資し設立した「ニッテツ電子」で、2003年に独「Wacker Chemie」が子会社化した。
 唯一の国内工場である光工場では、
 ・直径200mmのシリコンウエハー(月産23万枚)
 ・太陽電池向け単結晶シリコンインゴット
 の需要が減少しており、2011年夏以降の稼働率5割を下回っている。
 Wacker Chemieグループでは、需要低迷に対応するための世界的な構造改革の一環として、ウエハーの直径毎の工場拠点化を推進しており、光工場での生産を
 ・シンガポール
 ・米オレゴン州ポートランド
 の工場に移管することを決定したため、光工場が閉鎖されることになった。

・閉鎖時期:2012年5月の予定
・雇用:
 工場の従業員513人は、閉鎖後に全員を解雇する。
・閉鎖に伴う費用:約70億

等となっています。

また記事では、シルトロニック・ジャパンの社長の方の

・「日本法人として経営改善に努めたが、経営陣として残念で、じくじたる思い。
  従業員に大変申し訳ない」

とのコメントが紹介されています。


多結晶シリコンについては、世界的な供給過剰と価格急落が数多く報じられていますが、やはり単結晶シリコンのほうも同様の状況が起こっている、ということでしょうか。

今回の工場閉鎖は、太陽電池向け素材の市況のみによるものではない、と思いますが、それでも太陽光発電市場の厳しい状況が国内雇用の減少に幾分かでもつながってしまった、と考えると、寂しさを感じざるを得ません。
posted by 管理人 at 09:07 | Comment(0) | シリコン:その他

2011年08月27日

GT Advanced TechnologiesがConfluence Solarを買収、太陽電池向けシリコンインゴットの高効率製造法「HiCz」による効果を狙う

GT Advanced Technologies」社が8月25日、太陽電池向けシリコンインゴット高効率製造法「HiCz」を開発した企業「Confluence Solar」を買収したことを、発表したとのこと。

(ニュース記事)
・GTアドバンスト・テクノロジーズが革新的な連続的チョクラルスキー法を開発したコンフルエンス・ソーラーを買収(Business Wire)
 http://www.businesswire.com/news/home/20110825006561/ja/

上記URL先ページによると、買収の概要は、

・背景:
 ・太陽電池製品メーカーは、太陽エネルギーのコスト低減のため、セル効率の改善への注力度合いを高めている。
 ・「HiCz」は、結晶ソーラーインゴットの高効率生産を可能とする「連続的チョクラルスキー(CCz)成長技術」であり、生産コストの低減に寄与することが期待されている。
・買収額:
 ・取引完了時点では6,000万ドルが、コンフルエンス・ソーラー社の株主に現金で支払われた。
 ・今後はアーンアウト方式により、GTアドバンスト・テクノロジーズ社の2013年度の財務的・技術的基準の達成状況に応じて、更に2,000万ドルが支払われる。
・買収で見込まれる効果:
 ・GTアドバンスト・テクノロジーズ社の太陽電池製品群に、革新的な技術追加される。
  これは、次世代の結晶成長ソリューションの革新・開発に取り組む同社の戦略と一致している。
 ・コンフルエンス・ソーラー社が開発したHiCz技術には、
  ・従来のチョクラルスキー法よりも、単結晶ウエハーの製造コスト低減する。
  ・次世代のセル構造に用いられる、先端材料柔軟な生産を可能にする。
  との役割が期待される。
 ・今回の買収では、CCz製品の市場投入までに必要となる時間短縮のための
  ・研究開発費
  ・設備投資
  の追加額を含めて、2013年度下半期の業績への貢献が見込まれる。
  (従来、20122013年度に計画していた一部の事業拡大費用が不要になる)

等となっています。

またGTアドバンスト・テクノロジーズ社では、2013年度のCCz単結晶装置の市場投入を予定しているとのことです。


「HiCz」が、既存の製造法と比べて具体的にどの程度優れているものなのかが分かりませんが、GT社にとっては8,000万ドルを投じても十分にメリットが期待できる技術、ということなんでしょうか。

ともあれ今回の動きが、太陽電池モジュールのコスト低減に具体的な効果をもたらすものであることを、個人的には期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]GT Advanced Technologies
 http://www.gtat.com/
・[2]Confluence Solar(※現在は、サイト内容がGT Advanced Technologiesのものになっている)
 http://www.confluencesolar.com/
・[3]チョクラルスキー法(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 21:28 | Comment(0) | シリコン:その他

2011年08月09日

日本冶金工業が、太陽電池シリコン製造装置向け合金の生産量を前期比1.5倍強に増強する方針

下記URL先ページでは、東海東京調査センターによる「日本冶金工業」の評価内容が紹介されています。

(ニュース記事)
・日本冶金工業(5480) 太陽電池シリコン製造装置向け合金。(東海東京調査センター)(NSJショートライブ - 毎日jp(毎日新聞))
 http://mainichi.jp/life/money/kabu/nsj/news/20110808266317.html

この中で「太陽電池シリコン製造装置向け合金」について、

中国で需要が急増している。
・今期には、生産量を前期比1.5倍強まで増する。

との状況が紹介されています。


今期中に従来比5割増というのはかなり急速な増強ですが、それだけ中国での太陽電池シリコン製造の拡大ペースが速い、ということでしょうか。

他方で、約1ヶ月前には太陽電池向け多結晶シリコンのスポット価格が3割減少していることが報じられていたので、現在の(多結晶を含めて)太陽電池向けシリコンの需給はどのような状況になっているのかが、非常に気になるところです。


※参考サイト・ページ
・[1]日本冶金工業
 http://www.nyk.co.jp/index.php
・[2]中国現地法人設立に関するお知らせ
 http://www.nyk.co.jp/files/pdf/ja/ir_news_110728_2.pdf
・[3]第129期報告書(※16ページに、「NAS800H製多結晶シリコン製造用反応容器」の紹介あり)
 http://www.nyk.co.jp/pdf/investors/library/report_1103_129.pdf
posted by 管理人 at 09:45 | Comment(0) | シリコン:その他

2011年07月30日

SEMIが太陽電池用シリコンインゴット製造に関する新規格「SEMI PV17-0611」を発表、市場拡大による品質の多様化に対応

半導体関連の業界団体「SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)」が、太陽電池向けシリコンインゴット製造に関する新規格SEMI PV17-0611」を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・スマートグリッド:太陽電池の製造規格をSEMIが発表 - @IT MONOist
 http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1107/29/news098.html

(SEMIのサイト内ページ)
・SEMI Publishes New Photovoltaic Standard for Silicon Feedstock | SEMI.ORG
 http://www.semi.org/en/node/38261?id=highlights

上記URL先ページによると、今回の規格の概要は、

・規格設立の背景:
 太陽電池の原材料市場では、参入企業の増加に伴い、様々な品質の材料が出回るようになった。
 このため、
 ・原材料の仕様
 ・材料の品質、性能の違い
 が太陽電池製品に与える影響に関して、
 ・サプライヤー
 ・エンドユーザー
 の双方が共通理解を築くための取り組みが必要となっている。

・特徴:
 ・シリコンインゴットの個々の材料の仕様を4カテゴリに分類。
  これにより、太陽電池市場で役立つ明確に定義された規格となっている。
 ・太陽電池に関する用語を定義しており、
  ・サプライヤー・ユーザー間における理解の相違
  ・原材料の品質のばらつき
  の抑制に寄与する。
 ・「化学的気相成長(CVD)法」「冶金精錬法」などで製造した、押しバージンシリコン材料について定義している。
 ・多結晶シリコン・セルのメーカーで必要となる、化学薬品(ドナー)の
  ・濃度
  ・形状(チャンク/ロッド/ブリック)
  ・パッケージングの特性
  を評価するための、試験方法のリストを掲載している。

等となっています。


太陽電池モジュールについては約1年前に、ドイツで中国製の偽モジュールが押収されたとの事例が報じられていましたが、近年太陽電池市場が急拡大する中で、シリコンをはじめとする素材・部材においても、品質がどの程度保たれているのか、というのは、個人的にも非常に気になるところです。

そのため、それらの素材・部品においても、規格を明確化していく取り組みは今後も進められる必要があるのでは、と考えます。


※参考サイト・ページ
・[1]Home | SEMI Japan
 http://www.semi.org/jp/
posted by 管理人 at 13:03 | Comment(0) | シリコン:その他