「
清水建設」が、月で太陽光発電を行い、そのエネルギーを地球に供給する構想「
月太陽発電 LUNA RING(ルナリング)」を進めているとのこと。
(ニュース記事)
・月を巨大なミラーボールにして太陽光発電 – ロケットニュース24(β)
http://rocketnews24.com/?p=99599(清水建設のサイト内ページ)
・LUNA RING/シミズ・ドリーム−清水建設
http://www.shimz.co.jp/theme/dream/lunaring.html
上記URL先ページによると、この構想の内容は、
・概要:
地球上の消費エネルギーの全てを、月に設置した太陽電池パネルで発電して供給する。
・太陽電池パネル:
月の
赤道を1周する形で設置する。(
ソーラーベルト)
設置規模は下記の通り。
・幅:
数km〜
400km
・長さ:
1万1,000km
・発電電力の送電:
月で
マイクロ波や
レーザー光に変換し、「月の表側」(常に地球のほうを向いている面)に設置する
・マイクロ波送電アンテナ
・レーザー光送光施設
により、地球に伝送する。
(ソーラーベルトの下に、上記施設への送電ケーブルを敷設する)
これを地球側の設置する
・レクテナ(マイクロ波を受け取る)
・レーザー光受光施設(雲が少ない赤道付近や砂漠に設置され、光電変換素子により発電する)
といった受電設備で受け取る。
・建設:
・作業人員:
・少人数のスタッフ
・ロボット(地球からの遠隔操作が可能)
が、共同で作業を行う。
・資材:
月に存在する資源を極力活用する。
月の砂は酸化物であるため、地球から
水素を持ち込み、また太陽熱を活用することで、下記の資源・資材を製造できる。
・酸素
・水
・セメント
・コンクリート
・ブロック
・グラスファイバー
・太陽電池(自走式プラントで生産する)
・地球への供給電力量:原子力発電所約
1万3,000基分相当。
・地球上でのエネルギーの用途:
・
電力に変換し、送電網に供給する。
・海水から
水素を作り、燃料として貯蔵する。
・事業スケジュール:
2035年の着工を目指し、技術開発を進める。
等となっています。
あまりにも壮大な計画なので、正直俄かには受け止め難いですが、この計画を(欧米の企業や研究機関ではなく)日本のゼネコンが構想しているということにも非常に驚きました。
宇宙での太陽光発電については、宇宙空間に発電設備を設置する「SSPS」も既に構想されていますが、SSPSでは地球から宇宙への資材打ち上げに多大なコストがかかるとのことで、今回の清水建設の計画(水素を除いて月面で資源調達・資材製造を行う)はこの点で優れているように感じます。
また、宇宙空間に浮かべるのと異なり、月面上に設備を設置するほうが、安定感に大きく優れるのでは、という気もします。(素人考えですが)
ただやはり、建設場所が月ということと、規模の膨大さから、本当に実現できるのだろうか?という疑念が個人的にはありますが、他方で人類の巨大な「夢」として、プロジェクトの推進に期待したい気持ちもあります。
※参考サイト・ページ
・[1]子どもたちに誇れるしごとを。清水建設
http://www.shimz.co.jp/index.html