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2017年06月10日

「SolarPower Europe」発表の2016年の世界の太陽光発電導入量は76.6GW(前年比50%増)、新規導入量・累積導入量ともに中国がトップ

「SolarPower Europe」が2017年5月30日に、

  • レポート「Global Market Outlook for Solar Power 2017-2021」をリリースした。
と発表していました[1][2]。

今回は日経新聞の記事[3]と合わせて、2016年通年の世界の太陽光発電導入量に関する数字を、抜き出してみました。

※単位の換算(kWからGW)は、当ブログ管理人による。


2016年の新規導入量(上位4ヶ国)>

新規導入量(前年比)
世界全体76.6GW(50%増)
中国34.5GW(128%増)
米国14.8GW(97%増)
日本8.6GW(22%)
インド記載無し(125%増)

2016年末時点での累積導入量の国別シェア(上位4ヶ国)>

世界全体の導入量は306.5GW。

シェア
中国25.3%
日本14.0%
米国13.8%
ドイツ13.4%(※前年は2位)


世界の導入量データは久しぶりに見ましたが、2016年の新規導入量が、一気に前年の1.5倍にまで拡大していたとは、思いもしませんでした。

今回は特に、新規・累積の両方でトップとなった、中国の存在感が際立ちます。

また米国も、やはり新規・累積ともに上位に入っており、これら2国における太陽光発電導入の勢いの強さが伺えます。

その中で日本は、新規導入は減速しているとはいえ、いまだ3位。

また累積では、(米国と僅差ですが)予想外にも世界2位につけており、FITの効果が(良し悪しあるとはいえ)まだまだ色濃く残っていることが感じられます。

そしてそのFITにより、かつては世界最大市場だったドイツ(関連記事)は、今回の累積導入量で4位。

新規導入量で、欧州の国が上位4ヶ国に全く入っていないことと合わせて、太陽光発電の世界市場の趨勢がこの数年間で大きく変化したことを、改めて確認させられるものです。


2016年に新規導入が急増した要因として、プレスリリース[2]では、発電コストの劇的な低下が強調されています。

その中で「世界記録」として示されている、アブダビのプロジェクトの売電契約価格(2.4米セント/kWh)は、やはり驚くべき数字であり、世界全体で進行するコストダウンの象徴と言えるのかもしれません。

実際、このようなコストダウンを背景の一つとして、東南アジアで太陽光発電プロジェクトへの投資が活発化している、との報道もあり[4]、これから新興国での導入が加速するとすれば、それ自体は非常に喜ばしいことだと思います。


しかし一方で、太陽電池モジュール市場の最近の動向を見返すと、中国メーカー等が出荷量を大きく伸ばした一方で、

といった、大きな不振も目立っています。

昨年(2016年)の新規導入量が「前年比1.5倍」だったにも関わらず、販売量・出荷量を大きく落とし、また経営破綻するメーカーまで現れているのは、何か非常に歪な状況だと感じざるを得ません。

急激なコストダウンを単に喜ぶだけでなく、このあたりの歪さが解消される方向に行かなければ、遠からず太陽光発電産業・市場の継続的な成長に、支障をきたすのではと懸念します。


※参照資料:
[1]Press releases(SolarPower Europe)
http://www.solarpowereurope.org/media/press-releases/
[2]Global Market Outlook 2017-2021: Solar Boom Continues(同上)
http://www.solarpowereurope.org/index.php?eID=tx_nawsecuredl&u=0&g=0&t=1497090778&hash=6a99896f55326f5da087653e214d7db030e798a3&file=fileadmin/user_upload/images/GMO/300517_GMO_press_release.pdf
[3]世界の太陽光発電導入49%増 2年連続最高更新(日本経済新聞)
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDC30H2A_Q7A530C1000000/
[4]焦点:東南アジアの太陽光発電、好条件重なり急拡大へ(Reuters)
http://jp.mobile.reuters.com/article/idJPKBN18Z0IC

※関連記事:

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2016年03月16日

台湾TrendForce社が世界の太陽電池需要の減速を指摘、米・中も減速か

台湾のTrendForce社が2016年3月10日に、最近の太陽光発電市場の動向に関するレポートを発表していました[1]。

その中から、市場の現状を示す主な記述・数字を抜き出してみました。


  • 世界の太陽電池需要
    中国の旧正月後に減速している。
    その要因は
    • 日本・米国で、導入のピーク時期が過ぎたこと
    • 中国での需要低下(太陽光発電所の系統連系に関する業務が、2016年6月までに終了予定であることに伴う)
  • セルの供給過剰
    2015年のセル不足は、殆どが中国における導入ラッシュによるものだった。
    現在は太陽電池の需要減少に伴い、次のようにセル価格の下落が起こっている。
    • 台湾製セルの平均価格:過去2週間で、0.342米ドル/W以上から、0.335〜0.338ドル/Wあたりまで下落。
    • 中国製セルの平均価格:旧正月前の2.45人民元/Wから、3月は2.3人民元/Wに下落。
  • 中国市場の減速
    • 補助金政策の変更
    • 電力系統の受入れ限界(太陽光発電の発電電力の「捨てられる」割合が増えている)
    により、2016年の導入量は当初予想(20GW)を大きく下回る見込み。
    更に、深刻な供給過剰が予想される。(多くの生産者が生産能力の拡大を行っているため)

最近は中国と米国が太陽電池の成長市場という雰囲気だったので、その減速を指摘している今回のレポートには衝撃を受けました。

特に中国需要の減速が事実であれば、好調が続いていた国内メーカー(Trina・Jinko・JASolar等)の業績にも、これから(マイナス方向の)激変をもたらす可能性が考えられます。

その一方でまさに現在、中国メーカーにおける生産能力増強の動きも報じられており[3]、近い将来の大きな混乱が懸念されます。

米国については、地に足の着いた(単純に政策頼みでない)需要成長を続けていると思っていたので、導入ピーク時期が過ぎたという指摘は意外でした。

ただ同国のエネルギー省は今年1月に、太陽光発電の受入れ能力増強を狙った研究開発の促進[4]を発表。

中国についても、電力系統の現状に手をこまねいたままとは思われないので、長い目で見れば両市場はまだまだ成長していくものと考えますが、技術開発と実際の設備・システムの更新は、そうそう直ぐに出来るものではなく、短期的(1〜2年)にはやはり、市場の急減速が起こるのかもしれません。

一部地域の市場への高い依存度、そして供給能力の過剰・・・といった構図は、つい数年前に経験していた筈ですが、またそれをむざむざと繰り返すことになるのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]TrendForce Reports PV Cell Prices Are Falling Faster Than Expected Due to Cooling Demand(TrendForce社)
http://press.trendforce.com/press/20160310-2370.html
[2]太陽電池の価格が予想以上のペースで下落、台湾の調査会社が発表(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/031401074/
[3]中国通威が太陽電池部門IPO計画−再生エネルギー需要増で生産増強(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O42FPW6K50Y101.html
[4]Energy Department Announces $18 Million to Develop Solar Energy Storage Solutions, Boost Grid Resiliency(米エネルギー省)
http://energy.gov/articles/energy-department-announces-18-million-develop-solar-energy-storage-solutions-boost-grid-0
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2015年07月01日

環境省が「太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分の推進に向けた検討結果」を公表、リユース産業の確立は今後の課題

環境省が2015年6月23日に、再エネ発電設備リサイクル・再利用などに関する検討の結果を、公表していました[1]。

これは、再エネの普及が進むに伴い予想される、廃棄設備の排出量の急拡大に対応するための方向性について、経済産業省と共同で行ってきた検討内容を、まとめたものとのことです。

ここではその中から「太陽光発電設備」について、管理人が特に関心のある「リユース」に関する内容を中心に、抜き出してまとめてみました。


太陽電池モジュールの排出量予想

※寿命を25年とした場合の推計値。

  • 2020年:852トン
  • 2025年:8940トン
  • 2030年:2万8508トン
  • 2035年:6万2830トン
  • 2039年:79万8338トン

使用済み設備の排出ルート

  • 現状では排出量は「太陽光発電設備メーカー」(モジュールメーカー、変電設備メーカー等)からのルートが、最も多いと思われる。(※ただしこのルートでの排出品は、初期不良品が主体)
    一方で、建築解体業者や取り外しを行った施工業者からのルートは、かなり少ないと推察される。
  • ただし将来、設備寿命が到来した場合には、メーカー以外からの排出量が激増すると予想される。

資源価値

太陽電池モジュールの資源価値は、現状では殆ど「」のみで決定されている。


太陽電池モジュールのリユースビジネス

  • 国内向け販売
    • 事業者:ビジネスとして手がけているのは、現状では1社のみ。
    • 調達先
      メーカーの型落ち品(新古品)が多い。
      また、2014年2月の大雪での取替え時に不要となったモジュール(それ自体に支障は無いものの、保険対象であるため総取り替えされた)も、引き合いがあった。
    • 販売先
      研究用途(リサイクルの実証試験、性能評価、自然劣化など)がメイン。
      一般家庭向けのオフグリッドソーラーは、ごく少数。
    • ビジネスの現状
      現状では販売先が無く、今後はその開拓が課題となる。
      またメンテナンス機材の初期費用も
      ・絶縁検査:数万
      ・出力検査:1000万円程度
      ・ELカメラ検査:100〜200円程度
      ・バイパスダイオード検査:数万
      と高く、参入のハードルは高い。
      一方で調達については、現状でも一定量が発生しており、効率化すれば数量の確保は可能。
  • 海外向け販売
    • 事業者:一定規模のビジネスとして行っているのは2社程度。
    • 調達先
      メーカー、工事業者、保険会社、リース・レンタル会社など。
    • 輸出先
      ・バングラディシュ
      ・ミャンマー
      ・ドバイ
      ・マレーシア
      等で、独立電源としての使用が多い。
    • 実績
      最近の2年間で、モジュール8万枚を回収している。
      うち半数程度は、2014年2月の大雪時に排出されたもので、残りは初期不良や施工不良などによるもの。
    • 処理方法
      破損していないモジュールは、中国の系列工場で検査を実施後、リユース品として中国から輸出している。
      (破損により明らかにリユース不可のものは、国内でリサイクルに回す)
  • その他
    • 輸出に関する法令
      環境省は2012年に「使用済み電気・電子機器の輸出時における中古品判断基準」を策定。
      これにより、リユースに不適な設備が、リユースを名目に輸出・処分されることを防止している。
      太陽光発電設備は、同基準では明示されていないが、輸出時にはこれに従うことが望ましいと考えられる。
    • メンテナンス向けの可能性
      今後急増が予想されるメンテナンスでの機器交換において、リユース品のニーズが発生する可能性がある。
      また部品によっては、メーカー・型番等の管理が必要と考えられる

現在のモジュール排出量は不明ですが、今回示されている予想値では、2020年からの20年間で実に1000倍近くにも膨らんでいます。

太陽光発電の急速な導入拡大、そして(電源としての役割を安定的に担うために)導入量の維持も必要になると考えれば、(モジュール以外も含めて)使用済み設備の効率的な処理方法の確立は、確かに必須だと思われます。

ただ、廃棄モジュールを販売製品として再生し流通させる場合には、リユース品の性能がどの程度か(例えば発電能力が、新品時の定格出力の何割相当なのか)というのを、判りやすく明示する必要があると思われ、そのために検査方法の低コスト化や高効率化を進めること、また性能表記の基準を確立することも、今後の必須課題になるものと考えます。

また今回の排出量予想値では、リユース可能なモジュールと不可なモジュールの割合がどの程度になるのか、という予想は示されていません。

リユースするにしろリサイクルするにしろ、事業者側の調達量見通しという点では甚だ不透明ですが、これは実際に大量排出が現実化したときでないと、(需要側の状況を含めて)見通しが立たないということなのかもしれません。

使用済み設備の大量排出は、まだ当面先のことであり、現状では不確定な部分も大きいと思われますが、再エネの導入・利用拡大に伴い、廃棄設備の処理方法にも本腰を入れて取り組む必要があることは、意識しておくべきだと考えます。

個人的には独立電源のDIY用に、若干性能が落ちたモジュールが安価で手軽に入手できる時代が来ることを、強く期待したいものです。


※参照資料:
[1]太陽光発電設備等のリユース・リサイクル・適正処分の推進に向けた検討結果について(お知らせ)(環境省)
http://www.env.go.jp/press/101130.html
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2014年10月18日

Solarbazzが2014年4Qの太陽光発電導入量を約20GWと予測、中・日・米で約7割を占める

Solarbazz社が2014年10月6日に、世界太陽光発電導入量についての予測を発表していました[1]。

主な数字は下記の通り。

  • 2014年第4四半期の導入量19.5GW超
    下記の3ヶ国で約7割を占める。
    • 中国7GW超(前年同期比10%以上の増、前四半期の2倍以上)
    • 日本、米国:各々数GW
  • 同期末時点の累積導入量200GWに到達

あくまで予測値ではありますが、約20GWという規模は累積導入量予測の約1割分に当たり、第1四半期の実績(9GW超)との比較と合わせて、世界需要の伸びの加速が際立って感じられます。

中国については、下半期に入ってから導入が加速しているとの分析[2]がありましたが、今回のSolarbuzzの予測も、それを反映したものと思われます。

ただ懸念されるのは電力系統の受入れ能力で、先に大規模導入が進んだ風力発電では、約5年前に系統連系の制約により最大4GWが稼動停止している可能性が、海外の大手証券会社により指摘されていました。(※現在の状況は未確認)

太陽光発電は分散型に重点を置く方針が示されているので、大規模設備が主体の風力発電よりは幾らかマシになるとは思いますが、それでも急速に導入される太陽光発電設備から逆潮流するとなれば、既存の電力網の強化はやはり必須になると考えられ、その点の対策がどう進められているのか、というのは非常に気になるところです。

日本は新規導入計画については、系統連携の回答保留の影響が懸念されますが、認定分と実稼動分のギャップは以前巨大であり、それらの案件が着実に消化されるうちは、導入量自体は当面大きな伸びを続けるものと思われます。

一方、英国は第1四半期に需要の伸びが著しかったですが、その後は(今回を含めて)全く名前も挙がっておらず、これは春に政府方針が転換されたものの、産業施設屋根への導入は思ったほど進んでいない、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Global Solar PV Demand Hits Quarterly High, Pushing Cumulative Deployment to 200 GW, According to NPD Solarbuzz(Solarbazz社)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/global-solar-pv-demand-hits-quarterly-high-pushing-cumulative-deployment-200-gw
[2]今年、中国は新設の太陽光発電設備容量13GWの導入目標を達成(新華社)
http://www.xinhuaxia.jp/business/43361

※関連記事:
posted by 管理人 at 01:39 | Comment(0) | 市場調査・予測(レポート等)

2014年09月05日

米Solarbuzzによると、2014年第2四半期の中国大手モジュールメーカーの出荷量は前年同期比26%増、外注などの対応を推進

Solarbuzz社が8月25日に、2014年第2四半期の世界の太陽電池モジュール出荷量に関するレポートを発表していました[1]。

今回は中国メーカーの動向が中心となっており、主な数字・状況は下記の通り。

中国メーカーの状況

  • 大手メーカーの出荷量は増加
    大手中国メーカーの出荷量は、前年同期(5.2GW)から26%増加した。
    地域別の出荷量は、
    • 中国29.0
    • 米国20.9
    • 日本19.8
    • 欧州18.0
    • その他12.3
  • 出荷量の上位企業を占める
    総出荷量の71%を上位20メーカーが占めたが、中国メーカーはその20社の大部分を占めている。
    上位6社は
    • Trina Solar
    • Canadian Solar
    • Jinko Solar
    • JA Solar
    • Yingli Green Energy
    • Renesola
    と、全て中国企業。
  • 地域ごとの対応が奏功
    中国製太陽電池に対して起きている貿易紛争への対応として、中国メーカーは地域に応じた対応を取っている。
    • Renesola
      外注が最も活発であり、現在はモジュール製品の約半分をOEM調達している。
      過去12ヶ月間で、欧州・豪州・インド市場をリードする供給者となった。
    • Canadian Solar
      日本市場において
      ・自社による下流プロジェクトへの供給量増加
      ・認知度の改善
      カナダの生産施設を増強した。
    • Trina Solar
      2014年第2四半期までの12ヶ月間で、米国への出荷量はSunPower社を上回り、また同市場の先導メーカー(First SolarとYingli Green Energy)とほぼ同水準になった。
  • 中国国内でのシェア上位
    過去12ヶ月間での供給量トップ3は、
    • Yingli Green Energy
    • Trina Solar
    • Jinko Solar
    で、それに
    • Hareon Solar
    • Suntech
    • JA Solar
    が続いている。

その他

  • シャープの急減
    シャープの第2四半期の出荷量は、第1四半期(730MW、世界トップ)から50%以上減少した。
    これは、日本のエンド市場の季節的弱さによる。

中国製太陽電池モジュールに対しては、これまで欧州米国から、不等な政府補助・ダンピングが行われているとの指摘がされてきただけに、今回の統計で出荷量の減少が特に見受けられない(市場自体が縮小している欧州はともかく、米国向けについては逆に増加している)のは意外でした。

それだけ中国メーカーが、ペナルティーを避けるための上手い対応(生産地域のシフト)をしており、またそれだけでなく、製品の競争力(価格・品質)についても高い水準を保っていることが推測されます。

同様にOEMの比重を高めているシャープが、今回出荷量を大幅に落としたのとは非常に対照的ですが、中国大手メーカー全体の地域別出荷量は中・米・日・欧が綺麗に均等になっており、供給先の分散という点でも現状では優位にあるのかもしれません。

ただ中国の太陽電池メーカーは、かつて急激に生産能力を拡大した結果、供給過剰を引き起こして軒並み赤字に陥ったことがあるだけに、OEMへのシフトを進めているとはいえ、今回(2014年第2四半期)の好調の持続性に対しては、漠然とですが疑問を抱くものです。


※参照・参考サイト:
[1]NPD Solarbuzz: Leading Chinese Solar PV Module Suppliers Continue to Increase Market Share, Despite Global Trade Disputes(Solarbuzz社)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/npd-solarbuzz-leading-chinese-solar-pv-module-suppliers-continue-increase-marke

※関連記事:
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2014年08月20日

太陽電池パネルの需給バランスが逼迫に向かっている、とのBloombergの記事

Bloombergの記事[1]で、現在の太陽電池パネル需給状況について、非常に興味深い内容が書かれています。

その中から、主な数字などを抜き出してみました。

世界の太陽光発電導入量

  • Bloomberg New Energy Financeによると
    • 2014年:52GW
    • 2015年:61GW
    の見込み。(※2013年実績は40GW)

太陽電池産業の生産能力

  • BNEFの推定値:約70GW/年
  • 古い(収益性が無い)・または廃止された生産設備を除いた推定規模:約59GW/年(IHSのアナリストによる数値)

メーカーの状況

  • Canadian Solar社:
    GCL-Poly Energyと合弁で、中国で新しいセル工場(初期の年産能力300MW)の建設を着工した。
  • REC Solar社:
    「意味があり稼動中の工場のみで考えると、需給はほぼ肩を並べている」(上級副社長)
  • SunPower社:
    今年7月に、年産能力700MW以上の新工場(2017年に稼動開始予定)の建設を着工した。
    「我が社のパネルが供給不足の状況にある、と言うことはフェアだろう」(CEO)
  • 製造装置メーカーの独Manz AG:太陽電池の需給ギャップは、2014年末に閉じると予想する。

需要者側の状況

  • 住宅用システムを手がけるSolarCity社:
    (今年6月に行った太陽電池パネルメーカーの買収について)メーカーとの供給契約が無ければ、自社が必要なパネルを保有できない、と考えたため。

製品価格の見通し

  • Recurrent Energy社:
    パネルが不足しても、(他の産業のように)価格は押し上げられないだろう。
    これは、高い価格ポイントでの自然な需要が起こっていないためである。
    もし価格が上がりすぎた場合は、顧客は他(例えばガス、風力)に移動する。

最近の数年間は、太陽電池パネルの供給過剰が多数報じられてきたので、ここに来てはっきり需給が逼迫しつつあるというのは意外な印象でしたが、それだけ業界の再編が進んだことも伺えます。

実際に、相当規模の生産能力増強に着手した海外メーカーもあるとのことで、生産コスト低減のために、最新の製造装置に対する需要も高まると考えられ、パネルのダブつきに合わせて長く低迷が続いてきた製造装置市場についても、今後は一気に活況に転じる可能性が考えられます。

ただ日本メーカーについては、例えばシャープは海外生産事業からの撤退OEM調達へのシフトを同時に推進。
また、他メーカーについても積極的な生産能力増強の動きは聞こえてきておらず、国内メーカーは総じて保守的な姿勢を取っているものと想像されますが、太陽光発電市場は現状では政策に大きく左右される以上、その慎重姿勢も一理あるとは思われます。

気になるのは、需給の差が縮まりつつもパネルの価格は上がっていないという点ですが、これは逆に見ると、供給過剰による急激な下落で、ようやく一般的な需要者に受け入れられる(製品の機能に対しての)価格水準に到達できた、ということであり、最低でも現在の価格水準を維持することが、太陽光発電の導入・普及を更に進めるうえでの必須条件、ということだと考えます。

また、需給バランスに見合った価格上昇が起きていない、というRecurrent社CEOのコメントには、太陽電池パネルがまだ「必需品」にはなっていない(他で代わりが効く)現状が伺え、電力の調達手段として、太陽光発電システムの性能アップとコストダウンはまだまだ進む必要があることを、再確認させられるものです。


※参照・参考サイト:
[1]Solar Boom Driving First Global Panel Shortage Since 2006(Bloomberg)
http://www.bloomberg.com/news/2014-08-18/solar-boom-driving-first-global-panel-shortage-since-2006.html
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2014年05月16日

2014年第1四半期の太陽電池パネル出荷量トップは、5年ぶりにシャープ

Solarbuzz社が2014年5月14日に、

  • 2014年第1四半期の太陽電池パネル出荷量で、シャープが5年ぶりに第1位のメーカーになった。
との調査結果を発表していました[1]。

主な数字などは下記の通り。

  • 生産量出荷量750MW弱
  • 背景:
    日本市場での強い需要
    ・出荷量の迅速な拡大
    に支えられた。
    出荷量の拡大については、最近数年でのOEM調達(主に台湾・中国メーカー)へのシフトが効果を発揮している。

日本メーカーはかつて世界の太陽電池生産量のトップに位置しており、その点では今回のシャープは確かに「返り咲き」ですが、最近数年間で市場規模が急拡大し、そして海外メーカーが急激に台頭してきた(競争が格段に激化している)状況での1位だけに、以前とは全く意味が異なるものと考えます。

外部企業からの調達へのシフトは、(欧州市場を教訓として)需要の急な増減への対応力を高めるためとはいえ、製品品質の維持が十分なのかがやはり気になる点ですが、シャープはいち早く2006年にはPID対策に取り組む等、品質管理には非常に厳しい姿勢で臨んでいるとのことなので、OEM調達であってもその点は抜かりが無いものと推測します。

一方で、自社の一貫生産にこだわる京セラは2014年度の販売目標が1.4GWであり、流石に現在のシャープとは供給量の差が開くものと思われますが、国内の大手2社が製品調達で異なる方針を採っていることは興味深く、(短期的はともかくとして)長期的にどちらが理に適っているのかというのは、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考サイト:
[1]After Five-Year Absence, Sharp Solar Returns as Number One PV Module Supplier in Q1’14, According to NPD Solarbuzz(Solarbuzz社)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/after-five-year-absence-sharp-solar-returns-number-one-pv-module-supplier-q114
[2]月刊「PVeye」誌 2014年4月号 22〜23p「20年の研鑽積んだシャープの品質管理」

※関連記事:
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2014年04月08日

SolarBuzz調査による2014年1-3月の太陽光発電総需要は9GW超(前年同期比35%超プラス)、日本と英国で1/3以上を占める

米SolarBuzz社が4月2日に、2014年第1四半期1-3月)の世界の太陽光発電需要を発表していました[1]。(※モジュールのみかセル含むかは明記なし)

主な数字は下記の通り。

  • 総需要9GW超(前年同期比35%以上の増加)
    第1四半期の需要は、5年連続で記録を更新している。
  • 地域別
    日本英国の成長が著しく、2国で総需要の1/3以上を占めた。

FIT導入後に市場が急成長している日本はともかく、市場が縮小しているイメージが強い欧州の一国である英国が、並んで名前が挙がっているのはかなり意外でした。

日本については、例えば北海道では2月の導入申請が大幅に伸びており、全国的にも電力買取価格引き下げや消費税率アップ前の駆け込み需要が大きかったものと想像されます。

具体的な設置量・導入量については、前年同期のモジュール国内出荷量(約1.65GW[3])を、35%増(1.35倍)にすると2.2GWであり、このあたりが妥当な気はしますが、正確な数字はもちろん経済産業省による今後の発表を待つ必要があります。

英国については、[5]の2つめのPDFの8ページによると、2013年1月末時点の累積導入量が2.4GW(うちFIT対象の小規模設備(住宅向けメイン)が1.7GW、また大規模設備は0.2GW)で、日本のFIT開始以降の稼動済み容量(2012年7月〜2013年12月に住宅約2GW・非住宅約4.8GW)と比べるとかなり下回っており、その点では今回名前が上がっているのはちょっと不思議です。

ただ、これまでFITの買取価格変更に伴う設置量の短期的・急激な変化(例えば2011年12月)はあったものの、FITの認定容量はこの2年間で約2.7倍(2012年1月が約750MW、2014年1月が約2GW)[4]に伸びており、同国の市場が堅調に成長していることは間違いとも感じます。


※参照・参考サイト:
[1]Record-Breaking Demand for Global Solar PV Industry in Q1’14, According to NPD Solarbuzz(SolarBuzz)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/record-breaking-demand-global-solar-pv-industry-according-npd-solarbuzz
[2]2014年第1四半期の太陽光発電世界需要は記録的水準に到達(同上)
http://www.solarbuzz.com/jp/news/recent-findings/record-breaking-demand-global-solar-pv-industry-according-npd-solarbuzz
[3]太陽電池セル・モジュール出荷統計 平成25年度第1四半期(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h251q.pdf
[4]Monthly central Feed-in Tariff register statistics(DECC)
https://www.gov.uk/government/statistical-data-sets/monthly-central-feed-in-tariff-register-statistics
[5]UK Solar PV Strategy(同上)
https://www.gov.uk/government/publications/uk-solar-pv-strategy-part-1-roadmap-to-a-brighter-future

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2014年03月11日

EPIA発表による2013年の太陽光発電新規導入量は37GW超、欧州急減の一方で中国・日本・米国が1〜3位に

European Photovoltaic Industry Association(EPIA)」が2014年3月6日に、2013の世界の太陽光発電導入量に関するプレスリリースを発表していました[1]。

主な数字は下記の通り。

世界全体の新規導入量

  • 2011年:30.2GW
  • 2012年:29.9GW
  • 2013年:37GW以上

地域・国別の新規導入量

  • 欧州10GW(全体の28%)
    2011年は22.4GW以上(同7割超)、2012年は17.6GW(同59%)。
    (国別)
    イタリア1.1〜1.4GW(前年比70
     2012年は世界3位だった。
    ドイツ3.3GW(前年比57
     2012年は7.6GW。
    ・英国:1〜1.2GW
    ・ルーマニア:1.1GW
    ・ギリシャ:1.04GW
    ・ベルギー:215MW(前年は600MW)
    ・フランス:613MW(同1.1GW)
    ・デンマーク:300MW(同200MW)
  • アジア太平洋:同57
    中国11.3GW(世界1位)
    日本6.9GW(同2位)
    ・インド:1.1GW
    ・韓国:442MW
    ・タイ:317MW
  • 米州
    米国4.8GW(世界3位)
    ・カナダ:235MW

累積容量

  • 世界の合計136.7GW(前年比35%増)
    世界の再生可能エネルギーにおいて、水力・風力に続き第3位。

欧州でのその他の状況

  • 新規導入量
    新規発電設備の容量で、3年連続で太陽光発電が2位になった。(1位は風力)
  • 電力供給
    2013年の全電力需要のうち、太陽光発電は3%をカバー。
    またピーク需要では6%を占めた。

かつての最大市場だった欧州の急減少が今回も続いた一方で、世界全体の新規導入量は、(僅かに減速した)前年を明確に上回る規模となっており、中国・米国などの新興市場、そして日本市場の力強さが伺えます。

欧州については、計画的なブレーキに成功している(とみられる)ドイツはともかく、イタリアフランスが急減、またスペインに至っては今回のレポートで全く言及が無く、それらの状況(電力買取価格の調整による、新規導入量のコントロールの難しさ)は確かに、日本のFITで十分に教訓とすべきものと思われます。

その日本が、新規導入量で中国に次ぎ世界2位ですが、(GDPはともかく)国土・人口の規模を考えると、他の国にはもっと伸びてもらいたいところです。

電力供給における役割では、欧州でもいまだ一桁台ですが、国により導入量に相当な差があるようなので、欧州全域では低く留まっているのは仕方が無い気もします。

個人的には特にドイツの2012年5月25・26日の供給実績が印象に残っているので、現在の電力供給の状況がどうなのかが、非常に気になるところです。


※参照・参考サイト:
[1]Record-year for photovoltaic markets in 2013, Asia taking over the leading role(EPIA)
http://www.epia.org/index.php?eID=tx_nawsecuredl&u=0&file=/uploads/tx_epiapressreleases/MW_PR_2014_01.pdf&t=1394543443&hash=4da9cda3fc7548c333ab836d0a2d02a0162be019
[2]2013, A YEAR IN FIGURES(同上)
http://www.epia.org/index.php?eID=tx_nawsecuredl&u=0&file=/uploads/tx_epiapressreleases/Annex_PR_06032014_04.pdf&t=1394543443&hash=b3eb35e6c42c6cc4efe71f272ecb2f2604b085e3

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2013年12月22日

ISEPが「自然エネルギー世界白書2013 日本語版」を公開、2012年の太陽光発電新規導入量は29.4GW超、累積では100GWを突破

環境エネルギー政策研究所ISEP)が12月19日に、ウェブサイトで「自然エネルギー世界白書2013 日本語版」の公開を開始していました[1]。

これは「REN21」が6月に発行した「Renewables 2013 Global Status Report, GSR2013」を日本語に翻訳したものとのこと。

この中から、太陽光発電に関する主なデータを抜き出してみました。

2012年の新規導入量

  • 世界全体29.4GW以上
    地域別
    • 欧州16.9GW(前年は22GW)
      ・ドイツ:7.6GW
      ・イタリア:3.6GW(前年比大幅減)
    • アジア7GW
      ・中国:3.5GW
       地上設置型の大規模施設が大半。(西部地域に多い)
      ・日本:1.7GW
      ・オーストラリア:1GW
      ・インド:1.2GW
    • 北アメリカ3.6GW
      ・米国:3.3GW

    設備のタイプ別
    • BIPV:100MW

累積導入量(2012年末時点)

  • 世界全体100GW超
    (地域別)
    • 欧州70GW
      ・ドイツ:32.4GW
      ・イタリア:16.4GW
      ・スペイン:世界全体の5.1
      ・フランス:同4.0
    • 米国7.2GW
      カリフォルニア州が35%を占める。
    • 中国7GW
    • 日本6.6GW(前年比35%増)

    設備のタイプ別
    • オフグリッド1%未満
    • BIPV(建材一体型):1%未満
    • CPV(集光型):100MW超

    発電実績

    • 2012年の発電電力量110TWh以上
      欧州では、全電力需要の約2.6%を占めた。
      • ドイツ:28TWh(前年比45%増、国内需要の約5%)
      • イタリア:国内需要の約5.6

    2012年のモジュール・セル市場

    • 結晶シリコン型セルの生産量:約31.9GW(前年より微減)
    • モジュール生産量35.5GW(同上)
      シェア上位メーカーの市場占有率
      下記15社で50%に達する。
      またその中で、中国企業は半分以上を占める。
      • Yingli Green Energy:6.7
      • First Solar:5.3
      • Trina Solar、Suntech Power:各4.7
      • Canadian Solar:4.6
      • シャープ:3.0
      • JA Solar:2.8
      • SunPower、Jinko Solar:2.6
      • Hareon Solar、Hanwha-SolarOne:各2.5
      • 京セラ、ReneSola:各2.1
      • REC、Tianwei New Energy:各2.0
        生産地域別の市場占有率
        • アジア86%(前年は82%)
          ・日本:5%(同6%)
        • 欧州11%(同14%)
        • 米国3%(前年と同じ)

        種類別
        • 薄膜型4.1GW
          市場占有率は13%。(前年は15%)

      他の調査機関・企業による統計は若干異なってくるとは思いますが、それでも100GWに到達したというのは、大きな節目という気がします。

      また2012年の1年間のみで、2011年以前の累積導入量の4割超が新たに導入されており、導入の加速という点でも目を見張るものがあります。(特に中国・米国)

      欧州は新規導入量が前年比3割弱も減っているものの、いまだ世界全体の半分以上を占めており、最大市場としての存在の大きさを再確認させられます。
      電力供給についても、全需要電力量の中では1割に満たないですが、昼間の電力供給では高い割合に達した実績があるので、今後更に電源(特にピークカット用)としての役割も増していくものと考えます。

      中国については、2012年は地上設置型の大規模設備が多かったとのことですが、政府は分散型設備(需要地近くに設置、発電電力は自家消費中心)を推進する方針を最近明確に示している[2]ので、2014年以降は導入状況が大きく変わる可能性があると思われます。


      モジュール生産では中国メーカーが高シェアを占めた中で、First Solarが2位につけていますが、生産量全体に占める薄膜型の割合が少し減っているのは、ちょっと気になるところです。
      この点は、(薄膜型が適する)大規模発電所の新規設置の増減如何にかかっているものと考えます。

      生産地域別では、アジアが8割超もの高い割合を占めており、中国・日本・韓国があることを考えると当然かもしれないですが、それでも一大生産地域となっていることには驚かされました。

      現状では、他の地域がこの状況を覆せるだけの可能性には思い当たらず、当面はアジアが世界の太陽電池工場となるのかもしれません。


      ※参照・参考サイト:
      [1]【プレスリリース】「自然エネルギー世界白書2013 日本語版」公表のお知らせ(環境エネルギー政策研究所)
      http://www.isep.or.jp/library/5749
      [2]国家能源局关于印发分布式光伏发电项目管理暂行办法的通知(国家能源局)
      http://zfxxgk.nea.gov.cn/auto87/201312/t20131211_1735.htm

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