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2020年04月25日

京セラがソーラーエネルギー事業本部を「スマートエナジー事業本部」に改称、電力サービス・VPP・地域エネルギーマネージメント等にも注力する方針

京セラ社が2020年3月31日に、

  • ソーラーエネルギー事業本部の名称を「スマートエナジー事業本部」に変更する。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景・目的
  • ソーラーエネルギー事業本部ではこれまで、
    • 太陽光発電システム
    • 蓄電池
    • 燃料電池
    等の環境エネルギー関連製品開発・製造・販売を中心に、事業を展開してきた。
  • 現在は国内外で、再エネの更なる普及拡大が求められている。
    その中で今回、事業本部の名称変更を通じて、今後の更なる事業拡大を図る。
今後の方針 従来の環境エネルギー関連製品事業に加え、
  • 太陽光発電を活用した電力サービス事業
  • 蓄電池・燃料電池を活用したVPP事業
  • 地域エネルギーマネージメント等のサービス事業
にも注力し、価値ある新規事業を創出していく。
変更日 2020年4月1日


京セラ社のソーラーエネルギー事業は、日本国内で系統接続保留が顕在化した2014年度以降に業績の下降が続き、2年前(2018年)には国内のセル・モジュール生産拠点の集約も発表と、近年は太陽電池メーカーとしての退潮が否めませんでした。

しかしその一方で、電力会社と組んでの初期費用ゼロの住宅向けサービスや、新電力など向けの設備リースと、単なるものづくり〜販売に留まらない新規事業に取り組んでいることも確かです。

その意味で、事業範囲の拡大を端的に示す「スマートエナジー事業本部」への名称変更は、自然な成り行きだったと思われます。

ただ、年間モジュール出荷量が10GW前後に達した海外企業がある一方で、かつての国内大手太陽電池メーカーの組織名から「ソーラーエネルギー」が消えたことには、時代の変化の急激さを、強く感じるものです。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーエネルギー事業本部の名称変更について(京セラ、2020/3/31)
https://www.kyocera.co.jp/news/2020/0304_kkyg.html

※関連記事:

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2019年10月06日

京セラ社が「京セラEPA合同会社」を設立、企業向け電力サービスを行いたい事業者(新電力など)向けに太陽光発電設備をリースすることで、資金的課題の解決などを狙う

京セラ社が2019年10月1日に、

  • 電力サービスを提供したいサービス事業者(新電力など)向けに、太陽光発電システムをリースする「京セラEPA合同会社」を設立した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景・目的
  • 再エネを自家消費したい企業が増えている中で、太陽光発電システム導入時の初期負担が、大きな課題となっている。
    また、地域に密着したサービス事業者(新電力など)が、企業向けに太陽光発電を用いての電力サービスを提供しようとした場合でも、資金面(設備の購入など)等から断念せざるを得ないケースも少なくない。
  • 今回の新会社では、上記のような
    • 太陽光発電システムを導入したい企業
    • 太陽光発電による電力を提供したいサービス事業者
    の両者にメリットをもたらす、サービス事業者向けのリーススキームを提供する。
想定されるメリット
  • サービス事業者:
    「京セラEPA合同会社」から設備のリースを受けることで、
    • 資金的な課題(設備の購入など)の解決
    • サービス提供先の企業との間の、ビジネス上のリスクの軽減
    が可能になる。
  • 太陽光発電を導入したい企業:
    上記の事業者によるサービスを利用することで、初期投資なし(※発電量に応じたサービス料金は支払う)で、太陽光発電システムを使用できるようになる。
設立日 2019年10月1日


FITにおける「非住宅」の電力買取価格は、今年度(2019年度)が税別14円/kWh(※10kW以上500kW未満)で、制度開始当初(2012年度に同42円/kWh)の半額を大きく下回る水準まで低下。

しかし意外にもその中で、太陽光発電を導入したい企業は増えているとのことですが、確かに私(北海道在住)の行動範囲の限りでも、大きな施設(流通拠点など)の屋根に太陽電池パネルが設置されているケースを、ちらほらと見かけるようになっています。

これについては、近年続いてきた太陽光発電の初期費用の低下(2018年は6年前(2012年)から32%減)や、環境意識の高まりに加えて、やはり昨年の北海道に今年の千葉県と、大規模・長期間の停電が実際に続けて起こったことも、(売電目的ではなく)備えとして自前の発電設備を導入したい意欲を、刺激しているのではないでしょうか。


企業を対象とする初期費用ゼロの太陽光発電サービス事業としては、昨年(2018年)に横浜市でソーラーフロンティア社による事業が開始されていました。

いっぽう今回の新会社「京セラEPA合同会社」は、そのような太陽光発電サービス事業を直接提供する立場ではなく、サービスを提供しようとする事業者がターゲット。

日本国内の太陽光発電市場の元気が無い中で、今回の新会社がその狙い通りに、日本各地での企業の太陽光発電導入を促進することを、強く期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]新会社「京セラEPA合同会社」を設立(京セラ社、2019/10/1)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0906_godo.html

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2019年10月05日

京セラ社が「クレイ型リチウムイオン蓄電池」を用いた住宅用蓄電システムを製品化の予定、クレイ型は「長寿命」「高安全性」「低コスト」を実現

京セラ社が2019年10月2日に、

  • 新開発した「クレイ型リチウムイオン蓄電池」を用いる、住宅用定置型蓄電システムの製品化を決定した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


商品名 Enerezzaエネレッツァ
開発の背景・目的
  • 日本国内の太陽光発電市場では2019年11月から、住宅用太陽光発電のFITでの買取期間(10年間)が満了となるユーザーが生まれる。
    これに伴い市場は、エネルギー自家消費型への転換が進みつつある。
    また、災害などによる停電時の太陽光発電システムの有効利用策として、蓄電システムが注目されている。
  • 京セラ社では今回の製品を、エネルギー自家消費型市場における戦略商品の一つに位置づける。
    設置済み太陽光発電システムを引き続き有効活用するための商品として、積極提案していく方針。
特徴
  • クレイ型リチウムイオン蓄電池」を採用:
    正負の電極層粘土状であり、電極の厚さを従来方式(液体型)の3〜5倍に設計できる。
    これにより、製造プロセスの大幅な簡素化低コスト化がもたらされる。
    加えて、ユニットセル(パウチ材で密閉)を組み合わせモジュール化した構造により、長寿命高安全性を実現している。
  • デザイン等の配慮
    主な構成機器(パワコン、蓄電池ユニット、リモコン)は、継ぎ目のない滑らかな曲面で覆われたデザイン。
    またリモコンの表示は、よく確認する情報(蓄電池の残量、太陽光発電システムの発電量など)を見やすくするために、メリハリを効かせ工夫している。
  • 3種類の容量を用意:
    定格容量は5.0kWh・10.0kWh・15.0kWhの3種を用意。
    ユーザーの使用環境(PVの容量、生活スタイル、非常時に使いたい電力量など)に応じて選べる。
  • 見守りサポート機能
    LTE専用回線通信モデムを標準で用意。
    ユーザーのネット接続環境によらず、専用サーバーに接続し、個別動作の状況を把握してサポートする。
価格 オープン
今後の予定
  • 2020年1月以降:少量限定販売を開始する。
  • 同年秋本格量産を開始する。


今回の発表と同日には、奇しくも?シャープ社も住宅用蓄電システムの新製品を発表していました。

それといい今回の京セラ社の新製品といい、「FIT終了後」の住宅用太陽光発電は、蓄電システムにおいても、国内市場での新しい重要な需要先とみられているようです。


京セラ社は2016年末に「フィルム型リチウムイオン蓄電池」を採用した蓄電システムを発表していましたが、この「フィルム型」は積水化学工業が開発したものでした。

いっぽう今回の「クレイ型」は、京セラ社が独自に開発したものであり、蓄電システムのコスト低下や性能向上における、同社の継続的・積極的な姿勢が伺えます。


ただ、やはり最も気になるのは価格であり、新技術を用いる今回の新製品が、果たしてどの程度の価格ダウンを実現できるものなのか、非常に気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用蓄電システム「Enerezza(エネレッツァ)」を製品化(京セラ社、2019/10/2)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/1002_chio.html

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2019年08月12日

京セラ社と関西電力が、「初期費用ゼロ」(※新築住宅の場合)で住宅用太陽光発電を設置できる「ちゃんとGood!サービス」を提供開始

京セラ社と関西電力2019年7月30日に、

  • 初期費用ゼロ(※新築戸建住宅の場合)で住宅用太陽光発電システムを設置できる「ちゃんとGood!サービス
を発表していました[1]。

その概要は次の通り。


サービスの提供者 京セラ関電エナジー合同会社
サービス内容
  1. ユーザーの住宅の屋根に、初期費用ゼロ(新築戸建住宅の場合)で太陽光発電システムを設置する。
    (※既築住宅の場合は別途、施工費用が必要になる)
  2. 設置したユーザー宅には、
    • 太陽光発電システムの発電電力(※料金プラン「ちゃんとGood!ソーラー」を適用)
    • 系統電力(※同「ちゃんとGood!でんき」を適用)
    を供給する。
  3. 契約期間(原則10年)の満了後に、太陽光発電システムはユーザーに無償譲渡される。
対象地域 関東中部エリア(※東京電力・中部電力のエリア)
申込受付の開始日 2019/7/30(※プレスリリース[1][2]の発表日)


プレスリリース[1][2]では電気料金のプランも例示されていますが、

  • 地域
  • ガス使用の有無
  • オール電化
の条件により細かく異なっているので、上の表には書き出しませんでした。

ただ[1][2]そしてサービスの紹介サイト[3]では、通常の電力料金との比較例も明示されており、ユーザー側の金銭面のメリットは、しっかり考えられているようです。


加えてこのサービスでは、ユーザーは太陽光発電導入の初期費用を著しく軽減しつつ、災害時などの備えとして非常用電源(太陽光発電の自立運転)も確保できることになります。
使えるのは日照のある時間帯に限られますが、それでも非常時にはかなり心強い支えになるのではないでしょうか。


加えてサービス提供に関わっているのは、国内老舗の大手太陽電池メーカーと、既存の大手電力会社であり、それによるサービスの信頼性の高さも、大きな魅力だと思われます。


ただ、対象地域が関西電力自身ではなく、完全に他の電力会社の管内なのが、ちょっと不思議です。
これは日照時間(=太陽光発電で得られる発電電力量)の良い地域を選んだ、ということなんでしょうか?


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電システムが契約満了後にもらえるエネルギーサービス 「ちゃんとGood!サービス」の申し込み受け付け開始について(京セラ社、2019/7/30)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0704_jtfp.html
[2]同上(関西電力、同上)
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/0730_3j.html
[3]ちゃんとGood!サービス
https://www.kyocera-kanden.co.jp/

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2019年06月03日

京セラとBYDジャパンが、太陽光発電+EVバスの「需給一体型」ビジネスモデル構築に向け協業

京セラ社が2019年5月20日に、

  • BYDジャパン」社との間で、
    • 太陽光発電(供給)とEVバス(需要)を組み合わせる「需給一体型ビジネスモデルの構築
    に向けた協業を開始することで、合意した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景 日本では現在
  • 環境負荷の少ない自動車の普及及び使用の促進」
  • 「自家用自動車から環境負荷の少ない公共交通機関への誘導」
が推進されており、経産省は温室効果ガスについて
  • 自動車1台あたり:2050年までに2010年比で8割程度削減
  • 乗用車:9割程度削減
との目標を定めている。
各社の担当
  • 京セラ:
    • 自社製太陽光発電システムによる発電電力の提供
    • 需給バランスを最適に制御する、EVバス向け充電管理システムの開発など
      (VPP(仮想発電所)実証事業で培ったアグリゲーション技術を活用)
  • BYDジャパン:
    • 日本市場に最適なEVバス(小型車両「J6」等)の提供
    • 電力消費サイドからの課題抽出と、解決に向けたコンサルティング
      (EVバス開発で培った知見を活用)
今後の予定・方針 京セラは今回開発するビジネスモデルについて
  • 2020実証実験の開始
  • 2021年以降:「需給一体型」ビジネスの事業化
を目指す。
(※自治体・電力小売・送配電事業者の協力も得つつ、
  • 一般住宅用
  • カーシェアリングサービス
等、コミュニティー全体の自立電源として利用することも視野に入れる)


BYDの公共交通用の電気自動車は、9年前(2010年)に提案が開始された[2]とのこと。

その導入は、欧州や新興国において(私の想像以上に)旺盛に進んでいる模様であり[3]、同社製EVバスの性能・実用性の高さが推測されます。

今回の京セラとの共同事業については、(日本の公共交通での本格採用ではなく)あくまで再エネ有効活用の実証試験向けの車両提供になると見受けられます。

ただそれでも、実際の運行は必須になると思われるので、日本の何処で走ることになるのかが非常に気になるところです。


いっぽう京セラについては、現在の太陽電池モジュールの販売量は、2015年(120万kW)の約半分(60万kW)[5]に留まっているとのこと。

そして2018年度も「ソーラーエネルギー事業」の売上は減少しており[6]、国内の同業他社と同様に、太陽電池メーカーとしての退潮ぶりを(残念ながら)強く感じざるを得ません。

その中で今回のBYD社との協業は、新たなビジネスモデルにいちはやく取り組むことで、単なるメーカー(機器の製造・供給者)から脱却する狙いがあると思われますが、他の国内メーカーを含めて、今後どのような取組みが出てくるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]再エネ「需給一体型モデル」の新ビジネスで協業開始(京セラ社、2019/5/20)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0505_byyu.html
[2]Commercial Vehicles > Car & Solution(BYD社)
http://www.byd.com/cn/en/BYD_ENProductAndSolutions/CarAndSolution_mob.html
[3]News Center(同上)
http://www.byd.com/en/News.html
[4]VPP(バーチャル・パワー・プラント)(環境ビジネスオンライン)
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/012840.php
[5]土俵際の国内太陽電池メーカー、起死回生託す“最後のとりで”(ニュースイッチ、2019/4/5)
https://newswitch.jp/p/17139
[6]2019年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2019/4/25)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_4Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2019.html」内)

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2019年04月25日

京セラとTEPCOホームテック社が、初期費用ゼロの住宅向けサービス「エネカリ with KYOCERA」を提供開始

京セラTEPCOホームテック社が2019年4月22日に、

  • 初期費用ゼロで太陽光発電システムや蓄電池を導入できる住宅向けサービス「エネカリ with KYOCERA」を開始する。
と発表していました[1][2]。

主な内容は次の通り。


背景・目的
  • 経済産業省によるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及目標(2020年までに標準的な注文戸建住宅の過半数)などから、日本国内では今後のZEHの普及加速が見込まれる。
  • 2社は今回のサービスにより、
    • 環境配慮型住宅の普及推進
    • FIT期間終了(2019年11月〜)の顧客への、蓄電池導入による自家消費の提案
    を行う。
仕組み・特徴
  • TEPCOホームテックが運用する「エネカリ」のスキームに、京セラが太陽光発電システムや蓄電池を提供する。
    ユーザーは初期費用を負担する必要が無いが、毎月定額の利用料金(機器の種類・容量などによる)を、TEPCOホームテックに支払う。
  • ユーザーは、
    • 太陽光発電電力の自家消費による、電気料金の削減
    • 余剰電力による売電収入
    • 蓄電池の併設による、発電電力の更なる有効活用
    が可能となる。
  • サービスの契約終了後(10年後)には、機器やユーザーに無償で譲渡される。
提供開始日 2019年4月22日
提供の方法 全国に展開する
  • 京セラソーラーフランチャイズ店
  • 販売店
を通じて行う。


京セラは先月(2019/3)末には、関西電力と組んでの同様の「初期費用ゼロ」サービスの提供開始予定を発表していました。

またTEPCOホームテックは、今回の発表の翌日(4/23)に、長州産業が「エネカリ」に参画したことを発表[4]。

これで「エネカリ」に参画する太陽電池パネルメーカー等は計8社になったとのことで、住宅向けの「初期費用ゼロ」のサービス提供の動きは、急速に活発化している印象です。

ただ、同じサービスに多くのメーカーが参画するとなると、「エネカリ」を利用したいユーザーは何を基準に機器のメーカーを選ぶことになるのか・・・という疑問が浮かびましたが、今回の京セラの発表から、顧客への「エネカリ」の提案は参画メーカー各社の販売網に委ねる、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]「エネカリ with KYOCERA」のサービスを開始(京セラ、2019/4/22)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0404_eneg.html
[2]京セラとZEHや自家消費に対応する「エネカリ with KYOCERA」サービスを開始(TEPCOホームテック、同上)
https://www.tepco-ht.co.jp/news/page/730/
[3]エネカリ with Kyocera で協働開始いたしました!(同上)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2019/04/%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%82%AB%E3%83%AA-with-kyocera-%E3%81%A7%E5%8D%94%E5%83%8D%E9%96%8B%E5%A7%8B%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%EF%BC%81/
[4]長州産業とエネカリで協働開始!(同上、2019/4/23)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2019/04/%E9%95%B7%E5%B7%9E%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%81%A8%E3%82%A8%E3%83%8D%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%81%A7%E5%8D%94%E5%83%8D%E9%96%8B%E5%A7%8B%EF%BC%81/

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2019年04月17日

関西電力+京セラによる「京セラ関電エナジー合同会社」が新設、住宅向けに太陽光発電の設置(初期費用ゼロ)+電力供給を行い、契約満了後はPVを無償譲渡

3週間近く前になりますが、京セラ関西電力の2社が2019年3月27日に、

  • 住宅用太陽光発電システムを用いて新たな電力サービスを提供する「京セラ関電エナジー合同会社」を設立することで合意した。
と発表していました[1][2]。

事業の概要は次の通り。


新会社設立の目的
  • 京セラグループの太陽光発電システムと、施工・メンテナンス等に関する技術
  • 関西電力グループにおけるエネルギーサービスのノウハウ
という経営リソースのシナジーを追求して、顧客に新サービスを提供し、再エネ市場での事業拡大を目指す。
サービスの内容 顧客が初期費用なしで太陽光発電システム(10kW未満)を導入できる。
  • 新築戸建住宅を中心に、
    • 住宅屋根への太陽光発電システムの設置
    • 顧客宅への電力供給(太陽光発電の電力と系統電力)
    を行う。
    (※既築住宅の場合は、別途施工費用などが必要になる可能性あり)
  • 原則10の契約満了後は、太陽光発電システムは顧客に無償譲渡される。
  • 停電時には、自立運転機能により太陽光発電の電力を利用できる。
  • 契約期間中は、京セラの10年保証が受けられる。
  • サービスの料金は「魅力を感じていただける料金」。
対象エリア
  • 関東
  • 中部
提供開始時期 2019年秋頃の予定。


日本国内でも太陽光発電設備のコスト低下は進んできたとはいえ、サービス提供者が(設備譲渡までの)10年間で、初期費用の回収+十分な利益を得られるものなのか、というのはやはり非常に気になります。


とはいえ今回の発表に先立ち、他の事業者では既に

  • ハンファQセルズジャパン+TEPCOホームテック社による「Q.HOME ZERO powered by エネカリ」(住宅用が対象)[3]
  • 新出光+ソーラーフロンティア社による「SFPVシステム」(産業用が対象とみられる)[4]

と、同様な「初期費用ゼロ」のサービスが開始済み。

国内の太陽電池需要の減少が続く中で、これらのサービスによる市場の活性化が成るか、というのは強く興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]京セラと関西電力が新会社「京セラ関電エナジー合同会社」を設立(京セラ社、2019/3/27)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0305_cool.html
[2]同上(関西電力、同上)
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/0327_1j.html
[3]ハンファQセルズジャパン、住宅用太陽光発電システムの初期費用「0円」サービス 「Q.HOME ZERO powered by エネカリ」開始 ― 東京電力グループ TEPCOホームテック株式会社と業務提携し、協働で販売 ―(ハンファQセルズジャパン社、2019/2/4)
http://www.hanwha-japan.com/news/2019/0204/
[4]新出光とソーラーフロンティア、太陽光発電システムの初期費用ゼロ設置モデルで協働(ソーラーフロンティア、2019/3/14)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2019/0314_press.html

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2018年12月07日

京セラと米Hemlock社がポリシリコン長期購入契約で和解、京セラは511億円相当の損失計上も、市場価格との乖離を解消

京セラ社が2018年11月28日に、

  • Hemlock社と結んでいたソーラーエネルギー事業用ポリシリコン長期購入契約について、和解合意に至った。
と発表していました[1]。

今回は資料[2]37pの記述と合わせて、概要をまとめてみました。


背景
  • 京セラ社は2005〜2008にかけて、
    • 「Hemlock Semiconductor Operations LLC」
    • 上記子会社「Hemlock Semiconductor, LLC」
    との間で、ポリシリコン原材料の供給に関する長期購入契約を締結した。
  • 2018年9月30日時点で、上記契約に基づき2020年12月31日までに購入が定められている残高は、1199億3300万
    このうち、335億3200万円は前払いされている。
  • 契約上の未購入残高を、低価法に基づき評価した結果、前連結会計年度(2017年度)において、原材料の正味実現可能価額が、契約上の購入価格を下回った。
    (ソーラーエネルギー事業の収益性の低下に伴う)
    この差額を引当損失に計上しており、2018年9月30日現在における引当損失の残高は、308億8500万
和解の内容 京セラ社はHemlock社に対し、
  • 支払い済みの前渡金の放棄
  • 保有するポリシリコンでの代物弁済
  • 和解金の支払い
等を行う。
これにより京セラ社は、511億円相当の損失計上を行う。
和解によるメリット これまで生じていた、当該契約上の固定取引価格と市場取引価格との乖離解消される。

ただしHemlock社のウェブサイトでは、この件に関する発表は見当たりませんでした。



当初は「購入契約の和解」という表現の意味がよく判りませんでしたが、報道(例えば[4])も合わせてよく読むと、要は「長期契約を途中で停止・破棄する」ということのようです。


(当ブログが継続的な更新を始める前の)2005〜2007年あたりのことは良く知りませんが、2008年には海外の太陽電池メーカーが生産量・生産能力を大きく伸張

それに伴って太陽電池メーカーではシリコンの安定調達が課題になっており、京セラ・Hemlock間の長期購入契約も、当時のシリコン不足が背景だったものと思われます。


しかしその後、市場の急変(太陽電池モジュールの供給過剰など)により、急成長を続けてきた中国メーカーは軒並み赤字に転落。

ポリシリコン価格も、例えば2011年10月には年初から半減という急落振りでした。

そしてその後も、太陽電池モジュールの価格下落は大きく進んでいます


このように僅か10年程度の中で、太陽電池市場の状況は激変しており、10年前に契約した固定取引価格が完全に合理性を失ったことは理解できます。

ただ一方で、変化の激しい市場において長期契約を結ぶことの怖さも、今回の件は示していると感じます。


今回は約511億円という巨額の損失計上ですが、それでも残り約2年間での購入残高(約1200億円)の半分以下であり、そのまま契約に従って購入すれば約309億円の損失が出る見込み。

そう考えると、支払済みの前払い金(約335億円)に200億円弱(※ポリシリコン現物による弁済含む)の追加負担をして、今のうちに「損切り」するほうが得策、ということなのかもしれません。

京セラのソーラーエネルギー事業は売上減が続いていますが、今回の和解合意(長期契約の解消)が、同事業の業績改善に果たしてどのような効果をもたらすのか、注目していきたいところです。


※参照・参考資料:
[1]ヘムロック社との長期購入契約の和解のお知らせ(京セラ、2018/11/28)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/181128_wakai.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[2]2019年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/181128_yosou.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]有価証券報告書等 2019年3月期 四半期報告書 第2四半期(京セラ、2018/11/9)
https://www.kyocera.co.jp/ir/financial/pdf/FY19_2Q_qr.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/library/yuho.html」内。)
[4]京セラ、511億円の損失計上へ 米ヘムロックとの和解合意で(ロイター、2018/11/28)
https://jp.reuters.com/article/kyocera-idJPKCN1NX0MN
[5]Global Scale and Reach: Polysilicon(Hemlock Semiconductor社)
http://hscpoly.com/polysilicon.html

※関連記事:

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2018年08月05日

京セラ社の2018/4-6の「ソーラーエネルギー事業」は減収、国内セル・モジュール生産は1拠点(滋賀野洲工場)に集約予定

京セラ社が2018年7月31日に、

  • 20193月期1Q2018/4-6)の業績
を発表していました[1][2]。

その中から、「ソーラーエネルギー事業」に関する内容をまとめてみました。


  • 売上高([1]のp5):減少した。
    これにより、同事業が属する「生活・環境」セグメントは、前年同期比減収となった。
  • 構造改革([2]の14p):
    国内でのセル・モジュール生産を、1拠点に集約する。
    集約前集約後
    • セル生産:滋賀野洲工場
    • セル・モジュール生産:滋賀八日市工場
    • セル・モジュール生産:滋賀野洲工場
    (※管理人注:集約の完了予定時期が「上期」「下期」のいずれなのかは、判断できず。)


売上高の減少に、生産拠点の集約予定と、事業の成長拡大を感じさせる情報は全く無く、ソーラーエネルギー事業の非常に厳しい状況が伺えます。

また今回は、シャープとパナソニックの業績発表資料[3][4]も見ましたが、両社とも「太陽電池」「太陽光発電」「ソーラー」の文字すら有りませんでした。

これら3社は日本の太陽電池大手メーカーの筈ですが、太陽電池事業の存在感は、残念ながら前年度(2017年度)通期よりも、更に希薄になっているようです。


海外メーカーに目を向けると、例えばJinkoSolar社の2017年通期のモジュール出荷量が9.8GWCanadian Solar社が同6.8GWと、モジュール出荷量の拡大が継続。

またFirst Solar社は、大規模太陽光発電所が電力系統の安定化に積極的に貢献できるとの研究結果を発表し、太陽光発電の新たな可能性を示しています。

このような動きを見ると、日本の太陽光発電産業はもはや、世界の中で遅れをとっており、しかもその差は急激に開きつつあるのでは、と強い危惧を抱きます。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第1四半期 決算短信(京セラ社、2018/7/31)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_1Q_tanshin.pdf
(※https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html内。)
[2]カンファレンスコール資料(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_1Q_cp.pdf
(※同上。)
[3]2019年3月期 第1四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/7/31)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/4/1903_1pre_nt.pdf (※http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/内。)
[4]2018年度 第1四半期 連結決算短信・補足資料(パナソニック社、2018/7/31)
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2018/07/jn180731-1/jn180731-1.html

※関連記事:

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2016年12月19日

京セラが容量12kWhの住宅用「太陽光発電連係型リチウムイオン蓄電システム」を発表、「フィルム型リチウムイオン蓄電池」で蓄電システムのサイズを抑制

京セラ2016年12月12日に、

  • 容量12kWhの蓄電池システム
  • ハイブリッド型パワコン(太陽光発電システムの電力変換と、蓄電池の直接充電の両方が可能)
を組み合わせた、住宅用の「太陽光発電連係型リチウムイオン蓄電システム」を発表していました[1]。

概要は次の通り。


主な特徴

フィルム型リチウムイオン蓄電池」を採用 蓄電システムには、積水化学工業が開発したフィルム型のリチウムイオン蓄電池を採用。
これにより、12kWhという大容量でも、筐体のサイズを抑えている。
また電池の内部には、同じく同社が開発した「電極塗工型絶縁材料」を用い、安全性も高めている。
加えて「室内設置タイプ」としており、外気の変化による電池の劣化を抑制する。
京セラ製の「ハイブリッド型パワコン」
  • 太陽光発電システムのパワコン
  • 蓄電システムのパワコン
を一体化。
太陽電池の発電電力(直流)を、(交流電力に変換せず)直流のまま蓄電池に充電できる。
これにより、充電効率96%を実現している。

主な仕様

形式EGS-ML1200
製品のタイプ大容量マルチDCリンクタイプ
(※京セラは2015年9月に、
同タイプの蓄電システム(7.2kWh)を発売している)
希望小売価格オープン
発売日2017年1月2日
電池ユニットパワコン
外形寸法(mm)幅760×高495×奥行525幅880×高580×奥行270
質量(kg)175kg55kg

またこのシステムは、セキスイハイムの新しい住宅商品「スマートパワーステーション “100%Edition”」(本システムと同日に発売予定)に採用されるとのことです[2][3]。



積水化学のフィルム型リチウムイオン電池は、2013年に発表されていました[4]が、それから約3年を経過しての商品化実現となったようです。

軽量・フレキシブルであること、また塗工プロセスによる高い生産速度と、非常にユニークな特徴・魅力を備えていますが、その一方で、今回の各種発表の中で製品価格には殆ど触れられておらず、特殊な素材(ゲルタイプ電解質)の採用が生産コストにどう影響しているのか、というのは気になるところです。

12kWhという容量については、1世帯の1ヶ月あたりの消費電力量が271.2kWh(2013年時点)[5]とのことで、これを30日で割ると9.04kWh/日、31日で割ると8.74kWh/日。

もちろん実際には、地域などによってかなり異なると思われますが、それでもこの数値の上では、蓄電システムの容量が1日の消費電力量を十分上回ることになり、これで住宅用蓄電システムが新しい時代に入る可能性もあると考えます。

ただやっぱり最も気になるのは、価格が果たしてどの程度になるのか、ということですが。


※参照資料:
[1]大容量12kWhクラスで業界最小のリチウムイオン蓄電池を搭載したハイブリッド型の国内住宅用蓄電システムを開発(京セラ)
http://www.kyocera.co.jp/news/2016/1203_qtsk.html
[2]大容量フィルム型リチウムイオン電池事業を開始します(積水化学工業)
http://www.sekisui.co.jp/news/2016/1296962_26476.html
[3]『スマートパワーステーション“100% Edition”』を発売(同上)
http://www.sekisuiheim.com/info/press/20161212.html
[4]塗工プロセスによる大容量フィルム型リチウムイオン電池開発(同上)
http://www.sekisui.co.jp/news/2013/1238843_2281.html
[5]一世帯あたり電力消費量の推移(電気事業連合会)
http://www.fepc.or.jp/enterprise/jigyou/japan/sw_index_04/

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