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2017年12月14日

三井住友建設が、自社の水上太陽光発電用フロートシステム「PuKaTTo」の海外展開を強化するため、台湾に現地法人「SMCC Taiwan」を設立

三井住友建設」社が2017年12月6日に、

  • 自社の水上太陽光発電用フロートシステム「PuKaTTo」の海外販売を強化するため、台湾現地法人を設立した。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

  • 台湾は
    • 再エネ発電の割合を、2025年までに20
    というエネルギー政策を掲げている。
    そして台湾市場では現在、
    • 多数の農業用ため池
    • 広大な面積の塩田跡地
    を活用する水上太陽光発電の検討が、急速に活発化している。
  • 水上太陽光発電事業はこれまで、日本で先行して事業化されてきた。
    (三井住友建設も、自社開発の「PuKaTTo」を用い、事業を拡大してきた)
    近年は、日本での成功を踏まえて
    • 中国
    • インド
    • タイ
    • シンガポール
    • 台湾
    等で、政府などにより積極的に、水上太陽光発電の普及が進められている。
    中でも台湾(日本同様にため池が多い)では、FIT制度も整い、急速に市場が活性化し始めている。

<現地法人>

  • 名称:「台湾三住建股フン有限公司」(SMCC Taiwan Co., Ltd.
  • 事業内容:
    ・水上太陽光発電用フロートシステムの製造販売事業
    ・上記の付帯事業(係留設計・施工、フロート組立・電気工事、その他計画・設計・パネル調達支援)
  • 資本金:2億円(三井住友建設90%、現地資本10%)

<今後の方針>

  • 台湾市場での展開を足掛かりに、「PuKaTTo」を東南アジア全域に広めていく。


水上太陽光発電というと、個人的には韓国フランスが先行しているものと思い込んでいたので、「日本で先行して事業化されてきました」という今回の発表の記述は、かなり意外に感じました。

しかし、当ブログの過去記事を見返す限りでも、日本国内での水上太陽光発電事業の事例は結構な数であり、世界的に見ても事業化が先行しているというのは、確かにその通りなのかもしれません。

ちょうど今月の初め頃には、NEDO等による太陽光発電設備の水没実験(実際の設備を池に沈める)が実行されていましたが、降水量が多い日本の環境的な特性が、水上設備や水没実験を促進する、大きな要因となっていると考えます。


「PuKaTTo」のフロートについては、中空型の内部に発泡スチロールを充填した方式とのことで、香川県で行われた検証実験の3種のどれにも該当しないタイプです。

その点で、世界的にも珍しい方式と思われますが、日本企業によるこのユニークな方式が、海外市場でどのように受け入れられるのかは、注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]水上太陽光発電用フロートシステム販売強化に向け、台湾に現地法人を設立 ─海外での再生可能エネルギー事業展開を開始─(三井住友建設、2017/12/6)
http://www.smcon.co.jp/2017/120620541/
[2]水上太陽光フロートシステム(三井住友建設)
http://pv-float.com/

※水上太陽光発電の過去記事:

※三井住友建設に関する過去記事:

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2017年11月02日

ネクストエナジー社が中国法人を設立、成長見込みが大きい中国市場への進出を狙う、まずは現地の太陽電池メーカーに部材納入(日本メーカーと仲介)

ネクストエナジー・アンド・リソース社が2017年10月30日に、

  • 中国現地法人を設立し、活動を開始した。
と発表していました[1]。

今回はその概要をまとめてみました。


現地法人の名称 「奈克偲特(ネクスト)新能源科技(上海)有限公司」
設立の背景 中国と日本の太陽光発電導入量は
中国日本
通年累計通年累計
2015年実績15GW44GW11GW34GW
2016年実績34GW77GW8.6GW43GW
2020
(政府目標)
162GW63GW
であり、中国市場の大幅な伸びが見込まれる。
設立の狙い
  • 現地での製造委託品の品質アップ(現地法人が品質管理を行う)
  • 中国市場への進出の足掛かり
具体的な取組み まず現地法人の仲介機能を活用し
  • 中国国内の太陽光関連製品メーカーへの部材販売
  • 中国市場向け製品の開発販売
に取り組む。
第一弾として2017年9月から、「東洋アルミニウム」社の現地法人と取引を開始し、同社の部材を現地メーカーへ納入する事業を開始している。
スケジュール
  • 2017年8月22日:設立
  • 同年9月下旬:活動開始


中国の太陽電池メーカーは、余剰モジュールの大量供給により米国でのモジュール価格急落を引き起こした、言わば「張本人」であり、その後も同市場で価格下落が続いたことを考えると、部材に対するコスト面での要求も、相当に厳しいことが想像されます。

今回のネクストエナジー社の取組みは、敢えてその厳しい環境に飛び込むものですが、例え極めて薄利多売であっても、中国市場の成長見込みを考えると、メリットのほうが大きいと判断した、ということなのかもしれません。


また、中国市場への外資系企業の参入というと、ちょうど3年前(2014年)に米SunPower社が発電所事業に参入していましたが、これは現地企業との合弁企業を設立したうえでのことでした。

今回のネクストエナジー社の取組みは、現地企業との合弁などでは無いようですが、中国市場でどの程度自由に活動できるものなのかが、気になるところです。


最後に今回の中国進出は、日本市場の成長に限界を見ての判断と感じられますが、その一方で、中国の太陽電池モジュールメーカーの日本市場参入が相次いでいる、との報道もある[4]のは、何とも興味深いことです。

もっとも日本の場合は、メガソーラー分野において、固定価格買取制度(FIT)での認定量と実際の導入量のギャップが埋まり次第、メガソーラー向けのモジュール需要も急速に縮小していくと思われるので、中国市場とは全く状況が異なるとは思いますが。


※参照・参考資料:
[1]ネクストエナジー、中国現地法人を設立 自然エネルギー事業をアジア市場にも展開(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2017/10/30)
http://www.nextenergy.jp/sp/info/2017/info20171030.php
[2]ネクストエナジー 太陽光部材を中国で販売 東洋アルミと業務提携(日本経済新聞、2017/10/30)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22854850Z21C17A0TJC000/
[3]|製品紹介|太陽電池関連製品(東洋アルミニウム社)
http://www.toyal.co.jp/products/solar/index.html
[4]太陽光パネル、中国勢の波 低価格で圧倒(日本経済新聞、2017/10/28)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22848750Y7A021C1EA5000/

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2016年11月28日

インドの太陽電池モジュール輸入額(2014年度・2015年度)において、中国製品が7〜8割以上を占める

「NNA ASIA」の記事(2016年11月23日付)[1]で、インドにおける太陽電池モジュール輸入額が報じられていました。

主な数字は次の通り。


太陽電池モジュールの輸入額

※カッコ内は、輸入総額に占める割合。

2014年4月
〜2015年3月
2015年4月
〜2016年3月
輸入総額23億4000万米ドル
うち中国製品6億334万ドル(7割以上)19億6000万ドル(84%)

インドはモディ政権になってから太陽光発電の導入目標を大きく引き上げましたが、中国製品の輸入額の伸びから、モジュール需要自体が急拡大していることが伺えます。

しかし一方でインド政府は、「Make in India」キャンペーンも展開

そして中国製モジュールに対しては、国内メディアによる強い非難記事の掲載が起こっており、風当たりが相当に強いイメージがあったので、輸入モジュールのうち7〜8割を占めているという今回の数字は意外でした。

もっとも、その非難報道(2015年1月)自体の中で既に、「中国製の劣悪製品」の市場シェアは60〜70%と書かれています。

そして中国メーカーは、その後も厳しいコストダウン競争を続けていることから、高い価格競争力によりインド市場でシェアを維持または拡大していても、不思議ではないと思われます。

また、結晶シリコン型太陽電池モジュールは(残念ながら)ほぼコモディティ化していると考えられることから、今回の数字は、(たとえ一部で反感を買っていたとしても)結局は価格の安さが物を言う、という現実を示しているようにも感じられます。


※参照資料:
[1]太陽光発電設備の輸入、中国製が8割占有(NNA ASIA)
http://www.nna.jp/articles/show/1537933

※関連記事:

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2015年02月22日

インドで100MW超のソーラープロジェクトが複数進行中

最近、インドでの100MW超ソーラープロジェクトに関する、複数の発表・報道がありました[1]〜[3]。

概要は下記の通り。


National Thermal Power Corporation(NTPC)

「RE-INVEST 2015」(2月にNew Delhで開催)において、10000MWのソーラープロジェクトを追加することで合意した。

既に

  • 4州(Andhra Pradesh、Madhya Pradesh、Telengana、Rajasthan)でのプロジェクト(各250MW
  • Andhra Pradesh州での単一プロジェクト(500MW
について、公開買付の通知を出している。

(※NTPCはインド各地において、8つのプロジェクト群(計110MW)を既に委託済み。
 その中で最大は、50MWの「Rajgarh Solar Project」(Madhya Pradesh州)。)


Solar Energy Corporation of India(SECI)

「RE-INVEST 2015」のカンファレンス(2月13日)において、「THDC India Limited(THDCIL)」の250MWのソーラープロジェクトに対し、自社のターンキーベースを提供することで、THDCILと覚書を結んだ。


Madhya Pradesh州のプロジェクト

  • 場所:Rewa地区
  • 発電容量750MW
    3セグメント(各250MW)に分割する。
  • 用地
    1500haは取得済み。
    残り300haの取得は継続中。
  • 期待される発電コスト5ルピー/unit
    これはインド国内のどのソーラープロジェクトよりも安い数字。
    (※管理人注:当記事の作成時点では1ルピー=約1.9円だったので、kWhあたりの金額かもしれません。)

先月の米Solarbuzzのレポートで、インドが太陽エネルギー導入の姿勢を一気に強めたことが報告されていましたが、今回見つけた情報{1]〜[3]の限りでも、大規模導入の動きが具体的に進んでいることが伺えます。

各ページでは「Solar Project」のみの記載であり、太陽熱も含まれる可能性がありますが、まずNTPCについては、既存プロジェクトの紹介ページ[5]で「Solar Energy」は「PV」のみなので、今回の新規追加分についても、全量が太陽光発電である可能性が考えられます。

それだけに、計1万MW(=10GW)という数字には正直目を疑いましたが、もともとNTPCはインド最大の火力発電会社(発電容量23万7000MW)[4]であり、インド国内での電力需要の拡大と、PVの初期コストが下がり続けていることを考慮すると、この規模の太陽光発電の新規導入も、十分に現実的な範囲なのかもしれません。

いっぽうSECIのほうは、サイトに太陽光発電と太陽熱発電の両方の写真が掲載されているので、THDCILのプロジェクトも太陽熱を含む可能性があります。
Madhya Pradesh州のプロジェクトについても、同じく太陽熱を含むことが考えられますが、仮にPVの割合が(低めにみて)半分だったとしても、規模の巨大さに変わりはありません。

今年1月には、米SunEdisonと印Adani Enterprisesが、太陽電池の大規模生産施設(投資額40億ドル)の建設を目指すことを発表していましたが、このような大規模プロジェクトが多数進行中ということであれば、インド国内での太陽電池モジュール需要が急拡大するという見通しも、妥当なものだと感じられます。

ただし、現政権は「Make in India」キャンペーンを展開しているので、海外メーカーにとっても有望市場と成り得るかは判りませんが。


※参照資料:
[1]NTPC Commits to Add 10K MW of Solar(National Thermal Power Corporation)
http://www.ntpc.co.in/en/media/press-releases/details/ntpc-commits-add-10k-mw-solar
[2]SECI signs MoU with THDCIL for Development of 250 MW of Solar Projects(Solar Energy Corporation of India)
http://www.seci.gov.in/upload/files/what_new/news/54e1d8a81eb81THDCILSECIMOUpressRelease.pdf
[3]At 750MW, Madhya Pradesh to get world’s largest solar power plant(Economic Times誌)
http://economictimes.indiatimes.com/industry/energy/power/At-750MW-Madhya-Pradesh-to-get-worlds-largest-solar-power-plant/articleshow/46259062.cms?imageid=31205800#slide8
[4]NTPC(ウィキペディア)
[5]Renewable Energy & Distributed Generation(NTPC)
http://www.ntpc.co.in/en/power-generation/renewable-energy-and-distributed-generation
[6]Solar Energy Corporation of India
http://www.seci.gov.in/content/
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2015年01月23日

Solarbuzzがアジア太平洋地域の太陽光発電導入状況を発表、2014年は日本と中国が牽引

もう1ヶ月以上経っていますが、米Solarbuzzが昨年12月12日に、アジア太平洋地域での太陽光発電の導入状況2014年第4四半期が中心)を発表していました[1]。

その中から、事実に関する記述を中心に、主な内容を抜き出してみました。

APAC全体

  • 導入量の予想
    • 2014年
      ・第4四半期:10GW程度
      ・通年:前年比19%増
    • 2015年:世界市場の半分以上を占める
  • 背景
    下記2つが、大幅増の主因となっている。
    • 日本市場の強い成長
    • 中国での年末の導入ラッシュ

中国

  • 導入状況
    2014年第1〜3四半期の導入実績は、予想を下回るものだった。
    しかし第4四半期の導入ラッシュにより、通年では2013年の水準を超える見込み。
    またQ4の導入は、APAC市場の需要増に最も寄与した。
  • 背景
    地上設置型が、まだ市場のメインになっている。
    建物設置型は、分散型向けの補助金により、ゆっくり導入が進んでいる。

日本

  • 導入状況
    2014年通年では、前年比46%増の見込み。
    回答保留を発表した電力5社管内での太陽光発電需要は、日本の総需要の約35%だった。

インド

  • 政府が「Jawaharlal Nehru National Solar Mission」での導入目標(2022年までに22GW)を、100GWまで引き上げた。
    新首相(Narendra Modii氏)の就任以来、政府は多数の太陽光発電開発計画を、積極的にアナウンスしている。
    また20の州が、大規模ソーラーパークの計画(計20GW)を発表している。

オーストラリア

  • 住宅向けの導入により、2014年第4四半期の太陽光発電需要は、最高水準に達している。
    また地上設置型も同じく増加しており、3つの大規模プロジェクトが建設中。
    ただし一方で、「the new Renewable Energy Target(RET)」はまだ交渉中である。
  • 中国との間で、新しいFTA(自由貿易協定)が締結された。
    これは、中国の太陽電池パネルメーカーと、豪州の太陽光発電市場の双方に、良い影響をもたらす可能性がある。

その他の地域

  • タイや他の新興国も、近い将来における成長の潜在的可能性を見せている。
    中でも地上設置型については、大規模プロジェクトが
    • フィリピン
    • パキスタン
    等で計画されており、新興市場での割合を高めることが予想される。

まだ第4四半期が終わっていない時点でのレポートではありますが、アジア太平洋市場の現状が伺えるもので、非常に興味深いです。
その中で中国はともかく、回答保留で揺れた日本も市場の牽引役となった、というのは意外でした。

中国市場については昨年8月の報道[2]で、下半期に導入が加速しているとの指摘がされていましたが、結局それは正しかったようです。

ただ、2013年には導入量全体の約6%に留まっていた分散型は、いまだに導入スピードが上がっていないようで、政府の思惑通りに今普及を加速できるのか、というのは気になるところです。

インドについては、政府が導入量目標を一気に約4.5倍に高めたことに驚かされます。
中国もそうですが、国の規模が巨大な新興国では、それだけエネルギー自給に対する逼迫感(危機感)が高まっている、ということなのかもしれません。

ともかく、そのような政府方針があるのであれば、米SunEdisonと地元Adani Enterprisesが発表した大規模生産施設計画(投資額40億ドル)も、内需の爆発的拡大を見越した、合理性が高い事業だと考えられます。

日本については、回答保留などを発表した電力5社の導入量シェアは、確かに意外に小さいですが、それでも1/3以上は占めています。
また今後の新規計画についても、それらの地域では、出力抑制の無補償期間が制限無しになる(=採算の見通しが立ち難くなる)ことから、2015年の市場に及ぼす影響は、決して過小評価するべきでは無いと考えます。

他の地域は、未だ未知数という印象ですが、総じて日照条件は良いと思われるだけに、(品質を保ちながらの)初期費用の低減が更に進めば、合理的な電源として、普及が一気に進む可能性はあると考えます。


※参照・参考資料:
[1]Year-End Rush in China Leads Asia-Pacific Solar PV Market to Set New Record in Q4’14, According to Solarbuzz
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/year-end-rush-china-leads-asia-pacific-solar-pv-market-set-new-record-q4%E2%80%9914-acc
[2]今年、中国は新設の太陽光発電設備容量13GWの導入目標を達成(新華社)
http://www.xinhuaxia.jp/business/43361
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2015年01月06日

インド現地紙が中国製太陽電池を強く非難、シェア60〜70%も、数ヶ月の使用で駄目になる、と

ニュース記事[1]で、インドの経済紙が中国製太陽電池パネルを強く非難する記事を掲載したことが、紹介されています。

この中で、ある程度具体的な数量が挙げられている部分は下記の通り。

  • 中国製パネルの販売価格:インド製の半分以下
  • 中国製パネルのシェア
    タタ・パワー・ソーラー社の副総裁は、
    ・中国製の劣悪製品は、インド市場でシェア60〜70%を占めている。
    と指摘した。
  • 中国製パネルの品質
    インドの太陽光発電業界の関係者は、
    数ヶ月も使えば駄目になる。
    と語った。

インド政府は太陽光発電の国内普及において、自国製機器の優遇措置を講じており(※米国がWTOに提訴)、現地誌が攻撃的な記事を載せたことは、中国製パネルが国内産業育成の妨げになっている、という強い危機感の表れと思われます。

ただ、その政策下においても、中国製パネルが圧倒的なシェアを占めていることは非常に意外であり、どのような背景でそうなっているのかが、非常に気になるところです。

また中国メーカーと言っても、TrinaやYingli等の世界的なトップメーカーが「劣悪製品」を作っているとは、甚だ考えにくいことです。

そう言えば、米商務省による中国・台湾製太陽電池の最終調査結果では、名の知れた50社弱のダンピング幅は大部分が50%程度である一方、「中国全体」では165.04%と跳ね上がっていました。

それだけ、著名メーカー以外に、段違いの安値で販売している中国メーカーが多数存在しており、今回の記事で指摘されている「劣悪製品」は、それらのメーカーの製品に該当するのでは、と考えます。

実際にどの程度「劣悪」なのかは、件の業界関係者などが実例を示すべきだと思いますが、例えば2012年に独Fraunhoferが行ったPID試験で、出力低下が起きなかったのは13メーカー中4社のみだったことを考えると、高温多湿の地域が多いインドで、安価なパネルに極めて早い段階でトラブルが起こることは、想像できることではあります。


※参照・参考資料:
[1]インド企業が「中国製の太陽電池パネルはゴミ」、インドで中国製品のネガティブキャンペーン―中国紙(FOCUS-ASIA)
http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/405690/
[2]気候(ウィキペディア「インドの地理」内)
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2014年09月13日

2014年上半期の中国の太陽電池モジュール生産量は15.5GW(前年同期比34.8%増)、世界の60%超を占める

ニュース記事[1]で、2014年上半期中国の太陽電池産業の状況が報じられていました。

この中で「工業情報化部電子情報司基礎処」の処長の方が示したものとして、下記の数字が紹介されています。

  • 中国の太陽電池モジュール生産量15.5GW(前年同期比34.8%増)
    世界の60%超に相当。
  • 国内に新設された発電設備の容量5.5GW
    ※累計では24GWに達している。

米Solarbuzzのレポートでは大手中国メーカーの2014年第2四半期のモジュール出荷量は約6.6GWとされており、それと今回の数字(中国メーカー全体での1-6月の生産量15.5GW)は概ね辻褄が合っていますが、ただ中国メーカーでは(反ダンピング関税・相殺関税の回避策などとして)外注へのシフトを強めている動きもあり、その分が今回の数字にどう考慮されているのか、というのは気になるところです。

中国国内での新設容量については、こちらもモジュール生産量の1/3弱であり、Solarbuzzのレポートの数字(大手中国メーカーの総出荷量のうち、国内向けが約1/3)と整合性があると感じられます。

中国の(少なくとも)大手メーカーについては、出荷先地域が一部に偏っていないことから、今後不意・突然に、ある地域で市況の変化が起こった場合でも、現在の生産・出荷のペースをある程度保てるのでは、と考えます。


※参照・参考資料:
[1]上半期の太陽電池主要製品の輸出15.9%増―中国メディア(新華社)
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/394759/

※関連記事:
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2014年08月14日

中国の2014年1-6月の太陽電池製品輸出額は約14%増、日本が最大輸出先に浮上も、米国向けは6月に急ブレーキ

ニュース記事[1]で、2014年上半期の、中国の「太陽電池製品」の輸出状況が報じられていました。

これは、中国機電製品輸出入商会・太陽光発電製品分会の秘書長(事務局長)の方が報告したものとのことで、主な数字は下記の通り。

  • 2014年上半期の輸出総額:74億2000万米ドル(前年同期比13.85%増)
  • 地域別:
    • 日本:米国を抜き、最大の輸出先に浮上している。
      ・輸出量:3.6GW超
      ・輸出額:24億6000万ドル
    • 米国
      ・輸出量:2GW
       5月(550MW)までは月ごとに増加していたが、6月(200MW)に減少に転じている
      ・輸出額:24億6000万ドル

輸出全体では1割超の伸びと好調な印象ですが、有望市場では日本向けの増加が著しい一方、米国向けは急ブレーキがかかっており、下半期には(輸出全体で)同様の伸びは見込めないものと予想します。

米国向けの減速については、反ダンピング・反補助金調査の実施による影響が挙げられており、中国メーカー側のリスク回避(処分の正式決定を見越し、今のうちから米国市場への依存を減らす)という点では、合理的な姿勢と感じられますが、他方で米国国内において、中国製品の輸入量急減が太陽光発電設備の設置・導入ペースにどう影響しているか、というのは気になるところです。

また今回のデータは輸出のみですが、中国の内需では、同じく今年上半期(2014年1-6月)の新規設置量(系統連係分)が3.3GW[2]と、思ったより低い水準に留まっており、下半期にこれを転換できるかという点も、中国モジュールメーカーの今後の業績に大きく影響するものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]中国:太陽電池製品の対日輸出急増、上半期は米国抜いて最多に(newsclip.be)
http://www.newsclip.be/article/2014/08/13/22788.html
[2]今年、中国は新設の太陽光発電設備容量13GWの導入目標を達成(新華社)
http://www.xinhuaxia.jp/business/43361

※関連記事:
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2014年06月11日

中国の太陽光発電容量は2013年末時点で12GW、同年の投資額は世界全体の約1/5

ニュース記事[1][2]で、漢能控股集団などが6月7日に発表したレポート「全球新能源発展報告2014年」の内容が紹介されていました。

これは、2013年の中国の新エネルギー市場について書かれているもので、そのうち太陽光発電に関する数字は下記の通り。

  • 発電容量(2013年末時点)12GW(前年比232%増)
    ※世界全体では130.6GW(同38.7GW増)。
  • 投資額235億6000万米ドル(世界全体の21.1%相当)
    ※中国の新エネ全体の投資額は614億4000万ドル。
    ※アジア太平洋地区の新エネ投資額は1196億1000万ドル(前年比9.8%増)。

1年間で8GW超という導入規模は、日本を大きく上回るペースであり、(日本の場合もそうですが)FITの文字通り「劇薬」のような効果の大きさが伺えます。

ただ中国は国土・人口が桁違いなことから、日本を上回る程度の導入規模では(エネルギー供給の役割において)全く不足ですが、昨年末時点で推進中のプロジェクトは130GWとの調査結果もあり、今後もしばらくは、ハイペースな導入量拡大が見込まれるものと考えます。

投資金額の面でも、2013年は世界全体の約1/5を占めており、2014年も更なる伸びが予想されますが、パネル供給においては海外メーカーが入る余地は無いと思われるものの、一方で中国メーカーでの原材料需要が増えることで、海外の原材料メーカー(シリコンメーカー等)にどの程度プラスの影響が及ぶのか、というのは注目したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]中国の太陽光発電市場が急成長、ドイツ抜き世界トップに浮上(newsclip.be)
http://www.newsclip.be/article/2014/06/10/22119.html
[2]中国の昨年の新エネ融資総額614億ドル、世界最多に―中国メディア(新華社)
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/economy/385262/

※関連記事:
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2014年05月27日

中国からの太陽電池製品輸出額で、アジア向けが2013年に約45%・2014年1Qは55.6%と急拡大

ニュース記事[1]で、中国からの太陽電池製品輸出額が報じられていました。

これは「中国機電製品輸出入商会」の副秘書長の方が公表したものとのことで、主な数字は下記の通り。

  • 2013年通年:約123億ドル(前年比18
    地域別の割合は、
    アジア向け:約45
    欧州向け:37%(従来は65〜70%)
    北米向け:15〜16
    豪州向け:約5
  • 2014年第1四半期:約35億ドル
    地域別の割合は、
    アジア向け:55.6
    欧州向け:20%以下

また、地域別比率の急激な変化について、

  • 欧米諸国が設置した貿易障壁が、主因となった
との内容のコメントも紹介されています。


北米向けの割合の変化は不明ですが、欧州向けについては(アジア向けと好対照に)割合がみるみる低下しており、市場縮小とペナルティー関税の両方が合わさった結果だと推測します。

アジア向け輸出のメインは日本市場だと思われますが、現在は両国の政治的対立が深刻化しているだけに、今後日本が何時まで主要な輸出先であり続けられるのか、というのは少し気になるところです。

個人的には、太陽光発電産業における両国のつながりが、対立を超える相互理解の一助としても機能することを、願いたいものです。


※参照・参考サイト:
[1]中国産の太陽電池製品、アジア市場を主な輸出先に 欧米向けの輸出難航が原因(新華ニュース)
http://www.xinhuaxia.jp/social/35675
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