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2018年07月16日

ソーラーフロンティア社が、初期費用実質ゼロの住宅用設置モデル「ソーラーエネカリ」でTEPCOホームテック社と協働開始、CISモジュールの拡販に期待

ソーラーフロンティア社と「TEPCOホームテック」社が2018年7月9日に、

  • 初期費用が実質ゼロの太陽光発電システム設置モデル「ソーラーエネカリ」の販売で、協働を開始した。
と発表していました[1][2]。

今回は、その概要をまとめてみました。


「ソーラーエネカリ」の仕組み・メリット
  • このサービスでは、太陽光発電による発電電力の自家消費により、住宅オーナーの電気料金を削減する。
    そして住宅オーナーは、その削減分を用いて、ソーラーエネカリの利用料を(電気料金と一緒に、TEPCOホームテックに)支払う。
  • これにより住宅オーナーは、初期費用が実質ゼロで、太陽光発電の搭載が可能となる。
    またその太陽光発電設備は、ソーラーエネカリの利用契約の満了時点(※10年程度を想定)で、住宅オーナーに原則無償で譲渡される。
  • 一方でハウスメーカーやパワービルダーは、太陽光発電の設置費用を、住宅ローンの計算枠から切り離せる。(金利負担の軽減にも繋がる)
    また、付加価値を(太陽光発電の設置により)高めた住宅として、顧客に提案可能になる。
協働の背景・目的
  • TEPCOホームテック社では「ソーラーエネカリ」を、太陽光発電+省エネ機器の戦略商品として位置づけている。
    今回は具体的な商品ラインナップとして、ソーラーフロンティア社からCIS太陽電池モジュールを調達する。
  • ソーラーフロンティア社は現在、国内住宅市場に注力しており、FITの買取単価が下がる中で、住宅オーナーへの自家消費提案を強化している。
    東京電力グループであるTEPCOホームテックとの今回の協働は、CISモジュールの販売拡大に繋がると見込んでいる。
CISモジュールの供給開始時期 2018年7月


ソーラーフロンティア社は、昨年(2017年)11月の事業再編の発表で、国内市場に一層注力する方針を鮮明にしており、今回のTEPCOホームテック社との協働も、その具体的な取組みの一つと思われます。

また、ソーラーフロンティア社が進めてきたCISモジュールの製造コスト削減が、初期費用実質ゼロをうたう「ソーラーエネカリ」での協働実現につながったものと推測します。


国内での住宅向けモジュール出荷量は、2018年1-3月が前年同期比18%減と、(残念ながら)市場の縮小が際立っています。

それだけに、大手電力会社のグループ企業による新サービスである「ソーラーエネカリ」は、メーカーにとって貴重な供給先であり、またモジュール需要の喚起手段としても期待されているものと想像します。


ただ、個人的にこの手のサービスで気になるのは、やはり収支の辻褄です。

まず、経済産業省の「調達価格等算定委員会」の資料([5]の4p)では、新築住宅における太陽光発電(※2017年1月以降に設置完了)のシステム費用は、平均約35万円/kWとなっています。

いっぽう「ソーラーエネカリ」では、太陽光発電設備の無償引渡しまでの期間が10年程度ですが、ソーラーフロンティア社が産業用で(今年3月に)開始した同種のサービスでは、契約期間が17年でした。

それだけに、「ソーラーエネカリ」における設置費用が、仮に(平均より低めの)30万円/kWとしても、自家消費による電気料金の削減分のみで、本当に10年で賄えるものなのか、というのは気になるところです。


もうひとつ、今回の発表では「余剰電力の売電」に全く言及されていないのが、かなり意外でした。

この点は、TEPCOホームテックが東京電力グループということで、太陽光発電の電力は(電力網に流すより)自家消費を促進したい、という電力会社の意思が、伺える気がします。

もっとも完全な自家消費の実現には、蓄電設備の利用も必須となる筈なので、TEPCOホームテック社が今後そのあたりをどう展開していくのか、というのも興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、TEPCOホームテックの実質初期費用0円の太陽光発電システム設置モデル:「ソーラーエネカリ」に納入開始(ソーラーフロンティア社、2018/7/9)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0709_press.html
[2]ソーラーエネカリ、協働開始!(TEPCOホームテック社、2018/7/9)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2018/07/%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%82%ab%e3%83%aa%e3%80%81%e5%8d%94%e5%83%8d%e9%96%8b%e5%a7%8b%ef%bc%81/
[3]ソーラーエネカリ始動!(同上、2018/6/12)
https://www.tepco-ht.co.jp/blog/2018/06/%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%83%a9%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%82%ab%e3%83%aa%e5%a7%8b%e5%8b%95%ef%bc%81/
[4]エネカリサービスに関して(同上)
https://www.tepco-ht.co.jp/enekari/imgs/enekari.pdf
(※https://www.tepco-ht.co.jp/enekari/内。)
[5]調達価格等算定委員会(第36回) 資料2 平成30年度以降の調達価格等に関する意見(案)(経済産業省、2018/2/7)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/036_02_00.pdf
(※http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/036_haifu.html内。)

※関連記事:

2018年06月05日

昭和シェル石油の2018年1-3月の太陽電池事業は、ルーフトップ市場への集中とコスト削減を推進、「エネルギーソリューション事業」は減収も損失は改善

1ヶ月近く前になりますが、昭和シェル石油が2018年5月9日に、2018年度1Q2018/1-3)の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。


<太陽電池事業での取り組み>

新事業戦略(2016年末〜)
に基づく取組み
  • 国内住宅向けを中心としたルーフトップ市場へのフォーカス
  • 早期黒字化達成のための、更なるコスト削減
    (原材料コストの削減、国富工場への生産集約など)
国内住宅向け 高出力品(1枚180Wまたは185W)に「SmaCISコンセプト」(高搭載・簡易施工・高意匠)を適用した「SmaCIS(Sタイ プ)」を、2018年1月に販売開始した。
生産体制

  • 2017年9月:東北工場の生産を休止
  • 同12月:宮崎工場の生産を停止
し、国富工場へ生産を集約した。


<「エネルギーソリューション事業」セグメントの業績>

※含まれるのは「太陽電池事業」と「発電事業」。

売上高 212億円(前年同期比4.6%)
営業利益 24億円の損失(同6億円の増益)


太陽電池事業単体での売上高や利益は不明ですが、発電事業が(上には書き出しませんでしたが)堅調だったとみられるにも関わらず、「エネルギーソリューション事業」セグメント全体では減収となっていることから、太陽電池事業の売上も少なからず下がったものと推測されます。


ソーラーフロンティア社は昨年11月に、国内市場への経営資源の集中を表明していました。

しかし、例えば太陽光発電協会による「太陽電池モジュールの月次出荷速報」では、モジュール出荷量の減少が2018年1-3月も全く変らず続いています。

国内市場じたいが縮小し続けている状況下では、やはり売上を伸ばすのは難しいものとみられますが、ただし一方でセグメントの損失は改善しており、この点は市場の選択とコスト削減の成果なのかもしれません。


国富以外の2工場(東北、宮崎)での生産休止・停止については、昨年(2017年)の4-6月期業績で記述されていました。

しかし東北工場については当時は、次世代モジュールの商業生産に向けて準備する、とされていましたが、今回(2018/1-3)の発表ではそのような記述は全く無く、国内需要の縮小の深刻さが、表れている気がします。

東北工場では元々、生産における先進的な取組みが進められる筈だっただけに、同工場の位置づけがどうなるのかは、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]2018年度 第1四半期決算について(昭和シェル石油、2018/5/9)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/050902.html

※関連記事:

2018年04月08日

ソーラーフロンティア社のCIS薄膜太陽電池が累計出荷量5GWを突破、今後も国内住宅向けを重視

ソーラーフロンティア社が2018年4月4日に、

  • 自社のCIS薄膜太陽電池累計出荷量が、5GWを達成した。
と発表していました[1]。

その中から、個人的に気になった内容をまとめてみました。


<CIS薄膜太陽電池の出荷量>

2007の商業生産開始から、累計で5GWを超えた


<今後の方針>

  • 重点市場:
    自社では
    • 電力自給自足への、消費者の関心の高まり
    • 政府が進めている、2020年のZEH標準化政策
    を受けて、国内住宅市場重要なターゲットと位置づけている。
  • 2018年:
    戦略商品「SmaCIS」の新ラインナップ「SmaCIS(Sタイプ)」を、1月に発売している。
    国内住宅向け市場の開拓を、更に進めていく。


商業生産を開始した2007年(※当時の社名は「昭和シェルソーラー」)から、約11年で累計5GWに到達、ということになります。

いっぽう海外大手メーカーでは

と、2017年の1年間だけで、優に5GWを超えるケースが現れています。

そのため、少なくとも出荷量の点では、極めて大きな差がついていると感じざるを得ません。


ただしソーラーフロンティア社は、昨年(2017年)から、国内市場に注力する姿勢を鮮明にしていました。

そして今回の発表では、世界市場で広く大規模に展開していく海外大手メーカーとは、はっきりと異なる事業路線を採ることを、更に強調しているように感じられます。

ソーラーフロンティア社は住宅向け以外にも、事業者向けの「初期投資ゼロ円」事業を開始しており、企業の倒産増加など停滞する日本国内市場に、少しでも新しい動きをもたらすことを、期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、累計出荷量5GWを達成(ソーラーフロンティア社、2018/4/4)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0404_press.html

※関連記事:

2018年03月20日

ソーラーフロンティア社の自立型「ソーラースタンド」が、東京都の府中市と国立市に計7基設置、災害時の非常電源としても期待

ソーラーフロンティア社が2018年3月15日に、

  • CIS薄膜太陽電池を用いた「ソーラースタンド」が、東京都の府中市と国立市で設置された。
と発表していました[1]。

その主な内容をまとめてみました。


設置の背景 府中市と国立市は、太陽光発電の災害対応利用を検討していた。
今回は、両市に対するソーラーフロンティア社のソリューション提案が実を結んだ。
(※同社は今後も、全国の自治体や事業者に対し、CIS薄膜太陽電池を活用したソリューションを広く提案していく方針)
設備の特徴・機能
  • CIS薄膜太陽電池
  • LED照明機器
  • 携帯充電機器
  • 蓄電池ボックス
を組み合わせた、スタンドアローン(自立型)システムの街路灯である。
また災害時には、非常電源としての機能も期待される。
設置数
  • 府中市:3
  • 国立市:4
設置場所
  • 公園
  • 学校
  • 駅ロータリー
等、災害時に近隣住民の避難場所避難経路となる地点である。


経営資源を日本国内に集中する方針のソーラーフロンティア社として、今回のソーラースタンドも、先に発表された事業者向けの初期投資ゼロ円事業と同じく、日本国内での自社製品の導入拡大を図る取組みだと推測します。


太陽電池+蓄電池のソーラースタンドと言えば、シャープ社が既に先行しており、製品の種類もタワー型[3]の他に

がリリースされています。

いっぽう今回のソーラーフロンティア社の発表[1]には、タワー型と低い台型?の2種類の写真が掲載されており、こちらも設置環境や用途に応じた、複数種類の製品を展開をしていくものと思われます。


それらのような「ソーラースタンド」が新たな製品分野として確立し、一定規模の市場を築いていくことを、

という点から、期待したいと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティアが提案する蓄電池付の自立型「ソーラースタンド」、府中市と国立市の計7箇所に設置(ソーラーフロンティア社、2018/3/15)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0315_press.html
[2]移動可能型ソーラー充電スタンド<LN-CB1AA>を発売(シャープ社、2017/12/6)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/171206-a.html?_ga=2.110752005.1673588322.1521372024-1824089874.1380116465
[3]ソーラー充電スタンド<LN-CA2A>が香川県丸亀市に設置(同上、2018/1/24)
http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180124-a.html?_ga=2.110752005.1673588322.1521372024-1824089874.1380116465

2018年03月19日

ソーラーフロンティア社が横浜市で、初期投資ゼロ円で太陽光発電設備を導入できる事業者向け事業を開始、契約期間(17年)後は無償譲渡の予定

ソーラーフロンティア社が2018年3月6日に、

  • 横浜市内において、事業者向けに、初期投資なしで太陽光発電システムを導入できる事業を開始した。
と発表していました[1]。

今回は、その事業についての主な情報をまとめてみました。


背景
  • 今回の事業は、横浜市地球温暖化対策推進協議会による「横浜太陽光発電普及キャンペーン2020」の一環である。
事業の仕組み
  • 太陽光発電システムの設置、メンテナンスと故障対応:
    ソーラーフロンティア社が担う。
    ※設置工事・点検・メンテナンスには、地域事業者を登用する。
  • 契約期間:17
    ※契約終了時には、発電設備を事業者に無償で譲渡することを予定している。
  • 発電電力の扱い:
    システムの設置を受けた事業者は、上記の契約期間内、その発電電力を購入する。
    また余剰電力は、ソーラーフロンティア社がFITにより売電する。
  • その他:
    資金調達においても、地元金融機関からの融資を検討している。
適用事例 第一号の案件は、横浜市内の「大川印刷」社で、約90kWの設備を設置する。
(本社工場に、2018年6月に設置予定[4])
今後の予定 本事業の検証を行った上で、横浜市内だけでなく、国内他地域への展開も検討していく。


ソーラーフロンティア社は昨年(2017年)11月に、経営資源を日本国内に集中する方針を示していました。

同社は、住宅向けでは既に戦略商品「SmaCIS」を展開していますが、今回の事業は産業用設備が対象であり、日本国内での導入・販売拡大の可能性を探っているものと推測します。


海外においては結構前に、同様のサービスを幾つか見かけた記憶がありますが、日本国内ではまだまだ珍しい取組みだと思います。

本事業におけるソーラーフロンティア社の収益源は、設置設備による(事業者向けとFIT利用を合わせた)売電と見受けられますが、それだけ太陽光発電設備の導入コストが、日本においても(このような事業を成立できるほどに)下がってきている、ということなのかもしれません。


他の地域で同事業を展開する可能性は不明ですが、「初期投資ゼロ円」はやはりインパクトがあります。

また、国内の太陽光発電関連業者で倒産が増加している中で、今回の事業が地元企業の仕事を増やす可能性も考えられるので、まずは日照条件に恵まれている地域でだけでも、展開が拡大していったら面白いと思います。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア、横浜市で初期投資「0円」の事業者向け自家消費型太陽光発電システム設置事業を開始(ソーラーフロンティア社、2018/3/6)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2018/0306_press.html
[2]横浜市地球温暖化対策推進協議会
https://www3.hp-ez.com/hp/npo2017
[3]「事業者向け初期投資「0」円太陽光発電設置モデル事業」開始(同上、2018/3/5)
http://yokohama.ontaikyo.org/pdf/20180305_yokohama-city_press-release
[4]事業者向け初期投資「0円」太陽光発電システムを導入、再生可能エネルギー100 パーセント印刷会社へ(大川印刷、2018/3/6)
https://www.ohkawa-inc.co.jp/2018/03/06/%e5%a4%aa%e9%99%bd%e5%85%89%e7%99%ba%e9%9b%bb%e3%82%b7%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%a0%e3%82%92%e5%b0%8e%e5%85%a5%e5%86%8d%e7%94%9f%e5%8f%af%e8%83%bd%e3%82%a8%e3%83%8d%e3%83%ab%e3%82%ae%e3%83%bc100/

2018年01月19日

ソーラーフロンティア社が「建材一体型」太陽電池パネルの発売を計画中、2019年後半の発売を目指す

1ヶ月以上前になりますが、ニュース記事(2017/12/12付)[1]で

  • ソーラーフロンティア社が、建材一体型の太陽電池パネルの発売を計画している。
と、同社社長へのインタビュー内容を紹介しつつ、報じられていました[1]。

その中から、製品に関する情報を(少ないですが)抜き出してみました。


特徴
  • 建材一体型で設置コストを抑制
    ソーラーフロンティア社の太陽電池パネル自体が、従来の建材(屋根、壁など)の機能を置き換えられるようなものになる。
    これにより、設置コストの抑制が可能となる。
  • アルミ基板を採用か?
    太陽電池の基板(一般的にはガラス)を、アルミの基板に変更すると
    • 薄さ・軽さの実現
    • 割れにくい製品
    が可能になる。
発売時期 2019年後半の販売開始を目指す。


当記事の作成時点(2018/1/18時点)で、ソーラーフロンティア社のウェブサイトに、この件に関する情報は掲載されていませんでした。

しかしニュース記事[1]では、同社社長の名前が出ていることから、建材一体型製品が計画されていること自体は、確かなことかと思われます。


ただ同ニュース記事のタイトルでは、米Tesla社の製品と競合するような表現になっていますが、ソーラーフロンティア社は日本国内市場に経営資源を集中する方針を、公式に発表済みです。

そのため競合するとするならば、Tesla社が日本市場に「Solar Roof」(※パナソニック製セルを採用)を投入する場合になりますが、その可能性がどの程度あるものかが気になるところです。


また個人的には、今回の報道で、太陽電池との一体型となる建材の一つとして「壁」が挙げられているのが興味深いです。

かつては例えば、建材メーカーが開発した外壁パネルとの一体型製品もありましたが、現在では、壁材一体型で展開を継続している製品は(私の見聞きする限りでは)ありません。

そのため、国内の大手太陽電池メーカーの1社であるソーラーフロンティア社が、壁材一体型モジュールで果たしてどのような「答え」を出してくるのかというのは、非常に興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ソーラーフロンティア:屋根や壁一体型パネルで米テスラと競合へ(Bloomberg、2017/12/12)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-12/P0SB2K6JIJUO01

※関連記事:

2017年11月20日

ソーラーフロンティア社が、太陽光発電所関連事業・海外向け太陽電池販売を別会社に移管する予定、経営資源の国内への集中を図る

ソーラーフロンティア社が2017年11月14日に、

  • 事業の一部を、新しく設立される別会社に移管する。
との方針を発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


移管先 RSリニューアブルズ」社
※昭和シェル石油の100%子会社。
移管する事業分野
  • 日本国外向けの、太陽電池販売事業。
  • 日本国内外における、太陽光発電所
    • 建設案件の開発・組成
    • 建設工事の設計・施工・監理
    • 維持管理及び運営管理に関する事業
    と、発電事業
背景・目的
  • 今回の事業分割は、昭和シェル石油のエネルギーソリューション事業における更なるシナジー創出を目的とした、グループリソースの最大活用施策の一環として行われる。
  • ソーラーフロンティアでは、今回の事業移管により、経営資源を主に国内市場に集中することで、競争力の強化を図る。
今後の予定
  • 2018年1月5日:事業を移管する予定。


ソーラーフロンティア社については、今年に入って国内住宅向けの戦略商品「SmaCIS」の展開を進めており、4-6月期業績では住宅メーカー向けのスペックインが順調に進み、 受注数量が計画通りに推移していると報告されていました。

しかし国内住宅向けが堅調な一方で、

と、他のカテゴリでは事業環境が厳しさを増しています。

実際に、日本の他の大手太陽電池メーカーの最近の業績発表(2017年度2Q累計期間)も、大部分が厳しい状況でした。


今回ソーラーフロンティア社から切り離されるのは

  • 海外向けの太陽電池モジュール販売
  • 日本と海外における、太陽光発電所関連のサービス・事業
とかなり幅広い範囲の事業であり、今後は日本国内の(住宅向けをはじめとする)分散型・小規模設備という狭いカテゴリに、更に注力していくと考えられます。

この決定(事業移管、経営資源の集中)が、どのような効果・結果をもたらすことになるか、という点は、国内の太陽光発電市場・産業の変化を追う意味でも、注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]弊社における一部事業の分割についてのお知らせ(ソーラーフロンティア社、2017/11/14)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/1114_press.html

※関連記事:

2017年10月01日

ソーラーフロンティア社が、総務省の勧告(太陽光発電設備の廃棄処分など)を受けて対応を発表、セレンは「十分に溶出基準以下」

ソーラーフロンティア社が2017年9月26日に、

  • 総務省の「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査の結果に基づく勧告」(2017年9月8日発表)を受けて、自社が行っている・もしくはこれから行う対応
を発表していました[1]。

ここではその中から、使用済みの自社製太陽電池モジュールの取り扱いに関する主な内容を、抜き出してみました。


使用済みモジュールの取扱方法 原則として、一般産業廃棄物としての処理を推奨している。
  • アルミフレーム:アルミ原料にリサイクル可能
  • 端子箱やケーブル:金属部をリサイクル可能
  • パネル本体:粉砕処理後にガラス骨材として、建材原料(コンクリート、煉瓦など)に再利用できる。
粉砕埋め立てによる処分も可能。
(※ソーラーフロンティア社の事業所から排出される廃棄モジュールは、全て上記のリサイクル処理を行っている)
有害物質の溶出 自社のCISモジュールは、セルにセレンを含有している。
ただし、産業廃棄物の埋立処分の判断基準として一般的に用いられる溶出試験では、自社製モジュールが十分に溶出基準以下であることを確認している。

また今回の発表では、(上記を含む)勧告全体への対応として、

  • 自らの情報公開を進める。
  • 業界団体とも連携しながら対応する。
との方針も示されています。



他の国内大手モジュールメーカーのウェブサイトを見た限りでは、9/30時点で、総務省の勧告に関する対応の発表は、全く見あたりませんでした。

その点でソーラーフロンティア社の今回の発表は、国内メーカーでの先駆けですが、この対応の早さは、(結晶シリコン型に比べて)市場投入からまだ歴史が浅いCIS型モジュールを取り扱っている故の、消費者・ユーザーの信頼獲得に努めようという意識の強さの表れでは、と想像します。

ただ「一般産業廃棄物」という定義は、法律上は無いようですが、モジュールのリサイクル用途(金属、ガラス)を見ると、あくまで健康や生活環境に被害を及ぼさないという意味での、「一般的な産業廃棄物」という意味合いかと思われます。


総務省の発表を読んで、個人的に特に気になっていたのは、ソーラーフロンティア社のモジュールでセレンの溶出がどの程度なのか、という点でした。

今回は、メーカー自らが「基準以下」と明言し、また廃棄モジュールの処分・リサイクル方法の例も簡潔ながら示したことで、安心感は高まったように感じます。

国内の他メーカーについても、総務省の勧告への対応を明確に公表することが、海外メーカーとの差別化の一つになるのでは・・・と考えるので、今後の丁寧な対応を期待したいところです。


※参照資料:
[1]総務省「太陽光発電設備の廃棄処分等に関する実態調査の結果に基づく勧告」を受けて(ソーラーフロンティア、2017/9/21)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0921_press.html
[2]産業廃棄物(ウィキペディア)
[3]一般廃棄物(同上)

※関連記事:

2017年03月20日

ソーラーフロンティア社が日本各地で、国内住宅向けの戦略商品「SmaCIS」の、代理店向け説明会を実施

ソーラーフロンティア社が2017年3月14日に、

  • 国内住宅向けの戦略商品「SmaCISスマシス)」の代理店向け商品説明会を、日本各地で開催する。
との方針を発表していました[1]。

概要は次の通り。


<「SmaCIS」の概要>

  • 想定需要先:日本国内の住宅市場
  • 名称の由来
    「Smartに設置できるCIS薄膜太陽光発電システム」という意味で命名した。
  • 特徴・メリット
    • 屋根への搭載量を増加
      日本の住宅屋根にフィットするサイズ・形状の太陽電池モジュールを用意。
      これにより、複雑な形状の屋根(寄棟屋根など)でも、搭載量を増やすことができる。
    • 施工時間を短縮
      新開発した施工方法により、施工時間を自社従来品比で約20%短縮できる。
    • 美観を向上
      外観を洗練しており、屋根との親和性を向上する。
  • 今後の予定
    2017年7月に、SmaCIS用太陽電池パネルの出荷を開始する。
    (※同年3月には、宮崎工場で生産を開始している)

<説明会の概要>

  • 内容:「SmaCIS」の概要・施工方法などの説明、質疑応答
    • 模擬屋根
    • 施工のデモ動画
    を用い、本商品の施工方法や仕上がりを実感できる内容とする予定。
  • 対象者
    ソーラーフロンティア社の販売代理店をはじめとする、日本各地の取引先
  • 開催期間2017年3月15日〜30日
  • 開催場所:東京、仙台、名古屋、大阪、岡山、福岡、鹿児島

ソーラーフロンティア社の正式発表ではないものの、先月には「昭和シェル石油が太陽電池事業を国内販売にシフトする」との報道[3]がありました。

今回行う「SmaCIS」の日本各地での説明会は、その方針に沿ったものと思われます。

今のところ同社のウェブサイトでは、この商品の更に詳細な内容(具体的な工法、モジュールの種類など)は紹介されていませんが、工法については、既存の「クロスワン工法」[4]を更に発展させたものかと想像します。

個人的に、特に既築住宅に関しては、屋根への太陽電池モジュールの設置は(屋根の強度の確認、雨漏り発生の懸念などから)かなりハードルが高い、というイメージが強いので、この「SmaCIS」がそれを軽減するものになれば、と期待します。

また、国内の住宅向けモジュール出荷量は減少が続いていますが、その中で(今回のSmaCISをはじめとして)国内住宅向けに注力するという方針が、どれだけ業績に寄与できるか、という点も注目したいところです。


※参照資料:
[1]高搭載・速い施工・美しい仕上がりを実現する国内住宅市場向け戦略商品「SmaCIS」の代理店向け説明会を開催(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0314_press.html
[2]ソーラーフロンティア、国内住宅市場に向けた戦略商品「SmaCIS(スマシス)」の発売決定(同上)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2016/C060584.html
[3]昭和シェル石油 太陽電池、国内販売に特化(化学工業日報)
http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2017/02/21-28278.html
[4]安心の設置工法(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/features/installation/index.html

※関連記事:

ソーラーフロンティアとNEDOが、CISサブモジュール(30cm四方)で変換効率19.2%・ミニモジュール(7×5cm)で19.8%を達成

ソーラーフロンティア社とNEDO2017年2月27日に、

  • CIS系薄膜太陽電池サブモジュール・ミニモジュールにおいて、変換効率の世界記録を更新した。
と発表していました[1][2]。

概要は次の通り。


モジュールの大きさ変換効率(測定機関)用いた技術
30cm角のサブモジュール 19.2%
(産業技術総合研究所)
  • 光吸収層における製膜プロセスの改良による、品質改善
  • バッファ層の変更
等、NEDOとの共同研究による技術。
7×5cmのミニモジュール 19.8%
(独フラウンホーファー研究機構)
※上記サブモジュールと同じ技術によるかは明記なし。

また今回用いた技術については、今年(2017年)夏から国富工場で、量産製品への適用を開始する計画とのことです。


ソーラーフロンティア社は、0.5cm2セルでは変換効率の記録をこまめに更新していますが、面積が大きいサブモジュールについては、今回は意外にも約5年ぶりの更新でした。

しかしその分、前回の記録(2012年2月の17.8%)から一気に1.4ポイント高めており、セルのほうで積み重ねてきた技術が、今回のサブモジュールでの結果にも結びついているものと推測します。

また以前から、ソーラーフロンティア社におけるサブモジュールでの技術開発は、商業生産への適用を容易にする目的があるとのことでした。

その通りに今回用いられた技術も、数ヵ月後にはもはや商業生産に導入予定であり、この点(あらかじめ実用化への目処をつけておくこと)も、記録更新に時間がかかった一因なのかもしれません。

同社の太陽電池モジュールの出力は、現在165〜175kW[3]となっていますが、これが夏に量産開始する製品で何処まで高まるのかは、今から非常に興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティア、CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで世界最高変換効率19.2%を達成(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2017/0227_press.html
[2]CIS系薄膜太陽電池サブモジュールで世界最高変換効率19.2%を達成(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100724.html
[3]太陽電池モジュール(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/products/modules/index.html

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