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2018年05月10日

First Solar社が米Ohio州に年産能力1.2GWの太陽電池モジュール工場を新設予定、最先端の「Series 6」モジュールを生産

First Solar社が2018年4月26日に、

  • 米国内で、年産能力1.2GWの太陽電池モジュール工場を新設する。
との計画を発表していました[1]。

その中から、新工場に関する主な情報をまとめてみました。


建設場所 Ohio州のLake Township
※同州Perrysburgにある、既存の旗艦工場(年産能力600MW)の近く。
生産品 先端技術の「Series 6」モジュール。
生産能力 1.2GW/年
※これにより、米国内での生産能力は計1.8GW/年になる。
投資額 4億ドルの見込み。
従業員数 500
背景
  • First Solar社は設立(1999年)以来、Ohio州では約30億ドルを投資している。
    2017年には、Perrysburg工場で「Series 6」モジュールを生産可能にするため、1億7500万ドルを投じて改修した。
    (※同工場では2018年4月に、停止していた「Series 4」モジュールの生産を、継続需要に応えるため再開している)
  • 米国内における
    • 先端技術に対する強い需要
    • 最近の法人税制の変更
    が、同国内での生産拡大決定を後押しした。
スケジュール予定
  • 2018年中頃:建設着工
  • 2019年後半:フル生産を開始


トランプ米大統領が今年(2018年)1月に承認した輸入太陽電池のセーフガード関税では、結晶シリコン型のみが対象と思われ、その点に限れば、CdTe型を手がけるFirst Solar社としては、米国内での生産・調達の拡大を、特に急ぐ必要は無かったはずです。

にも関わらず、今回の投資額(4億ドル)は1件だけで、同社のオハイオ州における過去約19年間(1999〜2018)の累計投資額(30億ドル)の、約13%に相当する規模ですが、それだけ米国が実施した法人税の減税[2]が、First Solar社にとっても非常に大きな恩恵となった、ということだと思われます。


加えて、高性能な太陽電池モジュールに対する米国内での需要が、急速に高まっていることも伺えます。

実際、First Solar社の2018年1Q業績[3]によると、「Series 6」モジュール(※昨年(2017年)12月に発表)の受注量は、既に3.3GWDCに到達しており、これは新工場+Perrysburg工場の年産能力を、大きく上回っています。

もっとも、この3.3GWDCの受注のうち、米国内のものがどれだけなのかは不明ではありますが、それでも(今回の発表[1]の中でも言及されていますが)今後の受注ペース如何によって、更なる国内生産能力の増強も有りそうです。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Announces New U.S. Manufacturing Plant(First Solar社、2018/4/26)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-announces-new-us-manufacturing-plant
[2]トランプ減税の恩恵、自社株買いより設備投資の伸びを後押し(Bloomberg、2018/4/27)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-04-27/P7TW9H6K50XU01
[3]First Solar, Inc. Announces First Quarter 2018 Financial Results(First Solar社、2018/4/26)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-inc-announces-first-quarter-2018-financial-results

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2017年12月08日

First Solar社が新モジュール「Series 6」の展開予定を発表、サイズ約2m×1.2mで出力420〜445W、2018年2Qに商用生産を開始予定

First Solar社が2017年12月5日に、

  • 新しい太陽電池モジュール「Series 6」の展開予定
等を発表していました[1]。

主な内容は下記の通り。


<「Series 6」の展開>

  • 種類:CdTe型
  • 予定される特徴・仕様
    • 構造:
      glass-on-glass」モジュール。
      under-mount frame」を採用し、現場でのシンプル・高速な設置を可能にする。
    • 出力:420〜445W
    • 変換効率:17%以上
    • サイズ:約21.2m
    • 用途:商業市場向け。
      あらゆる地上設置型システムに導入できる。
  • 生産開始の時期
    米Perrysburg工場で、20182Qの早期に、商用生産(フル稼働時に年600MWDC)を開始する予定。
    (※同工場では1年前から再整備を進めており、約1億7700万ドルを投資している)

<モジュール生産体制>

  • ベトナム拠点:生産能力を、初期サイトの2に拡張する。(現在建設中)
    フル稼働時の生産能力は、年2.4GWDCとなる予定。
  • 「Series 6」の生産能力
    米Perrysburg工場・マレーシア工場・ベトナム工場の組み合わせにより、2020年までに年約5.4GWDCとする予定。
    (投資額は約14億ドル)
  • 「Series 4」製品の生産
    世界的に需要がある限り、マレーシア工場での生産を続ける。


「Series 6」でまず驚いたのは、1枚400W以上という出力ですが、モジュールのサイズを既存製品と比べると

  • 「Series 6」:2m×1.2m=2.4m2
  • 「Series 4」:1.2m×0.6m=0.72m2[2]
であり、「Series 6」は「4」の、実に約3.3倍です。

そして「4」の出力は110W〜122.5Wなので、「Series 6」の高出力化には、この大面積化が最も寄与していると考えられます。

モジュール変換効率については、2017年3Qの平均が既に17.0%[3]となっていますが、First Solar社は四半期ごとに平均変換効率を着実に伸ばしているだけに、「Series 6」の量産品でも、どの程度まで数値を伸ばすのかに、興味を惹かれるところです。


「Series 6」の生産能力予定(2020年までに5.4GW)は、2017年3Qのモジュール生産実績(527.3MW)を上回る規模であり、「Series 6」を完全に主力としていく姿勢が伺えます。

その一方で、既存の「Series 4」も当面は生産を続けることから、First Solar社全体でのモジュール生産能力は、大きく拡大されると考えられます。

同社のCdTe薄膜型は、今年9月にUSITCが「国内太陽電池製造業に重大なダメージを与えている」と判断した輸入太陽電池の種類(結晶シリコン型)から外れており、この点が、ベトナム生産拠点の大幅拡張を決めた要因の一つと推測します。


ただ今回の発表では、昨年7月にマレーシア拠点での生産移行が発表されていた「Series 5」についての言及が全くありません。

日本版サイトの製品紹介ページにも「Series 5」は全く無く、同製品が現在どのような扱いになっているのかは、ちょっと気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]First Solar Presents First Functional Series 6 Module(First Solar社、2017/12/5)
http://investor.firstsolar.com/news-releases/news-release-details/first-solar-presents-first-functional-series-6-module
[2]シリーズ4(First Solar社)
http://www.firstsolar.com/ja-JP/Modules/Series-4
[3]Q317 Earnings Presentation
http://investor.firstsolar.com/static-files/1457c0f1-1aa6-4a32-b6af-0cfc865f951f

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2016年08月08日

First Solar社がマレーシア拠点での結晶シリコン型モジュールの生産停止を決定、CdTe型の新シリーズに振り替え

1ヶ月ほど前になりますが、First Solar社が2016年7月5日に、

  • マレーシアの太陽電池モジュール生産拠点について、生産する製品を(従来の結晶シリコン型太陽電池から)CdTe型の新製品シリーズに振り替える
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • 対象拠点:マレーシア・Kulimの生産拠点
  • 生産品
    • 従来:TetraSunの結晶シリコン型モジュール
    • 変更後:「Series 5」のCdTe薄膜型モジュール
    この変更により、TetraSunのモジュール生産は廃止となる。
  • 背景
    • 今回の変更は、First Solar社の長期的な経営計画に基づく。
      (この計画では、自社のコア技術(CdTe型をベースとする)の最大化に焦点を当てている)
    • TetraSunの技術は、設置面積に制約がある屋根設置向けとして、CdTe型技術を補完するものだった。
      しかし、CdTe型でセル変換効率22.1%を達成し、開発ロードマップが成功していることから、TetraSunの技術による補完が不要になったと判断した。
  • 生産品の移行時期:完了は2017年前半の見込み。

この移行の件は、2016年2Qの業績発表[2]の中でしらっと触れられており、慌てて最近のプレスリリースを探しましたが、タイトルに「TetraSun」の単語が全く無く、[1]を見つけるのにちょっと手間取りました。

思い返すとFirst Solar社によるTetraSun買収は、日本の太陽光発電市場がFIT開始により一気に活気付いた最中(2013年)のことであり、同年末にはTetraSunモジュールによる日本市場への参入方針も発表されていました。

しかし翌年秋には、電力会社の受入れ限界が露呈

更に電力買取価格の引き下げも毎年続いており、国内市場に軸足を移していた日本メーカーは販売が大きく下降しています。

First Solar社のマレーシア拠点における、今回の結晶シリコン型の生産停止決定には、([1]には全く記載されていませんが)その日本市場の動向も大きく影響したのではないでしょうか。

その意味でTetraSun買収は、結果として失敗だったと考えられ、今回のプレスリリースのタイトルに「TetraSun」の文字が全く無いのは、その失敗をあまり晒したくない、ということだったのでは・・・と想像します。

もっともこの失敗は、あくまで「今になってみれば」ということであり、市場の先行きを(僅か数年先でも)見通すことの難しさを、改めて強く感じるものです。

もっともFirst Solar社としては、元々の「本業」であるCdTe型に力を集中するということで、それほど大きな問題では無いのかもしれませんが。


※参照資料:
[1]First Solar Shifts Malaysian Production Capacity to Series 5 Assembly(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=978177
[2]First Solar, Inc. Announces Second Quarter 2016 Financial Results(同上)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=982733

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2015年12月01日

First Solar社の2015年3Qの業績は、「Desert Stateline project」の売却で大幅な伸び

First Solar社が10月29日と11月9日に、20153Q2015/7-9)の業績を発表していました[1]〜[4]。

ここではその発表の中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


業績と背景

※当ブログの過去記事の数字も合わせて記載しています。
※金額は10万ドル未満を四捨五入しています。

     
売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
20142Q(4-6月)5億4440万ドル17.0%3270万ドル190万ドル
3Q(7-9月)8億8930万ドル21.3%3760万ドル8380万ドル
4Q(10-12月)10億800万ドル30.6%3490万ドル1億9920万ドル
2015 1Q(1-3月)4億6920万ドル8.3%3480万ドル7010万ドルの赤字
2Q(4-6月)8億9620万ドル18.4%2950万ドル5710万ドル
3Q(7-9月)12億7120万ドル38.1%2960万ドル3億9780万ドル
  • 売上高:
    前四半期からの大幅な伸びは、「Desert Stateline project」(一部が建設)の持分売却による初期の収益認定があったことが、主な要因だった。
    その他、
    • サードパーティのモジュール販売の増加
    • 複数プロジェクトにおけるシステム売上高の増加
    も要因となった。
  • 粗利益率:
    • 「Desert Stateline project」の売却
    • システムプロジェクトコストの改善
    により向上した。

モジュールの生産・出荷など

モジュール生産量量産品の
平均変換効率
2014 2Q(4-6月)447.1MW14.0%
3Q(7-9月)448.9MW14.2%
4Q(10-12月)509.0MW14.4%
2015 1Q(1-3月)540.3MW14.7%
2Q(4-6月)562.8MW15.4%
3Q(7-9月)653.8MW15.8%

モジュール出荷量モジュール受注量
2014通期(1-12月)3.7GW
2015 2Q累計(1-6月)1.3GW1.3GW
3Q累計(1-9月)2.0GW1.7GW
4Qの現状(10月1〜29日の分)1.4GW

後の四半期ほど業績が良いのは前年(2014年)も今年も同様であり、この点はFirst Solar社の業績の季節的な特徴かもしれませんが、それにしても今回の四半期(2015年3Q)の伸びは際立っています。

「Desert Stateline project」は、米カリフォルニア州で建設中の300MW規模の発電所(全稼動は2016年3Qの予定)[5]とのことで、大規模プロジェクトがFirst Solar社の業績にもたらす恩恵の大きさが、際立って感じられる今回の業績です。

そして同プロジェクトの売却先だったSouthern Company社は、更に11月にもFirst Solar社から、157MWの「Roserock solar facility」(テキサス州)を取得しているので、First Solar社の次の四半期(4Q)も、3Qに及ぶかは判らないものの、好調な業績が見込めるものと考えます。

もう一つ特に気になったのは、4Qの約1ヶ月(10月)だけで、モジュール受注量は1GW超という驚くべき伸びを見せている点です。

3Qの売上増の要因の一つに、サードパーティのモジュール販売の伸びが挙げられているので、4Qのモジュール受注の内訳(大規模事業向け、屋根設置向け)がどうなっているのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Preliminary Third Quarter 2015 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=939369
[2]First Solar, Inc. Announces Third Quarter 2015 Financial Results(同上)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=941743
[3]Earnings Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=857505&filekey=C6AA26BD-97AD-4ABA-9F71-B7747356726E&filename=Q315_Earnings_Call_Presentation_-_Final_Secured.pdf
[4]Key Financial Data(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=857507&filekey=E1E9DADC-4D63-4A0C-8FC9-5DA28B120140&filename=Copy_of_Q3_2015_Web_Schedule_-_FINAL.pdf
[5]Southern Company subsidiary acquires system's largest solar project(Southern Company社)
http://southerncompany.mediaroom.com/2015-09-02-Southern-Company-subsidiary-acquires-systems-largest-solar-project
[6]Southern Company subsidiary acquires first solar project in Texas(同上)
http://southerncompany.mediaroom.com/2015-11-30-Southern-Company-subsidiary-acquires-first-solar-project-in-Texas

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2015年10月21日

First Solar社が日本での太陽光発電所開発向けに、みずほ銀行からの低利融資(最大40億円)を獲得

First Solar社が2015年9月30日に、

  • 「ファースト・ソーラー・ジャパン合同会社」が「みずほ銀行」から、太陽光発電所開発向けの低金利融資を獲得した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • 融資額:最高40億
  • 融資資金の用途
    日本におけるFirst Solar社の太陽光発電所プロジェクトのうち、要件を満たすプロジェクトの建設に提供される。
  • その他
    この融資を受ける発電所建設において、First Solar社は日本企業と協力する予定。

建設費用を1MWあたり3億円とすると、40億円は約33MW分に相当。

First Solar社は本国・米国では100MW超のメガソーラーを複数手がけており、その点では今回の融資も、(規模だけを見ると)さほどでは無いように思われます。

ただし今回の発表では、獲得した融資について

  • 「輸入化石燃料への依存を減らそうとする日本の継続的な取り組みをさらに強化する」
とのコメントがあります。

また思い返すと、First Solar社が日本での太陽光発電所開発への参入を発表したのは約2年前のことですが、当時の発表[3]にも

  • 「日本の原子力発電および天然ガス輸入への依存を軽減します」
  • 「日本のエネルギー安全保障と経済成長を支援する実証されたソリューションを提供します」
  • 「太陽光発電所は素早く、安全に建設することができ、また停止中の原子力発電に対して強力なソリューションとなります」
との記述がありました。

自社の業績アップや株主の利益向上ではなく、事業を展開する相手国への貢献を最大限に強調しているところは、他の大手メーカーには見られない点ですが、これまで積み重ねてきた太陽光発電所の開発・運営の実績から、自国内で「明確に電力供給の一翼を担っている」との手応えと自信を得ている故なのかもしれません。

その意味で、今回の融資によりFirst Solar社が日本でどのような発電所開発(+運営?)を行っていくのか、というのは強く興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]ファースト・ソーラー、みずほ銀行より 事業者規模の太陽光発電所の建設資金融資を獲得(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=852557&filekey=9C297929-9461-4F54-99BA-1548F0B1FF7B&filename=First_Solar_receives_Construction_Loan_Facility_from_Mizuho_Bank_for_Utility-Scale_Solar_Generation.__Japanese_Version_docx_cs.pdf
[2]First Solar receives Construction Loan Facility from Mizuho Bank for Utility-Scale Solar Generation(同上)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=934516
[3]First Solar to Invest $100 Million in Japan(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=707290&filekey=61e79562-418a-44c8-99bc-6103adce24e2&filename=First_Solar_to_Invest_in_Japan-_FINAL_JP11122013.pdf

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2015年08月10日

First Solar社の2015年2Qは増収増益、大規模プロジェクトの業績認可が主因

First Solar社が8月4日に、2014年第2四半期(2014/4-6の業績を発表していました[1]。

今回はその中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


業績

※前年同期(2014/4-6)・前四半期(2015/1-3)の数字と合わせて表にしています。

売上高粗利益率営業利益
2014/4-65億4440万ドル17.0%190万ドル
2015/1-34億6920万ドル8.3%7010万ドルの赤字
2015/4-68億9620万ドル18.4%5710万ドル

背景

  • 売上高の増加
    前四半期からの伸びは、
    • 「Silver State South project」における売上高の認可の増加
    • 「North Star project」「Lost Hills-Blackwell project」における持分の売却
    が主因だった。
  • 「8point3 Energy Partners」社の設立
    SunPower社との合弁事業であるこの会社は、6月にIPOを実施した。
    First Solarの所有分は31%。

前四半期(2015年1Q)から売上高・利益の伸びが著しいですが、その前四半期には大規模プロジェクトの遅延がありました

今回(2Q)はそれらプロジェクトが進捗し、まとめて業績として認められたことが、大幅な伸びの最大の要因となったと推測されますが、大規模太陽光発電所の開発事業が、業績に極めて大きな波をもたらすことを、改めて感じる数字です。

シャープ社はその点(巨額な初期投資、収益の変動性)を理由として、Recurrent Energy社をCanadian Solar社に売却しましたが、発電所の取得・運営を専業とする「8point3 Energy Partners」社の設立は、その課題に対してFirst Solar社(とSunPower社)が導き出した対応策なのかもしれません。

今回First Solar社が持分を売却している「North Star project」「Lost Hills-Blackwell project」は、8point3社の保有事業に入っており(※出資比率は100%では無い)[2]、8point3社の運営がこれから軌道に乗っていけば、First Solar社(とSunPower社)にとっては、開発プロジェクトの売却先の安定確保につながる可能性もあると考えます。

もっとも8point3社としては、あくまで投資先としての採算性を考慮するものであり、出資者相手だからといって無条件での発電所購入は無いとも思われますが。


モジュールの生産状況など

モジュール生産量量産品の
平均変換効率
2014/4-6447.1MW14.0%
2015/1-3540.3MW14.7%
2015/4-6562.8MW15.4%

モジュール出荷量モジュール受注量
2014/1-123.7GW
2015/1-61.3GW1.3GW

前四半期の業績で、発電所開発に比べて利益率が低いことが明示されたモジュール販売ですが、それでも生産量・変換効率ともにしっかり伸びを続けているのは、やはり事業の(必須不可欠な)核ということだと思われます。

特に量産品の平均変換効率については、(私が知る限り)他メーカーでは類を見ない公表データですが、前年同期から悠に1ポイント以上高まっており、継続的な技術開発が、量産段階に明確に影響するだけの成果を出していることは、First Solar社の大きな強みの一つと感じられます。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Second Quarter 2015 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=925673
[2]Projects(8point3 Energy Partners社)
http://www.8point3energypartners.com/projects/

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2015年06月20日

First Solar社が、CdTeモジュールの開口部変換効率で18.6%を達成

First Solar社が2015年6月15日に、CdTe薄膜太陽電池モジュール変換効率の記録を更新したことを、発表していました[1]。

その中から、主な数字などを抜き出してみました。


  • 変換効率の新記録開口部18.6%。(全領域では18.2%に相当)
    ※研究段階のCdTeセルでは、2015年1月に21.5%を記録している。
    ※シリコン多結晶型モジュールの世界記録は、開口部19.1%、全領域17.7%。
  • 測定と認証
    米エネルギー省の国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が実施した。

セルとモジュールの両方で、CdTe薄膜型の変換効率の記録更新を続けているFirst Solar社ですが、これまでの推移を見ると、2年前のGEとの提携以降に、進歩のスピードが増している印象を受けます。

量産モジュールの平均変換効率(2015年1Qで14.7%[2])とは、まだ3ポイント以上の差がありますが、その量産モジュールの変換効率も、1年間(2015年1Qと2014年1Qの比較)で1.2ポイントも向上しています。

このように実際の成果・数字を見ると、First Solar社が主張する、(変換効率の向上、そしてコストダウンの将来性において)CdTe薄膜型が持つ強い優位性は、確かに一理あるとは感じられます。

ただし現状では、量産モジュールの変換効率でシリコン結晶型に劣るのも事実であり、地上設置はともかく、設置面積が小さい住宅屋根用などで、シリコン結晶型に十分対抗しうる競争力を持つには、まだまだ時間が必要なものと予想します。


※参照資料:
[1]First Solar Achieves World Record 18.6 % Thin Film Module Conversion Efficiency(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=917926
[2]2015年1QのKey Financial Data(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=825337&filekey=0873E5E9-94E2-4E87-AA67-7E7F25ACAB57&filename=Copy_of_Q1_2015_Web_Schedule_-_Final.pdf

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2015年05月07日

First Solar社の2015年1Qは大幅な減収に赤字化、YieldCo形成への過渡期

First Solar社が4月30日に、2015年第1四半期の業績を発表していました[1]。

概要は下記の通り。(※四捨五入や一部数字の計算は、当ブログ管理人による)

  • 売上高:約4億6900万ドル(前四半期比53、前年同期比50.6
  • 粗利益率:8.3%(前四半期比22.3ポイント、前年同期比16.6ポイント
  • 営業利益:約7000万ドルの赤字(前年同期は約1億3900万ドルの黒字)
  • 純利益:約6200万ドルの赤字(同・約1億1200万ドルの黒字)
  • モジュール生産
    • 生産量:540.3MW(前四半期比6%増、前年同期比22%増)
    • 平均変換効率:14.7%(同0.3ポイント増、1.2ポイント増)
  • 背景
    • 売上高の減少
      前四半期比での減少は、
      YieldCoを見越してのプロジェクト維持
      ・複数プロジェクトの遅延
      モジュールのみ販売の比率増加
      ・前四半期での「SolarGen 2 project」の売却
      による。
    • 利益の減少
      前四半期比での減少は、
      ・売上高の減少
      ・プロジェクトが建設中
      ・モジュールのみ・モジュールプラスでの販売の比率増加
      による。

YieldCo形成に向けての「transitional period(過渡期)」とはいえ、売上高が約半減し、利益も赤字化しているのは非常に意外でした。

販売におけるモジュール単体販売の割合増加が、要因の一つに挙げられていますが、裏を返すと、もうモジュールのみを製造・販売するのでは利益は上がらない、ということだと考えられます。

太陽光発電の初期コスト低下は、ユーザーにとって、またPVの普及においても喜ぶべきことではありますが、一方では、メーカーが相当に大きな負担を強いられていることは、留意しておくべきなのかもしれません。
(日本メーカーの苦境もむべなるかな、という気がする)

とりあえず今後は、(パートナーのSunPower社のほうもそうですが)YieldCoが形成された際に業績がどう変化するのか、というのは強く興味を引かれるところです。

また、私は今回の資料[2]で初めて知りましたが、建設機械などの世界的大手であるCaterpillar社との間で、戦略的提携を結んだことには驚きました。

同社は発電機器なども手がけており[4]、その事業の中で、太陽光発電が新しい有効な価値を提供するものとなり得るのか、非常に楽しみです。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces First Quarter 2015 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=910090
[2]Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=825331&filekey=CBFC0DAA-002A-4BE1-9BBD-38418BE1BF6D&filename=Q115_Earnings_Call_Presentation_-_Final.pdf
[3]Key Financial Data(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=825337&filekey=0873E5E9-94E2-4E87-AA67-7E7F25ACAB57&filename=Copy_of_Q1_2015_Web_Schedule_-_Final.pdf
[4]Power Systems(Caterpillar社)
http://www.cat.com/en_US/products/new/power-systems.html

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2015年02月26日

First Solarの2014年4Qは、売上高が前年同期比31%増・営業利益は230%増、大規模発電所プロジェクトでの収益が寄与

First Solar社が2月24日に、20144Qの業績を発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。(※四捨五入は当ブログ管理人が実施)

業績

  • 売上高:約10億ドル(前年同期比31%増)
  • 粗利益率30.6%(同6ポイント増)
  • 営業利益:約2億ドルの黒字(同230%増)
  • 四半期純利益:約1億9200万ドルの黒字(同194%増)
  • モジュール生産量509MW(同15%増)
  • モジュール変換効率(量産製品の平均)14.4%(同1ポイント増)

背景

  • 売上高は前四半期(約8億9000万ドル)から13%伸びており、これは
    • Solar Gen 2 project」の売却
    • Silver State South project」や他の建設中プロジェクトにおける初期収益の認識
    による。
    一方「Desert Sunlight」「Topaz」については、プロジェクトが完了したため、収益の認識は低くなった。

ちなみに、通年の業績のほうは下記の通り。

  • 売上高:約34億ドル(前年比3%増)
  • 粗利益率:24.4%(同1.7ポイント
  • 営業利益:4億2400万ドルの黒字(前年より5570万ドルの増加)
  • 純利益:3億9700万ドルの黒字(同4390万ドルの増加)
  • モジュール生産量1846.1MW

地域別の売上高は記載されていませんが、「Porential Booking Opportunities」([2]の8p)では北米が半分近くを占めており、SunPower社と似た(地元・北米市場に大きく依存している)状況であることが推測されます。

また業績の伸びの要因には、今回も大規模発電所プロジェクトの動向のみが挙げられており、同分野が占める比重の大きさが強く伺えるものです。

ちょうど業績発表の前日には、SunPower社とのYieldCoの共同形成に向けて交渉中である旨が発表されていますが、現状で所有発電所の売電ではなく、EPCが収益のメインであるならば、YieldCoが実現した場合にも大きな変化は生じないものと予想します。

太陽電池モジュール製品の平均変換効率については、1年前から1%も高まっていることに驚きましたが、技術開発の成果が量産品の性能アップに上手く繋がっていることが伺えます。

モジュール生産量は、4Qには(横ばいが続いた前四半期までと比べて)明らかに伸びており、この生産ペースが2015年も続けば、年2GW到達も固いと思われます。


※参照資料:
[1]First Solar, Inc. Announces Fourth Quarter and Full Year 2014 Financial Results(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=898092
[2]Presentation(同上)
http://investor.firstsolar.com/common/download/download.cfm?companyid=FSLR&fileid=811527&filekey=ECE32482-712F-4A09-893C-EFD60B44685F&filename=Q414_Earnings_Call_Presentation.pdf

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SunPowerとFirst Solarが、売電収入を収益源とする投資有価証券「YieldCo」の共同形成に向けて交渉中

SunPowerFirst Solarの2社が2015年2月23日に、「Yieldco(イルドコ)」の共同形成を目指している旨を発表していました[1][2]。

「Yieldco」は、再エネ発電による売電収入を収益源とする投資有価証券[3]とのことで、今回の発表の主な内容は下記の通り。

  • 目的
    両社は今回のYieldCoが、(各社の資産の既存ポートフォリオから選択された)太陽光発電資産ポートフォリオに寄与することを期待している。
  • 現在の状況
    共同で「YieldCo vehicle(the YieldCo)」を形成するための交渉が、高度な段階にある。
  • 今後の予定
    主要な形成合意を実行したら、両社はUPO(新規株式公開)のために、証券取引委員会(SEC)に登録届出書を提出する予定。
    ただし、YieldCo vehicleの形成やIPOの実施、その他の取引が実現する保証はない

「Yieldco」は初めて聞いた言葉なので戸惑いましたが、日経新聞の用語解説[3]の助けを借りると、今回の提携では、太陽光発電事業を専業とする合同ベンチャー企業?を新設し、各社の発電事業を本社から独立させることで、投資家の投資を呼び込みやすくする狙いがあるものと思われます。

そう言えば2014年3QのFirst Solar社の業績は、発電所建設の有無による影響の大きさが伺えるものだったので、その点では、特に収益の安定性が高いと思われる発電事業を独立させることは、合理的なのかもしれません。

とはいえ2社は、米国の代表的な大手太陽電池メーカーであるだけに、どのような形であれ提携の話は非常に意外であり、合意実現の暁にはどのような体制や事業内容となるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]First Solar and SunPower Plan to Partner to Form Joint YieldCo Vehicle(SunPower社)
http://newsroom.sunpower.com/2015-02-23-First-Solar-and-SunPower-Plan-to-Partner-to-Form-Joint-YieldCo-Vehicle
[2]First Solar and SunPower Plan to Partner to Form Joint YieldCo Vehicle(First Solar社)
http://investor.firstsolar.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=897786
[3]イルドコ(Yieldco)(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/money/investment/toushiyougo.aspx?g=DGXLASFZ10H29_11102014K10600
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