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2013年03月29日

産総研などが薄膜微結晶シリコン太陽電池でで変換効率10.5%を達成、光リソグラフィーにより光閉じ込め構造(ハニカムテクチャ構造)を制御

産総研が2013年3月28日に、

・「太陽光発電技術研究組合(PVTEC)」との共同で、薄膜微結晶シリコン太陽電池での変換効率10.5を達成した。

と発表していました。

産総研のサイト[1]によると、技術の概要は下記の通り。

・背景:
 ・現在の薄膜シリコン太陽電池は、
  ・アモルファスシリコン太陽電池(可視域の光で発電)
  ・微結晶シリコン太陽電池(可視〜近赤外域の光で発電)
  を積層した多接合型が一般的であり、変換効率の向上には、それら各々の変換効率を高める必要がある。
 ・微結晶シリコン太陽電池は、光吸収係数が小さい素材を薄膜にする。
  このため変換効率アップには、発電層内部に光を閉じ込める技術が不可欠であり、従来はテクスチャ構造(大きさ0.1〜10μm程度の微細な凹凸を持つ)を基板上に形成する技術が用いられてきた。
  しかし、シリコン薄膜を険しい形状のテクスチャ構造上で形成する場合、シリコン薄膜の内部欠陥が発生しやすく、光吸収率が上がっても変換効率向上にはつながらない。
  またテクスチャ構造には多くの場合、透明導電膜・金属電極薄膜の製膜過程で自然に形成される凹凸構造が利用されてきた。
  しかしこれには、
  ・製膜条件により、形状・サイズ制限される。
  ・不規則性があるため、テクスチャ構造の形状・サイズと太陽電池特性との相関を、十分に把握できない。
  との問題点がある。

・成果:
 ・光リソグラフィー工程を用いることで、直径数μmの穴が蜂の巣状に並ぶハニカムテクスチャ構造を作成する。
  この手法では、個々の穴の直径・深さを独立して制御できる。
  また規則的な構造ができるため、不規則性を無くすことができる。
 ・最も高い発電効率となるハニカムテクスチャ構造の構造パラメーターは、太陽電池の膜厚に依存することから、
  ・膜厚に応じた光閉じ込め構造の必要性
  ・適切な形状・サイズの選択による、発電特性劣化の最小限化が可能
  であることが判明した。
 ・上記の結果に基づき、最適なハニカムテクスチャ構造を作製し、更に
  ・透明性が高いドーピング層
  ・産総研が独自開発した透明導電性酸化物薄膜
  を用いた。
  これにより薄膜シリコン型として極めて高い短絡電流密度が得られ、薄膜微結晶シリコン太陽電池で変換効率の記録(従来は10.1%)を更新した。


これまでは制御できなかった構造形成の部分について、任意のコントロールを可能にしたことは、微結晶シリコン太陽電池の性能向上に非常に大きく寄与するのでは、と考えます。

また今後は、今回の手法の多接合型太陽電池への応用も目指すとのことで、薄膜シリコン型全体としてどこまで変換効率を上げることができるのか、期待が高まります。


※参照・参考サイト:
・[1]薄膜微結晶シリコン太陽電池で発電効率10.5%を達成(産総研)
 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20130328/pr20130328.html
・[2]PVTEC
 http://www.pvtec.or.jp/


※関連記事:
産総研が薄膜シリコン型太陽電池の「光劣化」を抑制する手法を発表、光劣化率10%・変換効率9.6%を達成(2012/05/28)
posted by 管理人 at 07:25 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2013年03月19日

産総研とキヤノンアネルバが、ドライプロセスのみで形成したCd不使用のCIGS太陽電池で、従来手法に近い変換効率を実現

産総研2013年3月18日に、

ドライプロセスだけで形成したカドミウム不使用CIGS太陽電池において、従来の形成手法を用いた場合に近い変換効率を実現できる技術を、「キヤノンアネルバ」社との共同で開発した。

と発表していました。

産総研の発表[1]によると、研究の概要は下記の通り。

・背景:
 CIGS太陽電池のバッファ層(光吸収層と透明導電膜の間)は、高効率化におけるキーポイントの一つとなっている。
 現在量産されているCIGS太陽電池では、光吸収層のCIGSはドライプロセス(多元蒸着法、スパッタリング+セレン化法など)で形成されている。
 一方バッファ層については、液体を用いるウエットプロセス(溶液成長法(CBD法))で形成された硫化カドミウム(CdS)が多用されており、Cdフリー化が求められている。
 しかしドライプロセスによるバッファ層形成で、大規模量産化に成功した例はまだ無く、スパッタリングで形成されたバッファ層では、高い変換効率も達成されていない。
 スパッタリングによるバッファ層形成の量産技術が実現できれば、オールドライプロセスによるCIGS太陽電池の製造が可能になり、工程簡略化によるコスト削減が期待できる。

・作製手法:
 ・キヤノンアネルバ社のスパッタリング成膜技術
 ・産総研太陽光発電工学研究センターのCIGS太陽電池作製技術
 を組み合わせている。
 多元蒸着三段階法で形成したCIGSを用い、溶液成長法で形成したCdSをバッファ層とする小面積CIGSセルを作製。
 このセルを比較対象として、バッファ層のみをスパッタリングで形成したZnMgOに置き換え、その組成と成膜条件の最適化を進めた。

・変換効率:
 小面積セル0.5cm2)で16.2%(反射防止膜あり)を達成した。
 (※従来技術によりバッファ層を形成した太陽電池は17.5%)


変換効率は従来手法より1ポイント以上の差がありますが、この点は今後の研究開発で改善の余地がある、ということでしょうか。

生産工程の簡略化・コスト削減だけでなく、有害物質のカドミウムも不要になるとのことで、CIGS型太陽電池において非常に重要な進歩をもたらしうると思われるので、実用化には強く期待したいところです。


※参照・参考サイト:
・[1]スパッタリングによるバッファ層で高効率CIGS太陽電池を実現(産総研)
 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2013/pr20130318/pr20130318.html
・[2]キヤノンアネルバ
 http://www.canon-anelva.co.jp/


※関連記事:
石井表記の太陽電池ウエハー価格(2011年初めに98円/枚)は、同年春には90円台前半まで下落(2011/09/17)
posted by 管理人 at 04:55 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2013年01月22日

岡山大学と9企業が「酸化鉄太陽電池技術研究組合」の設立総会を実施、パネルの製造コスト8円/Wが・10〜15年後の製品化を目指す

岡山大学9企業(ベネッセHD、戸田工業など)が2013年1月16日に、「酸化鉄太陽電池技術研究組合」の設立総会を実施したとのことです。

(ニュース記事)
・酸化鉄で低価格の太陽電池を 岡山大と9企業が研究組合(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/area/okayama/articles/OSK201301170071.html
・次世代型太陽電池の実用化へ 県内産学で研究組合発足(山陽新聞)
 http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2013011613003974/
・岡山大やベネッセ、酸化鉄使う太陽電池開発へ研究組合(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO50655080W3A110C1LC0000/

(岡山大学のサイト内ページ)
・「酸化鉄太陽電池技術研究組合」を設立
 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id10.html
・本学と9社連携 酸化鉄太陽電池技術研究組合を設立
 http://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id2207.html

同組合の事業に関して、上記URL先ページでは下記の数字が示されています。

・事業費:2012・2013年度ともに約3,000万円。

・開発品の価格目標
 ・素材1万円/kW程度
 ・装置10万円/kW以下(既存の装置は45万〜50万円/kW)
 ・太陽電池パネルの製造コスト8円/W(現在の結晶シリコン型は200〜300円/W程度)

・今後の予定:
 ・基本技術の確立:2014年度中
 ・製品化(量産化技術の開発など):10〜15年後程度

また2つ目のニュース記事では、組合理事長のベネッセHD・福武会長による

・「大学が持つ革新的な技術を企業が支える新しい形。
  この知的財産は1社独占ではなく、わずかな使用料で多くの企業に使ってもらうことで、各地域の活性化につなげたい」

とのコメントが紹介されています。


実用化に向けた本格的な取り組みはあくまでまだ始まったばかりで、実現の見通し・可能性もまだ不透明な部分が多いとは思いますが、目標とされている価格はやはりインパクトが大きい数字であり、達成できれば発電における革命的な進歩をもたらすものだと思われるので、日本国内での取り組みによりそれが実現されることを、強く期待したいところです。


※関連記事:
岡山大学とベネッセHDが、酸化鉄化合物「グリーンフェライト」(光吸収率がシリコンの100〜1,000倍)を用いる次世代型太陽電池の開発で連携予定(2011/06/23)
岡山大とベネッセHDが「グリーンフェライト」による太陽電池開発で連携協定を締結、2,000万円の資金提供により2013年の実用化を目指す(2011/06/28)
岡山大学が研究中の「グリーンフェライト」を用いる太陽電池は、赤外線も発電に利用できる可能性ありとのこと(2011/09/20)
経産省が「酸化鉄太陽電池技術研究組合」の設立を認可、2014年度までの製造法開発(ロールツーロールを想定)を目指す(2012/12/13)
posted by 管理人 at 02:48 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年12月22日

スタンフォード大・漢陽大学などの研究グループが「peel-and-stick process」を開発、アモルファスシリコン太陽電池セルをゴム・プラスチック・布などに貼り付け可能

・米スタンフォード大学
・韓国の漢陽ハンヤン大学

等の研究者らが、アモルファスシリコン太陽電池セルを様々な素材に貼り付けできる手法「peel-and-stick process」を開発し、2012年12月18日の「Scientific Reports」誌に掲載されたとのことです。

(ニュース記事)
・ステッカー型太陽電池の開発に成功 韓国人者主導の研究グループ(東亜日報)
 http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012122202018

(「Scientific Reports」のサイト内ページ)
・Peel-and-Stick: Fabricating Thin Film Solar Cell on Universal Substrates
 http://www.nature.com/srep/2012/121220/srep01000/full/srep01000.html

上記URL先ページによると、手法の概要は下記の通り。
  1. Si/SiO2ウエハーの表面に、Niを電子ビーム蒸着によってコーティングする(厚さ300nm)。
    その上に、通常の製造手法でアモルファスシリコン太陽電池セルを製膜する。
  2. 製膜したセルの上から、透明な熱剥離テープ(NittoDenko)を貼付。
    ウエハーごと水に漬け、テープごとセルをウエハーから剥がす。(※室温で作業可能)
  3. 90度で数秒間加熱し、熱剥離テープとセルを分離する。
  4. セルを両面テープや通常の接着剤により、任意の素材(ゴム、プラスチック、布など)・部材(携帯電話、窓ガラス等)に貼り付ける。

この手法で作った太陽電池セルは元の変換効率7.5%)を維持でき、また貼り付ける素材に(従来手法のように)高温を加える必要が無いとのことで、ニュース記事では

(米スタンフォード大学のChi Hwan Lee研究員)
・米NRELで製造した太陽電池によりステッカー型太陽電池を作ったところ、変換効率はそのまま維持された。

(漢陽大学のDong Rip Kim教授)
・携帯電話や建物外壁・窓の他にも、
 ・服・帽子
 ・発熱衣類
 の電源に活用できる。

との内容のコメントが紹介されています。


太陽電池セルを剥がしやすい状態で作り、それを他の素材・部材に貼り付けできるというのは、非常にユニークで魅力的です。

加えて、手法自体は既存技術の組み合わせと見受けられますが、それだけに実用化へのハードルはかなり低いと想像するので、従来では考えられなかった機器・製品への太陽電池搭載が可能になるよう、実用化に向けた今後の取り組みに強く期待したいところです。
posted by 管理人 at 12:26 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年12月09日

産総研が「次世代結晶シリコンPV(太陽光発電)コンソーシアム」を設立、福島県郡山市の拠点で結晶シリコン型の競争力アップに向けた研究開発に取り組む

産業技術総合研究所の「太陽光発電工学研究センター」が2012年12月7日までに、「次世代結晶シリコンPV(太陽光発電)コンソーシアム」を設立したとのことです。

(ニュース記事)
・結晶シリコン太陽電池開発に福大参加(福島放送)
 http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=201212083

上記URL先ページによると、事業の概要は下記の通り。

・背景・目的:
 現在の太陽光発電で主流である結晶シリコン型太陽電池について、国内産業が国際競争に勝つために
 ・高性能
 ・低コスト
 ・高付加価値
 の製品の研究開発を目指す。

・参加組織:計19の企業・大学が参加する。
 ・大手太陽電池メーカー(シャープ、パナソニック等)
 ・部材・装置メーカー
 ・大学(福島大学など)

・今後の方針・予定:
 1.先端的な試作ライン(一貫生産ラインに準じる)の予備検討を、茨城県つくば市で開始する。
 2.その後、福島県郡山市の再生可能エネルギー研究開発拠点の開所(2014年4月)に合わせて、同拠点に試作ラインを移設。
  そこで材料〜最終製品の研究開発を行う。
 3.5年以内に試作品を完成。
  その技術を順次、民間企業に移転していく。

また記事では、産総研による

・「コンソーシアムを通じて関連企業を福島県で育成、集積することで復興に貢献したい」

とのコメントが紹介されています。


結晶シリコン型は歴史が長いだけに、技術が既にかなり成熟している、というイメージが個人的には強いので、今回のコンソーシアムにより革新的な成果を生むことができるのか、非常に興味を引かれるところです。

また、震災被災地である福島県内に開発拠点が設けられるという点も非常に興味深く、今回の事業の結果次第では、同県が太陽光発電の技術開発の先進地となる可能性も有るのでは、と期待が高まります。


※関連記事:
産総研が、太陽電池の長期信頼性向上のため、関連部材の開発を推進(2009/10/20)
産総研九州センターに、太陽電池モジュールの発電量・耐久性の評価設備が開設、寿命30年以上のモジュールの開発を目指す(2010/12/16)
佐賀県と産総研が、太陽光発電の共同研究などに関する連携協定を締結(2012/05/17)
posted by 管理人 at 05:02 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年09月13日

北海道内4市町で、風力発電・太陽光発電の出力安定化のための実証実験(気象予測、蓄電池を利用)が行われる予定

日本気象協会
北海道大学
北海電気工事

等が、北海道内の4市町において、風力発電・太陽光発電出力安定化のための実証実験を行う予定とのこと。

(ニュース記事)
・風力・太陽光発電の出力安定、北海道・稚内など4市町で実験(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO46016980R10C12A9L41000/

上記URL先ページによると、事業の概要は

・目的:
 分散している発電設備の状況を一括把握することで、より安定的に発電電力を利用できるシステムの構築を目指す。

・内容:
 北海道電力と協力して、気象予測により各発電設備の発電量を予想
 そのうえで蓄電池を効率的に利用し、出力変動の抑制を図る。

・対象設備:
 ・稚内市
 ・伊達市
 など4市町にある風力・太陽光発電設備。

・実施期間:2012年度中〜2014年度

・その他:
 本事業は、環境省の2012年度「地球温暖化対策技術開発・実証研究事業」に採択されている。

等となっています。


全部で幾つの発電設備が対象となるのかは分かりませんが、太陽光発電と風力発電という国内でメジャーな再生可能エネルギー発電を合わせて監視・制御を行うとのことで、再生可能エネルギーの利便性アップをもたらす技術が実現されることを、強く期待したいです。

また個人的には、(蓄電池などは抜きにして、単純に)太陽光と風力を合わせた場合の出力変動がどのようになるのか、という点に非常に興味を引かれるので、実験データの公表にも期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業(競争的資金)の公募について(お知らせ)(環境省)
 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14679
posted by 管理人 at 01:13 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年08月07日

カリフォルニア大学とバークレー研究所が新技術「Screening-Engineered Field-Effect Solar Cells」を発表、極細または極薄の電極による印加電界で、多様な半導体から電子を取り出し可能に

カリフォルニア大学Berkeley校
Lawrence Berkeley National Laboratory

の研究グループが、多様な半導体を太陽電池の素材として使用可能にする技術を開発したとのこと。

(ニュース記事)
・ソーラーパネルの超・低価格化を、ナノ技術が切り開く(Wired.jp)
 http://wired.jp/2012/08/06/graphene-solar-panel/

(ネタ元の英文ページ)
・Screening-Engineered Field-Effect Solar Cells(「Nano Letters」誌のサイト内)
 http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/nl3020022
・Screening-engineered Field-effect Solar Cells(Berkeley大学のサイト内)
 http://www.physics.berkeley.edu/research/zettl/projects/field_effect_PV/sfpv.html
・Photovoltaics from Any Semiconductor(Lawrence Berkeley National Laboratoryのサイト内)
 http://newscenter.lbl.gov/feature-stories/2012/07/26/photovoltaics-from-any-semiconductor/

上記URL先ページによると、この技術は「Nano Letters」誌に「Screening-Engineered Field-Effect Solar Cells」との題名で発表されたもの。

従来の技術では、光が照射された半導体から電子を取り出せるようにするには、化学的なドーピングを行う必要があるため、使える物質が限られている(シリコン、CdTe、CIGS等)とのこと。

対して今回の技術では、化学的な方法ではなく

極細電極(ナノワイヤーを使用)
極薄の電極(グラフェンが素材)

のいずれかを用い、半導体に電界を加えることで、MOSFETに似た原理で電流を取り出すことが可能になるもので、これにより

金属酸化物
硫化物
燐化物

等のような、豊富に存在する安価な素材を太陽電池に使用できる可能性が生まれたとのことです。


実用化の目処・時期については残念ながら言及されていませんが、発表内容を読む限りでは、セル変換効率も十分な高さ(最高で20%近く)が見込まれるとのことで、太陽光発電の低コスト化を急速に進める可能性がある技術の一つとして、今後の研究開発の進展に強く期待したいです。


※参考サイト:
・[1]MOSFET(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 07:09 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年07月15日

産総研「太陽光発電工学研究センター」と米NREL・独Fraunhofer ISEが研究開発協力で合意、目標の共通化や情報交換・人材交流に取り組む

産業技術総合研究所の「太陽光発電工学研究センター」が7月11日、

2012年7月10日に、米国で
 ・米「NREL」(国立再生可能エネルギー研究所)
 ・独「Fraunhofer ISE」(フラウンホーファー研究機構・太陽エネルギーシステム研究所)
 との研究協力覚書に調印した。

と発表したとのこと。

(ニュース記事)
・日米独の太陽エネルギー研究機関が連携(マイナビニュース)
 http://news.mynavi.jp/news/2012/07/13/114/

(各組織のサイト内ページ)
・世界的な太陽エネルギー研究機関3者が研究協力覚書を締結(産総研)
 http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2012/pr20120711/pr20120711.html
・NREL Joins Global Alliance of Solar Research Institutes(NREL)
 http://www.nrel.gov/news/press/2012/1940.html

上記URL先ページによると、今回の提携の概要は

・背景:
 ・太陽エネルギーにおいては
  ・利用地域
  ・用途
  の拡大に伴い、研究ニーズも急速に増加・多様化している。
  このため、世界的に研究開発の迅速化・効率化の促進が必要となっている。。
 ・産総研は既に、包括研究協力覚書を
  ・NREL(2009年5月4日
  ・フラウンホーファー研究機構(2012年7月6日
  と個別に結んできた。
  今回は、3者が類似の研究計画と目標を持っていることから、連携強化の推進で合意に至った。

・協力の内容:
 ・研究開発の目標共通のものに発展させて、太陽エネルギーをより持続的に利用可能にするための取り組みを推進する。
 ・相互に研究者を派遣して
  ・情報交換
  ・人材交流
  を行う。

・期待される効果:
 従来より萌芽的・基盤的な領域での研究協力が促進され、共通目標に向かっての研究の加速的な進展が期待される。

等となっています。


当ブログでチェックしてきた限りでは、産総研はこれまで、Fraunhofer・NRELと個別では集光型太陽光発電の研究開発で提携していましたが、今後は他の分野でも協力していく、ということなんでしょうか。

太陽エネルギー分野の研究開発で、世界的に主要な位置にある3組織が提携するということで、太陽光発電の技術を底上げするような成果が生み出されることを、期待したいところです。


※関連記事:
EUとNEDOが集光型太陽電池の研究開発で協力、セル変換効率45%以上を目指す(2011/06/02)

産総研が米国の研究機関と、太陽光発電等での研究協力の覚書を締結(2009/05/08)
産総研と米NRELが共同で、集光型太陽光発電システムの実証実験に取組む方針(2010/06/30)
posted by 管理人 at 06:24 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年07月10日

京都大学の研究グループが太陽光の波長を集約する技術を開発、太陽電池の変換効率40%超の可能性も

京都大学の野田進教授らの研究グループが、太陽光の波長を太陽電池が発電しやすい波長集約する技術を開発したとのこと。

(ニュース記事)
・太陽光の波長集約で新技術、発電効率最大4倍アップ 京大研究グループ(サンケイビズ)
 http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/120709/cpc1207091312001-n1.htm
・太陽電池 発電効率2倍 京大グループ、半導体素子を開発(京都新聞)
 http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20120709000050
・京大など、太陽電池変換効率を40%超に改善(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGG07008_Z00C12A7TJM000/

(「Nature Photonics」内のページ)
・Conversion of broadband to narrowband thermal emission through energy recycling
 http://www.nature.com/nphoton/journal/vaop/ncurrent/full/nphoton.2012.146.html

上記URL先ページによると、今回の技術の概要は

・背景:
 現在の太陽電池では、1μm付近の波長の光以外は変換効率が低く、太陽光の殆どをエネルギーに変換できない。
 このため野田教授らは、太陽光を一定の波長(太陽電池が効率良く発電できる波長)に集約する技術の開発に取り組んできた。

・手法・成果:
 ・電子の自由な動き(様々な光の波長が生み出される要因)を抑制するために、
  ・アルミニウム
  ・ヒ素
  等を混ぜた2種類の物質を層状に組み合わせ、規則的にを開けたを開発した。
  この板に太陽光を通すことで、板が太陽熱により加熱され、光を特定の波長に集約することに成功した。
 ・板を通過後に放出される光の波長は10μm。
  ただし、素材を変更することで1μmにすることも可能。

・期待される効果:
 太陽電池の変換効率(現在は10〜20%)を、40%以上にアップできる可能性がある。

等となっています。

また記事では、野田教授の

・「素子を太陽光で熱し、放射された光を太陽電池に照射すれば、発電効率が大幅に向上する」
・「実用化に向けた研究をさらに進め、エネルギーの有効利用に役立てたい」

とのコメントが紹介されています。


変換効率の向上見込みの大きさに驚きますが、太陽電池の発電ではマイナスであるはずの太陽熱による加熱が必要、という点も興味深いです。
(ただ実用化する場合には、セルが高温にならないよう、波長集約用の板がセルから離れた構造にする必要があるのでは?という疑問もある)

まだまだ基礎的な段階だとは思いますが、既存方式の太陽光発電の性能・能力を大幅に高める技術として、遠くない時期に実用化が実現することを、強く期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]京都大学工学研究科 電子工学専攻 光量子電子工学分野 野田研究室
 http://www.qoe.kuee.kyoto-u.ac.jp/


※当ブログの関連記事:
「バテルジャパン」社の研究者が、「スペクトル・コンバータ」用のEu材料「希土類-金属ナノクラスター」を開発、試作品では変換効率を約1割アップ(2010/03/10)
「ADEKA」社が、太陽電池向けの波長変換材料や温度上昇防止材料などの開発を強化(2010/04/08)
岡本硝子が太陽電池向けの波長変換材を開発、旭硝子は透過率を高めた「ソライト プラス」を量産開始(2011/03/07)
posted by 管理人 at 20:48 | Comment(0) | 研究・開発の動向

2012年06月04日

産総研が、CIGS太陽電池製造の「3段階法」でのセレン供給量で、変換効率を最大化できる最適値を発見

産業技術総合研究所の「太陽光発電工学研究センター」の研究グループが、CIGS太陽電池の製膜方法「3段階法」におけるセレン供給量に、変換効率最大化できる最適値があることを発見したとのこと。

(ニュース記事)
・産総研、CIGS太陽電池製膜でセレン供給量に最適値(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120604eaaj.html

上記URL先ページによると「3段階法」は、

・金属材料(銅、インジウム、ガリウム)
・非金属のセレンの蒸気

を、真空中の装置内に供給して製膜を行うもの。

今回は、セレン原料と金属原料の供給量の比78にして製膜したところ、太陽電池の変換効率は19.8%を達成。
セレン原料の供給量がこれより多くても少なくても、変換効率は低下するとのことです。


温度変化に強いメリットを持つCIS(CIGS)型で、更なる発電能力アップが見込まれる技術とのことで、現在商用化を実現しているメーカーにどのような影響を及ぼすのか、注目したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]太陽光発電工学研究センター
 http://unit.aist.go.jp/rcpvt/ci/index.html
・[2]CIS系太陽電池(龍谷大学のサイト掲載資料、3段階法に関する解説あり)
 http://www.chem.ryukoku.ac.jp/wada/HomePage/FDF/review/2000CIS%20Photovoltaic%20Cells.PDF
posted by 管理人 at 13:54 | Comment(0) | 研究・開発の動向