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2018年01月05日

SolarWorld社がモルディブの離島(面積6万m2)の太陽光発電所向けに、太陽電池モジュール150kWpを供給、高効率+耐久性のニーズに応える

SolarWorld社が2017年12月22日に、

  • モルディブの離島のハイブリッド発電所向けに、自社の太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1][2]。

今回は、その発電設備に関する情報を抜き出してまとめてみました。


場所 MaldiveのEllaidhoo島
太陽電池モジュールの量 150kWp
発電電力の用途 島内のホテル「Ellaidhoo Maldives Hotel」が供給を受ける。
(※他の電力供給先は不明)
設置環境
  • 島の面積6万m2)が小さい。
  • 設置場所が海に近接している。
※これらの条件により、高効率と耐久性が太陽電池モジュールに要求された。
このため契約は、SolarWorld社のパートナーである「Alpha Solar Energy SystemsSolarTherm)」社に発注された。
(PERC技術を用いたSolarWorld社のモジュールは、長寿命・高品質との評価を受けている)

また今回の発表の中では、

  • SolarWorld社は2016年には、南アジア地域で計75MWのモジュールを供給した。
との実績も紹介されています。



SolarWorld社は2016年に経営破綻しましたが、その後にカタールの企業による出資を得たことで、無事に事業を継続していると見受けられます。


Ellaidhoo島の6万m2という面積は、長方形であれば200m×300mであり、確かにかなり限られた広さであることが判ります。

そうなると、如何に高性能モジュールであっても十分な設置場所が確保できたのか、という疑問が起こりましたが、[2]の写真を見ると建造物の屋根設置である(野立てでは無い)模様。

限られた森林を(用地確保のために)伐採しなくて済む、という点でも、非常に合理的な判断だと感じられます。

今回の設備を受注したSolarTherm社[3]は、(モルディブと同じインド洋にある)スリランカの企業であり、現地の環境・条件に適した設計や施工がなされたものと思われます。


[2]に掲載されている現地の写真は、私の目には別天地にも写るものであり、先日取り上げた豪州のByron Bayに続いて眼福です。

低コスト化が進む太陽光発電が、これらのような地域で導入・普及が進んでいき、環境保護で大きな役割を担う存在となっていくことを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]SolarWorldがモルディブのエライドゥ島に太陽光発電モジュール供給 (共同通信PRワイヤー、2017/12/22)
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201712229365/
[2]Solar powered Paradise(SolarWorld社)
http://www.solarworld.de/en/press/solarpoweredparadise
[3]SOLARTHERM
http://www.solartherm.lk/
[4]モルディブ(ウィキペディア)

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2017年10月27日

南アの世界遺産「Robben Island」にマイクログリッドシステムが導入、太陽光発電の電力で島の需用電力量の約1/2を賄える見込み

Canadian Solar社が2017年10月23日に、

  • 世界遺産となっている南アフリカの「Robben Island」に、太陽光発電+蓄電池+ディーゼルエンジンのマイクログリッドシステムが導入された。
と発表していました[1]。

設計・建設を担った南アの「SOLA Future Energy」社の発表[2][3]と合わせて、設備の概要をまとめてみました。


導入場所の背景
  • Robben島はかつて刑務所であり、例えばネルソン・マンデラ氏が18年間収容されていた。
    またそれ以外にも、らい病患者の収容所(19世紀)や、第二次世界大戦時の防衛設備として用いられた。
    アパルトヘイト撤廃後の同島は観光地となり、ユネスコの世界遺産に指定されている。
    また同島は、ペンギン等が生息し、生物多様性も高い。
  • 同島の電力源は、これまでディーゼルエンジンだったが、軽油の使用量は年60万リットルにも及び、島の管理コストに大きな負担となっていた。
    また、環境に対する影響も大きかった。
    今回のマイクグリッドシステム導入は、南ア周辺の重要なモニュメントにおいて、持続可能な観光を促進するために、南アフリカの観光省により委託された事業である。
設備の構成、規模
  • 太陽光発電システム666.4kW
    太陽電池モジュールは、Canadian Solar社の単結晶型「CS6U-340M」を1960枚使用している。
  • リチウムイオン電池837kWh、最大500kV
  • ディーゼルエンジン
    太陽光発電が出力できず(例えば夜間時)、また蓄電池も空となった場合に稼動する。
  • マルチプルコントローラー
    電力供給を途切れ無く行えるよう、上記3つの設備・機器を制御する。
見込まれる効果
  • 電力供給能力
    島の電力需要(年約200万kWh)の半分(約100万kWh)を賄う。
  • 軽油の使用量
    年間で23.5万〜30万リットル削減。
    (※記載の数値にバラつきが有る)
稼動年数 20年以上の予定


Robben島のことは今回初めて知りましたが、アパルトヘイト廃止を機に、その歴史的な役割を大きく転換した場所と見受けられます。

その地に、再エネ設備が実用的なものとして導入されたことは、別のカテゴリ(エネルギー供給)でも大きな変化が起こる可能性を、示唆しているようにも感じられ、非常に興味深いです。


[2]には、リチウムイオン電池の過去6年間(2010〜2016)における価格下落が示されていますが、2016年は2010年比で約73%ダウンと、その想像以上の値下がりに驚きました。

近年は太陽電池モジュールの価格下落が際立っており、またパワコンの価格低下も進んでいるとのこと。

更に蓄電池のコストも大きく下がっていることで、(通常の太陽光発電システムだけでなく)今回のようなマイクログリッドシステムについても、経済的な合理性が十分な水準に達してきている、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Robben Island, the Prison Where Nelson Mandela was Jailed for 18 Years, has Installed a Solar Power System With Canadian Solar Modules(Canadian Solar社、2017/10/23)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2310250
[2]The Robben Island solar microgrid shows the power of solar PV and batteries(SOLA Future Energy社、2017/10/18)
http://www.solafuture.co.za/news/robben-island-solar-microgrid-power-of-solar-pv-and-batteries/
[3]Robben Island's 666.4 kW solar PV and battery storage microgrid(YouTube、アカウント「SOLA Future Energy」さんの動画)
https://www.youtube.com/watch?v=c-ULxbjDnuA&feature=youtu.be
[4]Robben Island(Wikipedia)
[5]MaxPower Panels(Canadian Solar社)
https://www.canadiansolar.com/solar-panels/maxpower.html

※関連記事:

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2017年08月18日

NEDO等がインドで太陽光+ディーゼルによる「マイクログリッドシステム」の実証を開始、「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」の一環で、電力の安定供給を図る

NEDO等が2017年8月14日に、

  • インドにおいて、太陽光発電+ディーゼル発電の組み合わせで電力を安定供給する「マイクログリッドシステム」の実証運転を開始した。
と発表していました[1][2]。

取組みの概要は下記の通り。


背景・目的
  • インドでは、経済発展に伴って電力需要も拡大しており、2025年には(EUを上回り)中国・米国に次ぐ電力消費量になると予想されている。
    しかし現状では、供給電力慢性的に不足しており、インド国内に生産設備を持つ企業は、電力の安定供給を強く求めている。
  • インド政府は、再エネ導入促進計画として
    • 2022年までに175GW(うち太陽光・熱発電は100GW)を導入する
    との目標を掲げている。
  • 日本とインドは共同で「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」を進めている。
    この構想では、デリーとムンバイ間に貨物専用鉄道を敷設。
    その周辺に
    • 工業団地
    • 物流基地
    • 発電所
    • 道路
    • 港湾
    • 住居
    • 商業施設
    等の各種インフラを、民間投資主体で整備する。
    今回の実証運転は、この構想に基づくものであり(※試運転は完了済み)、日本のマイクログリッド技術の有効性を実証して、インド内で普及することを目指す。
実施企業・組織 下記の共同による。
  • 日立製作所
  • 日立システムズ
  • 伊藤忠商事
  • デリー・ムンバイ産業大動脈開発公社(DMICDC)
実施場所 ラジャスタン州の「ニムラナ工業団地」
設備・システム 本実証に用いるマイクログリッドシステムでは、
  • 太陽光発電システム(1MW規模)
  • 複数のディーゼル発電機
を、組み合わせて制御する。
これにより、ディーゼル燃料の消費量を抑制しつつ、電力安定供給する。
※今回の実証では、電力をニムラナ工業団地内の企業「MIKUNI INDIA PRIVATE LIMITED」に供給する。
実施期間 2017〜2019年度の2年間


インドの電力消費量が、あと10年を待たずして欧州連合を超える見込み、ということには非常に驚きましたが、それだけに発電所の増設が喫緊の課題となっていることは、容易に想像されます。

理想としては、大気汚染の心配が全く無い再エネ発電のみで、全てを賄うのがベストだとは思います。

しかし、出力安定に必要となる蓄電池の導入コストを考えると、現状では長年の実績がある技術であるディーゼル火力発電との組み合わせが、現実的な手段ということなのかもしれません。

その太陽光+ディーゼルについては、私が知る限りでは、米First Solar社が既に「FuelSmart」ソリューションを製品化し、2年前に豪州の鉱山に導入済みであり、今後も実用的・現実的な電源として、他社が追従してくる可能性が考えられます。


今回の実証運転での電力供給先は、自動車やバイク向け部品の製造企業[5]であり、また「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」[3]の中身からも、当該の「マイクログリッドシステム」では、主に製造業向けの電力供給を想定していると推測されます。

この用途だと、供給電力の品質(電圧・周波数の安定)の高さも要求されると思いますが、その点では日本企業が優位性を発揮できるのでは、と考えます。


「デリー・ムンバイ間産業大動脈構想」[3]は、かなり大規模なインフラ整備計画であり、ここで本マイクログリッドシステムが広く採用されれば、環境への負荷軽減、また太陽光発電の実用性の証明という点でも、非常に大きな効果とインパクトをもたらすと思われます。

そのため、是非とも日本企業による今回のシステムが、優れた結果を出すことを期待したいです。


※参照資料:
[1]インドで太陽光発電を活用したマイクログリッドシステム実証を開始(NEDO、2017/8/14)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100815.html
[2]同上(日立システムズ、2017/8/14)
http://www.hitachi-systems.com/news/2017/20170814.html
[3]デリー・ムンバイ間産業大動脈構想 - 経済産業省
http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/asia/sw_asia/data/DMIC.pdf
[4]ラージャスターン州(ウィキペディア)
[5]MIKUNI Overseas Group > India(株式会社ミクニ)
http://www.mikuni.co.jp/e/overseas/india.html

※関連記事:

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2017年05月29日

ヨルダンのシリア難民キャンプでメガソーラー(2MW)が稼動、2万人に電力供給

「AFPBB News」の記事[1](2017/5/25付)で、

  • ヨルダンシリア難民キャンプに、大規模太陽光発電設備が導入された。
と報じられていました。

その記事から、発電設備に関する数字などを抜き出してみました。


設置場所 Azraqアズラク)の難民キャンプ(2014年4月に開設[2])
※アズラクは砂漠地帯に位置し、仮設住宅の外の気温は40度に達する。
 キャンプに住む難民は、3万5000
設置者 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
発電容量 2MW
発電電力の用途 照明、冷蔵庫、テレビ、シーリングファン、携帯電話の充電、綺麗な水の供給など
(キャンプ内の約2万人に、電力を供給している)
総工費 900万米ドル
※資金は「イケア」社の基金が提供した。
稼動開始 2017/5/17
今後の予定 発電容量を5MWまで拡大し、残る1万5000人にも電力を供給する。


今回驚いたのは、一昔前は高額だった太陽光発電設備が、難民の方々の生活を明確に「支える」「改善する」役割を果たしている、ということです。

また1人あたりの供給電力は、単純計算で100W(2MW/2万人)であり、需要側でも、消費電力が低い最新の機器が使われていると推測されます。

太陽光発電のコストダウンと、家電などの省エネ(消費電力低減)の両方が、急速に進んできたことが、結果として双方の実用性を相互に大きく高めている、ということかもしれません。


ただ、建設費用は1MWあたり約450万ドル(約5億円)であり、例えば

といった最近のケースと比べると、かなりの割高です。

その要因として考えられるのは、一つは今回の設備の建設場所が、昼夜の寒暖差が非常に厳しい砂漠であり、そのために建設作業のコスト低減に限界があったのではないでしょうか。

また、長期に渡って住民の生活を支えることになる電源設備であるため、(記事には記載がありませんが)夜間にも電力を供給できるよう、蓄電設備が併設されている可能性もありますが、正確なところが不明なのは残念です。


もう一つ、今回の設備の費用を担ったのは、家具メーカーとして世界的に著名なイケア社ですが、同社は再エネへの投資・利用に積極的であり、また難民支援にも取り組んでいるとのこと[6][7]で、今回の出資も、その企業姿勢の延長として行われたものと思われます。

このあたりのスマートさは、簡単に真似できないことだとは思いますが、いっぽうで今後は世界の標準になっていくのでは、とも感じさせられます。


※参照資料:
[1]ヨルダンの難民キャンプに太陽光発電所(AFPBB News)
http://www.afpbb.com/articles/-/3129000
[2]新たなキャンプ、新しい家: アズラック難民キャンプで生活するシリア難民(UNHCR JAPANのフォトギャラリー、2014/4/30付)
http://www.unhcr.or.jp/photogallery/index10.html
[3]気候(ウィキペディア「ヨルダン」内」)
[4]ザルカ県(ウィキペディア)
[5]Azraq, Jordan(英語版Wikipedia)
[6]環境と社会(イケア社)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/this-is-ikea/people-and-planet/index.html
[7]サステナビリティ・サマリー 2016(同上)
http://www.ikea.com/ms/ja_JP/pdf/sustainability_report/SUSTAINABILITY_SUMMARY_FY16.pdf

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2016年12月14日

NEDOがインドの病院で、ICI活用による電力使用量削減+医療業務の効率化に取り組む方針、消費電力の30%削減(2014年度比)が目標

NEDO2016年12月1日に、

  • インド病院において、
    • 消費エネルギーの削減
    • ICTによる医療データの有効活用
    の両方に同時に取り組む、実証実験を行う。
との予定を発表していました[1]。

取組みの概要は次の通り。


実施体制 インドの
  • 健康家族福祉省
  • 全インド医科大学ニューデリー校
と共同で取り組む。
(※NEDOと上記2者は今年11月30日に、
本事業に関する基本協定書を締結している)
実施場所 全インド医科大学ニューデリー校
(※高等教育機関と病院を兼ねている)
内容
  • 病院全体の電力使用を
    再エネ(太陽光発電)の活用による、商用電力の使用量削減
    高効率なユーティリティ設備(空調機器、LED照明など)への更新
    エネルギーマネジメントシステム
    により最適化し、省エネ型の「ICT Platform」を構築する。
    (※このICT Platformはエネルギー制御だけでなく、医療情報データの一元的な管理・活用も行う)
  • 医療データ(画像、カルテ等)の電子管理により、病院の運営・診療効率を向上させる。
  • 上記2つの取組みにより、インドの病院における最適なエネルギーマネジメントを実証し、消費電力の30%削減(2014年度比)を目指す。
  • 将来的には、エネルギー需要予測(各種設備条件、気象条件などに基づく)により
    ・ユーティリティ設備の最適運転計画による、省エネの実現
    ・高効率なITソリューションによる、医療データの統合・活用
     (医療業務の効率化)
    を行い、エネルギー使用量の増加抑制を図る。


病院における太陽光発電の導入自体は、当ブログでチェックしてきた限りでも、国内外である程度の事例がありました(関連記事)。

ただし今回の実証実験は、ICTによる高度なエネルギー需給管理がメインとなっており、当ブログを開始して以降の7〜8年で、発電設備の制御技術が大きく進化を遂げていることが感じられます。

インドは現政権になってから、太陽光発電の導入目標を大幅に引き上げています(2022年までに22GW→100GWに引上げ)が、太陽光発電の導入拡大とともに、(供給力だけでなく)電力の利用効率を高める今回のような取組みも、今後少しづつ増えていくものと予想します。


※参照資料:
[1]インドで病院のエネルギーマネジメント最適化の実証事業を実施へ(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100683.html
[2]AIIMS - All India Institute Of Medical Science
http://www.aiims.edu/en.html

※関連記事:

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2016年11月21日

関西電力がモルディブ共和国「ディフシ・ソーラーアイス・プロジェクト」の設備を完工、太陽光発電+製氷機で出力安定化を狙う

関西電力2016年11月15日に、

  • モルディブ共和国で進めてきた「ディフシ・ソーラーアイス・プロジェクト」で、太陽光発電設備などの工事が完了した。
と発表していました[1]。

設備の概要は次の通り。


設置場所ディフシ島(人口約1200人、最大電力は300kW程度)
太陽光発電設備 出力40kW(10kW×4ユニット)
※既設のディーゼル発電機系統に連系している。
出力変動への対策 製氷機を併せて設置しており、太陽光発電の発電電力が増えた際には、その電力を製氷に用いる。
(※氷は、島の主要産業である漁業で必要とされる)
工事の期間2015年11月〜2016年11月6日
11月14日に譲渡式を行った。
保守・運用などモルディブ国が行う。
ただし当初5年間は、関西電力が運転状況のモニタリングを行う。
(設備の健全性、電力系統の安定化などを確認するため)

製氷そのものではありませんが、再エネ発電の出力安定化対策として、余剰電力を冷凍用倉庫に回して「エネルギーを蓄える」という試みは、私が知る限りでは

との事例がありました。

特にクックスハーフェン市での取り組みは、太陽光発電やコジェネとも組み合わせて継続されているようで[3][4]、電力需給の安定化に一定の成果を挙げていることが伺えます。

今回のモルディブにおける設備も、地域の主要産業(漁業)と密接な関わりを持っていくようなので、単なる発電設備に留まらず、地域密着型のインフラとして有効に機能し受け入れられていくことを、強く期待したいところです。


※参照資料:
[1]モルディブ共和国における太陽光発電プロジェクト「ディフシ・ソーラーアイス・プロジェクト」に伴う同国への設備の譲渡について(関西電力)
http://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2016/1115_1j.html
[2]独クックスハーフェン市で、風力発電の出力均衡に、魚の冷凍倉庫を活用する実験が実施中(「風力発電のニュース記事を読む」2010年04月11日の記事)
http://windpower-info.sblo.jp/article/54752683.html
[3]風力発電と冷蔵倉庫を組み合わせた仮想発電所(日経ビジネスonline)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20130909/253159/
[4]VPP(Virtual Power Plant)で実現する電力の需給管理(日本ユニシス、p14・15)
http://www.unisys.co.jp/tec_info/tr123/12302.pdf

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2016年10月17日

南アフリカのGeorge空港が太陽光発電設備(750kW)を導入、コストダウンに大きく寄与

AFPBBの記事(2016年10月日付[1])で、南アフリカの空港における太陽光発電設備の導入事例が紹介されていました。

設備の概要は次の通り。


空港の場所南アフリカの都市George
発電設備の設置場所滑走路(管制塔などから数百メートル離れている)に隣接した土地
発電容量750kW
太陽電池パネル2000枚を設置。
初期費用1600万ランド(約1億1500万円)
発電電力の用途空港内の管制塔、エスカレーター、チェックインカウンター、荷物運搬用コンベヤー、レストラン、ATM等に用いている。
また余剰分は、地域の送電網に供給している。
(※空港の運営に必要な電力は400kW
導入効果
  • 導入以来、空港のCO2排出量1229t削減した。
    燃料10万3934L分に相当)
  • 電気料金年間40%削減
    (初期費用をあと5〜10年で回収できる見通し)

数字的には、発電能力は空港の必要電力を大きく上回っていますが、電気料金の削減分は4割のみであり、日照が無い夜間の電力供給ができないことも含めて、流石に完全に電力需要を賄うことは無理なようです。

とはいえ、燃料の節約量と、電気料金の具体的な削減割合からは、日本で想像する以上に太陽光発電の導入メリットが大きいと感じますが、この点は近年の初期費用の急速な低減に加えて、(米国のカリフォルニア州などと同様に)日照時間が長いことによる恩恵かと思われます。

また再エネの導入においては、電力系統に及ぼす影響が気になるところですが、南アフリカは近年電力不足が続いている[4]とのことなので、まずは系統の安定性よりも発電能力の拡大・増強が優先、ということなのかもしれません。

その意味で、南アをはじめとする新興国で、再エネ発電設備を含む電力インフラがどのような整備の仕方を見せていくのか(先進国とどう異なる道筋を辿るのか、独立電源が優位となるのか等)、というのは非常に興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]アフリカ大陸初の太陽光発電空港、環境や経費に貢献 南ア(AFPBB)
http://www.afpbb.com/articles/-/3104226
[2]George Airport
http://www.airports.co.za/airports/george-airport
[3]ジョージ (南アフリカ共和国)(ウィキペディア)
[4]主要産業(ウィキペディア「南アフリカ共和国」内)

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2016年09月26日

パナソニックがミャンマーの無電化村に「パワーサプライステーション」を納入、HITパネル+鉛蓄電池で量産品として設計

パナソニック社が2016年9月23日に、

  • ミャンマーの無電化村(インマジャウン村)に、太陽光発電+蓄電池の独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」を納入した。
と発表していました[1]。

今回はその「パワーサプライステーション」の概要を抜き出し、まとめてみました。


用途新興国などの無電化地域向け
特徴
  • 量産製品として開発:
    安定した品質の確保を図っている。
  • 組立・設置を容易化
    電気工事業者でも、簡単・迅速に設置できるよう設計。
    移設や増設もしやすくしている。
  • 実績のある技術を採用
    HIT型太陽電池モジュール
    鉛蓄電池
    を採用。
    また、新開発の「パワーサプライ本体ユニット」で蓄電池の需給管理を行い、をの劣化を抑える。
インマジャウン村への納入品の仕様
  • PV:
    ・太陽電池パネル:HIT型を12枚
    ・発電容量:2.82kW
  • 蓄電池:
    ・種類:長寿命サイクル用の鉛蓄電池(12V・60Ah)
    ・設置台数:24台
    ・蓄電容量:17.2kWh
  • 制御盤:「パワーサプライ本体ユニット」
  • インバーター最大出力:3kW
  • サイズ:幅約4.8m×長さ約3.5m×高さ約3m
    (※コンテナ本体は、幅約2.4m×長さ約2.8m×高さ約2.3m)
  • 質量:約2.7t
  • 製造場所:タイ国の現地法人
インマジャウン村での用途
  • LED街路灯の電源
  • 冷蔵庫(村の集会場に設置)での、毒ヘビ用血清の保管
  • 集会場の照明、家電などの電源(夜間の学習・集会などに使用)

パナソニック社は2014年3月に同様のコンセプトの「パワーサプライコンテナ」を発表しており、太陽電池や蓄電池・インバーターの容量は、今回の「ステーション」と殆ど同じです。

その一方で、装置の高さは50cmほど、質量は1割ほどマイナスになっており、「ステーション」ではいくらかの小型化・軽量化が進んだようです。

また製造場所について、「コンテナ」はインドネシアでしたが「ステーション」はタイであり、こちらも約2年半の間に生産体制の変化があったことが伺えます。

最重要機器の一つである充電池は、今回も鉛蓄電池が用いられていますが、たとえ容量あたりの重量がかさんでも、(可搬型ならともかく)このような定置型であれば、運用における信頼性やコストの面で、他の方式(リチウムイオン電池など)に対する鉛蓄電池の優位性は揺らいでいない、ということだと思われます。

ひとつ気になるのは、今回の導入が寄付金に基づいてなされたものということです。

パナソニック社は開発途上国向けにソーラーランタンの寄贈も継続して行っており、それは非常に価値のある取組みですが、「パワーサプライステーション」のような独立電源とともに、現地の経済に根付いて利益を生み出すサイクルの完成までには、至っていないと見受けられます。

日本企業はBOP市場向けのビジネスに弱い、との指摘はもう4年以上も前になりますが、日本の大手メーカーの1社・パナソニックがその壁を破ることを、密かに期待したいところです。


※参照資料:
[1]ミャンマーの無電化村に太陽光独立電源パッケージ「パワーサプライステーション」を納入(パナソニック社)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2016/09/jn160923-1/jn160923-1.html

※関連記事:

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2016年05月23日

メキシコ・Sonora州での住宅向け・農地向けPVプロジェクト(Enilso社による)で、ソーラーフロンティア製のCISパネルが採用

ソーラーフロンティア社が2016年5月上旬に、

  • メキシコ・Sonora(ソノラ)州での住宅向け・農地向け太陽光発電プロジェクト(同国のEnilso社が手がける)に、自社のCIS薄膜太陽電池パネルが採用された。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。


背景

  • Sonora州は農業(アスパラガス、葡萄、メロン等)が盛んだが、現在そこでは、スマートエネルギーへの投資による農業経営の安定化が図られている。(エネルギーコストの削減による、農機具購入費用の確保など)
  • Enilso社の創業家は農業を営んできたが、太陽光発電をその本業に役立たせることを考え、2010年に小規模の太陽光発電プロジェクトに参入。
    その後はサービス内容を拡大させていき、現在は住宅用・商業用で成長を続けている。

該当プロジェクトの内容

  • 場所:Sonora州と周辺地域
  • 規模、発電電力の用途
    • 住宅向け5〜10kW規模
      ユーザーにおける、毎月の大幅な電気代削減につながる見込み。
    • 農地向け200〜500kW規模
      発電電力は
      ・作物用の灌漑ポンプ
      ・農産物の冷却・冷凍・産業用処理
      等で自家使用される。
  • 完工時期:2016年第3四半期までに終わる予定。

またYouTubeには、Enilso社による動画が投稿されており、その風光明媚さが目を引きます。


個人的には正直、中南米地域での太陽光発電市場についてはイメージが乏しく、そのためメキシコにおける今回のプロジェクトには、かなり新鮮な印象を受けました。

もっとも、今回のプロジェクトの展開地域であるSonora州は、その大半を、日本の本州が入る面積を持つ「ソノラ砂漠」が占めている[5]とのことで、気候的な条件(雨雲の発生が著しく少ない)は、太陽光発電に非常に向いているものと思われます。

実際、今回の発表で示されている住宅用設備の規模は、日本の平均的な設備(2013年度の新規設置で4.55kW)を大きく上回っていますが、これには発電条件の有利さ(=発電電力量がより多く、経済的に有利)が働いていると推測します。

太陽光発電の導入コストの低減が、近年急速に進んでいることもあり、今回のように、日照条件が良い新興国でのPV活用は、今後更に進んでいくのかもしれません。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティアのCIS薄膜太陽電池、メキシコの農地向け太陽光発電所に採用(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2016/C055175.html
[2]Solar Frontier Modules Selected For Enilso Solar Projects In Mexico(同上)
http://www.solar-frontier.com/eng/news/2016/C055173.html
[3]Enilso
http://www.enilso.com.mx/
[4]ソノラ州(ウィキペディア)
[5]ソノラ砂漠(同上)

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2015年07月23日

パナソニックとUNDPが、エボラ被害が大きい西アフリカ3ヶ国に「ソーラーランタン」3000個を提供

パナソニック社とUNDP(国連開発計画)が約1週間前に、

  • エボラ出血熱の被害が大きい西アフリカの3ヶ国に対し、支援としてソーラーランタン3000寄贈した。
と発表していました[1][2]。

概要は下記の通り。


背景

  • エボラ出血熱の早期収束のためには
    • 患者のより早い治癒
    • 予防のための迅速・効率的な医療活動
    が必要であることから、夜間の治療活動も必要になっている。
    その中で、
    • 医療現場の多くが無電化地域
    • 罹患した患者は、所持品全て廃棄(焼却)処分される
    との状況から、新たな光源の確保が重要になっている。
  • パナソニックは、新興国・開発途上国の支援として「ソーラーランタン10万台プロジェクト」に取り組んでおり、今回の寄贈はその一環として行われた。
    また同社は2014年12月にも、エボラ対策への支援第1弾として、リベリア向けにソーラーランタン240台を寄贈している。

配布の対象

  • 対象地域ギニア、リベリア、シエラレオネの3ヶ国。
  • 対象者
    • 医療従事者やコミュニティ・ワーカー(夜間作業に用いられる)
    • エボラ感染により隔離されている世帯や、回復途中の患者がいる世帯
      (※配布されたランタンが、世帯で唯一の光源になっている場合が多い)

日本ではエボラ出血熱の話題をめっきり聞かなくなってしまいましたが、患者が所持品全てを焼却処分しなければならないというのは、日本では(少なくとも今のところは)考えられないシビアさです。

その中で今回のソーラーランタンは、極めて厳しい状況に置かれている感染者・回復者とその家族の生活支援、そして治療・予防のための医療活動の支えにもなるとのことで、日本企業がそこで大切な役割を果たしていることに、私たちはもっと目を向けるべきだと考えます。

配布されたランタンについては、[1][2]の写真を見たところ、昨年11月に発売された新製品(ソーラーLEDライト)と見受けられます。

この製品は元々インドの無電化地域向けとして、現地スタッフとともに、必要な機能と低コストを追求して開発されたものとのこと[4]。

今回は販売ではなく緊急支援としての寄贈でしたが、将来的にこの取組みが、日本の大手メーカーによるBOPビジネスに発展・成長していったら、非常に面白いと思います。

最後に蛇足ですが、パナソニックのサイトで検索していたところ、日本でも発売されている「コンパクトソーラーライト」の、寄贈先(インド等)における活用状況の紹介を発見[5]。

その写真でのライトの使い方(手元の近くに置いて照らす)は、私も良くやるやり方であり、「(国や場所が違っても)やっぱりこうやって使うのか」と、全く思わぬところで親近感を抱きました。

日本ではパナソニックのソーラーランタンは、「コンパクトソーラーライト」以外は発売されていないようですが、このような製品を実際に使うことは、海外の無電化地域に関心が向くきっかけとなり得るのかもしれません。


※参照資料:
[1]パナソニックが国連開発計画(UNDP)にソーラーランタンを寄贈、エボラ出血熱感染地域へ配布を開始(パナソニック社)
http://news.panasonic.com/jp/topics/2015/43993.html
[2]UNDPとパナソニック社、エボラの被害を受けた コミュニティに対する支援強化(UNDP)
http://www.jp.undp.org/content/tokyo/ja/home/presscenter/pressreleases/2015/07/15/ebola.html
[3]【リリース】エボラ出血熱対策として国連開発計画(UNDP)にソーラーランタンを寄贈(パナソニック社)
http://panasonic.net/sustainability/jp/lantern/2015/03/ebola_relief_efforts.html
[4]インドの農村向けに開発された新「ソーラーLEDライト」の特徴とは(同上)
http://panasonic.net/sustainability/jp/lantern/2015/03/solarLEDlight.html
[5]【2013年度寄贈まとめ】14,000台を超えるソーラーランタンを9カ国に寄贈しました(同上)
http://panasonic.net/sustainability/jp/lantern/2014/06/fy2013.html

※関連記事:
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