【現在位置】トップページ > 他の海外メーカー

(このページ内の記事一覧)
(スポンサード リンク)

2018年10月10日

JA Solar社が日本で両面PERC太陽電池技術の特許を取得、また2018年上半期には日本市場でのモジュール出荷量トップに

もう1ヶ月以上前ですが、JA Solar社が2018年9月7日に、

  • 日本において、両面PERC太陽電池技術特許を取得した。
と発表していました[1]。

その中から、同技術に関する情報をまとめてみました。


<両面PERC太陽電池の歩み>

  • 2013年の初め
    中国の知的財産局に
    • 「A Bifacial Light-Absorbing Solar Cell with Localized AI-BSF and the Method of Making It」
      (局在化AI-BSFを用いた光吸収型太陽電池とその製造方法)
    の発明開示を行った。
  • 20163:上記技術に特許が与えられた。
  • 20171Q
    ダブルガラスの両面PERC太陽電池モジュールの生産を開始
  • 2018
    日本の特許庁により、PERCセル・モジュール技術の知的財産権を保護する特許出願が認められた。

<両面PERCモジュールの長所>

  • 両面発電
    モジュールの表・裏両方で発電できる。
  • 高い耐久性
    耐摩耗性・耐摩耗性・耐腐食性に優れる。
  • 厳しい環境での大規模設備に向く
    上記2点の長所により、特に
    • 沿岸地域
    • 気候的に困難な環境
    における事業規模の発電設備に対して、長期安定性を提供できる。

また、JA Solar社CTOのWei Shan博士によるコメントの中で

  • 高いセル・モジュール技術が製品の品質とパフォーマンスを保証し、2018年上半期には、JA Solar社が日本でモジュール出荷量トップとなった。
との旨の説明があります。



発表からかなり時間が経っているプレスリリースですが、日本市場での太陽電池モジュール出荷量の順位に関する記述があったので、今回取り上げました。

日本市場では、2017年(通年)にはハンファQセルズ社がモジュール出荷量のシェア1位でしたが、その翌年(2018年)の上半期は別メーカーのJA Solarがトップとのことで、(日本メーカーを含めて)メーカー間の出荷量の差は、現状ではまだそれほど開いてはいないものと推測します。

ただいずれにしても、海外メーカーの存在感が以前よりも増し、日本市場で足場を固めていることは確かだと思われます。

そして海外メーカーの技術力や品質が、日本でも評価されつつあるとすれば、これまでは日本メーカーが長く強みを持っていた国内太陽光発電市場も、変化が続きそうです。


※参照・参考資料:
[1]JA Solar’s IP on Bifacial PERC Technology Patented in Japan(JA Solar社、2018/9/7)
http://www.jasolar.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=40

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年09月10日

Canadian Solar社が株式非公開化(Going Private)の検討を継続中、ただし具体的な決定はまだ全く無し

Canadian Solar社が2018年9月6日に、

  • 自社株式の非公開化(Going Private)に関する最新情報
を発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


  • Canadian Solar社の
    • 特別委員会(Special Committee)
    • 取締役会
    • 財務・法務顧問
    は、社長兼CEOのShawn Qu氏が2017年12月9日に提案した「非公開」取引について、評価(assess)を続けている
  • Qu氏は財務アドバイザーを雇い、
    • 潜在的な株式パートナー(potential equity partners)
    • 債務調達先(debt financing sources)
    と協議している。
  • Canadian Solar社は、Qu氏と幾つかの潜在的な株式パートナーとの間で、機密保持契約とび停止契約を締結し、自社に関する情報へのアクセスを提供した。
    特別委員会は、Qu氏と潜在的な株式パートナーに対し、自社に対するデュー・ディリジェンスを完了させるため、2018年9月末まで与える。
  • 取締役会は、株式の取引を考えている株主やその他の者に対し、
    • 特別委員会と取締役会は、提案された取引について、いかなる決定も行っていない
    ことを注意する。


太陽電池メーカーの株式非公開化と言うと、まず昨年(2017年)3月のTrina Solar社の件を思い起こします。

またつい先月には、(パナソニックが太陽電池生産で協業している)米Tesla社で、CEOが非公開化の話を持ち出していました。(その後まもなく撤回されました[3]が・・・)

また非公開化では無いものの、今年6月にはYingli Green Energy社の米国預託証券(ADS)が、ニューヨーク証券取引所で上場廃止となっていました。


Trina社・Yingli社・今回のCanadian Solar社は、いずれも世界市場で大手の太陽電池メーカー。

またTesla社は(太陽電池ではなく)電気自動車が主力ですが、太陽電池メーカーと同じく、新しい分野・製品に取り組んでいる企業です。

そのような企業においては、短期の業績アップを求める(投資家からの)圧力は、事業を継続し成長させるうえで、もう容認できないほどの大きな障害になっている、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Update on Preliminary, Non-Binding "Going Private" Proposal Letter Received by the Company from its Chairman, President and Chief Executive Officer, Dr. Shawn Qu(Canadian Solar社、2018/9/6)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/update-preliminary-non-binding-going-private-proposal-letter
[2]デューディリジェンス(ウィキペディア)
[3]テスラ、株式非公開化を撤回(日本経済新聞、2018/8/25)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34601190V20C18A8NNE000/

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年08月20日

Canadian Solar社の2018年上半期の太陽電池モジュール出荷量は3074MW、JinkoSolar社は4809MW

Canadian Solar社とJinkoSolar社が先日、

  • 2018年第2四半期(2018/4-6)
の業績を発表していました[1][2]。

今回はその中から、20181Q・2Qの太陽電池モジュール出荷量を抜き出してみました。


2018年
1Q2Q
Canadian Solar1374MW1700MW
JinkoSolar2015MW2794MW
(前年同期比3.1%)


太陽電池モジュール出荷量を業績発表の中で公表している大手メーカーは、私の知る限り現在この2社だけであり、今となっては貴重なデータ発表だと思われます。

それはともかく、1Qと2Qの合計(=2018年上半期)を計算すると、Canadian Solar社が3074MW、JinkoSolar社が4809MWとなります。

いっぽう前年(2017年)通期は、Canadian Solar社が6828MWJinkoSolar社が9807MWでした。

そのため両社とも、2018年は(少なくとも現在のところは)前年を少し下回るペースであり、JinkoSolar社の年間モジュール出荷量の10GW到達は、微妙なところかもしれません。

ただそれでも、日本国内の同期間のモジュール出荷量[3]が計約2819MWであることを考えると、(世界のトップクラスとはいえ)単独のメーカーがそれを悠々と超える規模を出荷していることには、やはり驚きます。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2018 Results(Canadian Solar社、2018/8/14)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-reports-second-quarter-2018-results
[2]JinkoSolar Announces Second Quarter 2018 Financial Results(JinkoSolar社、2018/8/13)
https://jinkosolar.com/press_detail_1696.html
[3]月次出荷速報(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html#fig

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年07月08日

JinkoSolarの日本子会社が、53億円のシンジケートローン(三井住友銀行が主導)の契約を締結、日本での事業拡大や運転資金に充てる予定

JinkoSolar社が2018年7月2日に、

  • 子会社「JinkoSolar Japan」が、日本の銀行コンソーシアムとの間で、53億シンジケートローン契約を締結した。
と発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


締結の相手 三井住友銀行が主導する銀行コンソーシアム。
契約の内容 最長2年間の、53億円のシンジケートローン契約。
融資資金の用途
  • 日本における事業の拡大
  • JinkoSolar Japanの運転資金
に使う予定。


最新の太陽電池モジュール出荷統計では、出荷量の減少が顕著であり、日本の太陽光発電市場の縮小ぶりが強く感じられます。

いっぽうでJinkoSolar社は、2017年通期のモジュール出荷量が10GW近くと、世界でトップ規模の太陽電池メーカーになっています。

そのため今回、JinkoSolar社が日本で53億円の資金調達を行ったというのは、かなり意外に感じました。

もっとも、メガソーラーの建設費用が1MWあたり3億円とすると、53億円は17〜18MW相当なので、それほど大きな金額ではないのかもしれませんが・・・。

ともかく、世界トップクラスの大手メーカー(の日本子会社)が、縮小が続く日本国内で、今後どのように事業を運営・拡大していくのか、興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Signs JPY5.3 Billion Syndicated Loan Agreement with Japanese Bank Consortium Led by SMBC(JinkoSolar社、2018/7/2)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-signs-jpy53-billion-syndicated-loan-agreement
[2]シンジケートローン(三井住友銀行)
http://www.smbc.co.jp/hojin/financing/syndicate.html

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年07月01日

SunPower社が住宅用の新モジュールを発表、出力370Wの「X-Series」と、革新的なセル構造の「P-19」

もう2週間近く前になりますが、SunPower社が2018年6月18日に、「Intersolar Europe 2018」(ドイツで6/20-22に開催)での出展予定を発表していました[1]。

その中から、住宅用太陽電池モジュールの新製品に関する情報をまとめてみました。


<370Wの「X-Series」>

特徴
  • 出力を大幅アップ
    同じ屋根面積の場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上にわたり、60%以上多い電力をもたらす。
    「X-Series」15枚で、従来型22枚と同等のエネルギーが得られる。
    (つまり同じ出力の場合、モジュールの枚数が少なく済む)
  • 高い耐久性
    第3世代の「Maxeon」セルは、堅固な金属基盤上に構築されており、腐食や割れを防止する。
    これが、25年の出力保証+製品保証を可能にしている。
出力 370W
変換効率 22.7%
想定市場 欧州など、高品質で実証済みの技術を期待する成熟市場

<「P-19」シリーズ>

特徴
  • 革新的なセル技術
    「P」シリーズ(変換効率17%)と同じセル技術を使用。
    同じ設置スペースの場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上に渡り、最大で32%多いエネルギーをもたらす。
  • 低コスト
    自社の「E-Series」「X-Series」よりも、コストが低い。
    (※25年の出力保証+製品保証は付く)
セルの種類 PERC単結晶型
変換効率 19%
想定市場 今年(2018年)は
  • EMEA
  • APACの一部
で、住宅用ソリューションへの適用を拡大している。
(※APAC市場の一部では、商業用で既に使用されている)


モジュール1枚あたりの出力としては、同じ欧州イベントで公開されたCanadian Solar社の「HiKu」モジュールが、390W〜405Wとされており、今回の新「X-Series」モジュール(370W)を上回っています。

ただし、「HiKu」は大規模発電事業用の製品であり、モジュールのサイズ(縦×横)は約2×1m。

いっぽう新「X-Series」モジュールは、正式なサイズは不明ですが、同シリーズの既存製品(出力345W)が約1.6×1m[2]。

新製品もこれと同等とすれば、「HiKu」モジュールの約8割の面積で、出力の差は(多く見ても)10%未満であり、やはり高性能製品であることが伺えます。


「P-19」シリーズの革新的なセル技術については、発表[1]には「shingle」とあるのみですが、「Pシリーズ」の紹介ページ[3]では、ずばり解説されています。

具体的には、短冊状セルを特殊技術で貼り合わせ(これにより半田付けリボンが不要化)、長い帯状にしたものを、並行に複数本並べるというものであり、想像以上にユニークな方式でした。

これは、セルの帯の太さや数こそ全く異なりますが、化合物型のCISモジュール[4]に似ており、それによるメリットの一つ(部分的な影に強い)も共通しています。

既に成熟しているイメージが強い結晶シリコン型モジュールに、このように極めてユニークな(しかも他の種類の太陽電池に似ている)形式が現れていることは、非常に興味深く感じます。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Introduces its Record-Breaking Efficiency Solar Panel for Residential Customers During Intersolar Europe 2018(SunPower社、2018/6/18)
http://newsroom.sunpower.com/2018-06-18-SunPower-Introduces-its-Record-Breaking-Efficiency-Solar-Panel-for-Residential-Customers-During-Intersolar-Europe-2018
[2]Xシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/x-series-solar-panels/
[3]Pシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/p-series-solar-panels/
[4]「実発電量」が高いCIS太陽電池(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/features/cis/index.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年06月26日

Canadian Solar社が次世代モジュール3種を発表、両面発電の「BiKu」・ユーティリティ市場に特化の「HiKu」、屋根設置向けの高密度モジュール「HiDM」

Canadian Solar社が2018年6月14日に、

  • 次世代の太陽電池モジュール3種世界的な発売を、「Intersolar Europe」(独ミュンヘンで2018/6/20-22に開催)で発表する。
と発表していました[1]。

今回は[2]〜[5]と合わせて、各モジュールの概要をまとめてみました。


<「BiKu」モジュール>

特徴
  • 高効率な、デュアルセルの両面発電モジュール。
    反射光の条件によっては、裏面の発電により、出力を最大30%上乗せできる。
  • 発電プロジェクトのPPAが年々低下していく場合に、投資に対するIRR(内部収益率)の維持に役立つ。
主な仕様
  • セルの種類:多結晶型
  • セルの枚数:144枚
  • 外形サイズ:2016×996×8.5mm
    (※コーナープロテクター込み、ジャンクションボックス除く)
  • 重さ:29.3kg
  • 名目最大出力:350W〜365W(4種類の製品)
  • ガラス:表・裏面とも厚さ2.5mm熱強化ガラス
  • 最大システム電圧:1000Vまたは1500V

<「HiKu」モジュール>

特徴
  • ユーティリティ市場に特化した、高出力の製品。
    最新の高効率セル技術を、「Ku」モジュール技術と組み合わせている。
  • BOSコストと設置コストの引き下げという観点から、発電プロジェクトのEPCコストの縮小が期待できる。
主な仕様
  • セルの種類:PERC多結晶型
  • セルの枚数:144枚
    (※「Ku」モジュールではハーフカットセル[4]なので、「HiKu」も同様かと思われる。)
  • 出力:390W〜405W(4種類の製品)
  • 外形サイズ:不明
    (※「Ku」モジュールは2000×992×35mm[4])
  • 重さ:不明
    (※「Ku」モジュールは22.5kg[4])
  • 最大システム電圧:1000Vまたは1500V

<「HiDM(High-Density Module)」>

特徴
  • 自社独自のIP認定設計による、高密度モジュール
    モジュール変換効率は最大20.2%に向上。
    60セルの最大出力(最大335MW)は、通常のPERC単結晶モジュールを10%上回る。
  • モジュールの外観が良く、また影による発電への影響を低減している。
    このため設置面積が限られ、また影が避けられない、屋根設置システムに向く。
主な仕様
  • セルの種類:PERC単結晶型
  • 出力:320W〜335W(4種類の製品)
  • 外形サイズ:1675×992×35mm
  • 重さ:18.5kg
  • 最大システム電圧:1000V


「BiKu」モジュールの「dual-cell」については、詳しい記述が有りませんが、[2]の写真や、表側の外観が似ている「KuMax」[4]の仕様から、こちらもハーフカットサイズのセルかと思われます。

裏側でも発電可能ということで、産業用太陽光発電設備の中でも、特に周囲からの反射光が強い環境に適したモジュールと思われるので、実際にどのような発電設備に用いられるのか、非常に興味を惹かれるところです。


「HiKu」は大規模プロジェクト向けに特化したモジュールですが、高出力製品にも関わらず(単結晶でなく)多結晶型というのが、非常に意外でした。

多結晶型における技術の進歩は、単結晶型に迫る性能を実現している、ということなのかもしれません。


最後の「HiDM」は、変換効率の高さに加えて、先の2製品よりも外形サイズが少し小さく、また最大システム電圧が1000Vのみ(1500Vに非対応)という点からも、「BiKu」「HiKu」と異なる想定用途が伺えます。


三者三様の個性的な新製品には、2017年のモジュール出荷量が6828MWに達したCanadian Solar社の勢いと意気込みが、感じられる気がします。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar launches the next generation solar modules: bifacial, high power density and over 400 W poly HiKu modules at Intersolar Europe(Canadian Solar社、2018/6/14)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-launches-next-generation-solar-modules-bifacial
[2]BiKu MODULE(上記ページ内に参照リンクあり)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/BiKu_CS3U-PB-FG_EN.pdf
[3]HiKu(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/HiKu_CS3W-P_en.pdf
[4]KuMax(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/downloads/datasheets/en/new/2018-4-16_Ku-v5.571/Canadian_Solar-Datasheet-_KuMax_MBB_5BB__CS3U-P_High_Efficiency_v5.571_EN.pdf
[5]HiDM(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/HiDM_CS1K-MS_EN.pdf

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年06月21日

Yingli社の「PANDA BIFACIAL」モジュールは、最大出力が前面のみと比べて最大約11%アップ、月間発電量は従来の多結晶型比で最大約19%プラス

Yingli Solar社が2018年6月7日に、

  • PANDA BIFACIAL」モジュールが、同日にTUV Rheinlandの認証を取得し、両面太陽電池モジュールとして世界で初めて
    • China General Certification Centre(2016年末に取得)
    • UL(2018年5月に取得)
    • TUV Rheinland
    の認証を受けた。
と発表していました[1]。

その中から、同モジュールの発電能力に関する内容を、まとめてみました。


最大出力 60セルのモジュール(前面の標準出力285W)は、ULとTUV Rheinlandのテストにおいて、最大出力315Wに到達した。
(※前面の標準出力比で11%プラス
発電電力量 最新の統計によると、「PANDA BIFACIAL」モジュールを用いている山西省・大同(Datong)でのプロジェクトでは、月間の発電量が、従来の多結晶型による同容量のプロジェクト比で、最大で19.02%上回った


裏・表の両面で発電できる太陽電池モジュール自体は、過去にも既に、幾つかの日本や海外メーカーが製品化していました。(例えば関連記事)

しかしその発電能力が、通常モジュール(片面のみで発電)と比べて実際にどの程度優れているのか、という点については、私はこれまで具体的な情報(数値など)を殆ど見たことがありませんでした。

そのため、今回のYingli社による発表は、非常に興味深いです。


まず、認証機関が測定した最大出力が、前面のみの場合と比べて約11%増というのは、正直思ったほど高くないと思いました。

いっぽう実際の大規模発電所においては、月間発電量で(最大で)2割に近いプラスとのこと。

比較対象が単結晶型でなく多結晶型(※「PANDA BIFACIAL」はn型単結晶)という点が、少し残念ですが、それでも両面モジュールの明確な優位性は、感じられる気がします。


両面モジュールについては、裏面でも発電できることから、積雪の白さで地面からの反射光が強くなる冬期間に、それ以外の時期と比べて(前面への積雪によるマイナスとの差し引きで)発電電力量が最終的にどう違ってくるのか、という点も、今後明らかになってくることを期待したいです。


※参照・参考資料:
[1]Yingli's PANDA BIFACIAL Module Became the World's First Bifacial Module Certified by CGC, UL, and TUV Rheinland(Yingli Solar社、2018/6/7)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2353651
[2]単結晶モジュール (同上)
http://www.yinglisolar.com/jp/products/monocrystalline/
[3]PANDA BIFACIAL 60CF(同上)
http://www.yinglisolar.com/en/products/monocrystalline/panda-bifacial-60cf/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2018年04月04日

Canadian Solar社の2017年通期の太陽電池モジュール出荷量は過去最高の6828MW、進行中の大規模発電所プロジェクトでは新興国が目立つ

Canadian Solar社が2018年3月19日に、2017年4Qと同年通期の業績を発表していました[1]。

その中から2017年通期について、個人的に目に付いた数字などを抜き出してみました。


太陽電池モジュールの出荷量 過去最高の6828MW。(※前年は5232MW)
中国・インド・欧州・米国の強い需要に支えられた。
大規模発電所プロジェクトの
パイプライン
のうち、
後期段階のもの
(主に2〜4年以内に建設予定)
計約2.0GWp。
地域別では、
  • 米国:459MWp
  • メキシコ:435.7MWp
  • 中国:410MWp
  • 日本:362.2MWp
  • ブラジル:215.6MWp
  • インド:59MWp
  • 豪州:24.2MWp
  • チリ:18.4MWp
  • 英国:8.2MWp


太陽電池モジュールの出荷量は、7GWが目前という規模であり、JinkoSolar社の同期実績(9807MW)と同様に、世界の太陽電池需要の旺盛な伸びが、強く感じられます。

ただしモジュールの出荷先に関して、新興国に特段の言及が無い点は、「成長の最大の原動力」という表現があったJinkoSolar社とは異なっており、この点は販売展開の違いかと思われます。


もっとも、後期段階の大規模発電所プロジェクトの内訳を見ると、メキシコ・ブラジルが米・中・日に並ぶ・または次ぐ規模となっています。

加えてCanadian Solar社は、先月の末にも、アルゼンチンで97.6MWpのプロジェクトを獲得したことを、発表していました[2]。

こうして見ると、メーカー毎の状況は異なるものの、新興国での太陽光発電の導入が、過去に無いペースと地域的広がりとなりつつあること自体は、もはや間違い無いものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2017 Results(Canadian Solar社、2018/3/19)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2338614
[2]Canadian Solar Acquires a 97.6 MWp Solar Power Project in Argentina(同上、2018/3/29)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2340311

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2017年10月23日

台湾の「Neo Solar Power」「Gintech Energy」「Solartech Energy」が合併する方針、垂直統合の旗艦企業「UREC」となり、ファウンダリからの脱却や台湾内の産業強化を狙う

台湾の太陽電池セルメーカー「Neo Solar Power」(NSP)社が2017年10月16日に、

  • 台湾の同業者である
    • Gintech Energy
    • Solartech Energy
    とNSPの各々の取締役会が、1社への合併を目指す意向表明書を実行することを、決議した。
と発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


<合併後の企業名>

  • United Renewable Energy Co., Ltd.」 (「UREC」)
    ※3社は対等の立場での合併を目指すが、台湾の法律に基づき、NSPを存続会社として、合併後に会社名を上記に変更する。

<合併を目指す背景>

  • 3社は各々、台湾における、独自のニッチな太陽電池セルメーカーとして、10年以上営業している。
    またセル以外に、
    • シリコンウエハー
    • モジュール
    • 電力網
    • その他の太陽エネルギーのサプライチェーン
    の生産にも携わっている。
  • 太陽電池市場は競争が激化し、集中がますます進んでいる。
    この状況下で3社は、
    • 世界市場における高い競争力
    • 豊かな統合プラットフォーム
    を持つ旗艦企業を、台湾のメーカーが共同で形成すべきだと考えている。

<期待される効果>

1社への統合により、台湾のグリーンエネルギー産業の、新しいビジネスモデルを創出する。
これは、太陽電池セル技術での先導的な役割の維持だけでなく、

  • 国内外での、太陽電池モジュールへの投資の拡大
  • 自己保有の、高品質な太陽電池モジュールブランドの構築
  • 発電所開発事業への参入
により、台湾の産業を垂直統合する。
そして、台湾における
  • 太陽電池セル産業の、ファウンダリからの脱却
  • グリーンエネルギー産業の成長力の拡大
  • 関連する産業チェーン(素材、電気機械、その他関連サービス)の、共同開発の推進
をもたらす。


<政府機関との協力>

  • URECの競争力の強化
  • 3社による、産業のアップグレード計画
という狙いと、台湾のエネルギー政策の方向性の中で、3社は関連する政府機関との協力を開始している。
最初のコンセンサスは、適切な条件下における、「National Development Fund」や他の(政府から任命された)機関から、3社への投資である。
この出資は主に、3社の設備投資に用いられる予定。


<今後の予定>

  • 2017年12月末まで:法的拘束力のある合併契約を締結する。
    (※今回の意向表明書には、法的拘束力は無い)
  • 2018年3Q合併プロセスを完了する。
  • 今回のプラットフォームには、台湾の他の太陽電池企業の参加も、歓迎する方針。


台湾の太陽電池産業については、かつてのSolvisto誌の特集記事で取り上げられており[2]、それによると当時の台湾のセル生産能力は計約10GWでした。

いっぽう、今回の合併方針を報じた日経新聞の記事[3]によると、合併後の生産能力は計5GW程度とのこと。(※ただし、セルの生産能力との明記は無し)

この数値は、2014年と2017年で3年のギャップはありますが、それでも合併企業「UREC」は、台湾全体のセル生産能力の中で、非常に大きな割合を占めることが推測されます。

それだけに、今回の合併が実現すれば、台湾の太陽電池産業において、極めて大きな動きとなることは間違い無いと思われます。


このような重大事項ながら、NSP以外の2社のウェブサイト[4][5]では、今回の件に関する発表は掲載されていませんでした。(と言うより、英語サイトのプレスリリースの更新自体が止まっている)

ただ、Solartech社の「月間売上高レポート」[6]を見ると、2016年7月以降の「年間増加率」が、(2017年9月を除く)全ての月で、2ケタ%の大幅なマイナスとなっています。

2016年と言うと、米国に中国製の余剰モジュールが大量に流入し、モジュール価格の下落が加速した年でした。

その中で、今年になって米Suniva社独SolarWorld社が経営破綻していますが、今回の台湾3社の合併構想も、この市場の急激な変化を受けて、判断を余儀なくされた面が強いのでは、と想像します。


ただ、どのようなきっかけであれ、OEM供給元として技術力とシェアを高めてきた台湾のセルメーカーに、ファウンダリとしてのポジションから脱却しようという、明確な動きが出てきたことは確かです。

また、台湾の政府機関も支援するということで、「国策」として太陽電池産業を振興しようという側面も感じられます。

それらの意志や意図を背景として、「UREC」が実現した場合に、世界市場においてどのような存在となっていくのかは、非常に強く興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]Gintech, Solartech and NSP to Merge and Establish United Renewable Energy Co., Ltd. to Create a New Winning Model in Line with Taiwan’s Renewable Energy Policies(NSP、2017/10/16)
https://www.nsp.com/2017%e6%96%b0%e8%81%9e%e7%99%bc%e5%b8%83/gintech-solartech-and-nsp-to-merge-and-establish-united-renewable-energy-co-ltd-to-create-a-new-winning-model-in-line-with-taiwans-renewable-energy-policies?lang=en
[2]セル王国台湾で進む 高効率システム開発(月刊「Solvisto」誌、2014年7月号17〜21p)
[3]台湾の太陽電池大手3社が合併へ 新日光など(日本経済新聞、2017/10/16)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22317540W7A011C1FFE000/
[4]News Releases(Gintech)
http://www.gintechenergy.com/en/index.php/news-events/news-releases/news-releases-all
[5]広報及びイベント(Solartech Energy)
http://jp.solartech-energy.com/news/
[6]月間売上高レポート(同上)
http://jp.solartech-energy.com/invest/report-mon.aspx
[7]ファウンドリ(ウィキペディア)

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー

2017年08月22日

独「SolarWorld Industries」が破綻した「SolarWorld AG」の事業の大部分を継承、カタールのソーラー企業が関わる

独「SolarWorld Industries」社が2017年8月11日に、

  • 経営破綻した「SolarWorld AG」の事業(の大部分)を、引き継ぐことを決定した。
と発表していました[1]。

今回は他の発表・資料[2]〜[6]と合わせて、事業継続についての概要をまとめてみました。


「SolarWorld Industries」の株主
  • 「SolarWorld AG」創立者のFrank Asbeck
  • カタールのソーラー企業「Qatar Solar Technologies
    ※同社は「Qatar Foundation(カタール財団)」の子会社で、太陽光発電のバリューチェーン全体をカバーする統合企業を目指している。
    ※「Qatar Foundation」はカタールの前首長夫妻により1995年に設立され、カタールの経済を(石油ベースから)知識ベースに変えていくことを目的に活動している[4]。
引き継ぎの対象
  • SolarWorld AGが保有していた、ドイツ国内生産施設
  • 同社が保有していた、欧州・アジア・アフリカ販売子会社
事業の方針
  • 生産は、単結晶PERCセルをベースとするプレミアム製品(両面ガラスモジュール等)に特化する。
  • ソーラー技術を共同で進化させる目的で、研究部門を産業のパートナーに対してよりオープンにしていく方針。
スケジュール
  • [1]の発表日(2017/8/11):債務者とドイツ当局が、今回の買収を承認した。
  • [1]発表の翌週:セル・モジュールの生産を再開する。
    当初の生産能力は700MW。(※製品別内訳の記載は無し)
雇用 ドイツ3拠点で500名以上からスタートする。
将来的には、1200名超まで拡大する予定。


QSTec社のサイトを見ると、同社は今年(2017年)3月にポリシリコンの生産を開始[7]したばかりであり、太陽電池セル・モジュールについては、まだ製造を手がけていない模様です。

そのため(今回のSolarWorldのような)他社との提携はともかく、「メーカー」としてのQSTec社は、まだスタートしたばかりと見受けられます。


中東地域というと、8年前(2009年)に欧州の企業から太陽エネルギーの活用に消極的と指摘されていたのが、個人的には根強く記憶に残っています。

現在ではアブダビでの1GW超の発電所プロジェクト等、発電設備の導入はかなり活発化してきた印象ですが、一方で太陽光発電機器(太陽電池モジュール等)の製造産業は、まだ確固とした存在には至っていないものと思われます。


ただQSTec社を保有するカタール財団は、創設者の地位や創立の理念、また活動の目的(知識ベースの産業への転換)[4]から、カタールの産業・経済の将来について、極めて重要な役割を担っていると感じさせられます。

その活動の中にQSTec社がある、ということになりますが、太陽光発電の初期コスト(主にモジュール価格)が近年急激に下がってきたことで、太陽光発電の(現実的なエネルギー源としての)可能性・確実性を、いよいよ本格的に認めつつある、ということなのかもしれません。

そして、SolarWorld社が高い技術力と品質に注力してきたことが、今回のQSTec社による出資の、最大の理由になったものと推測します。


SolarWorld Industriesが「PERC単結晶型に注力」するという点は、Frank Asbeck氏が(SolarWorld AGの経営破綻前の)今年(2017年)2月に語っていた方針と同じであり、事業の継続性・一貫性が感じられます。

ただ今回の発表には、SolarWorld社の米国・Hillsboroの生産拠点について、全く言及がありません。

SolarWorldの太陽電池モジュールは、米カリフォルニア州の分散型向けで高いシェアを得ている[8]ことから、米国工場は業績のうえからも重要拠点だと推測されますが、それだけに今回の事業体制変更でどのような扱いになっているのかが、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]QSTec shines brightly for SolarWorld Industries(SolarWorld社、2017/8/11)
http://www.qstec.com/media-centre/media/press-release?item=66&backArt=24
[2]ドイツSolarWorld Industries GmbH社による業務移管(ヨーロッパ・ソーラー・イノベーション社、2017/8/13)
http://www.e-solar.co.jp/news/news38.html
[3]QSTec shines brightly for SolarWorld Industries(QSTec社、2017/8/20)
http://www.qstec.com/media-centre/media/press-release?item=66&backArt=24
[4]About(Qatar Foundation)
https://www.qf.org.qa/about/about
[5]カタール(ウィキペディア)
[6]サーニー家(同上)
[7]QSTec's first polysilicon was produced in March 2017.(QSTec社)
http://www.qstec.com/about/project-update
[8]米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強(日経テクノロジーオンライン、2017/4/10)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/040600045/

※関連記事:

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 他の海外メーカー