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2019年04月29日

JinkoSolar社の2018年通期のモジュール出荷量は11.4GW(前年比16%増)、いっぽうCanadian Solar社とSunPower社は微減

今回は、

  • JinkoSolar
  • Canadian Solar
  • SunPower
  • First Solar
の各社の2018年通期業績の発表・資料([1]〜[5])から、太陽電池モジュール出荷量(または生産量)の数値をまとめてみました。


2017年通期2018年通期
JinkoSolar社の
出荷量[1]
9.8GW11.4GW
(前年比16.0%増)
Canadian Solar社の
出荷量[2]
6828MW6615MW
SunPower社の
「MW recognized」[3][4]
1360.3MW1354.0MW
First Solar社の
「MW produced」[5]
2706.1MW
※Q1〜Q4の合計


世界的に太陽電池モジュール需要の急拡大が続いていると思っていたので、今回の数字の中で、明確に前年より伸びたのはJinkoSolar社のみ、というのはかなり意外でした。(※First Solar社は2017年の数値が不明)

詳しい事情は判りませんが少なくとも、どのメーカーも一様に出荷量を拡大している、というわけではないようです。

SunPower社については、2018年第4四半期に

  • 「SunPower Energy Services」(SPES):北米の住宅用と商業用
  • 「SunPower Technologies」(SPT) :生産や研究開発、世界の分散型と発電所向けパネル事業

という事業セグメントの再構成を完了[6]しており、もし高性能製品で分散型市場に軸足を据えるということであれば、今後はモジュール出荷量は大きくは伸ばさず、高付加価値製品で利益を拡大する方針なのかもしれません。

また日本の京セラ社の販売量は、日刊工業新聞社の調査によると

  • 2015年度:120万kW
  • 現在:60万kW前後

とのこと[7]で、今回の海外4社の数字と比べると、日本メーカーと海外メーカーの現在の差を、(残念ながら)痛感せざるを得ません。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Fourth Quarter and Full Year 2018 Financial Results(JinkoSolar社、2019/3/22)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-announces-fourth-quarter-and-full-year-2018-financial
[2]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2018 Results(Canadian Solar社、2019/3/21)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-reports-fourth-quarter-and-full-year-2018-results
[3]Q418 Supplementary Metric Sheet(SunPower社)
https://investors.sunpower.com/static-files/6ff31495-e977-4fda-8898-1b8efdf1141a
(※「https://investors.sunpower.com/events-and-presentations」内)
[4]Resegmentation Historicals - MW Deployed - MW Recognized(同上)
https://investors.sunpower.com/static-files/c51daec3-807d-456b-a00f-067b54c45bd2
[5]Key Quarterly Financial Data(First Solar社)
https://s2.q4cdn.com/646275317/files/doc_financials/2018/q4/Q4'18-Key-Quarterly-Financial-Data.pdf
(※「https://investor.firstsolar.com/home/default.aspx」内)
[6]SunPower Reports Fourth Quarter and Fiscal Year 2018 Results(SunPower社、2019/2/13)
https://newsroom.sunpower.com/2019-02-13-SunPower-Reports-Fourth-Quarter-and-Fiscal-Year-2018-Results
[7]土俵際の国内太陽電池メーカー、起死回生託す“最後のとりで”(ニュースイッチ、2019/4/5)
https://newswitch.jp/p/17139

※関連記事:

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2019年04月22日

SunPower社が出力400W超の住宅楊太陽電池モジュールを発売、米国では大きさ65%アップの第5世代Maxeonセルを用いた「A-Series」、欧州・豪州ではセル104枚の「Maxeon 3」

1ヵ月半ほど前になりますが、SunPower社が2019年3月5日に、

  • 出力400W以上住宅用太陽電池モジュールを、米国・欧州・豪州で発売した。
と発表していました[1]。

モジュールの概要は次の通り。


<A-Series>

特徴
  • 第5世代のMaxeonセル(Gen 5)を採用:
    Maxeonセルは銅の基盤上に構築されており、腐食や亀裂に強い。
    今回の第5世代セルは「Silicon Valley Research Facility」で開発され、新しい素材・ツール・プロセスを必要とする。
    その結果として、セルの大きさを過去の世代から65%拡大しており、より多くの太陽光を吸収できる。
  • 「Equinox」プラットフォームに最適:
    工場でマイクロインバーターと統合されており、住宅用の一括提供ソリューション「Equinox」プラットフォームに理想的な太陽電池モジュールになっている。
出力 400W415W
モジュール
の大きさ等
  • 大きさ、重さ:不明
  • セル枚数:6×11の66枚([2]の写真より)
発売地域 米国

<Maxeon 3>

出力 400W
セル 3世代のMaxeonセル
モジュール
の大きさ等
([3]より)
  • 大きさ:1690×1046×40mm
  • 重さ:19kg
  • セル枚数:8×13の104枚
発売地域 欧州、豪州
※SunPower社の中核である分散型発電市場(欧州・豪州を含む)において、同社の供給量は2016年以来、年間の平均成長率60%超が続いている。
特に欧州では、市場シェアがになっている。


モジュールの出力について、個人的には300Wを超えると「大型」というイメージを持っていたので、住宅用で400Wまたは415Wという今回の製品情報には、かなり驚きました。

ただ高性能の製品でありながら、日本が(少なくとも現状では)販売地域に入っていないのは意外でしたが、日本の場合は屋根への設置量を増やすために、逆に小型のモジュール(台形型など)が販売されているぐらいなので、今回のような大きいサイズのモジュールは適さない、と考えられているのかもしれません。


また製品情報ではないですが、分散型市場におけるSunPower社の旺盛な伸びにも驚きました。

特に欧州について振り返ると、かつて最大市場だったドイツ市場の縮小や、中国製品への反ダンピング課税・反補助金関税という激動があり、それらを経て高性能製品を強みとするSunPower社の存在感が増しているというのは興味深いです。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Launches Industry's First 400-Plus-Watt Home Solar Panels, the Most Powerful Residential Solar Panels in the World(SunPower社、2019/3/5)
https://newsroom.sunpower.com/2019-03-05-SunPower-Launches-Industrys-First-400-Plus-Watt-Home-Solar-Panels-the-Most-Powerful-Residential-Solar-Panels-in-the-World
[2]A-Series Solar Panels(SunPower社)
https://us.sunpower.com/solar-panels-technology/a-series-solar-panels
[3]「Maxeon 3」のデータシート(同上)
https://www.sunpowercorp.co.uk/sites/default/files/sunpower-maxeon-3-residential-solar-panels-400-390-370.pdf
(※「https://www.sunpowercorp.co.uk/products/maxeon-solar-panels」内)

※SunPower社の太陽電池モジュールに関する過去の記事:

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2019年01月21日

独SolarWorld Industriesが、全ての事業活動を停止

1ヶ月以上前になりますが、ヨーロッパソーラーイノベーション(ESI)社が2018年12月13日に、

  • 独「SolarWorld Industries GmbH」が全ての事業活動停止したことが、確認された。
と発表していました[1]。


ちなみにSolarWorld社の公式ウェブサイトは、「www.solarworld.de」も「http://www.solarworld-global.com/」も表示できなくなっており、少なくともウェブ上では、事業活動停止に関するメーカー直々の発表・情報を確認することはできないようです。



かつて専門誌上で、ESI社の社長の方が「ソーラーワールドのモジュールこそ世界最高のモジュール」[2]と極めて高く評価していたことで、私もSolarWorld社の動向に関心を持つようになりました。

しかし一方で同社は、太陽電池モジュール価格の急激な下落との戦いを続けており、

と様々な手を講じてきたものの、最終的にメーカーとして復活することができなかったのは、極めて残念です。


ちなみに米国子会社の「SolarWorld Americas」については、同じ米国のSunPower社が買収することで2018年4月に合意し[3]、特定の資産(Hillsboroの施設、200人超の労働者など)が取得されたとのこと[4]。

SolarWorld社の技術や知的財産がどうなるのかは不明ですが、優れた資産が少しでも残って生きていくことを、願うものです。



※参照・参考資料:
[1]SolarWorld Industries GmbH 破産に関する情報(ESI社、2018/12/13)
https://www.e-solar.co.jp/news/news181213.html
[2]独ソーラーワールドが創り上げた”長期信頼性”モジュールの魅力(PVeye誌 2014年3月号32p )
[3]SolarWorld Americas implements pre-integration management transition(SolarWorld Americas、2018/5/14)
http://www.solarworld-usa.com/newsroom/news-releases/news/2018/solarworld-americas-implements-pre-integration-management-transition
[4]SunPower Begins A New Chapter in American Solar Manufacturing(SunPower社、2018/10/1)
https://newsroom.sunpower.com/2018-10-01-SunPower-Begins-A-New-Chapter-in-American-Solar-Manufacturing
[5]SolarWorld(Wikipedia)

※SolarWorldの関連記事:

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2018年10月10日

JA Solar社が日本で両面PERC太陽電池技術の特許を取得、また2018年上半期には日本市場でのモジュール出荷量トップに

もう1ヶ月以上前ですが、JA Solar社が2018年9月7日に、

  • 日本において、両面PERC太陽電池技術特許を取得した。
と発表していました[1]。

その中から、同技術に関する情報をまとめてみました。


<両面PERC太陽電池の歩み>

  • 2013年の初め
    中国の知的財産局に
    • 「A Bifacial Light-Absorbing Solar Cell with Localized AI-BSF and the Method of Making It」
      (局在化AI-BSFを用いた光吸収型太陽電池とその製造方法)
    の発明開示を行った。
  • 20163:上記技術に特許が与えられた。
  • 20171Q
    ダブルガラスの両面PERC太陽電池モジュールの生産を開始
  • 2018
    日本の特許庁により、PERCセル・モジュール技術の知的財産権を保護する特許出願が認められた。

<両面PERCモジュールの長所>

  • 両面発電
    モジュールの表・裏両方で発電できる。
  • 高い耐久性
    耐摩耗性・耐摩耗性・耐腐食性に優れる。
  • 厳しい環境での大規模設備に向く
    上記2点の長所により、特に
    • 沿岸地域
    • 気候的に困難な環境
    における事業規模の発電設備に対して、長期安定性を提供できる。

また、JA Solar社CTOのWei Shan博士によるコメントの中で

  • 高いセル・モジュール技術が製品の品質とパフォーマンスを保証し、2018年上半期には、JA Solar社が日本でモジュール出荷量トップとなった。
との旨の説明があります。



発表からかなり時間が経っているプレスリリースですが、日本市場での太陽電池モジュール出荷量の順位に関する記述があったので、今回取り上げました。

日本市場では、2017年(通年)にはハンファQセルズ社がモジュール出荷量のシェア1位でしたが、その翌年(2018年)の上半期は別メーカーのJA Solarがトップとのことで、(日本メーカーを含めて)メーカー間の出荷量の差は、現状ではまだそれほど開いてはいないものと推測します。

ただいずれにしても、海外メーカーの存在感が以前よりも増し、日本市場で足場を固めていることは確かだと思われます。

そして海外メーカーの技術力や品質が、日本でも評価されつつあるとすれば、これまでは日本メーカーが長く強みを持っていた国内太陽光発電市場も、変化が続きそうです。


※参照・参考資料:
[1]JA Solar’s IP on Bifacial PERC Technology Patented in Japan(JA Solar社、2018/9/7)
http://www.jasolar.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=40

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2018年09月10日

Canadian Solar社が株式非公開化(Going Private)の検討を継続中、ただし具体的な決定はまだ全く無し

Canadian Solar社が2018年9月6日に、

  • 自社株式の非公開化(Going Private)に関する最新情報
を発表していました[1]。

その中から、主な情報をまとめてみました。


  • Canadian Solar社の
    • 特別委員会(Special Committee)
    • 取締役会
    • 財務・法務顧問
    は、社長兼CEOのShawn Qu氏が2017年12月9日に提案した「非公開」取引について、評価(assess)を続けている
  • Qu氏は財務アドバイザーを雇い、
    • 潜在的な株式パートナー(potential equity partners)
    • 債務調達先(debt financing sources)
    と協議している。
  • Canadian Solar社は、Qu氏と幾つかの潜在的な株式パートナーとの間で、機密保持契約とび停止契約を締結し、自社に関する情報へのアクセスを提供した。
    特別委員会は、Qu氏と潜在的な株式パートナーに対し、自社に対するデュー・ディリジェンスを完了させるため、2018年9月末まで与える。
  • 取締役会は、株式の取引を考えている株主やその他の者に対し、
    • 特別委員会と取締役会は、提案された取引について、いかなる決定も行っていない
    ことを注意する。


太陽電池メーカーの株式非公開化と言うと、まず昨年(2017年)3月のTrina Solar社の件を思い起こします。

またつい先月には、(パナソニックが太陽電池生産で協業している)米Tesla社で、CEOが非公開化の話を持ち出していました。(その後まもなく撤回されました[3]が・・・)

また非公開化では無いものの、今年6月にはYingli Green Energy社の米国預託証券(ADS)が、ニューヨーク証券取引所で上場廃止となっていました。


Trina社・Yingli社・今回のCanadian Solar社は、いずれも世界市場で大手の太陽電池メーカー。

またTesla社は(太陽電池ではなく)電気自動車が主力ですが、太陽電池メーカーと同じく、新しい分野・製品に取り組んでいる企業です。

そのような企業においては、短期の業績アップを求める(投資家からの)圧力は、事業を継続し成長させるうえで、もう容認できないほどの大きな障害になっている、ということなのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Update on Preliminary, Non-Binding "Going Private" Proposal Letter Received by the Company from its Chairman, President and Chief Executive Officer, Dr. Shawn Qu(Canadian Solar社、2018/9/6)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/update-preliminary-non-binding-going-private-proposal-letter
[2]デューディリジェンス(ウィキペディア)
[3]テスラ、株式非公開化を撤回(日本経済新聞、2018/8/25)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34601190V20C18A8NNE000/

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2018年08月20日

Canadian Solar社の2018年上半期の太陽電池モジュール出荷量は3074MW、JinkoSolar社は4809MW

Canadian Solar社とJinkoSolar社が先日、

  • 2018年第2四半期(2018/4-6)
の業績を発表していました[1][2]。

今回はその中から、20181Q・2Qの太陽電池モジュール出荷量を抜き出してみました。


2018年
1Q2Q
Canadian Solar1374MW1700MW
JinkoSolar2015MW2794MW
(前年同期比3.1%)


太陽電池モジュール出荷量を業績発表の中で公表している大手メーカーは、私の知る限り現在この2社だけであり、今となっては貴重なデータ発表だと思われます。

それはともかく、1Qと2Qの合計(=2018年上半期)を計算すると、Canadian Solar社が3074MW、JinkoSolar社が4809MWとなります。

いっぽう前年(2017年)通期は、Canadian Solar社が6828MWJinkoSolar社が9807MWでした。

そのため両社とも、2018年は(少なくとも現在のところは)前年を少し下回るペースであり、JinkoSolar社の年間モジュール出荷量の10GW到達は、微妙なところかもしれません。

ただそれでも、日本国内の同期間のモジュール出荷量[3]が計約2819MWであることを考えると、(世界のトップクラスとはいえ)単独のメーカーがそれを悠々と超える規模を出荷していることには、やはり驚きます。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2018 Results(Canadian Solar社、2018/8/14)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-reports-second-quarter-2018-results
[2]JinkoSolar Announces Second Quarter 2018 Financial Results(JinkoSolar社、2018/8/13)
https://jinkosolar.com/press_detail_1696.html
[3]月次出荷速報(太陽光発電協会)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html#fig

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2018年07月08日

JinkoSolarの日本子会社が、53億円のシンジケートローン(三井住友銀行が主導)の契約を締結、日本での事業拡大や運転資金に充てる予定

JinkoSolar社が2018年7月2日に、

  • 子会社「JinkoSolar Japan」が、日本の銀行コンソーシアムとの間で、53億シンジケートローン契約を締結した。
と発表していました[1]。

その概要をまとめてみました。


締結の相手 三井住友銀行が主導する銀行コンソーシアム。
契約の内容 最長2年間の、53億円のシンジケートローン契約。
融資資金の用途
  • 日本における事業の拡大
  • JinkoSolar Japanの運転資金
に使う予定。


最新の太陽電池モジュール出荷統計では、出荷量の減少が顕著であり、日本の太陽光発電市場の縮小ぶりが強く感じられます。

いっぽうでJinkoSolar社は、2017年通期のモジュール出荷量が10GW近くと、世界でトップ規模の太陽電池メーカーになっています。

そのため今回、JinkoSolar社が日本で53億円の資金調達を行ったというのは、かなり意外に感じました。

もっとも、メガソーラーの建設費用が1MWあたり3億円とすると、53億円は17〜18MW相当なので、それほど大きな金額ではないのかもしれませんが・・・。

ともかく、世界トップクラスの大手メーカー(の日本子会社)が、縮小が続く日本国内で、今後どのように事業を運営・拡大していくのか、興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Signs JPY5.3 Billion Syndicated Loan Agreement with Japanese Bank Consortium Led by SMBC(JinkoSolar社、2018/7/2)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-signs-jpy53-billion-syndicated-loan-agreement
[2]シンジケートローン(三井住友銀行)
http://www.smbc.co.jp/hojin/financing/syndicate.html

※関連記事:

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2018年07月01日

SunPower社が住宅用の新モジュールを発表、出力370Wの「X-Series」と、革新的なセル構造の「P-19」

もう2週間近く前になりますが、SunPower社が2018年6月18日に、「Intersolar Europe 2018」(ドイツで6/20-22に開催)での出展予定を発表していました[1]。

その中から、住宅用太陽電池モジュールの新製品に関する情報をまとめてみました。


<370Wの「X-Series」>

特徴
  • 出力を大幅アップ
    同じ屋根面積の場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上にわたり、60%以上多い電力をもたらす。
    「X-Series」15枚で、従来型22枚と同等のエネルギーが得られる。
    (つまり同じ出力の場合、モジュールの枚数が少なく済む)
  • 高い耐久性
    第3世代の「Maxeon」セルは、堅固な金属基盤上に構築されており、腐食や割れを防止する。
    これが、25年の出力保証+製品保証を可能にしている。
出力 370W
変換効率 22.7%
想定市場 欧州など、高品質で実証済みの技術を期待する成熟市場

<「P-19」シリーズ>

特徴
  • 革新的なセル技術
    「P」シリーズ(変換効率17%)と同じセル技術を使用。
    同じ設置スペースの場合、従来型のモジュールに比べて、25年以上に渡り、最大で32%多いエネルギーをもたらす。
  • 低コスト
    自社の「E-Series」「X-Series」よりも、コストが低い。
    (※25年の出力保証+製品保証は付く)
セルの種類 PERC単結晶型
変換効率 19%
想定市場 今年(2018年)は
  • EMEA
  • APACの一部
で、住宅用ソリューションへの適用を拡大している。
(※APAC市場の一部では、商業用で既に使用されている)


モジュール1枚あたりの出力としては、同じ欧州イベントで公開されたCanadian Solar社の「HiKu」モジュールが、390W〜405Wとされており、今回の新「X-Series」モジュール(370W)を上回っています。

ただし、「HiKu」は大規模発電事業用の製品であり、モジュールのサイズ(縦×横)は約2×1m。

いっぽう新「X-Series」モジュールは、正式なサイズは不明ですが、同シリーズの既存製品(出力345W)が約1.6×1m[2]。

新製品もこれと同等とすれば、「HiKu」モジュールの約8割の面積で、出力の差は(多く見ても)10%未満であり、やはり高性能製品であることが伺えます。


「P-19」シリーズの革新的なセル技術については、発表[1]には「shingle」とあるのみですが、「Pシリーズ」の紹介ページ[3]では、ずばり解説されています。

具体的には、短冊状セルを特殊技術で貼り合わせ(これにより半田付けリボンが不要化)、長い帯状にしたものを、並行に複数本並べるというものであり、想像以上にユニークな方式でした。

これは、セルの帯の太さや数こそ全く異なりますが、化合物型のCISモジュール[4]に似ており、それによるメリットの一つ(部分的な影に強い)も共通しています。

既に成熟しているイメージが強い結晶シリコン型モジュールに、このように極めてユニークな(しかも他の種類の太陽電池に似ている)形式が現れていることは、非常に興味深く感じます。


※参照・参考資料:
[1]SunPower Introduces its Record-Breaking Efficiency Solar Panel for Residential Customers During Intersolar Europe 2018(SunPower社、2018/6/18)
http://newsroom.sunpower.com/2018-06-18-SunPower-Introduces-its-Record-Breaking-Efficiency-Solar-Panel-for-Residential-Customers-During-Intersolar-Europe-2018
[2]Xシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/x-series-solar-panels/
[3]Pシリーズ(同上)
http://www.sunpowercorp.jp/products/p-series-solar-panels/
[4]「実発電量」が高いCIS太陽電池(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/residential/features/cis/index.html

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2018年06月26日

Canadian Solar社が次世代モジュール3種を発表、両面発電の「BiKu」・ユーティリティ市場に特化の「HiKu」、屋根設置向けの高密度モジュール「HiDM」

Canadian Solar社が2018年6月14日に、

  • 次世代の太陽電池モジュール3種世界的な発売を、「Intersolar Europe」(独ミュンヘンで2018/6/20-22に開催)で発表する。
と発表していました[1]。

今回は[2]〜[5]と合わせて、各モジュールの概要をまとめてみました。


<「BiKu」モジュール>

特徴
  • 高効率な、デュアルセルの両面発電モジュール。
    反射光の条件によっては、裏面の発電により、出力を最大30%上乗せできる。
  • 発電プロジェクトのPPAが年々低下していく場合に、投資に対するIRR(内部収益率)の維持に役立つ。
主な仕様
  • セルの種類:多結晶型
  • セルの枚数:144枚
  • 外形サイズ:2016×996×8.5mm
    (※コーナープロテクター込み、ジャンクションボックス除く)
  • 重さ:29.3kg
  • 名目最大出力:350W〜365W(4種類の製品)
  • ガラス:表・裏面とも厚さ2.5mm熱強化ガラス
  • 最大システム電圧:1000Vまたは1500V

<「HiKu」モジュール>

特徴
  • ユーティリティ市場に特化した、高出力の製品。
    最新の高効率セル技術を、「Ku」モジュール技術と組み合わせている。
  • BOSコストと設置コストの引き下げという観点から、発電プロジェクトのEPCコストの縮小が期待できる。
主な仕様
  • セルの種類:PERC多結晶型
  • セルの枚数:144枚
    (※「Ku」モジュールではハーフカットセル[4]なので、「HiKu」も同様かと思われる。)
  • 出力:390W〜405W(4種類の製品)
  • 外形サイズ:不明
    (※「Ku」モジュールは2000×992×35mm[4])
  • 重さ:不明
    (※「Ku」モジュールは22.5kg[4])
  • 最大システム電圧:1000Vまたは1500V

<「HiDM(High-Density Module)」>

特徴
  • 自社独自のIP認定設計による、高密度モジュール
    モジュール変換効率は最大20.2%に向上。
    60セルの最大出力(最大335MW)は、通常のPERC単結晶モジュールを10%上回る。
  • モジュールの外観が良く、また影による発電への影響を低減している。
    このため設置面積が限られ、また影が避けられない、屋根設置システムに向く。
主な仕様
  • セルの種類:PERC単結晶型
  • 出力:320W〜335W(4種類の製品)
  • 外形サイズ:1675×992×35mm
  • 重さ:18.5kg
  • 最大システム電圧:1000V


「BiKu」モジュールの「dual-cell」については、詳しい記述が有りませんが、[2]の写真や、表側の外観が似ている「KuMax」[4]の仕様から、こちらもハーフカットサイズのセルかと思われます。

裏側でも発電可能ということで、産業用太陽光発電設備の中でも、特に周囲からの反射光が強い環境に適したモジュールと思われるので、実際にどのような発電設備に用いられるのか、非常に興味を惹かれるところです。


「HiKu」は大規模プロジェクト向けに特化したモジュールですが、高出力製品にも関わらず(単結晶でなく)多結晶型というのが、非常に意外でした。

多結晶型における技術の進歩は、単結晶型に迫る性能を実現している、ということなのかもしれません。


最後の「HiDM」は、変換効率の高さに加えて、先の2製品よりも外形サイズが少し小さく、また最大システム電圧が1000Vのみ(1500Vに非対応)という点からも、「BiKu」「HiKu」と異なる想定用途が伺えます。


三者三様の個性的な新製品には、2017年のモジュール出荷量が6828MWに達したCanadian Solar社の勢いと意気込みが、感じられる気がします。


※参照・参考資料:
[1]Canadian Solar launches the next generation solar modules: bifacial, high power density and over 400 W poly HiKu modules at Intersolar Europe(Canadian Solar社、2018/6/14)
http://investors.canadiansolar.com/news-releases/news-release-details/canadian-solar-launches-next-generation-solar-modules-bifacial
[2]BiKu MODULE(上記ページ内に参照リンクあり)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/BiKu_CS3U-PB-FG_EN.pdf
[3]HiKu(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/HiKu_CS3W-P_en.pdf
[4]KuMax(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/downloads/datasheets/en/new/2018-4-16_Ku-v5.571/Canadian_Solar-Datasheet-_KuMax_MBB_5BB__CS3U-P_High_Efficiency_v5.571_EN.pdf
[5]HiDM(同上)
https://www.canadiansolar.com/fileadmin/user_upload/events/panels/HiDM_CS1K-MS_EN.pdf

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2018年06月21日

Yingli社の「PANDA BIFACIAL」モジュールは、最大出力が前面のみと比べて最大約11%アップ、月間発電量は従来の多結晶型比で最大約19%プラス

Yingli Solar社が2018年6月7日に、

  • PANDA BIFACIAL」モジュールが、同日にTUV Rheinlandの認証を取得し、両面太陽電池モジュールとして世界で初めて
    • China General Certification Centre(2016年末に取得)
    • UL(2018年5月に取得)
    • TUV Rheinland
    の認証を受けた。
と発表していました[1]。

その中から、同モジュールの発電能力に関する内容を、まとめてみました。


最大出力 60セルのモジュール(前面の標準出力285W)は、ULとTUV Rheinlandのテストにおいて、最大出力315Wに到達した。
(※前面の標準出力比で11%プラス
発電電力量 最新の統計によると、「PANDA BIFACIAL」モジュールを用いている山西省・大同(Datong)でのプロジェクトでは、月間の発電量が、従来の多結晶型による同容量のプロジェクト比で、最大で19.02%上回った


裏・表の両面で発電できる太陽電池モジュール自体は、過去にも既に、幾つかの日本や海外メーカーが製品化していました。(例えば関連記事)

しかしその発電能力が、通常モジュール(片面のみで発電)と比べて実際にどの程度優れているのか、という点については、私はこれまで具体的な情報(数値など)を殆ど見たことがありませんでした。

そのため、今回のYingli社による発表は、非常に興味深いです。


まず、認証機関が測定した最大出力が、前面のみの場合と比べて約11%増というのは、正直思ったほど高くないと思いました。

いっぽう実際の大規模発電所においては、月間発電量で(最大で)2割に近いプラスとのこと。

比較対象が単結晶型でなく多結晶型(※「PANDA BIFACIAL」はn型単結晶)という点が、少し残念ですが、それでも両面モジュールの明確な優位性は、感じられる気がします。


両面モジュールについては、裏面でも発電できることから、積雪の白さで地面からの反射光が強くなる冬期間に、それ以外の時期と比べて(前面への積雪によるマイナスとの差し引きで)発電電力量が最終的にどう違ってくるのか、という点も、今後明らかになってくることを期待したいです。


※参照・参考資料:
[1]Yingli's PANDA BIFACIAL Module Became the World's First Bifacial Module Certified by CGC, UL, and TUV Rheinland(Yingli Solar社、2018/6/7)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2353651
[2]単結晶モジュール (同上)
http://www.yinglisolar.com/jp/products/monocrystalline/
[3]PANDA BIFACIAL 60CF(同上)
http://www.yinglisolar.com/en/products/monocrystalline/panda-bifacial-60cf/

※関連記事:

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