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2017年12月01日

「国連薬物犯罪事務所」が2017年のアフガニスタンでのケシ栽培が急拡大と発表、灌漑などへの太陽光発電導入で収穫効率が高まったとのこと

国連薬物犯罪事務所UNDOC)」が2017年11月15日に、アフガニスタンにおける「芥子」(麻薬の原料となる)の栽培に関する調査結果を発表しており、その中で太陽光発電との関連が述べられていたとのことです[1]。

その記事[1]から、主な数字や背景を抜き出してみました。


<芥子の栽培状況の変化>

2017前年(2016年)比2000年との比較
栽培面積32万8000ha(推定)63%増4
収穫量9000t(見込み)87%増2.75

<栽培増の要因>

地方での増加 反政府勢力の取り締まりは大都市中心に行われため、反政府勢力が地方で伸長した。
太陽光発電の利用 2017年は、栽培に必要な施設(灌漑など)に、太陽光発電の導入が広がり、収穫効率が上がった。
これが、安価で質の高い麻薬生産につながった。

ちなみにUNDOCのサイトに掲載されているプレスリリース[2]では、内容を絞っているためなのか、太陽光発電に関する記述はありませんでした。



栽培面積や収穫量の、今年(2017年)1年と過去17年での伸び幅を比べると、今年の急激さは際立っています。

そこには何か特殊なプラス要因があったと考えられますが、その一つが太陽光発電利用のハードルの低下、ということなのかもしれません。


前年2016年には、中国製の余剰な太陽電池モジュールが米国市場などに大量流入し、急激な価格下落が起こった年であり、その後も(私が知る限りでは少なくとも今年の春〜初夏まで)米国でのモジュール価格低下は続いていました。

もちろんこれは米国の状況ですが、モジュールが余っていた以上は、他の地域(中東など)にも低価格モジュールが出回り、それらのうちの一部がアフガニスタンで芥子栽培に利用されたとしても、何らおかしいことは無いとは思います。


とは言え、(大げさな言い方をすれば)人類にとっての希望の一つと思われる太陽光発電が、そのコストダウンにより、麻薬原料の栽培拡大に寄与しているとなれば、極めて皮肉なことだと感じざるを得ません。

太陽光発電もあくまで「技術」であり、その善悪は使い方によって決まる、ということだとは思いますが、今回の件は何とも複雑な気分になります。

今後も、太陽光発電の進歩(発電性能の向上や、機器のコストダウン)が進むほど、反社会的なものに利用される可能性も高まる、ということは、留意しておく必要があるのかもしれません。


ただ前向きな見方をすると、今回のケースは、太陽光発電が中東地域での農業生産の拡大に貢献しうる、ということの一つの証明とも考えられるので、別のまっとうな作物の栽培で太陽光発電利用がどんどん進むことも、期待したいものです。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電で麻薬原料の収穫率向上 アフガン過去最大に(朝日新聞、2017/11/26)
http://www.asahi.com/articles/ASKCS5DCPKCSUHBI00S.html
[2]Afghan opium production jumps to record level, up 87 per cent: Survey(UNDOC、2017/11/15)
https://www.unodc.org/unodc/en/press/releases/2017/November/afghan-opium-production-jumps-to-record-level--up-87-per-cent_-survey.html
[3]ケシ(ウィキペディア)

※関連記事:

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2016年07月18日

日本環境テクノ社が太陽光発電施設でエミューを飼育、雑草除去だけでなく畜産も狙う

2016年7月14日付の佐賀新聞ウェブサイトの記事[1]で、

  • 県内企業の「日本環境テクノ」が、自社の太陽光発電施設で大型鳥「エミュー」を飼育している。
と報じられていました[1]。

取組みの概要は次の通り。


  • 背景・経緯
    同社社長の方が、訪問した大分県の太陽光発電施設で、エミューが敷地内で飼育されている様子を見学した。
    その後2016年5月に、北海道のエミュー牧場からエミュー5羽を購入して、自社発電所での飼育を開始した。
  • 飼育による効果
    エミューが雑草を食べることで、雑草除去の手間が省けている。
    また、害獣避けにもなっている。
  • 今後の方針
    今後1年以内に飼育頭数を50羽まで増やし、食肉・卵や、羽を使ったグッズ等の販売を計画している。

該当発電所の詳細は記載されていませんが、日本環境テクノ社のサイト[2]の情報から、パナソニック製パネルを用いた計約168kWの「神埼発電所」と思われます。

今回の取組みについて、通常イメージしやすい4つ足の草食動物(ヤギ等)ではなく、大型の鳥ということにかなり驚きましたが、既に大分県内では、2013年からエミューを飼育している発電所がある[2]とのことでした。(これが見学された太陽光発電所でしょうか?)

このエミューは飼育しやすい動物[3]とのことなので、太陽光発電所との相性(設備を傷めない等)も、意外に良いのかもしれません。

そしてそれと関係すると思われますが、もう一つ今回は、単に雑草除去だけに留まらず、同時に畜産が志向されていることにも強く驚きました。

国内で太陽光発電の事業環境が厳しさを増す中で、今回の取組みが、ソーラーシェアリングの新しいかたちを産み出すことを、強く期待したいと思います。


※参照資料:
[1]太陽光発電所にエミュー 日本環境テクノ(佐賀新聞)
http://www.saga-s.co.jp/column/economy/22901/333600
[2]自社発電所(日本環境テクノ)
http://jetc2000.com/hatsuden
[3]メガソーラーを救う草食動物たち 雑草モグモグ…発電量維持と経費削減に貢献(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/gallery/news/131020/gll1310200701002-n4.htm
[4]エミュー(ウィキペディア)
[5]箘床で育つエミュー&ソーラーシェアリング(日本環境テクノ)
http://jetc2000.com/news/2459.html

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2015年07月25日

福島県・浪江町でのソーラーシェアリング事業(計約150ha)が、採算性の低下により中止

「福島民報」ウェブサイトの2015年7月23日の記事で、

  • 福島県の浪江町で計画されていた大規模ソーラーシェアリング事業が、採算の面から白紙撤回となった。
ことが報じられていました[1]。

これは、同月22日に町長の方が公表したものとのことで、主な状況を下記に抜き出してみました。


発電事業の概要

  • 場所:棚塩地区と請戸地区
  • 用地面積:計約150ha
  • 設備:農地の地上約4mに、太陽電池パネルを設置する。
    (※パネルの下部は、そのまま農地として活用)
  • 事業主体:東京の「スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(SGET)」社

事業断念までの経緯

  • 浪江町は地権者への同意取得への協力など、SGET社と連携して、事業の実現に取り組んでいた。
    しかしその後、
    • 東北電力の電力買取可能量が、当初予定から大幅に減少
    • 予定地の地盤が軟弱であり、設置費用が予定を上回ることが判明
    との状況から、SGET社が採算性を見込めないと判断。
    町との協議の結果、事業の断念が決定された。

発電容量の記載はありませんが、パネル間の隙間を多く取るソーラーシェアリングとはいえ、150haへの設置となると、普通にMW規模のものと推測されます。

事業主体であるSGET社[2]は、国内の投資会社「スパークス・グループ」[3]のグループ企業であり、今回の件では、事業環境の変化などに伴う採算性の低下を、投資先の案件として厳しく判断されたものと思われますが、実際に「指定ルール」下で年間の出力制御時間をどの程度と見積もったのかは、非常に興味を引かれるところです。

とりあえず、福島県がソーラーシェアリングに関して「相談コーナー」の受託者を募集し普及推進の姿勢をとっている中で、今回の事業断念は、指定ルールが適用された東北電力管内でのソーラーシェアリングの採算性に、一つの課題を提示したとも感じられます。

またロケーションの面では、今回の予定場所だった棚塩地区と請戸地区は「避難指示解除準備区域」に含まれており、福島第一原発からかなり近い(10km以内?)地域[4]。

浪江町は現在も震災の爪痕が残り、また原発事故の影響もまだまだ甚大とのことであり[5]、復興を目指す最中で、太陽光発電事業が一つ中止とならざるを得なかったのは残念ですが、今回得られた教訓が次の取組みにつながるものとなることを、期待したいところです。


※参照資料:
[1]浪江町の太陽光発電事業白紙に 売電量減、費用増で(福島民報)
https://www.minpo.jp/news/detail/2015072324245
[2]スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー
http://www.sget.co.jp/
[3]会社概要(スパークス・グループ株式会社)
http://www.sparx.jp/company/outline.html
[4]初めての方へ―すぐわかる浪江町(なみえまち)の現況(浪江町のサイト内)
http://www.town.namie.fukushima.jp/soshiki/2/namie-factsheet.html
[5]原発事故で放棄された「浪江町」のゴーストタウン化した悲惨な現状(写真)(「NAVERまとめ」の記事)
http://matome.naver.jp/odai/2138053328248435601
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2015年07月17日

福島県が、ソーラーシェアリングに関する「相談コーナー」業務の受託者を募集

福島県が2015年7月6日に、「太陽光発電設備(営農型発電)」に関する「相談コーナー」業務の受託者募集を発表していました[1]。

これは、営農を継続できる太陽光発電設備(ソーラーシェアリング)の、県内での普及推進を狙いとするもので、委託される業務は下記3点とのことです。


  • 「無料相談コーナー」の設置
    郡山市で開催される
    • 「農業総合センターまつり」(2015年9月11日・12日)
    • 「REIF ふくしま2015」(同10月27日・28日)
    の2イベントにおいて、各種相談(設計、施工、保守管理、農地の一時転用など等)を受ける相談コーナーの、企画・設置・運営・広報活動を行う。
  • 広報資料の作成・配布
    「太陽光発電設備(営農型発電)」についての広報資料を作成して、各関係機関(市町村、JA)に配布する。
    (作成部数は8000部、1つめの「相談コーナー」で配布する資料と同じでも可)
  • 実際の発電設備の視察研修
    2014年度に実施された「ふくしまから はじめよう。再エネ発電事業(営農継続モデル)」で設置された施設の現地視察研修について、企画立案・参加者募集・運営を行う。

2014年度の「再エネ発電事業(営農継続モデル)」で設置されたソーラーシェアリング設備は、50kW弱が3ヶ所[2]であり、今回「相談コーナー」の受託者を募集することと合わせて、本格導入はまだまだこれから、という段階であることが伺えます。

昨年秋に系統連系の回答保留が相次いで以来、ソーラーシェアリングの話題を(少なくとも管理人は)めっきり聞かなくなりましたが、福島県での積極的な取組みが、その状況を変えるきっかけになれば面白いと思います。

東北電力管内はいち早く「指定ルール」(出力制御期間の上限なし)が適用された地域の一つですが、今年1月に実施されたFIT改正の中で、福島県については復興推進のためとして、再エネを優先接続する配慮が盛り込まれている([3]の8p)ので、ソーラーシェアリングにおいても系統連系に関する心配は少ないものと想像します。

ただ、太陽発電事業を収益獲得の一手段とするうえでは、やはり採算性の見通しが重要であり、今回の受託者がその点についてどのような回答を用意するのか(出力制御の年間合計時間の見込み等)は、非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]平成27年度太陽光発電設備(営農型発電)設置に関する相談コーナー設置等業務委託に関する公募について(福島県)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36045b/saiene-einou-soudan-koubo.html
[2]ふくしまからはじめよう。再エネ発電モデル事業(営農継続モデル)について(同上)
http://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/36045b/saiene-einou-top.html
[3](解説資料)固定価格買取制度の運用見直し等について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2014/01/20150122002/20150122002-3.pdf

※関連記事:
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2015年07月04日

日本農業新聞の調査データから、PV向け「農地転用」について幾つかの計算と推測をしてみた

日本農業新聞のウェブサイトで、太陽光発電向け農地転用」の件数・面積(2012年7月〜2015年5月または3月)を調査した結果が公表されていました[1]。

同記事の最後には、政府による詳細発表がこれまで無かったと書かれていますが、確かに私もこれまで、PV向けの農地転用に関する具体的なデータを見たことが無く、その点で今回のデータは非常に興味深いものです。

今回はこのデータを勝手にお借りして、まずPV向けの農地転用が、FITの認定量位置を占めているのかを推測するべく、

  • 地域別の面積
  • 認定容量に対する割合
を計算してみました。

まず、計算にあたっての注意事項は下記の通り。

  • 認定容量は、管理人が以前に計算した数字(2015年3月末時点のもの、現時点で最新)から、「産業用(10kW以上の全て)」を用いました。
  • 各地域の都道府県の内訳は、電力会社の管轄に概ね合うよう、下記の通りとしています。(※上記の認定容量の計算と同じ区分)
    • 北海道:北海道
    • 東北:青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島
    • 関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川
    • 北陸:富山、石川、福井
    • 中部:新潟、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知
    • 関西:三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山
    • 中国:鳥取、島根、岡山、広島、山口
    • 四国:徳島、香川、愛媛、高知
    • 九州:福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島
    • 沖縄:沖縄
  • 発電容量への換算は、1ha=0.5〜1MWで単純計算しています。([2]〜[4]を参考にしました)
  • 表内の数値は、1ha未満・1MW未満を四捨五入しています。
  • 数値は検算や見直しを行い、正確さに極力気をつけてはいますが、ミス(項目の見間違い、数値の読み間違い等)が存在する可能性をゼロには出来ないので、その点はご了承ください。

そして、計算結果は次のようになりました。


農地転用の面積(ha)発電容量の概算(MW)全認定量に対する割合
北海道5327〜530.9〜1.8%
東北266133〜2661〜1.9%
関東1,110555〜1,1103.5〜7%
北陸2111〜211〜1.8%
中部627314〜6273.4〜6.7%
関西338169〜3382〜4%
中国247124〜2472〜4%
四国231116〜2314.3〜8.6%
九州1,207604〜1,2073.4〜6.8%
沖縄2010〜201.8〜3.6%
合計4,1212,061〜4,1212.6〜5.2%

計算してから気付きましたが、この数値ではソーラーシェアリング(支柱の基礎部分のみ農地転用が必要)を考慮して(できて)いません。

そのため今回の計算結果は、あくまで極めて大雑把な目安にしかなりませんが、それでも認定量に占める割合では、地域別の差がはっきり出ているのが見てとれます。

特に高いのは関東・中部・四国・九州であり、特に四国は、最大で認定量の8%超に相当。
他の関東・中部・九州も、最大で約7%相当と小さくない数字であり、これらの地域では、農地転用が太陽光発電事業の用地確保において、一定の役割を担っていることが伺えます。

そのいっぽうで、積雪地域である北海道・東北・北陸は最大でも2%に届いておらず、これは自然環境の面での不利さ(日射量、冬の降雪)が強く影響しているのでは、と推測します。


また今回はもう一つ、PV向けに転用された農地の面積が、国内の全農地面積に対してどの程度の割合に相当しているのか、というのも知りたいと思いました。

比較対象に出来そうなデータを探したところ、総務省統計局のサイト[5]に、2013年時点の「都道府県別耕地面積」のデータ[6]があるのを発見。

正確には各年時点での比較を行うべきですが、あくまで目安程度としては十分かと思ったので、比較の表(下記)を作成してみました。


PV向け農地転用の面積(ha)
※2012/7〜2015/5の累計。
耕地面積(ha)
※2013年の数字。
北海道531,151,000
東北266854,100
関東1,110604,600
北陸21142,500
中部627512,400
関西338291,700
中国247246,200
四国231142,600
九州1,207552,600
沖縄2038,800
合計4,1214,537,000

作成前に懸念していたのは、FITが農業を縮小させることにつながっていないのか?ということでしたが、結果としては、転用面積が耕地面積の1%相当に達している地域は一つも無く、「合計」では0.1%未満という水準。

とりあえずこのデータの限りでは、私の懸念は全くの杞憂だったように思われます。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電で4000ヘクタール超 農地転用 買い取り制度影響 本紙調べ(日本農業新聞)
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33807
[2]FAQ メガソーラー(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/faq/megasolar/
[3]太陽光発電の導入・設置に係る主な関係法規・手続き等〜(「ふくしま再生可能エネルギー事業ネット」内)
http://www.fre-net.jp/wp-content/uploads/2014/03/9f2fc756d2671788d72b5883186ce139.pdf
[4]太陽光発電候補地一覧(和歌山県)
http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/063100/mega/
[5]第7章 農林水産業(総務省統計局)
http://www.stat.go.jp/data/nihon/07.htm
[6]都道府県別耕地面積(同上)
http://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/n150701100.xls

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2014年06月18日

伊豆の国市内の農地に、手動でパネルの角度調整ができるソーラーシェアリング「ソーラーパネル回転システム」が設置

静岡県・伊豆の国市内の農地で2014年6月に、パネル角度を手動で調整できるソーラーシェアリング設備「ソーラーパネル回転システム」が、稼動を開始したとのことです[1]〜[4]。

設備の概要は下記の通り。

  • 機器
    • パネル回転機構:ソーラーカルチャー社の「ソラカルシステム
    • 太陽電池パネル:発電マン社のオリジナル製品(1枚115W、縦1470mm×横500mm)
  • 特徴
    • パネル角度を変更可能
      パネルを手動で回転させ(水平軸まわり)、角度を調整できる。
      これにより、
      ・作物の生育に応じた、光の量の調節:
       例えば稲作では、6〜7月の成長期に、田への日射量を増やすことができる。
       (※平常時の遮光率は35%で設計)
      季節ごとの適正な角度変化:発電電力量を高める。
      強風・積雪への対応:水平で風圧を避け、垂直で積雪を落とす。)
      パネル洗浄の容易化:パネルを立てて、地上から高圧洗浄・ブラシ洗浄が行える。
      等のメリットが見込まれる。
    • 低コストで高い柔軟性
      架台などには、単管パイプやクランプ等の汎用資材を用いている。
  • 設置場所と規模
    水田(各約1000m2)に、44kWずつを設置した。(計88kW)
    水田では稲作、畑ではサトイモを育てる。
    (静岡県農業委員会の許可は、2013年11月に取得)
  • 施工:発電マン社
  • 売電収入:年約400万円の見込み

0.1haで44kWと、当然ながら通常の地上設置型よりは(土地面積あたりの)設置容量は大幅に小さいですが、一方で売電収入見込みの400万円を37.8円/kWh(2013年度の売電価格)で割ると、約106万kWh。

これは一般的な年間発電量の見込み(88kW×1000h=88万kWh)の1.2倍であり、あくまで見込みとはいえ、パネルの角度調整による発電電力量アップの効果が伺える数字です。

太陽電池パネルは細長の特別品のため、パネルの性能低下や故障が生じた際の対応(交換用パネルの十分な確保など)が気になるところではあります。

しかし他方で、架台はもちろんのこと、パネルの回転軸も汎用の単管パイプを使っていると見受けられ[6]、その点での資材の入手のしやすさは、非常に大きな魅力であり、普及拡大の可能性は十分に高いのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]パネル回転し、農作物と太陽光を分け合う新システム(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1600V_W4A610C1000000/
[2]日本初!田んぼにソーラーパネル回転システムを設置(発電マン社)
http://www.hatsudenman.co.jp/article/15080121.html
[3]田んぼでソーラーシェアリングが完成しました!(同上)
http://www.hatsudenman.co.jp/article/15080145.html
[4]静岡でソラカルシステムが完成(ソーラーカルチャー社)
http://solarculture.jp/index.php/news/archives/6
[5]サービス(同上)
http://solarculture.jp/index.php/service
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2014年01月06日

諏訪東京理科大が農業と太陽光発電の両立技術を研究中、半透明・フィルムタイプの有機薄膜太陽電池を使用

諏訪東京理科大学で、半透明の有機薄膜太陽電池を用いての、農業と太陽光発電の両立実現に向けた研究が進められているとのことです[1]。

技術の概要は下記の通り。

  • 仕組み
    蛍光シート(赤色の光を強める)
    ・有機薄膜太陽電池
    を組み合わせている。
    これにより、太陽光を
    緑の光:主に太陽電池(ビニールハウスを覆う)での発電に使用
    赤と青の光(作物の光合成で主に必要となる):透過
    と分け、発電と農業の両方で利用する。
  • 実証実験
    太陽電池は、米国企業製の半透明のフィルム状のものを使用した。
    ・屋外:
     ビニールハウスに蛍光シート+太陽電池を被せ、ミニトマトを育成。
     生育は若干遅れるが、収穫量は変わらないことを確認した。
    ・屋内:
     水耕栽培装置を蛍光シート+太陽電池で覆い、サンチュを育成。
     ミニトマトとほぼ同様の結果が得られた。
  • 今後の方針
    より変換効率の高い有機系太陽電池の開発に取り組み、産学連携での実用化を図る。

太陽光を色(スペクトル)別に利用する、というのは、従来の農業+太陽光発電の取り組みでは見られなかったもので、有機薄膜型ならではの方法という気がします。

実用化においては、太陽電池の(売電で収入を十分得られるだけの)発電量と(屋外設置に十分耐えうる)強度・耐久性を実現することが必要であり、また設備が破損した場合の安全策(感電防止など)も必要になるのでは、と考えます。

また、作物の生育がどの程度遅れるのかも気になるところですが、生産・出荷に無理の無い範囲に収まるのであれば、現在のソーラーシェアリングよりも導入負担が大幅に軽い(と考えられる)ことと合わせて、農業支援の面で有効な手段になる可能性があるのではないでしょうか。


※参照・参考サイト:
[1]ビニールハウスで発電も 諏訪東京理科大が開発へ(信濃毎日新聞)
http://www.shinmai.co.jp/news/20140105/KT131226ATI090015000.php
[2]渡邊 康之准教授(諏訪東京理科大学)
http://www.es.suwa.tus.ac.jp/teacher/energy/watanabe/
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2013年12月17日

米SunEdison社が農業向けの灌漑用「SunEdison Solar Water Pump」を発表、太陽光発電で独立稼動

SunEdison社が2013年12月14日に、太陽光発電で稼動する農業向けの灌漑ポンプSunEdison Solar Water Pump」を発表していました[1]。

製品の主な特徴は下記の通り。

  • 頑丈な構造
    米国とインドのR&Dチームにより設計されており、メンテナンスのしやすさにも配慮。
    15年以上に渡り、高い信頼性と安定動作を保証する。
  • 独立稼動
    ディーゼル燃料や、電力系統からの不安定な電力供給が必要ない。
    これにより、予測可能で信頼性の高い灌漑(※昼間のみ)を提供でき、農家の収益向上が期待できる。
    また、電力系統の負担軽減にも寄与する。
  • 出力は4段階
    3HP・5HP・7.5HP・10HPの中で変更できる。
    (※管理人注:1HP(英馬力)=0.7457kWなので、kW換算では約2.24kW・3.73kW・5.59kW・7.46kW)
  • ポンプ制御装置
    太陽電池パネルからの供給電力を継続監視する。
    また1日を通して水を供給するために、高効率3相ACポンプの速度を調整する。

ポンプ起動時の突入電流(定格の数倍)を考えると、電源となる太陽光発電システム(そして設備の価格)も結構な規模になると思いますが、今回の設備はSunEdison社の取り組み「Eradication of Darkness program」(下記動画)を拡張したものとのことで、性能・耐久性などの実用面は勿論、コスト面でも、現地の農家が十分なメリットを得られるよう考慮されているものと想像します。


(アカウント「SunEdisonGlobal」さんの動画)

今回はあくまで、インド向けの農業向けに開発した装置と見受けられますが、実稼動での実績を上げることができれば、当然他の新興国への導入も、十分に期待できるのではないでしょうか。


※参照・参考サイト:
[1]SunEdison Launches Solar Water Pumps in India(SunEdison社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=106680&p=irol-newsArticle_print&ID=1876335&highlight=

※関連記事:
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2013年11月22日

ソーラーフロンティアが南相馬市で「PVグリーンハウス実証事業」を開始、高付加価値農業と売電による施設園芸モデルを目指す

ソーラーフロンティア社が2013年11月20日に、福島県南相馬市で「PVグリーンハウス実証事業」を開始したことを発表していました[1]。

事業の概要は下記の通り。

  • 目的
    温室(グリーンハウス)を使った高付加価値農業と、屋根利用の太陽光発電事業による売電を組合わせることで、収益性・持続性が高い施設園芸モデルを構築することを目指す。
  • 設備
    PVグリーンハウスでの実績を持つ、独Belectric社のシステムを導入。
    太陽光発電システムの出力は40.5kW。
    ・グリーンハウスの面積:約1,300m2
    ・太陽電池パネル:
     ・種類:CIS薄膜型(ソーラーフロンティア製)
     ・設置枚数:324枚(計50kW)
  • 協力企業
    ・カナダの鉄骨メーカー「Les Industries Harnois」社(グリーンハウスの実績多数)
    ・ドイツのパワコンメーカー「SMA」社
    が協力している。
  • 実証内容
    ハウス内ではトマトを栽培。
    事業の終了時期(2014年1月)を目途に、
    ・発電事業
    ・ハウス内農業(パネルによる影の影響)
    の結果を検証する。

太陽電池パネルは、軽量なフィルムタイプ等ではなく、通常の(ガラスを用いた)透過性の無いものですが、パネルの設置場所は屋根の尾根?部分に限定されており、ハウス内の日照確保に配慮していることが伺えます。

また写真を見る限り、グリーンハウスは日本で通常用いられているビニールハウスよりも大きく、より「建物」に近い印象ですが、その分(強度や設置面積の面から)パネルの屋根設置にもより適しているのかもしれません。

ソーラーフロンティアとBelectricは2年前に提携しており、今回の「PVグリーンハウス」もその延長上にあるものと思われますが、農業と太陽光発電の組み合わせにおいて、(太陽光発電の一大市場である)欧州で培われたノウハウ・技術がどれだけの効果を発揮しうるのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考サイト:
[1]南相馬市でPV グリーンハウス実証事業開始(ソーラーフロンティア)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2013/C025763.html

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2013年07月06日

兵庫県姫路市内の水田で、農業+太陽光発電の両立実験が開始

神戸新聞の記事[1]で、農業+太陽光発電両立実験が兵庫県姫路市内で開始されたことが、報じられていました。

この実験は姫路市とフジプレアム社の共同によるもので、概要は下記の通り。

  • 内容
    米・麦の栽培と太陽光発電を同時に行い、データ(収穫量・発電量など)を収集して採算性などを検証する。
  • 実施場所:姫路市所有の水田(約1,200m2
  • 発電設備
    ・設置数:4
     基礎は約80cm四方のコンクリート製。
    ・発電容量:計17.6kW
  • 売電収入の見込み:年100万
  • 実験期間2015年度末まで

また記事では、発電設備が設置された水田の写真も掲載されています。


コンクリ基礎の発電設備が水田の中に設置されている光景には、正直違和感を感じますが、実験の開始段階である現状では、デザイン面の無骨さは仕方が無いかもしれません。

フジプレアムでは本方式の大規模普及[2]を構想しているだけに、導入における農地への負担(送電ケーブルの敷設など)も含めて、今回の実験で事業の合理性が計られ、今後の本格展開につなげられることを、期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]米と麦、太陽光発電で「三毛作」 姫路で社会実験(神戸新聞)
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201307/0006134245.shtml
[2]日本列島メガソーラーベルト構想(フジプレアム)
http://www.fujipream.co.jp/tech/tech4/index.html

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