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2017年09月04日

Hanergyの米子会社「Alta Devices」と自動車大手のAudi社が提携、GaAs薄膜太陽電池を電気自動車の屋根に搭載する計画

  • 中国Hanergy社の米国子会社「Alta Devices」(GaAs薄膜太陽電池を手がける)
  • 自動車メーカー「Audi
2017年8月23日に、
  • Audi製電気自動車への薄膜太陽電池搭載に向けて提携した。
と発表していました[1]〜[4]。

概要は下記の通り。


背景
  • Audi社は電気自動車について、
    • 2020年までに、電気自動車3種を発売する
    • 2025年までに、顧客に引き渡す車の1/3を電気自動車にする
    との目標を立てている。
  • Alta Devices社のGaAs薄膜太陽電池は、
    • 変換効率が高い(セル変換効率25%以上)
    • 非常に薄く、軽量でフレキシブル
    • 低照度・高温の環境でも高パフォーマンス
    との長所を備えている。
今後の予定・計画
  • 屋根への太陽電池搭載
    まず最初は、ガラス製パノラマルーフに薄膜太陽電池を装着する。
    2017年末までに、プロトタイプ車を発表する)
    将来的には、車両の屋根全体を太陽電池で覆う。
    その発電電力を、車内の電気系統(空調、座席のヒーター等)に用いることで、走行距離の延長を図る。
  • 走行用バッテリーへの電力供給
    長期的には、屋根の太陽電池の発電電力を、駆動系バッテリーの直接充電に用いることを目指していく。


電気自動車は、10年近く前には三菱自動車や日産が市販車両を発売するなど、一時的に関心が大きく高まったものの、その後は劇的に価格が安くなることも無く、結局は何処かに消え去ってしまったような印象でした。

そのため今年の夏に、一部の海外自動車メーカーや国が相次いで、電気自動車に急激に切り替えていく方針を発表した[5]ことには、極めて驚きました。

それらが本当に現実性のあるものなのかは不明ですが、ともかく電気自動車への関心が、急激に(しかも世界的な規模で)高まっていることは確かとみられ、アウディ社でのEV開発計画も、その流れの一つと思われます。

そしてその中で、電気自動車の走行可能距離を少しでも伸ばすために、ボディに太陽電池を搭載することは、必然的な発想とも思われます。


自動車屋根への太陽電池搭載と言えば、EVでは無いものの、トヨタ「プリウスPHV」の新モデル(2017年2月発売)が、オプションに「ソーラー充電システム」を用意。

その発電電力量(1日分)のEV走行距離換算も発表されており、数km程度とはいえ、太陽電池によるEV走行距離の拡大効果が伺えます。

そして今回のAudi・Hanergyの提携では、軽量かつ発電性能の高いGaAs薄膜型を用いるとのことなので、プリウスPHV(パナソニック製太陽電池を採用)と比べて、(走行距離換算で)いったいどの程度の差が出るのか、というのは強く興味を惹かれるところです。


そう言えばHanergy社は、昨年7月にGaAs太陽電池搭載の自動車「Hanergy Solar」を発表していました。

この車両は太陽電池の搭載量が多い(ボンネット等にも搭載)とはいえ、5〜6時間で走行距離80km相当を発電可能と、個人的には正直疑わしい数値が示されていましたが、今回のAudi社との提携で、Hanergy社のGaAs薄膜型の真価が明確になることを期待したいです。

(ちなみにHanergy社のサイトを見ると、同社の技術には元々GaAs型は無く[6]、Alta Devices社の買収(2014年7月[7])によって獲得したものと思われます)


ただ、ひとつ強く気になるのは、GaAs(ヒ化ガリウム)が毒性(発がん性)を持っている[8]ことです。

例えば米First Solar社のCdTe型太陽電池の場合は、通常使用時や火災時などにカドミウムが漏出しないことを確認済みとのことでした。

しかし今回のAudi・Hanergyの提携では、自動車に搭載するものであり、事故時の破損による飛散などに対して、特に十分・慎重な対策が必要になると考えるので、この点で2社がどのような対応を講じていくのか、という点にも強く注目したいところです。


※参照資料:
[1]Hanergyとアウディが薄膜太陽電池テクノロジーの戦略提携覚書に調印(共同通信PRワイヤー、2017/8/24)
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201708244931/
[2]Audi Cooperates with Alta Devices on Automobiles with Solar Roofs(Alta Devices社、2017/8/23)
https://www.altadevices.com/audi-cooperates-alta-devices-automobiles-solar-roofs/
[3]Alta Devices and Audi: Defining the Solar Car of the Future(同上)
https://www.altadevices.com/alta-devices-audi-defining-solar-car-future/
[4]Audi models with a solar roof: Car manufacturer cooperates with Hanergy(Audi社、2017/8/23)
https://www.audi-mediacenter.com/en/press-releases/audi-models-with-a-solar-roof-car-manufacturer-cooperates-with-hanergy-9221/download
(※https://www.audi-mediacenter.com/en/press-releases内)
[5]第9話 『すでに始まっているモビリティ革命』(飯田哲也の再生可能エネルギーレポート、2017/7/17)
https://r-nav.jp/blog/1477.html
[6]Core Technology R&D and Advanced Equipment Manufacturing(Hanergy社)
http://www.hanergy.com/en/industry/industry_article3.html
[7]Company Highlights(Alta Devices社)
https://www.altadevices.com/about-overview/
[8]ヒ化ガリウム(ウィキペディア)

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2017年03月20日

パナソニックが二色の浜工場を稼動再開との報道、「プリウスPHV」向け

産経新聞ウェブサイトの記事[1](2017/3/7付)で、

  • パナソニックが大阪の「二色の浜工場」で、太陽電池の生産を再開した。
と報じられていました。

主な内容は次の通り。


  • 背景
    • 二色の浜工場は、日本国内の太陽電池需要の低迷を受けて、2016年2月から稼動を停止していた。
    • パナソニックの太陽電池の国内工場は4ヶ所だが、車載・住宅向け製品を担う工場は、二色の浜工場のみ。
    • 日本国内では、(住宅向けを中心に)太陽光発電設備への投資意欲が減退している。
      しかし他方で、車載用電池は市場の拡大が見込まれている。
  • 生産品の用途
    トヨタ自動車
    • 日本国内向けの新型「プリウスPHV」(2017/2/15発売)
    • 欧州向け新型車2017/3以降に順次発売)
    への車載用。

ちなみにパナソニック社のサイトでは、当記事の作成時点(2017/3/15)で、二色の浜工場の再稼動に関する発表は掲載されていません。

ただ、新型プリウスPHVにおけるパナ社製品(太陽電池と蓄電池)の採用自体は、2月末に発表されています[2]。


パナソニックは2年前に屋根設置向けの需要獲得に注力する方針を発表していましたが、その後は国内需要の減退が続いており、最近の業績発表(2016年度3Q累計期間)でも販売で苦戦している旨が記載されていました。

確かに日本国内の住宅用については、最近の統計で

  • 太陽電池出荷量:2016/10-12で、約302MW(前年同期比25%減)[3]
  • FITの認定量:2016年9月分〜11月分で、新規認定は1ヶ月あたり70MW[4]
という状況であり、政策での新たな支援や、新しい需要の発生(自家消費意欲の急拡大など)が無い以上、現状で市場の拡大は極めて望み薄と考えざるを得ません。

その中で「プリウスPHV」向けの製品供給が、住宅用の販売減少を果たしてどれだけ補えるのかは不明ですが、少なくとも1年近く停止していた工場の稼動再開に繋がったことは確かであり、パナ社にとっては明るい材料と言えそうです。

車載向けの太陽電池は、車体の複雑な曲面に沿う加工をする必要があるとのことですが、かつては京セラがプリウス向けの太陽電池生産を手がけており、またシャープも三菱「i-MiEV」向けの太陽電池を試作

そのため、国内大手メーカーはその技術を既に蓄積していると考えられ、車載向け需要がもし今後拡大していければ、国内太陽電池メーカーにとって幾らかの追い風になるのでは、と考えます。


※参照資料:
[1]パナが太陽電池工場を再開、プリウス向け受注 大阪・貝塚(産経WEST)
http://www.sankei.com/smp/west/news/170307/wst1703070043-s1.html
[2]新開発のHIT車載タイプがトヨタ自動車の 「新型プリウスPHV」 に搭載(パナソニック)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2017/02/jn170228-2/jn170228-2.html
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第3四半期(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/japan_pv_forward_h283q.pdf
[4]固定価格買取制度 情報公開用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html

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2017年02月27日

「プリウスPHV」新モデルは「ソーラー充電システム」をオプションで用意、発電電力の走行距離換算は平均2.4〜3.1km/日、最大5.3〜6.2km/日

トヨタ自動車が2017年2月15日に、

  • プリウスPHV」をフルモデルチェンジし、日本全国で同日に発売した。
と発表していました[1]。

今回のモデルではメーカーオプションとして、量産車では初という「ソーラー充電システム」が用意されており、その発電電力の用途は次の通り。

  • 駐車中駆動用バッテリーに充電する。
    (※この電力は走行だけでなく、エアコン駆動などにも使われる)
  • 走行中補機バッテリー系統の消費を補う

また[2]では、「ソーラー充電システム」による1日の発電電力量を、EV走行距離に換算した推定数値が示されています。

その数値(地域別)を、下記に抜き出してみました。


地域 平均値最大値
札幌 2.4km/日6.2km/日
仙台 2.4km/日5.7km/日
東京 2.4km/日5.3km/日
名古屋 2.9km/日6.1km/日
金沢 2.4km/日5.3km/日
大阪 2.6km/日5.3km/日
広島 2.9km/日5.9km/日
高松 2.9km/日5.7km/日
福岡 2.7km/日5.8km/日
那覇 3.1km/日5.5km/日

ということで、数値の範囲は

  • 平均:2.4〜3.1km/日
  • 最大:5.3〜6.2km/日
となっています。


新型「プリウスPHV」の「ソーラー充電システム」自体は、既に昨年(2016年)6月に発表されていました。

当時の報道内容と比べると、発電電力量の走行距離への換算値は、最大値(当時の発表では約5km/日)が全体的に少し上がっています。

しかし一方で、平均値(当時は2.7km/日)はほぼ同等であり、これはシステムの性能を(当時より)向上させたというよりも、計算の方法(想定する条件など)が少し変わった、ということなのかもしれません。

そして乗用車の屋根である以上、太陽電池を設置できる面積は自ずから限られるので、仮に今後のモデルで蓄電池の容量が更に拡大したとしても、太陽電池自体の発電能力(単位面積あたりの出力)が劇的に向上しない限りは、今回の数値が大きく変わることは(残念ながら)考え難いように思われます。

とは言え、自動車が「太陽光発電の電力で走行できる」距離が具体的に示されていることは、やはりロマンがあり、今後も研究開発が継続されてほしいものです。


※参照資料:
[1]TOYOTA、プリウスPHVをフルモデルチェンジ(トヨタ自動車)
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/15021361/
[2]ソーラー充電システム (同上)
http://toyota.jp/priusphv/performance/charge/?padid=ag341_from_priusphv_top_performance03#
[3]電気自動車:太陽光発電で1日に最長6キロ走る、環境性能を追求した「プリウスPHV」(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/spv/1702/17/news026.html

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2016年07月11日

中国Hanergy社がGaAs太陽電池搭載の自動車「Hanergy Solar」を発表、状況によりPV電力のみでの走行が可能と主張

中国の薄膜太陽電池メーカー「Hanergy Holding Group」が2016年7月2日に、搭載した太陽電池パネルの電力で実用的な距離の走行が可能、という自動車を発表していました[1]。

概要は次の通り。


  • 車の種類
    ユーザー属性に応じた4車種「Hanergy Solar R」・同「O」・同「L」・同「A」を発表した。
  • 太陽電池
    • 種類:
      自社開発のフレキシブル・軽量な「GaAs dual-junction」薄膜セルを採用。
      変換効率は31.6%。
    • 搭載面積:3.5〜7.5m2
    • 発電能力:5〜6時間の日照で、8〜10kWhを発電できる。
      (走行距離では80kmに相当)
  • 充電池:リチウムバッテリー
    満充電では350kmを走行可能。
  • 太陽光発電による走行能力
    • routine-day use」モードの場合:
      外部の充電ポストによる蓄電池の充電は必要ない。
    • 日照が弱い場合や、長距離走行の場合:充電ポストによる充電で補う。
  • その他の機能
    • ユーザーはモバイル端末のアプリによって、天候に応じた充電モードを選択できる。
    • 太陽電池のメンテナンス用として、超音波洗浄技術を備えている。

また、YouTubeには関連動画が幾つか投稿されており、実車の画像・映像を見ることができます。



(アカウント「anand S」さんの動画)

この動画は静止画のみですが、特異なボディ形状の「Hanergy Solar L」がメイン。



(アカウント「CCTV Русский」さんの動画)

これはロシアのニュース番組での報道と思われますが、太陽電池の製造工程の映像もチラッとあります。



(アカウント「Ablium Sheepmob」さんの動画)

こちらは10分超と長い動画ですが、CGによるデモ映像や、公開イベント(7月2日、北京)で会場内をゆっくり走行している様子が収録されています。


まず個人的にHanergy社については、CIGS型の専門メーカーというイメージを持っていたので、今回の採用セルでの30%超という変換効率には驚きました。

ただし今回はGaAs型[3]ということで、全く別の技術により、高い変換効率(=限られた面積での高い発電性能)を追求したものと思われます。

また上記の各動画を見ると、車両前側のボンネットを含めて、車体上面の設置できるところには可能な限り太陽電池を載せている、という印象です。

奇しくも先月には、「ソーラー充電システム」を搭載したトヨタの新型プリウスが発表されていましたが、今回のHanergy社の車両では、ルーフのみのプリウスよりも太陽電池の搭載場所が格段に広く、太陽光発電による給電能力のアップ・電力の自給にこだわったことが、強く感じられます。

ただ、様々な面で強力なインパクトのある自動車ではありますが、その走行性能(PV電力による航続距離)については、(企業の所在地や製品の分野は全く違うものの)ノートPC「SOL」に騙された私としては、この手の威勢のいい話を額面どおりに受け取ることはできません。

今回のHanergy社の車両が広く認められるには、海外で多数の第三者による検証が必須になると思いますが、果たしてそれが実現するかどうか、今のところは頭の片隅に小さな期待だけを持っておくことにします。


※参照資料:
[1]Hanergy launches full solar power vehicles that can be commercialized(Hanergy Holding Group)
http://www.hanergy.com/en/content/details_37_3602.html
[2]「太陽光だけで走行可能」、中国Hanergy社がソーラーカー発表(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/070502910/?rt=nocnt
[3]化合物系(ウィキペディア「太陽電池」内)

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2016年06月20日

新型「プリウスPHV」(2016年秋発売予定)は「ソーラー充電システム」を搭載、太陽光発電のみで最大5km走行の見込み

トヨタ自動車が「スマートコミュニティJapan 2016」(2016/6/15〜17、東京ビッグサイト)に、プリウスPHV新モデル(日本仕様、2016年秋に発売予定)を出展したとのこと[1]。

今回はニュース記事[2][3]から、同車両が搭載する「ソーラー充電システム」の概要を抜き出してみました。


  • 太陽電池パネル
    • 出力180W
      2009年発売のプリウスでの搭載パネル(「ソーラーベンチレーションシステム」用)から倍増。
    • 種類:非公開
      ※[2][3]の掲載写真を見る限りでは、3本バスバーの単結晶シリコン型か。
    • その他
      ・曲面ルーフへの搭載
      ・軽量かつ出力増加
      が可能なパネルを、専用で開発した。
  • 発電電力の使用方法
    太陽電池パネルによる発電電力は「ソーラーバッテリー」(12Vのニッケル水素電池)に一時貯蔵する。
    この電力を、状況に応じて
    • 停車中:駆動用バッテリーに供給
    • 走行中:始動用バッテリー(12V)に供給
    と、「ソーラーECU」(DC/DCコンバータ内蔵)を介して供給する。
  • 太陽光発電の電力のみでの走行可能距離
    • 最高(晴天時・好条件な場所に車両を1日置いた場合):約5km
    • 平均2.7km

今回の新型プリウスでは、太陽光発電の一時蓄電用を含めて、バッテリーを計3個搭載するとのことで、一見すると複雑そうで、わざわざこうしなければならなかったのか、という疑問も浮かびます。

ただ2009年の「ソーラーベンチレーションシステム」の時点では、プリウスの走行用バッテリーは電圧が高い(200V超)ことから、万が一の太陽電池パネルへの逆流が懸念され、走行用バッテリーの充電は不可とされていました。

それから7年を経た今回、給電制御用のECUとPV用バッテリーの搭載により、上記の課題解決に漕ぎ着けた、ということだと思われます。

そして、あくまで理想的な条件での試算数値だとは思いますが、量産車において、太陽光発電だけでも数kmを走行できるということには驚きました。

発売後に実際の使用環境でどのような評価を受けることになるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照資料:
[1]トヨタ自動車、「スマートコミュニティJapan 2016」に出展(トヨタ自動車)
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/detail/12211694/
[2]新型「プリウスPHV」は太陽光発電能力が倍増、1日で5km走れる(MONOist)
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1606/16/news033.html
[3]ソーラー充電が可能な「プリウスPHV」、太陽光でどこまで走るか(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1606/16/news043_2.html

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2014年01月08日

Fordが太陽電池搭載のPHV「C-MAX Solar Energi Concept」を発表、車両外集光器(フレネルレンズ採用)により1日で満充電可能

Ford Motor社が2014年1月2日に、屋根搭載の太陽電池パネルで充電できるPHVC-MAX Solar Energi Concept」を発表していました[1]〜[3]。

このうち、太陽光発電機能に関する主な内容は下記の通り。

  • SunPower社・Georgia工科大学と共同開発
    太陽電池パネルはSunPowerが供給。(※同社とFordは、技術パートナーとして2011年に提携)
    また集光技術の開発は、Georgia工科大学の協力を得ている。
  • 集光技術で発電能力を強化
    フレネルレンズ8倍の集光が可能)を備えた、車両外太陽光集光器を別途用意。
    (※管理人注:設備の詳細は不明だが、[3]からカーポート上のものと推測される)
    そして太陽電池パネルに常に集光した太陽光が当たるよう、自動運転技術により、車両を時間経過に応じて(集光器に対して)最適な位置に移動できる。
    これにより、バッテリー(7.6kWh)を1日で充電できる。

ちなみに走行可能距離は、従来のC-MAX ENERGIと同等の最大620マイル(電気のみでは21マイル)が見込まれているとのことです。


もし太陽光のみで充電するとなると、昼間はずっと集光器の下に車両を駐車しておく必要があるので、もし日常使用するとなると(従来のPHVと同じく)電力系統に繋いでの充電は必須になるのでは、と推測します。

また自動制御で車両の位置を変えるのは、ごくゆっくりの移動になるとは思われるものの、やはり人などに対する安全の確保が気になるところです。
(集光器の未使用時に、焦点部分に人などが入らないようにする対策、もしくはレンズを覆うことも必要では)

とはいえプラグインハイブリッドカーにおいて、1日の太陽光発電のみでのバッテリー満充電を実現したことは、やはり相応のインパクトがあり、Fordがこの技術をどのようなかたちで実用化することになるのか、強く注目したいところです。

また、太陽電池と集光レンズの向きを変えなくても良いのであれば、通常の太陽光発電システムに適用できる可能性もあるのでは、とも考えます。


※参照・参考サイト:
[1]Let the Sun In: Ford C-MAX Solar Energi Concept Goes Off the Grid, Gives Glimpse of Clean Vehicle Future(Ford Motor)
http://media.ford.com/content/fordmedia/fna/us/en/news/2014/01/02/let-the-sun-in--ford-c-max-solar-energi-concept-goes-off-the-gri.html
[2]Let the Sun In: Ford C-MAX Solar Energi Concept Goes Off the Grid, Gives Glimpse of Clean Vehicle Future(同上)
http://corporate.ford.com/news-center/press-releases-detail/let-the-sun-in--ford-c-max-solar-energi-concept
[3]集光レンズと自動運転で太陽電池搭載車を1日で満充電に、フォードがCESで公開(NONOist)
http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1401/06/news060.html
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2011年10月22日

豪州「World Solar Challenge」で、日本の東海大学チームが2連覇を達成

オーストラリアで開催されたソーラーカー大会「World Solar Challenge」で10月20日、日本の「東海大学」チームが優勝し、2009年大会に続いて2連覇を達成したとのこと。

(ニュース記事)
・豪ソーラーカーレース、東海大が2連覇(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819685E0E2E2E3E08DE0E2E3E2E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
・ソーラーカーレース 東海大2連覇(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111020/t10013397381000.html
・東海大学、世界最大級のソーラーカーレースを連覇 〜パナソニックの太陽電池と充電池を搭載(家電Watch)
 http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/news/20111020_485055.html
・東海大学、「ワールド・ソーラー・チャレンジ」を連覇 パナソニック製太陽電池に変更するも優勝(Car Watch)
 http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20111020_485062.html

(東海大学のサイト内ページ)
・世界最大級のソーラーカーレースWSCで優勝(東海大学)
 http://www.u-tokai.ac.jp/TKDCMS/News/Detail.aspx?code=news&id=4785
・パナソニックが協賛する東海大学ソーラーカーチームが「2011 ワールド・ソーラー・チャレンジ」で優勝(パナソニック)
 http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn111020-3/jn111020-3.html

上記URL先ページによると、今大会では8割以上のチームが米国メーカー製の太陽電池を採用。

その中で唯一、東海大学チームの車両は日本メーカーの製品(パナソニックのHIT太陽電池パネル)を用いており、更に

・太陽電池パネルの配置(隙間を極力無くす)
・車体の軽量化

など、平均速度90km/hで走行できるように工夫を重ね、今回の優勝を達成したとのことです。

また2つ目の記事では、東海大学チームの教授の方の

・「2連覇したことで、日本の技術の高さが本物だということを示すことができたと思う」

とのコメントが紹介されています。


ちなみにYouTubeでは、例えばアカウント「PanasonicNewsPortal」により、レースの様子が撮影された下記の動画が投稿されており、現地の雰囲気が伺えます。


(レース1日目)



(レース2日目)



(レース3日目)



(レース4日目)



(レース5日目(最終日))


唯一日本製の太陽電池パネルを搭載したソーラーカーが優勝したというのは、少なからず日本の太陽電池産業に明るさをもたらす、大きな価値のある成果なのでは、と考えます。

また同車両には、太陽電池以外にも複数の日本企業が協力しているとのことで、その点でも今回の優勝が国内産業にもたらす影響は小さくないのでは、とも感じます。


※参考サイト・ページ
・[1]World Solar Challenge
 http://www.worldsolarchallenge.org/
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2011年08月25日

東海大学のソーラーカーが、2011年の豪州レースではパナソニックのHIT太陽電池パネルを採用、レギュレーション変更に対応

パナソニック
東海大学ソーラーカーチーム(「2011ワールド・ソーラー・チャレンジ」(2011年10月16〜23日、豪州)に参戦予定)

が、スポンサー契約を締結することで合意したとのこと。

(ニュース記事)
・パナソニック、ソーラーカーレースに参戦する東海大チームを後援(レスポンス)
 http://response.jp/article/2011/08/24/161252.html
・ソーラーカーに太陽電池提供 パナソニック(日経プレスリリース)
 http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819696E0E6E296E08DE0E6E2EAE0E2E3E38698E3E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
・東海大学、「ワールド・ソーラー・チャレンジ」の連覇に挑む(Car Watch)
 http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20110824_472517.html

上記URL先ページによると、前回のレースではシャープ製の宇宙用太陽電池パネルを採用していましたが、今回は太陽電池パネルについてのレースのレギュレーションが、

・化合物:パネル面積3m2(従来は6m2
・シリコン:6m2(従来と同様)

と変更されたことから、今回はパナソニック製の太陽電池の採用を決定。

パナソニックは、東海大学のチームに下記の製品を無償提供したとのことです。(※二次電池は従来どおり)

太陽電池パネル
 ・種類:HIT太陽電池(変換効率22%)
 ・提供容量:1.32kWh
 ・設置面積:6m2

二次電池
 ・種類:リチウムイオン電池NCR18650A」(ノートPCなどに使用されているものと同じ)
  パナソニック独自のニッケル系正極を採用しており、業界最高レベルのエネルギー密度を持つ。
  (今回は東海大学の他に、
   ・オランダのデルフト工科大学、トゥウェンテ大学
   ・米国のスタンフォード大学、カリフォルニア大学
   ・シンガポールの南洋工科大学
   のチームにも提供する)
 ・提供容量:5kWh
  450本を15並列30直列で使用。
  これは
  ・太陽電池出力の3時間45分
  ・巡航速度90km/hでの航続距離330km
  に相当する。


従来採用してきたシャープ製の太陽電池は変換効率30%だったとのことで、今回はHIT太陽電池を採用したとはいえ、同面積での発電能力は約2/3と大幅に下がらざるを得ませんが、その条件は他のチームも同じ、ということでしょうか。

エネルギー源となる太陽電池パネルを変更した今回の車両で、走行性能に昨年とどのような違いが生じるのか、またレースでどのような結果を獲得できるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参考サイト・ページ
・[1]チャレンジセンター・ライトパワープロジェクトのソーラーカーチームが「ワールド・ソーラー・チャレンジ」に参戦(東海大学)
 http://www.u-tokai.ac.jp/TKDCMS/News/Detail.aspx?code=news&id=4636
・[2]東海大学 木村研究室
 http://www.ei.u-tokai.ac.jp/kimura/2011wsc.html
・[3]2011 World Solar Challenge
 http://www.worldsolarchallenge.org/
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2011年03月29日

「ソーラーパワートラック」が、避難所で洗濯機などに電力を供給しているとのこと

下記URL先ページでは、東北地方太平洋沖地震の被災地に派遣されている「ソーラーパワートラック」が開始した、電力供給支援の状況が紹介されています。

(ニュース記事)
・マイECO・お知らせ:NPOなどが被災地支援、太陽光発電で洗濯機動かす - 毎日jp(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/life/ecology/info/news/20110328org00m100015000c.html

上記URL先ページによると、同トラックは3月25日に、宮城県石巻市の避難所に到着。

避難所からの要望で最も多かったのは、洗濯機への電気供給だったとのことで、現在はトラックからの電力で、

・洗濯機
・テレビ
・トイレと廊下の照明

を賄っているとのことです。


洗濯機はかなり電力消費が大きいと思いますが、それを太陽光発電(と蓄電池)で賄えるという点に、「ソーラーパワートラック」の電力供給能力の高さを感じます。

トラックへの搭載という特殊な形態ではあるものの、太陽光発電+蓄電池の実用性を図る意味でも、今後の活動に注目したいところです。


※参考
・[1]太陽光発電で被災者支援 第1弾【現地レポート3月27日】|お知らせ|そらべあ基金
 http://www.solarbear.jp/news/2011/03/-1327.html
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2011年03月26日

6つの団体・企業と毎日新聞社が共同で、東北地方太平洋沖地震の被災地で「ソーラーパワートラック」による電力支援を開始

・6団体・企業(NPO法人そらべあ基金など)
・毎日新聞社

が共同で、東北地方太平洋沖地震の被災地支援として、「ソーラーパワートラック」による電力支援を開始したとのこと。

(ニュース記事)
・マイECO・お知らせ:太陽光発電で被災者支援 - 毎日jp(毎日新聞)
 http://mainichi.jp/life/ecology/info/news/20110325org00m100033000c.html

(各団体の発表資料)
・太陽光発電で被災者支援 〜被災地へのソーラーパワートラック派遣でご協賛のお願い〜|お知らせ|そらべあ基金
 http://www.solarbear.jp/news/2011/03/post-72.html
・太陽光発電で被災者支援 被災地へのソーラーパワートラックを派遣します! - エコロジーオンライン : Ecology Online
 http://www.eco-online.org/2011/03/18/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E5%85%89%E7%99%BA%E9%9B%BB%E3%81%A7%E8%A2%AB%E7%81%BD%E8%80%85%E6%94%AF%E6%8F%B4-%E8%A2%AB%E7%81%BD%E5%9C%B0%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%92%E6%B4%BE%E9%81%A3%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99/

上記URL先ページによると、この取り組みの詳細は、

・ソーラーパワートラックの概要:
 ・メーカー:日野自動車
 ・車体サイズ:長さ8.8m×幅2.5m×高さ3.5m
 ・車両重量:8t(2軸)
 ・動力:ディーゼル+電気モーター(ハイブリット)
 ・特徴:
  電気が通じていない被災地で、携帯電話・パソコンの充電用電力などを供給できる。
  ・太陽光発電システム:
   ・太陽電池パネル:20Wのパネルを250枚搭載。
   ・発電能力:5kW
  ・蓄電池:
   容量:780〜2,340Ah
  ・インバーター:
   単相100V、1.5kWが4〜8台。

・支援活動:
 ・支援先:宮城県、岩手県の予定
  被災地の避難所を巡回する。
  3月25日には宮城県石巻市に到着した。
 ・支援開始時期:3月24日
 ・その他:
  ・協賛企業からの支援物資も運搬できるため、その提供も募集している。
  ・長期的な活動を計画しており、活動を継続するため、寄付を募集中。

・協力団体:
 ・NPO法人そらべあ基金
 ・NPO法人エコロジーオンライン
 ・NPO法人ソーラーシティ・ジャパン
 ・NPO法人Point Green推進環境会議
 ・イーソリューション社
 ・キシムラインダストリー社

等となっています。


太陽電池による発電電力を車内の空調に用いるトラックについては、以前に発表されていましたが、今回のトラックは車両自身での利用ではなく、外部への給電が行えるというのが、大きな特徴だと感じます。

「そらべあ基金」のサイトでは、支援活動の準備状況(物資の積み込み等)や現地レポートも掲載されており、電力供給能力を持つトラックによりどのような支援が可能なのか、ということが垣間見られ、非常に興味深いです。

発電所の被災により、広い範囲で電力供給に支障が生じている現状をみると、このように電力を自給できる機器・車両も、今後は災害への備えとして重要になってくるのでは、と考えます。


※参考
・[1]そらべあ基金|そらべあ基金は、再生可能エネルギーの普及を推進するNPO法人です。
 http://www.solarbear.jp/
・[2]普通の人のエコロジー - エコロジーオンライン : Ecology Online
 http://www.eco-online.org/
・[3]ソーラーシティ・ジャパン
 http://www.solarcity.jp/
・[4]POINT GREEN
 http://www.pointgreen.jp/
・[5]イーソリューション株式会社
 http://www.e-solu.jp/
・[6]Solar Power Trucks(キシムラインダストリー社)
 http://www.kishimura.com/
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