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2017年04月03日

1366 Technologies社の「Direct Wafer」セルが変換効率19.9%を記録、また同ウエハーを用いる初の商業発電所(500kW)が日本で建設開始

米「1366 Technologies」社が2017年3月8日に、

  • Direct Wafer」によるセル変換効率の記録更新
  • 「Direct Wafer」を用いたモジュールによる、初の商業発電所の建設
を発表していました[1][2]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


<セル変換効率の記録更新>

今回の記録 19.9
Fraunhofer ISE CalLabによって確認された数値。
セルの大きさ 156mm四方
セルの種類 多結晶シリコン型
※「Direct Wafer」は、次の利点を持つ。
  • 高純度な成長環境
    製造過程が従来のインゴット製造よりも、遥かにクリーン。
    またウエハー成長プロセスにおいて、不純物が拡散する時間数秒程度に抑えられる。
    (※通常のインゴット製造では、融点付近で1日以上保持される)
  • 微細構造に優れる
    ウエハー1枚を一度に成長させるため、転移クラスターの発生が回避される。
    (※転移クラスターは、多結晶シリコンインゴットの製造において生じ、ウエハーの品質に大きな影響を及ぼす)
  • ドーピング勾配
    ウエハーの表面・裏面の間で、ドーパント濃度を変更できる。
    これにより、電子の収集の効率を高め、変換効率のアップが可能になる。
    (※インゴットから切り出す従来の単結晶・多結晶ウエハーで、ドーパント濃度を操作する費用効果の高い方法は無い)
他に用いられた技術 Hanwha Q CELLS社の「Q.ANTUM」PERCセルプロセス
(※Hanwha Q CELLS社とは、技術的提携を結んでいる)

<商業発電所での初採用>

建設場所 日本の兵庫県
発電容量 500kW
「Direct Wafer」を12万枚以上用いる。
太陽電池モジュール 中国メーカーにより製造された、IEC認証モジュール。
事業の担当
  • 建設:IHIプラント建設(※IHIの子会社)
  • モジュール調達:1366 Technologie社
スケジュール
  • モジュールの配送:2017/3/3に完了
  • 着工:同3/8時点で着工済み。
  • 稼動開始同年2Qの予定。


実用サイズのセルでの変換効率は、(Hanwha Q CELLS社との提携の効果もあるとは思いますが)既に20%突破が目前の水準に到達。

また今回は、商業発電所の具体的な建設予定も同日に発表しており、ウエハーを(インゴットからの切り出しではなく)直接作る「Direct Wafer」技術の本格的な実用化・商用化が、極めて近い段階にあることが想像されます。

加えて、この革新的技術を用いる初の商業発電所が、日本で建設される(既に着工している)ということも、非常に驚きました。

同発電所の使用モジュールは「中国メーカー」製とのことですが、セルの生産コストが従来の半分で済むという「Direct Wafer」技術について、厳しい価格競争に苦しむ日本のモジュールメーカーがどう見ているのか、というのは気になるところです。


※参照資料:
[1]1366 Technologies Achieves 19.9% Efficiency Using Direct Wafer and Hanwha Q Cells Q.ANTUM Cell Technologies(1366 Technologie社)
http://1366tech.com/2017/03/08/1366-technologies-achieves-19-9-efficiency-using-direct-wafer-hanwha-q-cells-q-antum-cell-technologies/
[2]500 kW Installation for Japan’s IHI Corporation Will Feature More than 120,000 of 1366’s High-Performance Wafers(同上)
http://1366tech.com/2017/03/08/1366-technologies-supplies-direct-wafer-products-first-commercial-solar-array/
[3]Q.ANTUMテクノロジー(Hanwha Q CELLS Japan)
http://www.q-cells.jp/products/pdt_quality/q-antum
[4]産業用太陽光発電システム(IHIプラント建設)
https://www.ipc-ihi.co.jp/solar.html

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2017年01月30日

エム・セテック社が相馬市のポリシリコン工場の閉鎖を検討中、との報道

太陽電池用の単結晶シリコンウエハーの製造企業「エム・セテック」について、「福島民友」の記事(2017/1/23付)[1]で、

  • 同社が相馬市内に構えているポリシリコン工場が、撤退する方向で検討されている。
と報じられていました[1]。

ただしこれは同社の正式発表ではなく、「複数の関係者への取材」によるものとのことです。

この記事の中から、主な情報を抜き出してみました。


  • エム・セテック社の相馬工場は2007年設立で、国内最大規模のポリシリコン工場だった。
  • 同社の業績は、一時は世界トップクラスだったが、その後は安価な海外製品との競争が厳しく、業績は悪化。
    2011年には仙台工場を閉鎖しており、その従業員を相馬工場で受け入れていたが、利益確保の見通しが立たなかった
  • 相馬工場は現在、生産を停止しており、従業員(最盛期には200人以上)の人員整理も既に進んでいる。
  • 同工場は2017年夏にも閉鎖する見通し。
    ただしエム・セテック社はこの件について、福島民友新聞社の取材に対し「答えられない」としている。

最近の太陽光発電のコストは、当ブログでチェックしている範囲でも

と、海外での低下が際立っています。

そのため太陽電池モジュールの部品についても、価格引き下げの圧力が非常に厳しいことが想像され、今回のエム・セテック社の件も、まだ正式発表が無いとはいえ(残念ですが)納得が行くものです。

ただその一方で、奇しくも東北(福島県を含む)の研究機関などが、低コストな単結晶シリコンインゴットの製造方法の開発を進めています。

成熟しているイメージのある結晶シリコン型太陽電池ですが、実際にはその原材料の段階においても、まだまだ大きな変動の途上にある、ということなのかもしれません。


※参照資料:
[1]エム・セテック相馬工場、今夏にも撤退へ 太陽光発電の部品製造(福島民友)
http://www.minyu-net.com/news/news/FM20170123-143427.php
[2]太陽光発電用シリコンウエハー(エム・セテック社)
http://www.msetek.com/jp/products/index.html
[3]会社案内(同上)
http://www.msetek.com/jp/profile/index.html

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2015年04月18日

米1366 Technologiesが日本のIHIとモジュール供給で提携、また中国「Haiyin Capital」からは500万ドルの出資

1366 Technologies社が2015年4月9日に、

  • 中国企業からの出資
  • 日本企業との提携
について発表していました[1][2]。

PVTECHの記事[3]と合わせて、概要は下記の通り。


中国企業からの出資

  • 出資者:Haiyin Capital
  • 出資額500万米ドル(出資済み)
  • 出資金の用途
    1366 Technologies社が計画している、米国での新工場(生産能力250MW)建設に用いる予定。
  • 背景:
    結晶シリコン型太陽電池の生産チェーンでは、世界的に
    • 品質変換効率の向上
    • 生産コストの低減
    を両立する新技術の模索が続いている。
    Haiyin Capitalでは、1366 Technologies社の「Direct Wafer」技術が一つの答えであり、中国と全世界における大きな可能性がある、とみている。

日本企業との提携

  • 提携相手:IHI Plant Construction
  • 提携の内容
    両社は長期の提携契約を結んでいる。
    1366 Technologies社がIHI社に代わって、同社が設置する太陽光発電設備向けの太陽電池モジュールの、調達を担当する見込み。
  • 背景
    IHIでは、劇的な
    • コストダウン
    • 変換効率アップ
    をもたしうる革新的な技術を持つ、太陽光発電ポートフォリオの拡大を志向している。
    1366 Technologies社の技術に対しては、
    • 従来型の設備設置
    • 限られた面積への設置
    の両方において、明確で説得力があるとみている。
  • 供給モジュールの用途
    パイロット設備(2015年2月下旬に稼動開始)に、20枚が用いられている。
    そのフィールド試験の終了後には、1MWの発電所が続く予定。

日本企業との提携では、提携先が(モジュールメーカーではなく)下流事業を手がける企業であるのが、非常に意外でした。

それだけ、サプライチェーンの末端ほどコスト・性能の革新に対する意識が強く、それは逆に考えると(本来真っ先にDirect Wafer技術に注目すべきである筈の)日本のモジュールメーカーの動きが鈍い、ということなのかもしれません。

今回は中国企業による巨額出資が同時発表されていますが、Direct Wafer技術が本格的な商業生産に適う物であった場合、日本メーカーが海外メーカーに完全に太刀打ちできなくなる可能性もあるのでは、と危惧します。


※参照・参考資料:
[1]IHI CORPORATION TO DEPLOY 1366 TECHNOLOGIES’ DIRECT WAFERS IN NEW SOLAR INSTALLATIONS(1366 Technologies社)
http://1366tech.com/ihi-corporation-to-deploy-1366-technologies-direct-wafers-in-new-solar-installations/
[2]1366 TECHNOLOGIES EXTENDS SERIES C FINANCING WITH $5M INVESTMENT FROM HAIYIN CAPITAL(同上)
http://1366tech.com/1366-technologies-extends-series-c-financing-with-5m-investment-from-haiyin-capital/
[3]China and Japan get interested in 1366 Technologies ‘Direct Wafer’ technology(PVTECH)
http://www.pv-tech.org/news/china_and_japan_get_interested_in_1366_technologies_direct_wafer_technology
[4]Haiyin Capital - The Capital for Frontier Technology
http://www.haiyindtfund.com/
[5]IHIプラント建設の太陽光発電所、米ベンチャーのウエハー直接形成技術を採用(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150410/413580/?rt=nocnt
[6]産業用太陽光発電システム(IHIプラント建設)
http://www.ipc-ihi.co.jp/solar.html

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2014年03月06日

中国GCL-Polyが台湾パネルメーカー2社に、3年で計約4GWの多結晶ウエハーを供給予定

中国の多結晶シリコン・ウエハーメーカー「GCL-Poly」が2014年2月27日に、台湾の太陽電池メーカー2社との間で、複数年のウエハー供給契約を結んだことを発表していました[1]。

概要は下記の通り。

  • 対象企業と契約年数
    ・Neo Solar Power Corporation(NSP):3
    ・Topcell Solar International Corporation(TSI):2
  • 供給製品:S2・S3ウエハー
  • 供給量:2社の合計で約4GW

またGCL-Polyのウエハー生産能力は、2011年末時点で8GWとのことです。


1年あたりの供給量を大雑把に約1.4GWと考えると、これはGCL-Polyの年産能力の2割弱に当たり、相当重要な大口契約であることが伺えます。

供給先のうちNeo Solar Powerについては、2013年12月の売上高が前年同月比3倍に急増[3]。

また、台湾企業によるセル生産は2013年下半期からフル稼働とのことで、日本市場における多結晶シリコン型パネルの出荷量急増が、今回の契約締結の大きな要因になっていると推測します。

他の成長市場である米国では、中国・台湾製の結晶型太陽電池への課税強化が検討されていることもあり、現状では日本市場での需要動向が、中国・台湾の太陽電池関連企業の業績における最大の鍵を握っている、のかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]GCL-Poly signs long-term supply contract with Neo Solar Power (NSP) Corporation and Topcell Solar International(GCL-Poly社)
http://www.gcl-poly.com.hk/uploadfiles/news/1393582430_LnD8Iouini.pdf
[2]PV Materials(同上)
http://www.gcl-poly.com.hk/en/product_photovoltaic.php?type=2
[3]NSP 2013 December Shipment Set a historical high, Revenu(Neo Solar Power社)
http://www.nsp.com/ftp/NR_20140106_Mon_Rev.pdf
[4]Topcell Solar
http://www.topcell-solar.com/en/web/index/index.asp

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2013年07月30日

東北大学が、シリコンウエハーの太陽電池特性を短時間(数秒〜数分)で検査できる方法を開発

東北大学2013年7月26日に、

  • 太陽電池用シリコンウエハーの品質を、短時間(数秒〜数分)で判定できる検査手法を開発した。
と発表していました。

手法の概要は下記の通り。

  • 名称電流変調四探針抵抗率測定法(Current-Modulating Four-Point-Probe (CMR) Method)
  • 背景
    太陽電池用シリコンウエハーの品質を厳密に検査するには、実際に太陽電池を製造し、その変換効率を測定する必要があるが、それにはコストや時間がかかる。
    このためメーカー側では
    ・反射マイクロ波光導電減衰法(μ-PCD)
    ・表面光起電力法(Surface Photovoltage、SPV)
    を用いて、ウエハーの出荷・仕入の可否を判別している。
    ただしこれらの測定法では、
    ・測定値(少数キャリアのライフタイム値や拡散長値)の、平均値や最小・最大値
    ・太陽電池の変換効率
    の相関が得られず、ウエハーの太陽電池特性を予測することができない。
  • 測定方法
    シリコン結晶の抵抗率測定で一般的な「四探針抵抗率測定法」を応用。
    4本の探針を持つ測定装置を、ウエハーに接触させ、両端の探針間に変調電流(連続的に電流量が変化)を流す。
    これによりウエハーの「実効抵抗値」を計測でき、「結晶品質パラメータ」(抵抗値が一定の値に飽和する電流の範囲)が得られる。
    この「結晶品質パラメータ」と太陽電池の変換効率には
    ・パラメーター大:変換効率が高い
    ・パラメーター小:変換効率が低い
    との相関があるため、計測した結晶品質パラメータから変換効率を予測し、ウエハーの品質を判定することができる。
  • メリット
    ・測定装置のコストが低く済む。
    測定時間が短い。(数秒〜数分
    他の種類の基板(アモルファス基板、ドット型基板、ナノワイヤー型基板など)にも転用可能と考えられる。
  • 今後の方針
    実用化に向けて、
    ・実用サイズ基板の評価に最適な四探針プローブの開発
    ・変調電流・測定電圧の高精度化
    を進める。

検査対象のウエハーと(それを用いた)パネルで、結晶品質パラメータと変換効率の相関関係を予め掴んでおく必要があるとは思いますが、既存の測定装置を利用でき、かつウエハー検査の手間・時間が少なく済むメリットは、不良品排除の上で極めて大きいものと考えます。

長期稼動が求められる太陽電池パネルにおいて、その品質・寿命を高め、ひいては太陽光発電の経済性アップにもつながる手法として、早期の実用化を強く期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]Si結晶基板の品質と太陽電池特性を瞬時に判定!−電流変調四探針抵抗率測定法(Current-Modulating Four-Point-Probe (CMR) Method)の開発−(東北大学)
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2013/07/press20130726-02.html
posted by 管理人 at 00:26 | Comment(0) | シリコンウエハー

2013年06月23日

中国Comtec Solarがマレーシアでウエハー工場(年産1GW)を建設中、Sunpowerやパナソニックに供給予定

中国の「Comtec Solar International」社が、マレーシアのサラワク州で太陽電池用ウエハー工場を建設中とのことです[1]。

事業の概要は下記の通り。

  • 場所:サラワク州のサマ・ジャヤ自由貿易区
  • 敷地面積40エーカー
  • 生産品:N型モノウエハー
  • 生産能力年間1GW
    N型モノウエハー工場としては、世界最大規模となる見込み。
  • 製品の供給先:
    ・マラッカ州のSunpower社の拠点
    ・ケダ州のパナソニックの拠点
    等。
  • 投資額12億リンギ
  • 雇用1,300人分の見込み
  • スケジュール
    2013年6月20日:起工式を実施
     同月に第1期を着工する。
    ・同年内:完成
    2014年第1四半期:生産開始

Sunpower社のモジュールは高い変換効率が特徴であり、パナソニックのHIT型も同様ですが、それらのメーカーにウエハーを供給するというところに、Comtec Solar社が生産規模だけでなく、製品の品質でも高い水準を実現していることが伺えます。

中国の部材メーカーが、高性能・高品質モジュールを手がける大手メーカーに製品を供給するのは、正直意外に感じましたが、陽光能源がシャープにモジュールを供給するという話もあるので、それだけ中国企業の技術水準が大きく向上している、ということであれば、日本メーカーの優位性が果たして何時まで持つのか、懸念が高まります。


※参照・参考サイト:
[1]中国コムテックソーラーのウエハ工場、年内に完成(マレーシアナビ)
http://www.malaysia-navi.jp/news/?mode=d&i=2080

※関連記事:
posted by 管理人 at 02:35 | Comment(0) | シリコンウエハー

2013年04月05日

中国「コムテック・ソーラー」社がマレーシアに工場を新設予定、N型モノウエハー生産では世界最大規模になる見込みとのこと

太陽電池用シリコンとウエハー生産を手がける「コムテック・ソーラー・インターナショナル」社が、マレーシアでのシリコンウエハー工場建設を決定したとのことです。

ニュース記事[1]によると同社は、中国の上海と海南省に拠点を構えており、N型モノウエハーのメーカーでは世界3位(ブルームバーグの調査による)とのこと。

今回は2013年3月27日に、コムテック社からサラワク州の副産業開発相に工場建設決定の報告がなされたとのことで、計画の概要は下記の通り。

・場所:サラワク州サマ・ジャヤ自由貿易区
・投資額:12億リンギ
・生産能力:
 N型モノウエハーの生産工場では、世界で最大規模となる見込み。
・雇用:1,300人分が創出される見込み。
 (サラワク州の新卒者やディプロマ取得者が対象)


日本企業では昨年に太陽電池用ウエハー製造からの撤退が相次ぎ、また中国のGCL-Poly Energyでも粗利益率が大幅に悪化している状況があるので、今回の世界的大手メーカーによる大規模工場の新設計画には驚きましたが、コムテック社が今後についてどのような見通しを立てているのか、非常に気になるところです。


※参照・参考サイト:
・[1]中国コムテックソーラー、太陽光ウエハ工場を建設へ(マレーシアナビ)
 http://www.malaysia-navi.jp/news/?mode=d&i=1796


※関連記事:
SUMCOが太陽電池向けシリコンウエハー事業から撤退する方針、構造的な供給過剰で好転の見通しが立たず(2012/02/03)
北川精機が、太陽電池用シリコンウエハーの製造から撤退する方針(2012/06/30)
JX日鉱日石エネルギーがスペースエナジー社における太陽電池用シリコンウエハー事業からの撤退を決定、供給過剰の解消に目処立たず(2012/11/07)
GCL-Poly Energyの2012年の製品販売価格はシリコンが前年比56.4%減・ウエハーが53.7%減、一方生産コストはシリコン5.6%増・ウエハー41.7%増(2013/03/19)
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2013年03月19日

GCL-Poly Energyの2012年の製品販売価格はシリコンが前年比56.4%減・ウエハーが53.7%減、一方生産コストはシリコン5.6%増・ウエハー41.7%増

「二季報WEB」の記事[1]で、保利協キン能源GCL-Poly Energy)の2012年12月決算の内容が紹介されていました。

この中で太陽電池素材部門について、下記の状況・数字が紹介されています。

製品の平均販売価格
 ・シリコン:前年比56.4
 ・ウエハー:同53.7

生産コスト
 ・シリコン:前年比5.6%増
 ・ウエハー:同41.7%増

粗利益率4.4%(前年は38.6%)


当ブログでこれまでチェックしてきた限りでも、最近数年間での多結晶シリコンとウエハーの価格下落の激しさには驚かされますが、それは現在もまだ続いている、ということでしょうか。

また、他方で生産コストが増加しているというのは非常に意外で、一体どのような状況があるのか気になるところです。
(生産規模の拡大や技術の進歩によるコストダウンは進んでいないんでしょうか?)


※参照・参考サイト:
・[1]保利協キン能源、12年12月本決算は太陽電池素材の値崩れで赤字転落(二季報)
 http://www.translink.co.jp/news/news_list.html?news_id=209565
・[2]GCL- Poly Energy Holdings Ltd
 http://www.gcl-poly.com.hk/en/


※関連記事:
2012年4月上旬の多結晶シリコンのスポット価格は25〜30ドル/kg前後、2012年1-3月の太陽電池モジュールの出荷価格は1.02ドル/W(前年同期比45%減)とのこと(2012/04/07)

台湾の太陽電池用シリコンウエハー・セルメーカーにおける現状と見通しを紹介している「NINA.ASIA」の記事(2011/09/07)
中国の多結晶シリコンメーカーの生産停止状況などを解説している「サーチナ」の記事(2011/12/22)
SUMCOが太陽電池向けシリコンウエハー事業から撤退する方針、構造的な供給過剰で好転の見通しが立たず(2012/02/03)

中国政府系ファンド「中国投資」が、多結晶シリコン等を生産する「GCLポリー・エナジー」社に約630億円を出資、共同会社設立も合意(2009/11/20)
GTソーラーが中国「GCLポリー」の子会社と、シリコンウエハー製造用技術で契約(2010/01/26)
「GCLポリー・エナジー」の、2010年第1四半期の太陽電池用ポリシリコンの生産量は、前年比184.5%増(2010/04/30)
中国「GCLポリー・エナジー」が、国内外での太陽光発電所建設の可能性を示唆(2010/05/18)
GCLポリー・エナジーが、米国の太陽光発電プロジェクト2件(計5,500万ドル)への投資を計画(2010/06/26)
世界の多結晶シリコン生産で、韓国「OCI」・中国「GCL」等の新興企業が急成長(2010/10/22)
Canadian SolarとGCL-Poly Energyが合弁事業で、中国国内にシリコンウエハー工場(設備容量600MW以上)を建設予定(2011/06/07)
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2012年11月07日

JX日鉱日石エネルギーがスペースエナジー社における太陽電池用シリコンウエハー事業からの撤退を決定、供給過剰の解消に目処立たず

JX日鉱日石エネルギー」社が2012年11月6日に、

・連結子会社「スペースエナジー」での太陽電池用シリコンウエハー事業から撤退することを決定した。

と発表したとのことです。

(ニュース記事)
・JX日鉱日石エネルギー、太陽電池用シリコンウエハー事業から撤退(日本経済新聞)
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=323472&lindID=4

(JX日鉱日石エネルギーのサイト内ページ)
・太陽電池用シリコンウエハー事業からの撤退について
 http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20121106_01_0940108.html

上記URL先ページによると、今回の措置の概要は下記の通り。

・背景:
 現在の太陽電池市場は
 ・欧州債務危機などによる需要の伸び悩み
 ・中国メーカー等の設備増強による大幅な供給過剰
 との状況があり、シリコンウエハーも世界的な供給過剰解消の目途が立っていない。
 これらの経営環境の中で、スペースエナジー社の採算は著しく悪化しており、
 ・合理化努力の継続
 ・生き残りに向けた可能性の検討
 に取り組んできたが、事業継続が困難と判断した。

・今後の予定・方針:
 ・2012年12月に、シリコンウエハー製造を終了する予定。
  また、撤退に関する具体的なスキームを検討していく。
 ・JX日鉱日石エネルギーでは、太陽光発電事業は今後も新エネルギー事業の重点分野の一つに位置付け、
  ・住宅向け太陽光発電システムの販売(独自のマンション向け戸別システムを含む)
  ・公共・産業用システム(メガソーラー事業含む)
  の提供を中心に取り組む。


スペースエナジー社ではウエハー需要の急増に対応するため、2008年に70億円を投じて長野県佐久市に工場を建設したとのこと[1]で、それから僅か4年でウエハー生産から撤退せざるを得なくなった、というのは非常に残念です。

ただその4年間には、独Qセルズ社が生産能力世界トップから一転して経営破綻に陥いり、代わってトップクラスに躍り出たはずの中国メーカー(Suntech等)も今は政府支援に支えられているとのことで、それらの激変を振り返るだけでも、太陽電池とその関連市場の環境の厳しさが伺え、否応無しに企業の淘汰が進むのは仕方が無いこととも感じられます。

ただ今回の発表では、ウエハー事業での雇用をどうするのか、ということについては言及されておらず、工場がある地域の経済に及ぼす影響という点からも、今後の発表に注視したいところです。


※11/8追記:
下記URL先の記事で、スペースエナジー社の雇用の取扱いについて報じられていました。

・太陽電池素材、12月に製造終了=長野の工場、雇用打ち切り−JXエネ(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2012110600902
・太陽電池シリコンウエハーから撤退 JXエネ(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD060HZ_W2A101C1TJ1000/

記事によると、2013年1月末までに、全員(219人)の雇用を打ち切る予定。
今後希望退職を募集し、長野県内やJXグループでの再就職の斡旋も行う方針とのことです。

従業員全員を解雇とのことで、かつて成長が期待された事業の末路としては、非常に寂しさを感じざるを得ません。


※参考サイト:
・[1]事業所一覧(スペースエナジー社)
 http://www.space-energy.co.jp/company/office.html


※関連記事:
スペースエナジーが福島県いわき市での新工場建設を発表(2008/07/24)
スペースエナジーの佐久工場が完成(2008/10/09)
スペースエナジーが福島県の新工場建設を延期(2008/11/18)
太陽電池用シリコンウエハー市場にまつわる動向(2008/12/19)
スペースエナジーの「両面受光型太陽電池モジュール」(2009/03/01)
新日本石油がスペースエナジーに追加出資(2009/04/09)
新日本石油が「スペースエナジー」社を連結子会社化、単結晶シリコンウエハーの競争力アップ等を目指す(2010/04/01)
「ハイナジー」社が2010年内にも、岩手県内で両面受光型太陽電池セルの生産を開始予定、スペースエナジー社の閉鎖工場を活用(2010/11/10)
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2012年06月30日

北川精機が、太陽電池用シリコンウエハーの製造から撤退する方針

北川精機」社が2012年6月29日に、

太陽電池用シリコンウエハー製造から撤退する。

との方針を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・北川精機、太陽光発電用ウエハーから撤退(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO43183150Z20C12A6LC0000/

(北川精機のサイト掲載資料)
・「太陽光発電用シリコンウェハー」及び「EDLC」の製造撤退に関するお知らせ
 http://www.kitagawaseiki.co.jp/pdf/20120629osirase1.pdf

上記URL先ページによると、今回の措置の概要は

・背景・経緯:
 北川精機では2004年に太陽電池電用シリコンウエハーの製造・販売を開始。
 主にアジア地域向けに販売を行ってきたが、2011年から、世界的な供給過剰・円高などにより市場価格暴落している。
 この状況に対して、
 ・高付加価値製品の研究開発
 ・労務費・諸経費の削減
 ・生産工程の集約
 ・販売数量の増加に向けた営業強化
 等の経営努力に取り組んできたが、当初想定していた収益の確保が困難、と判断し、製造からの撤退を決定した。

・今後の予定:
 ・他社との契約:
  生産を委託した会社との請負契約は、既に解除している。
 ・従業員:
  他部門への配置転換を前提に、人事の適正化を行う。
 ・製造設備など:
  売却処分を行っていく。

等となっています。


国内ウエハーメーカーではこれまで、石井表記SUMCOが撤退を発表しており、更に今回は北川精機の撤退ということで、昨年来のモジュール価格低下の急進がウエハーメーカーにとっても巨大な逆風となっていることを、改めて感じさせられます。

北川精機は、太陽電池関連ではパネル製造用のラミネータ装置も手がけていますが、そちらの状況はどうなっているのか、というのも非常に気になるところです。


※参考サイト・ページ
・[1]ソーラーパネル関連設備機械(北川精機)
 http://www.kitagawaseiki.co.jp/product_solar_laminater.html


※当ブログの関連記事:
石井表記が、日本国内での太陽電池パネル需要急増を背景に、シリコンウエハーの増産を図る(2009/12/15)
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posted by 管理人 at 22:47 | Comment(0) | シリコンウエハー