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2014年04月26日

GoogleとSunPowerが共同で、住宅用太陽光発電システムのリース事業に計2億5000万ドルを出資予定

Google社が2014年4月23日に、

  • SunPower社と共同で、住宅用太陽光発電システムのリース用の基金に出資する。
との方針を発表していました[1]。

取り組みの概要は下記の通り。

  • 出資額:計2億5000万ドル
    SunPowerが1億5000万ドル、Googleが1億ドルを出資する。
  • 資金の用途
    2社が住宅用太陽光発電システムを購入。
    それらを住宅所有者に、通常の電気料金よりも低いコストでリースする。
  • リース対象人数数千人の見込み

1億ドル(約100億円)はメガソーラーだと30MW超の建設費用に相当するだけに、出資の規模に驚かされますが、Googleによる同様の事業への出資は、過去の2件でも計約3億5000万ドルに上っており、同社が(産業用に匹敵するほどに)住宅用太陽光発電の普及を重視していることが伺えます。

また需要の面でも、SunPower社の2013年第4四半期決算では「(住宅用は)強い勢いが続いている」「リース契約は2万件以上に到達」とされており、そこに来て今回の追加出資なので、米国内でのリース需要の拡大が、現在も続いていることが推測されます。

経済的メリットについては(メーカーであるSunPowerはともかく)Google側にどれだけ見込めるのかは不明ですが、ユーザーが低負担で太陽光発電を導入できるだけに、少なくとも企業PRの点では、かなり大きな効果があるものと想像します。


※参照・参考サイト:
[1]Going solar with SunPower(Google green blog)
http://googlegreenblog.blogspot.jp/2014/04/going-solar-with-sunpower.html
[2]グーグル、サンパワーの住宅向け太陽光パネルリースに出資(WSJ)
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304334104579520193961325958.html

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2014年02月16日

米ITCが、中国・台湾製の特定の結晶シリコン太陽電池製品による、米国産業の損失を判断

米国国際貿易委員会ITC)が2014年2月14日に、

  • 中国・台湾製の特定の結晶シリコン太陽電池製品により、米国内の産業が実体的な損失を被っていると判断した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

調査対象になった製品

  • 下記に該当する結晶シリコン太陽電池セル、モジュール、積層体及び/またはパネル
    ・部分的または完全に、他の製品(建物集積材料など)に組み立てられたものを含む。
    ・下記に当てはまる、対象国以外の関税地域で(全てまたは一部が)製造されたセルを用いている。
     ・対象国で生産されたインゴット・ウエハーを使用している。
     ・対象国で製造開始し、対象国以外の国で完成したセルを含む。
  • セルは、
    ・厚さが20μm以上。
    ・p/n接合を持つ。
    ・他のプロセス(洗浄、エッチング、コーティング、発電電力の収集・出力のための他の素材の付加(導体パターン等))の有無には寄らない。

調査対象から除外された製品

  • 薄膜型太陽電池製品(アモルファスシリコン、CdTe、CIGS)
  • アンチダンピング関税・相殺関税(2012年12月7日に最終決定)が既に適用済みの、中国製の結晶シリコン太陽電池セル。(モジュールに組み込まれているか否かは問わない)
  • 下記条件に該当する消費者製品
    ・1製品内のセルの表面積が、計1万mm2を超えない。
    ・セルが恒久的に、その製品に組み込まれている。
    ・セルの機能は発電のみであり、発電電力はその製品で消費される。

今後の予定

  • 今回の決定を受けて、米商務省(DOC)は該当製品に対する調査を続ける。
    また、下記の措置を行う。
    2014年3月26日ころ:予備的相殺関税の決定
    同年6月9日ころ:アンチダンピング関税の決定

またニュース記事[2]では、中国・台湾からの太陽光発電向け製品の輸入額について、下記の数字が記載されています。(※2012年は商務省、2013年はITCの統計による)

  • 中国
    ・2012年:20億ドル強
    ・2013年:前年の約1/3減少(約14億ドル?)
  • 台湾
    ・2012年:5億1000万ドル
    ・2013年:前年から40%以上増加(約7億ドル?)

2012年のペナルティー措置では、中国製以外のセルを用いた中国製モジュールが対象外だったので、最終決定前から台湾でのセル生産が急に活発化していましたが、今回のITCの判断内容からは、その回避策を潰すものであることが伺えます。

中国・台湾からの太陽光発電向け製品の(米国の)輸入額は、中国の減少と対照的に台湾が増加していますが、果たして台湾でも中国と同様に、メーカーに対して「不適切な水準の助成」が行われているのか、という点は興味を引かれるところです。

太陽光発電の導入拡大に及ぶ影響については、前回措置決定の翌年(2013年)の米国での太陽光発電導入量は堅調な伸び(前年比15%増)だっただけに、米国側としては、中国・台湾製品の輸入量が減少してもさほど影響は無い、と見ているのかもしれませんが、現状でも両国の製品が一定のシェアを確保しているのは確かであるだけに、今後新たにペナルティー関税が実施された場合、太陽光発電の導入拡大に水を指す可能性は否定できないと考えます。

いずれにせよ、つい先日の通商代表部による、WTOへのインドの提訴と合わせて、「ルール」の中で自国産業に最大限有利な状況を確保しようという、米国側の姿勢は強く感じられます。
もっとも、太陽電池メーカー以外(設置業者など)にどう影響するのかは判りませんが。


※参照・参考サイト:
[1]USITC VOTES TO CONTINUE CASES ON CERTAIN CRYSTALLINE SILICON PHOTOVOLTAIC PRODUCTS FROM CHINA AND TAIWAN(米国際貿易委員会)
http://www.usitc.gov/press_room/news_release/2014/er0214mm1.htm
[2]米ITC、中国・台湾の太陽光発電向け製品が国内産業侵害の恐れと仮決定(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0LJ5DP20140214

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2014年02月13日

米通商代表部が、インド政府による国内製太陽光発電設備の採用要件を、WTOに提訴する方針

米国通商代表部USTR)が2014年2月10日に、

  • インド政府が国内の太陽光発電に自国製機器の使用を条件付けていることについて、WTO提訴する。
との方針を発表していました[1][2]。

同部のMichael Froman氏によるコメント[1]の中で、下記の状況・主張が記載されています。

  • インドの「National Solar Mission」の「フェーズII」では、国内製設備の使用が要求されている。
    これは米国製品を差別するものであり、WTOのルールに違反している。
    我々は、米国の労働者や企業のために立ち上がることを決定する。
  • この要件は、クリーンエネルギーに関する米印2国の協力成功を損ない、またコスト上昇によりインドでの太陽エネルギーの展開を妨げる。
  • 今回のアクションは、National Solar Missionの「フェーズI」に対して起こした挑戦(2013年2月)に続くものである。

先月下旬に発表されたインド国内でのメガソーラー事業(750MW)の入札状況[3]では、明らかに外資系という事業者名は著しく少なく(BelectricとFirst Solarぐらい)、これも国内製機器・設備の採用要件が影響しているのかもしれません。

それはさておき、中国製太陽電池へのペナルティー課税を実施している米国が、他国の発電設備の「コスト上昇」を心配しているというのはある種滑稽ですが、あくまで自国産業の利益獲得が目的という意味では、一貫しているとも感じます。
(特に今回の件では、高温に強いCdTe型モジュールを手がけるFirst Solar社の展開拡大が、念頭に置かれているものと推測する)

インドは中国に次ぐ人口規模を持つだけに、米国の思惑は抜きにしても、海外企業が参入しやすい市場になりうるのか、という点では、提訴がどのような結果をもたらすのか、世界の太陽光発電産業の将来に大きく影響する可能性はあるのかも、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]Remarks by United States Trade Representative Michael Froman Announcing Enforcement Action with Regard to India(USTR)
http://www.ustr.gov/about-us/press-office/press-releases/2014/February/Remarks-by-USTR-Froman-announcing-enforcement-action-with-regard-to-India
[2]米国、インドをWTO提訴 太陽光発電の国産品優遇めぐり(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0LF5LH20140210
[3]インド政府系機関、合計750MWのメガソーラーの入札結果を公表(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140122/329340/

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2014年01月16日

2013年の米国の太陽光発電導入量は4.2GW(前年比15%増)、大規模設備が8割以上

Solarbuzzが1月8日に、2013米国における太陽光発電の導入状況を公表していました[1]。

主な数字は下記の通り。

  • 導入量4.2GW(前年比15%増)
    第4四半期単独では1.4GW。(四半期では過去最高を更新)
  • 部門別
    Large-scale:全導入量の80%以上を占めた。
     地上設置型は通年で3GW、4Q単独では1GW超。
    Large rooftop500MW超
     過去数年間とほぼ同水準。
    small-scale(住宅・非住宅の屋根):約700MW(前年比10%増)
     住宅向けが需要の3/4を占めた。
  • 州別
    1位は前年と同じくCalifornia
    2位のNorth Carolinaは、前年から順位を3つ上げているが、これはutility-scaleの動向の活発さによる。
    3位のArizonaと4位のNew Jerseyは、North Carolinaが2位に入ったため、前年より1つ順位を落としている。

全体としては、アジア太平洋地域の合計(2013年は18GW以上の見通し[2])には流石に及ばないものの、かつての最大市場だったドイツ(3.3GW)を超えており、太陽光発電市場がこれまで以上に、地域的な拡大を見せていることが伺えます。

米SEIAによる第3四半期のデータのほうでは、住宅向けの大きな伸びが強調されていましたが、今回のSolarbuzzのデータでは、導入量における産業用大規模発電の寄与の大きさが、改めて感じられます。

米国は一昨年に中国製結晶型モジュールへの制裁関税を実施しており、今回の数字にはそのマイナス影響は感じられませんが、これは大規模設備(恐らく薄膜型メイン)が大部分を占めていることに依るのでは、と推測します。

住宅用については、SEIAのデータでは第3四半期(186MW)は前年同期比49%増である一方、Solarbuzzのデータで「small-scale」の伸びが1割に留まっており、(small-scaleのほうは非住宅も含むとはいえ)伸び率に大きな差があるのが不思議です。
もっとも186MW×4=738MWなので、導入量の数字としては、辻褄が合っているとは感じますが。


※参照・参考サイト:
[1]Record 2013 Solar PV Installations Promotes U.S. to Strongest Market Outside Asia-Pacific, According to NPD Solarbuzz
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/record-2013-solar-pv-installations-promotes-us-strongest-market-outside-asia-pa
[2]Asia-Pacific Region to Account for Half of Global Solar Photovoltaic Demand in 2014, According to NPD Solarbuzz
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/asia-pacific-region-account-half-global-solar-photovoltaic-demand-2014-accordin

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posted by 管理人 at 22:01 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

ドイツの2013年の太陽光発電新規導入量は3.3GW(前年比約55%減)

ドイツの業界団体「BSW-Solar」が1月9日に、同国の2013太陽光発電市場の状況について発表していました[1][2]。

この中で、下記の数字が紹介されています。

  • 新規導入量
    2012年:7.6GWp
    2013年:3.3GWp(前年比約55
  • 設備の価格:過去2年間で約1/4減少
  • 電力買取価格:同半減
  • 発電電力量
    2012年:117億kWh(全電力需要の2%相当)
    2013年:297億kWh(同5%相当)

ドイツについては、最近は電力買取価格が下がった分自家消費用としての導入が増えつつあるとの(連邦環境省による)報告もあっただけに、市場・産業がかなり成熟しているものと思っていたので、新規導入量が一気に半分超も減ったことには非常に驚かされました。

ただ一方で、2013年の新規導入量が前年の半分以下、というのは連邦環境省の予測どおりでもあり、その点では電力買取価格の引き下げによる市場・需要のコントロールが上手くできている、ということかもしれません。(もっとも、買取価格の調整でそのように簡単にコントロールされてしまう、ということでもあるが)

ともかくこの急減度合いだと、例えば施工業者は相当厳しい状況に直面していると思われるだけに、実情がどうなのか非常に気になるところです。

[2]ではEUの反ダンピング措置により設備価格が下げ止まっていることも報じられていますが、その中でFITに頼らない取り組み(例えば東芝が参入する賃貸アパート利用の電力小売事業)が、新しい発電事業の形として確立し、ドイツの太陽光発電市場が(先進市場として)明確に新しい段階に入るところを、見てみたいものです。


※参照・参考サイト:
[1]Solarstrom-Zubau 2013 mehr als halbiert(BSW-Solar)
http://www.solarwirtschaft.de/presse-mediathek/pressemeldungen/pressemeldungen-im-detail/news/solarstrom-zubau-2013-mehr-als-halbiert.html
Google翻訳の結果
[2]ドイツの太陽光発電、新設半減 日米中台頭で首位陥落へ(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM1400H_U4A110C1EB1000/

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2014年01月12日

米SEIAの調査結果では、米国の2013年第3四半期の新規導入量は930MW(前年同期比30%超)

SEIAが昨年12月に、2013年第3四半期米国ソーラーマーケットに関する調査結果を公表していました[1]。

このうち、太陽光発電に関する主な数字・状況は下記の通り。

導入量

  • 新規導入量930MW(前四半期比20%超の増加、前年同期比35%超の増加)
    四半期別では、米国史上2番目に大きい。
    部門別では、
    residential186MW(前年同期比49%増)
     四半期別では、史上最も大きい数字となった。
     TPO(third-party-owned)の割合も増しており、例えばCalifornia州では約70%、Arizona州では80%超に達している。
    non-residential:全体としては横ばい。
    utility539MW
     新規導入量の半分以上を占めた。

設備の価格・規模

  • PVシステム価格3.00ドル/W
    前四半期(3.13ドル/W)比4.2%減、前年同期(3.59ドル/W)比では16.4%減。
    部門別では、
    residential4.72ドル/W(前四半期比2%減、前年同期(5.22ドル/W)比9.7%減)
     価格の範囲は、3.00ドル/W未満〜7.00ドル/W超。
    Non-residential3.96ドル/W(前四半期比6.5%増、前年同期(4.22ドル/W)比6.1%減)
     価格の範囲は、1.85〜7.75ドル/W。
    ・Utility:2.04ドル/W
     ※前四半期は2.10ドル/W、前年同期は2.40ドル/W)
  • システムの平均サイズ
    residential:約6.0kW
    non-residential100kW未満(100kWを下回ったのは2011年以来)

国土が広大な米国で「utility」(メガソーラー等)が大きな割合を占めているのは当然として、今回は住宅用(residential)が大きな伸びを見せているのが意外ですが、non-residentialの小規模化と合わせて、新規導入分については大規模から中小規模へのシフトが起こりつつある、ということかもしれません。

住宅用のシステム価格の下がり幅の大きさは、機器の値下がりだけでなく、政府主導による「Rooftop Solar Challenge」や、販売事業者による販売・顧客獲得コストの低減といった取り組みの効果も出ているものと想像します。

もう一つ住宅用では、第三者が設備を所有する「TPOモデル」[3]の拡大も進んでいるとのことで、(住宅所有者による導入費用負担が一般的な)日本とは、また異なる状況が伺えるのが興味深いです。

ただ全体の(住宅用・産業用あわせての)導入量については、日本の最近の導入ペース(月あたり500MW超)を下回るものであり、国土(日本の約27倍)と人口(同約2.5倍)の差を考えると、まだまだ物足りない気もします。


※参照・参考サイト:
[1]Solar Market Insight 2013 Q3(SEIA)
http://www.seia.org/research-resources/solar-market-insight-2013-q3
[2]米国の2013年の太陽光発電システムの設置が4.3GWと「記録破りの年」に(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20140108/326331/
[3]高まる太陽光発電の“ソフトコスト”、2020年までに80%削減へ(同上)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20140107/325960/

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2013年12月05日

東芝がドイツで賃貸アパート利用の電力小売事業に参入予定、FITは利用せず

東芝2013年12月4日に、

  • ドイツ国内で、賃貸アパート屋根を利用した電力小売事業に参入する。
との方針を発表していました[1]。

事業の概要は下記の通り。

背景

  • ドイツではFITの導入(2000年)以後、電力買取価格が低下している一方で、電気料金は値上がりしている。
    また電力取引の自由化により、小売事業者は、卸電力市場から直接電力を調達できる。

事業内容

  • 提携企業:現地の不動産大手「GAGFAH(ガグファ)」
  • 仕組み
    ガグファ社の保有アパートに、東芝製太陽光発電システムを設置する。(費用は、年金基金などから投資を募集)
    この設備の発電電力を、小売事業者(東芝インターナショナル・ヨーロッパ社ドイツ支店(TIL))が購入。
    電力系統を経由せず、配電事業者の売電価格より安い価格で、アパートの居住者に直接売電する。
    (※発電できない時間帯(夜間など)は、TILが卸電力市場から電力を調達し、太陽光発電の売電価格と同等の価格で、居住者に売電する)
  • 特徴
    電力需要地に近い場所に太陽光発電システムを設置し、発電電力を居住者が直接消費することで、4者(TIL、ガグファ、投資者、アパート居住者)にメリットが見込まれる。
    また、地域の電力系統への負担も軽減できる。
  • 開始時期:2014年3月の予定
    当初はフィーリンゲン・シュウェニンゲン市とオストフィルダン市で展開する。
  • 発電容量
    ・開始時点:計3MW(750世帯に売電)
    2016年時点:計100MW(ドイツ全域に拡大)

ドイツ国内では電力買取価格の値下げにより、発電電力を自家消費するメリットが増しているとのことですが、いよいよFITを介さない発電事業が生まれる状況になっているのは、非常に興味深いです。

開始当初の規模(3MW)の年間発電電力量を仮に300万kWhとすると、発表内のイメージ図の記載数字から、TILの買電額は年48万ユーロ、住民への売電額は年63万ユーロで、差額の年15万ユーロがTILの収益になると考えられます。

初期投資の回収期間の短縮には、設備の設置コストのダウンが最重要になると思われるので、その点で本事業ではどのような取り組みを行うのか、というのは気になるところです。

将来的には日本国内でも同様の事業が生まれるようになれば・・・と思いますが、まずはドイツでの事業が上手く行くかどうか、期待しつつ注目したいと思います。


※参照・参考サイト:
[1]ドイツにおける太陽光発電の電力小売事業への参入について(東芝)
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2013_12/pr_j0401.htm?from=RSS_PRESS&uid=20131204-2905
[2]Gagfah
http://www.gagfah.de/en.html

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2013年11月30日

米国内で計画されている太陽光発電プロジェクト・パイプラインは43GW(前年比7%増)・2400件、件数では30MW未満が大多数

Solarbuzz社が2013年11月25日に、米国内での太陽光発電のプロジェクト・パイプライン(設置完了予定のプロジェクト)に関する調査結果を発表していました[1]。

主な数字・状況は下記の通り。

  • 総容量43GW(前年比7%増)
    米国世帯600万件の電力需要に相当。
    進行状況は、
    ・建設中:8.5
    ・計画中:63.1
    ・計画前:23.9
    ・遅れている:4.4
  • 件数2400
    規模別の内訳は、
    50kW〜1MW:43.7
    1〜20MW:40.8
    20〜50MW:7.0
    50〜100MW:3.8
    100MW超:4.7
  • その他
    2014年には、米国の太陽光発電市場は(中国・日本に次ぐ)世界3位の規模になると見込まれる。
  • 背景
    ・短期的には、100MW超のプロジェクトが大きな割合を占めている。
     これらの建設は順調であり、今後3年間で稼働可能になる新規設置容量のうち、容量の上位10件で5GW以上を占める見込み。
    ・しかし、開発業者が投資税額控除(30%)を得るには、期限(2017年を迎える前)までにプロジェクトを完了させる必要がある。
     このため現在は、比較的短期間で完了できる小規模プロジェクト30MW未満)が、重点的に進められる傾向がある。
     この小規模プロジェクトの件数は、最近1年で33%増加し、2100件以上に達している。

建設中のものはまだ1割に満たないとはいえ、43GWという規模には驚かされます。
また住宅用の導入量(2016年に約2.2GWの見込み)と比べても段違いに大きい数字で、発電容量における産業用太陽光発電の有利さも、強く感じられます。

2014年の米国市場規模は世界3位の見込みとのことですが、今後全てのプロジェクトの建設が始まれば、日本を追い越すのは容易と思われます。

もっとも、20MWを「small」とするほど、日本と設置環境・条件(国土の広さ、気候など)が大きく異なっているので、単純比較にあまり意味はないとも思いますが、ともかく世界のメイン市場が、かつての欧州から新しい国・地域に本格的に移りつつあることは、確かであると感じます。


※参照・参考サイト:
[1]米国は2014年は中国、日本に次ぐ世界第3位のPV市場に成長(Solarbuzz社)
http://www.solarbuzz.com/jp/news/recent-findings/us-solar-photovoltaic-pipeline-grows-43-gigawatts-enough-power-more-six-million
[2]US Solar Photovoltaic Pipeline Grows to 43 Gigawatts: Enough to Power More Than Six Million Households, According to NPD Solarbuzz (同上)
http://www.solarbuzz.com/news/recent-findings/us-solar-photovoltaic-pipeline-grows-43-gigawatts-enough-power-more-six-million

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2013年11月21日

米DOEが「Rooftop Solar Challenge」の第2段階を発表、第1段階では認可時間の40%減・導入費用の10%以上削減を実現

米国エネルギー省(DOE)が2013年11月6日に、「Rooftop Solar Challenge」の新たな取り組みを発表していました[1]〜[3]。

このプロジェクトは「SunShot Initiative」の一環として、米国内の建物屋根(住宅や小規模な商用設備)への太陽光発電導入促進のために、コスト削減の推進を図るもので、第2段階となる今回は、8つの支援先(チーム)が1200万ドルの支援を得て取り組むとのこと。

また米国内での屋根設置システムに関して、発表の中では下記の数字が紹介されています。

  • 太陽電池モジュールのコスト:現在は35年前の約1%。
  • ソフト(設計、設置、メンテナンス等)がシステム費用に占める割合:現在は約60%以上。
  • 導入環境の複雑さ:
    全米には1万8000以上の行政区域と5000以上の電力会社があり、設置認可の条件や系統接続のルールが各々異なっている。
  • 「Rooftop Solar Challenge」の第1段階の成果
    22チームが参加し、
    認可にかかる時間40%削減
    費用10%超削減
    を実現した。(適用できる米国民は4700万人超)

モジュール価格が35年前の1/100ということに驚きますが、他方では、導入費用を大幅に減らすうえで、機器価格以外のコスト削減の重要性が格段に増していることを、強く感じさせられます。

SunShot Initiativeのコスト削減目標(10年間で75%削減)と比べると、「Rooftop Solar Challenge」の現時点の成果はまだ小さいですが、それでも具体的な数字を示しているのは成果や進展状況が判りやすく、国民の理解も得やすいのでは、と考えます。

米国での2013年の住宅用の導入量見通しは770MWと、日本の直近の実績(FIT導入後の1年1ヶ月で約1.5GW)と比べるとまだまだ小さいだけに、今回の取り組みが普及スピードアップにどれだけ寄与するのか、という点も強く注目していきたいところです。


※参照・参考サイト:
[1]Energy Department Invests $12 Million to Slash Red Tape and Speed Solar Deployment for Homes and Businesses(米DOE)
http://energy.gov/articles/energy-department-invests-12-million-slash-red-tape-and-speed-solar-deployment-homes-and
[2]Rooftop Solar Challenge: Empowering Innovators to Reach for the Sun(同上)
http://energy.gov/articles/rooftop-solar-challenge-empowering-innovators-reach-sun
[3]Rooftop Solar Challenge(同上)
http://www1.eere.energy.gov/solar/sunshot/rooftop_challenge.html
[4]アメリカエネルギー省、屋上設置型太陽光発電設備設置の手続き簡素化・低コスト化により普及を進める8チームを発表(環境ビジネス)
http://www.eic.or.jp/news/?act=view&word=&category=&oversea=1&serial=31334

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2013年09月18日

米国での住宅用太陽光発電の普及動向を報じている「サンケイビズ」の記事

ニュース記事[1]で、米国での住宅用太陽光発電の普及動向について報じられていました。

この中で、下記の数字・状況が紹介されています。

  • 全米でのパネル設置量
    2012年:約494MW
    2013年見通し:770MW
    2016年予想:2,175MW
    (「Solar Energy Industries Association」による数字)
  • 初期費用
    ・機器価格(太陽電池パネル、関連機器):2013年1-3月期は、前年同期比18
    ・設置費用:現在は、3kWのシステムで1万5,000ドル未満。(Sunpower社CEOによる)
  • 電力会社の収益減少
    カリフォルニア州の電力会社「PG&G」は、
    ・住宅用太陽光発電の普及が進むと、電力会社がインフラ維持に必要な収益を得られず、送電網が危険な状態に陥ることになる。
    と指摘している。

2012年の設置量は、日本での2012年度の住宅用の新規稼動分(約127万kW)の約4倍であり、米国でも住宅用設備の普及が勢いを増していることが伺えます。

設置コストは日本とさほど変わらないようですが、普及の進展について、電力会社が電力販売減・収益悪化の懸念を示すほどになっているというのは、非常に驚きました。
ただ、カリフォルニア州の補助制度は種類・内容ともに手厚い[2][3]とのことなので、同州特有の状況という可能性も考えられます。

とはいえ、例えばドイツでは売電用から自家消費用へのシフトが起きており、太陽光発電の初期コスト・発電コストの低下は、そう遠くない将来に、電力会社・電力網のあり方に想像以上の変化をもたらす可能性があるのかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]米住宅、広がる太陽光パネル 義務付けの町も、需要56%増(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130917/mcb1309170501000-n1.htm
[2]カリフォルニア州の補助制度、透明化で太陽光発電産業を自立に導く(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20120307/207831/
[3]カリフォルニアが太陽光発電をリードする! 〜米国の家庭用太陽光発電システムの動向〜(プラチナ社会研究会)
http://platinum.mri.co.jp/node/345

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posted by 管理人 at 00:42 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米