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2013年05月07日

加オンタリオ州のFITについて、WTOの上級委員会が日本・EUの主張を概ね認める判断

WTOが2013年5月6日に、カナダ・オンタリオ州の再生可能エネルギーのFITを巡る通商紛争について、上級委員会の判断を公表していました。

WTOのサイト[1]やニュース記事[2][3]によると、補助金が存在するという日本の主張は棄却されたものの、全体としては日本・EUの主張が概ね認められ、カナダに制度の是正が勧告されているとのことです。


上級委員会の判断は最終審に相当するとのことで、3年近くに渡った紛争もこれで終了、ということでしょうか。

勧告の履行期間は、原則として15ヶ月以内とされている[4]とのことで、今後オンタリオ州がFITをどのように変更することになるのか(時期、内容)、注目したいところです。

ただ個人的には、FITで地域の産業に恩恵をもたらそうという考え方自体は共感でき、メガソーラーでの海外製品の割合が8割に達している[5]という日本が、今回のオンタリオ州に対する主張と同じ(海外製品の参入を阻害しないという)姿勢を、自国の市場についても貫くことができるのか、非常に気になるところです。


※参照・参考サイト:
  • [1]Appellate Body issues reports on renewable energy dispute(WTO)
    http://www.wto.org/english/news_e/news13_e/412_426abr_e.htm
  • [2]カナダの太陽光発電の制度で日本側勝訴(NHK)
    http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130507/k10014391641000.html
  • [3]カナダとの太陽光紛争、日本とEU勝訴 WTO報告書公表(サンケイビズ)
    http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130507/mcb1305070823001-n1.htm
  • [4]世界貿易機関(WTO)紛争解決制度とは(外務省)
    http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/wto/funso/seido.html
  • [5]中国系メガソーラー、続々と東北進出 国産後退、エネルギー安保に影(サンケイビズ)
    http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130501/cpc1305011031000-n1.htm

※関連記事:
posted by 管理人 at 22:35 | Comment(2) | 市場・業界の動向:欧米

2013年04月11日

欧州の太陽光発電関連1,024社が欧州委員会に、中国製太陽電池の反ダンピング・反補助金調査に対する懸念を表明

欧州の「The Alliance for Affordable Solar Energy(AFASE)」が2013年4月8日に、

・太陽光発電関連の1,024が先週、欧州委員会に、中国製太陽電池を対象とする反ダンピング・反補助金調査についての懸念を示す書簡を送った。

と発表していました。

同団体のサイト[1]やニュース記事[2][3]によると、この書簡では制裁措置が実施された場合に予想される、

EUでの太陽エネルギーの成長
欧州の雇用創出

への負の影響を強調しているもので、[1]ではベルギー「Cleantec Trade」社CEOのWouter Vermeersch氏による、

・欧州の太陽光発電産業全体において、勝者は誰もおらず、敗者だけが存在することになるだろう。
・上流・下流のサプライヤー(欧州の太陽光発電サプライチェーンの価値の70%を占める)に及ぼす害は、EUのPV生産者が受ける利益を上回るだろう。

等の指摘が紹介されています。

また[3]では、AFASEの広報担当者による

・欧州20ヶ国以上の太陽光エネルギー企業(約700社)が、制裁停止を求めている。

等の内容のコメントが紹介されています。


昨年11月には、EU圏内でも中国製太陽電池へのペナルティーに対する姿勢は割れていると報じられていましたが、今回はその実情の一端が具体的に表面化した、ということでしょうか。

単純に(制裁措置により)太陽電池パネルの価格が上がる可能性が高いのであれば、パネルメーカー以外の企業(販売事業者や施工業者など)が強い反対姿勢を示すのは、当然という気はします。(※書簡を送った企業の内訳は全く分かりませんが)

個人的には、損得勘定を重視するのではなく、あくまで公正な状況か否かによって制裁の実施を判断してほしいと考えますが、果たしてどうなるのか、引き続き注目していきたいところです。


※参照・参考サイト:
・[1]Over 1000 representatives of EU companies sent letter to European Trade Commissioner rejecting potential duties on Chinese manufactured solar modules(AFASE)
 http://afase.org/en/media/over-1000-representatives-eu-companies-sent-letter-european-trade-commissioner-rejecting
・[2]欧州の太陽光発電製品メーカー、欧州委に対中国製品への制裁回避を要求(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/xinhuajapan/AUT201304100080.html
・[3]欧州太陽光発電企業700社中国企業制裁に反対(CRI online)
 http://japanese.cri.cn/881/2013/04/10/201s206929.htm
・[4]Cleantec Trade
 http://www.cleantectrade.com/


※関連記事:
独メルケル首相が、中国の太陽電池メーカーのダンピング疑惑に意見を表明(2012/09/05)
EUの欧州委員会が、中国製太陽電池のダンピング調査を開始(2012/09/08)
EUによる中国製太陽電池の反ダンピング調査の対象企業は、輸入額の80%を占める134社(2012/10/14)
EU圏内で、中国製太陽電池パネルへの反ダンピングに対する姿勢が割れているとのこと(2012/10/31)
EUの欧州委員会が、中国パネルメーカーへの政府補助金による市場のアンバランス化の問題について調査を開始(2012/11/09)

中国商務省が、EU製の太陽電池向け多結晶シリコンが不当な補助金を受けている、としてWTOに提訴(2012/11/07)
posted by 管理人 at 19:28 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2013年04月04日

イタリア警察が、シチリアで再生可能エネルギー事業などを手がける実業家の資産を押収、太陽光・風力などの企業43社の株式が含まれる

イタリアのANSA通信が2013年4月3日に、

・同国の警察当局が、マフィアと関わりがあるとして、シチリアで再生可能エネルギー事業などを手掛ける実業家の資産(計13億ユーロ相当)を押収した。

と報じていました。

ニュース記事[1][2]によると、実業家はシチリアのマフィア「Cosa Nostra」と緊密な関係を持っており、それが同地域の再生可能エネルギー事業における実業家(電気技術者から転身)の地位確保につながったと見られているとのこと。

今回の押収物には、再生可能エネルギー会社(太陽光発電、風力発電など)43社の株式が含まれており、また実業家は事業において

・ルクセンブルグ
・デンマーク
・スペイン

の企業と「関係」を持っていた、とされているとのことです。


2011年には太陽光発電導入量でイタリア(9.3GW)がドイツ(7.5GW)を上回っていましたが、再生可能エネルギー市場・産業の急拡大においては、反社会的勢力が関わってくる可能性も大いに有る、ということでしょうか。

シチリアにはシャープが携わった薄膜太陽電池工場がありますが、今回の件と関わりが無かったかどうか、野次馬的ですが気になるところです。(もっとも製品の販売側としては、相手の素性をそこまで見抜くことは難しいとは思いますが)


※参照・参考サイト:
・[1]過去最大1500億円押収=シチリアのマフィア捜査−伊警察(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013040300857
・[2]Wind-farm king linked to Mafia head in record assets seizure(「ANSA.it」の元記事)
 http://www.ansa.it/web/notizie/rubriche/english/2013/04/03/Wind-farm-king-linked-Mafia-head-record-assets-seizure_8494667.html
posted by 管理人 at 08:36 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2013年02月07日

カナダがオンタリオ州のFITを巡るWTO・紛争処理小委員会の判断について、不服として上級委員会に上訴

WTO2013年2月5日に、カナダ・オンタリオ州FITを巡る通商紛争について、

・カナダ側が紛争処理小委員会(パネル)による判断(第1審に相当)を不服として、上級委員会に上訴した。

と発表したとのことです。

(ニュース記事)
・カナダが紛争処理で上訴=太陽光発電制度の差別問題−WTO(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013020700022

(WTOのサイト内ページ)
・Canada appeals renewable energy dispute panel reports
 http://www.wto.org/english/news_e/news13_e/ds412_426apl_06feb13_e.htm


現時点では詳細はまだ発表されておらず、詳しい状況は分かりませんが、上級委員会での判断が出るのにまた時間がかかるとすれば、地元企業を優遇する現在の状況は(良し悪しは別として)しばらく変わることは無いのでは、と考えます。

次の判断が出るまでに、世界の太陽光発電市場が果たしてどのように変化しているのか、という点も含めて、気長に動向に注目していきたいところです。


※関連記事:
日本政府が、カナダ・オンタリオ州の電力買取制度における地元企業優遇に対し、WTOルール違反として提訴する方針(2010/09/13)
日本政府が、加オンタリオ州での海外製太陽光発電設備の販売制限について、WTOに「紛争処理小委員会(パネル)」の設置を要請(2011/06/03)
WTOが加オンタリオ州の地元企業助成制度について、日本・EUの主張(WTOの協定違反)を支持する中間報告を示していたとのこと(2012/10/19)
WTOが加オンタリオ州の電力買取制度について、輸入品の差別を禁止する協定に違反していると判断(2012/12/20)
posted by 管理人 at 20:37 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2012年12月28日

英国の太陽光発電容量は2011年7月〜2012年7月に5倍まで拡大、コストは2011年1年間で50%まで低下

英国エネルギー・気候変動省(Department of Energy & Climate Change)が2012年12月27日に、同国内の再生可能エネルギーの導入・稼動状況について発表していました。

(ニュース記事)
・イギリス 自然エネ発電 拡大 20年までに雇用30万人増 投資継続がコスト引き下げ(しんぶん赤旗)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-12-28/2012122805_01_1.html

(エネルギー・気候変動省のサイト内ページ)
・UK Renewable Energy powers forward
 http://www.decc.gov.uk/en/content/cms/news/pn12_170/pn12_170.aspx

上記URL先ページによると、まず2011年7月〜2012年7月の期間における再生可能エネルギー発電の実績について、下記の数字が示されています。

・発電電力:27%増加
・発電容量:40%増加
・国内の発電電力に占める割合:10%以上

そして太陽光発電については、下記の数字・状況が挙げられています。

発電容量:同期間で5倍に増加
コスト2011年の1年間で50%まで減少した。


具体的な発電電力量の数字は示されていないのが残念ですが、英国内で再生可能エネルギーの導入が確実に進んでいることは強く感じられる発表内容です。

ただ地域別の事例では、風力発電事業が大部分を占めており、太陽光発電は(設置量が急拡大しているとはいえ)まだまだ小さい存在だと見受けられますが、太陽光発電のコスト低下は急激に進んでいるとのことなので、それが今後の設置拡大にどう影響してくるのか、非常に興味を引かれるところです。


※関連記事:
英国が、家庭用の自然エネルギー発電を対象とする、フィードインタリフを導入予定(2010/02/13)
英国の2010年7月の太陽電池設置量(4.6MW)は2009年通期を上回る規模、FIT導入が背景(2010/08/14)
英国政府が太陽光発電向け支援策の縮小を検討中、市場も急激にしぼむ懸念(2011/03/01)
英国政府が、大規模太陽光発電設備(50kW超)向けの新しい電力買取価格(8.5〜19ペニー/kWh)を承認(2011/06/23)
英国のエネルギー・気候変動省(DECC)が、太陽光発電の電力買取価格の引き下げ案を公表(2011/11/03)
英国で、FIT値下げ日(2011年12月12日)前の1週間の太陽光発電システム設置件数は約3万件、しかしその次週は約800件(2011/12/23)
英国政府がFITの改革計画を発表、家庭用は2012年4月1日から21ペンス/kWhに引下げ(2012/03/06)
英国政府がFITの改定案を発表、家庭用の小規模太陽光発電の電力買取価格は16ペンス/kWhに引き下げ(2012/06/13)
posted by 管理人 at 18:17 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2012年12月20日

WTOが加オンタリオ州の電力買取制度について、輸入品の差別を禁止する協定に違反していると判断

WTOの紛争処理小委員会が2012年12月19日に、カナダ・オンタリオ州の再生可能エネルギー向け電力買取制度に対する日本とEUの主張(輸入品の差別)についての報告書を発表したとのことです。

(ニュース記事)
・日本、カナダに勝訴=太陽光発電事業で差別−WTO(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012122000021

(WTOのサイト内ページ)
・WTO issues panel reports on Canada’s renewable energy measures
 http://www.wto.org/english/news_e/news12_e/412_426r_e.htm

上記URL先ページによると、今回の報告書では

・該当の制度は、輸入品の差別を禁止している協定に違反する。
・ただしこの制度は、オンタリオ州による企業への違法な補助金該当するとは言えない

との判断が示されているとのことです。


10月にはWTOの中間報告について報じられていましたが、それとほぼ同じ内容の最終判断、ということでしょうか。

今年春にはオンタリオ州での太陽光発電の電力買取価格が20%以上引き下げられたとのことで、仮にこれから輸入品の受け入れが緩和されたとして、海外企業の参入がどの程度の規模で進むのか、今後の動向に注目したいところです。


※関連記事:
日本政府が、カナダ・オンタリオ州の電力買取制度における地元企業優遇に対し、WTOルール違反として提訴する方針(2010/09/13)
日本政府が、加オンタリオ州での海外製太陽光発電設備の販売制限について、WTOに「紛争処理小委員会(パネル)」の設置を要請(2011/06/03)
WTOが加オンタリオ州の地元企業助成制度について、日本・EUの主張(WTOの協定違反)を支持する中間報告を示していたとのこと(2012/10/19)

加オンタリオ州でFITを初見直し、太陽光発電の買取価格は現在より20%以上引き下げ(2012/04/17)
posted by 管理人 at 21:01 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2012年11月09日

EUの欧州委員会が、中国パネルメーカーへの政府補助金による市場のアンバランス化の問題について調査を開始

下記URL先ページでは、

・EUの欧州委員会2012年11月8日に、
 ・中国の太陽電池パネルメーカーが、同国政府から補助金を受けている。
 とされる問題についての調査を開始した。

と報じられています。

(ニュース記事)
・EU、中国太陽光パネルメーカーの補助金問題で調査開始(世界日報)
 http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/2012-11-08T092926Z_1_TYE8A705J_RTROPTT_0_TK8270477-EU-CHINA-SOLAR.html
・EUと中国 太陽光パネルで摩擦激化(NHK)
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121108/k10013357701000.html

上記URL先ページによると、欧州の太陽電池パネルメーカーの団体「EUプロサン」(25社で構成)は、

・中国政府による補助金の影響で、同内の太陽電池パネル生産量は
 ・同国内需要20倍超
 ・世界需要の約2
 まで拡大し、市場を歪めている。

と指摘。

今回は欧州委員会が、この不服申し立てについて裏付けの十分な証拠が揃ったとして、正式調査を開始したとのことです。


EUは中国製太陽電池パネルに対する反ダンピング調査を開始しており、今回更に追い討ちをかけるような調査の開始ですが、それだけ欧州のメーカーでは中国メーカーと政府に対する不満が大きく高まっている、ということでしょうか。

EUプロサンが主張する数字が正しければ、今回の調査の正当性が俄然強くなると思われるので、まずは今後の調査でどのような事実が判明するのか、その動向に注目したいところです。


※参考サイト:
・[1]European Comisson
 http://ec.europa.eu/index_en.htm


※関連記事:
EUの欧州委員会が、中国製太陽電池のダンピング調査を開始(2012/09/08)
EUによる中国製太陽電池の反ダンピング調査の対象企業は、輸入額の80%を占める134社(2012/10/14)
EU圏内で、中国製太陽電池パネルへの反ダンピングに対する姿勢が割れているとのこと(2012/10/31)

中国商務省が、EU製の太陽電池向け多結晶シリコンが不当な補助金を受けている、としてWTOに提訴(2012/11/07)

米GTM Reseachが、2015年までに太陽光発電関連メーカー約180社が破綻または売却される、と予想(2012/10/17)
Financial Times紙が、中国の太陽光発電産業の危機的な状況を報道(2012/10/26)
posted by 管理人 at 14:51 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

米ITCが、中国製の結晶シリコン型太陽電池セル・モジュールによる米国内産業の損失を認定

米国際貿易委員会USITC)が2012年11月7日に、

中国製の結晶シリコン型太陽電池セル・モジュールに対してDOC(商務省)から示されていた
 ・反ダンピング税
 ・相殺関税
 の適用について調査した結果、米国内産業の損害を認める

と発表していました。

(ニュース記事)
・中国製パネルに「クロ」判定=太陽光発電機器に報復関税へ−米国(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012110800098
・中国製太陽光パネルに報復関税 米商務省が適用へ(サンケイビズ)
 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/121108/mcb1211080856023-n1.htm
・中国の太陽光発電機器、米でダンピング「クロ」(読売新聞)
 http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20121108-OYT1T00505.htm?from=ylist
・米ITC、中国製太陽光パネルへの関税適用を最終決定(Newsweek)
 http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2012/11/86714.php
・中国製太陽電池への関税を支持、米メーカー打撃で−米貿易委(ブルームバーグ)
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MD5GA96KLVRD01.html

(USITCのサイト内ページ)
・CRYSTALLINE SILICON PHOTOVOLTAIC CELLS AND MODULES FROM CHINA INJURE U.S. INDUSTRY, SAYS USITC
 http://www.usitc.gov/press_room/news_release/2012/er1107kk1.htm

上記URL先ページによると、今回の発表では下記の内容が記述されていました。

・調査の除外対象:
 ・薄膜型太陽電池(アモルファスシリコン型、CdTe型、CIGS型)
 ・表面積が1万mm2を超えない結晶シリコン型太陽電池セル
  (発電用以外の製品に用いられ、発電電力がその製品自体に使用される)
 ・中国製セルを用い、第三国で製造された結晶シリコン型太陽電池モジュール
 
米国の太陽電池産業の状況:
 ・生産者数:14
 ・2011年の結晶シリコン型セル・モジュールの産業・市場の状況:
  ・モジュールの生産・関連労働者の雇用数1,856
  ・モジュールの国内消費額30億1,000万ドル
   国内生産者による出荷額は7.905億ドル。
  ・中国からのモジュールの輸入比率57.4
 ・2011年の結晶シリコン型セル・モジュールの中国からの輸入規模
  ・輸入量:150kW
  ・輸入額:19億ドル

またニュース記事によると、商務省が決定していた課税における90日間の遡及適用については、ITCは反対多数で否決したとのことです。


米国市場で中国製品が実際にどの程度価格面でのアドバンテージがあったのかは分かりませんが、単純に関税の税率分がそれに相当すると考えると、米国での太陽光発電設備の設置・導入に及ぼす影響も小さくないと思われるので、今後の同国市場の動向(特に、投資が活発化しているという産業用)にも注視していきたいところです。


※関連記事:
米商務省が、中国製太陽電池への反ダンピング関税(18.32〜249.96%)・相殺関税(14.78〜15.97%)の課税を決定、実行はITCによる判断待ち(2012/10/12)

米国で太陽光発電事業への投資が活発化している状況を紹介している「サンケイビズ」の記事(2012/04/03)
posted by 管理人 at 14:44 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2012年10月31日

EU圏内で、中国製太陽電池パネルへの反ダンピングに対する姿勢が割れているとのこと

下記URL先ページでは、「ジョーズディ法律事務所」ブリュッセル事務所パートナーの方(レナート・アントニーニ氏)による、中国製太陽電池パネルに対するEUでのダンピング調査状況の解説が記載されています。

(ニュース記事)
・EUの中国製太陽パネル調査、2週間以内に立件か(朝日新聞)
 http://www.asahi.com/business/news/xinhuajapan/AUT201210300112.html

この中で、アントニーニ氏による

・太陽光発電産業の大国(ドイツ、スペイン、ギリシャ等)と異なり、
 ・英国
 ・デンマーク
 ・アイルランド
 ・オランダ
 ・スウェーデン
 等の北部国家は、反ダンピングには賛成していない

との解説が紹介されていました。


生産メーカーを多く抱える国と、設備の導入設置の推進が主な国とで、中国製の低価格製品に対する捉え方が分かれるのは、言われてみれば道理ではありますが、今回の記事のように具体的な国名を挙げて説明されると、やはり非常に興味深いです。

国内で同様に意見が分かれた米国では、結果的に関税課税措置の実施が濃厚になっていますが、多数の国々で構成されるEUでは果たしてどのような決定が下されることになるのか、強く注目したいところです。


※関連記事:
独メルケル首相が、中国の太陽電池メーカーのダンピング疑惑に意見を表明(2012/09/05)
EUの欧州委員会が、中国製太陽電池のダンピング調査を開始(2012/09/08)
EUによる中国製太陽電池の反ダンピング調査の対象企業は、輸入額の80%を占める134社(2012/10/14)

ブラトル・グループが、中国製太陽電池に反ダンピング関税を課した場合、税率50%で最大4万3,000人・同100%で最大5万人の雇用削減の可能性あり、等と試算(2012/02/01)
米ジョージ・メイソン大学の経済学者が、中国製太陽電池パネルへの反ダンピング関税による雇用減少数を正確に推計することは不可能、等と語る(2012/02/07)

米商務省が、中国製太陽電池への反ダンピング関税(18.32〜249.96%)・相殺関税(14.78〜15.97%)の課税を決定、実行はITCによる判断待ち(2012/10/12)
posted by 管理人 at 14:13 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米

2012年10月24日

独Siemensが太陽エネルギー発電事業から撤退する方針、事業環境の悪化・成長性の低さが背景

Siemensシーメンス)社が2012年10月22日に、

太陽エネルギー(太陽光・太陽熱)による発電事業から撤退する。

との方針を発表したとのことです。

(ニュース記事)
・太陽光事業から撤退=事業環境厳しく−独シーメンス(時事ドットコム)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012102300018
・シーメンス、不採算の太陽光発電事業から撤退−モジュール安で(ブルームバーグ)
 http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MCAEKR6S972B01.html
・シーメンス、太陽光発電事業から撤退(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2204F_S2A021C1FF2000/

(Siemens社のサイト内ページ)
・Siemens to focus its renewable energy activities on wind and hydro power - Exit from solar business planned
 http://www.siemens.com/press/en/pressrelease/2012/energy/e201210007.htm

上記URL先ページによると、方針の概要は下記の通り。

・背景:
 シーメンス社は2009年に、他社の買収を通じて太陽光発電事業に参入。
 しかし、
 ・市場環境の変化
 ・成長性の低さ
  (2030年時点では、世界の再生可能エネルギー(エネルギーミックスのうち28%)を
   ・水力:約54
   ・風力:約27
   ・太陽エネルギー:約9
   ・その他:約10
   と予想)
 ・価格押し下げ圧力の強さ
 といった要因により、太陽光発電市場に対する期待を満たすことができなかった。

・今後の予定:
 太陽エネルギー事業を売却。(※売却するまでは事業を継続する)
 再生可能エネルギー発電事業は、風力・水力に絞る。


著名企業の撤退はちょっと意外でしたが、現在の太陽光発電市場は、世界的な大企業だから生き残れる、という単純で易しい状況ではない、ということが強く感じられます。

ただ、例えば日本では一度撤退した日立製作所の再参入、また一度は非参入を決定していたパナソニックの参入といった事例があり、太陽光発電市場は環境の変化や技術革新が著しいだけに、状況次第ではシーメンス社も今後遠からず方針を変更する可能性があるのでは・・・と考えます。


※関連記事:
独「シーメンス」が、イスラエルの太陽熱発電機器メーカー「ソレル・ソーラー・システムズ」を買収する方針(2009/10/17)
「シーメンス・マレーシア」が「テナガ・ナショナル」と共同で、サバ州・サラワク州農村部での太陽光発電による電力供給の事業化調査を実施予定(2010/03/19)
独「Siemens Energy」が、イタリアで15MWの太陽光発電所建設プロジェクトを受注(2010/06/25)
ABBが「Helsingin Energia」「ノキア シーメンス ネットワークス」と共同で、ヘルシンキ市内での大規模スマートグリッドの開発・整備プロジェクトを開始(2010/07/09)
Siemens Energyがチェコで、大規模太陽光発電所(4MW)のターンキー契約を受注(2010/07/13)
サンテックパワーとシーメンスが、欧州プロジェクト対象の太陽電池モジュール供給で提携(2011/01/28)
posted by 管理人 at 01:15 | Comment(0) | 市場・業界の動向:欧米