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2019年04月26日

エクソル社が住宅向け商品「ジャストコンパクト」を発売、マイクロインバータ採用により、太陽電池モジュール3枚以下での設置も可能

エクソル社が2019年4月11日に、

  • 少ない枚数(3枚以下)の太陽電池モジュールでも設置できる、住宅向け商品「ジャストコンパクト」を販売開始した。
と発表していました[1][2]。

商品の概要は次の通り。


商品開発の背景
  • 国内の住宅用太陽光発電の導入件数は、2013年度(34万4000件)をピークに、年々減少している。
    また新築住宅での搭載率も、2017年度は17.5%に留まっている。
    (※新築住宅の着工件数は約42万件、うち太陽光発電の搭載件数は約7万3000件)
  • エクソル社が行ったアンケート(戸建住宅の居住者、または購入予定者が対象)では、太陽光発電に対する
    • 高価格
    • 荷重に耐えられる広い屋根が必要
    というイメージにより、設置を諦めた・検討しなかった人が多い、との結果が得られた。
  • 太陽光発電システム用のパワーコンディショナでは、電圧の関係上、太陽電池モジュールを最低4設置する必要がある。
    (=3枚以下では設置不可)
特徴
  • マイクロインバータを採用
    太陽電池モジュールとセットで動作するマイクロインバータにより、
    • モジュール1枚からの設置
    • 方位に関係無い設置
    が可能となり、小さな屋根や複雑な形の屋根にも対応できる。
  • 小規模でも高い省エネ効果
    電力使用量が300kWh/月の家庭で、太陽電池モジュール3枚設置の場合、
    • 日中の電力使用量をほぼ賄うこと
    • 電気購入量の30%削減
    が見込まれる。
    また、余剰電力の売電も可能。(※電力会社との契約が必要)
  • 機器の20年保証
    • 太陽電池モジュール
    • マイクロインバータ(※故障時は修理ではなく交換のみ)
    • 架台・金具
    が故障した場合の
    • 修理対応時の修理費用
    • 交換対応時の代替品費用(※撤去・再設置・運送の費用は除く)
    を、無償で20年保証する。
予想実売価格
  • 太陽電池モジュール3枚
  • 新築時の設置
の場合、39万8000円前後(工事費用含む)。
その他 [3]のQ&Aより。
  • 停電時の使用は不可能
    自立運転機能が無いため。
  • 蓄電池の接続は現状では不可。


今年1月には、カナメ社が同種の小規模商品「マイクロソーラー」を発表していました[4]が、そちらは法人限定で材料のみの販売(卸のようなもの?)であるのが、今回のエクソル社の商品と大きく異なっています。

そのエクソル社「ジャストコンパクト」は、従来より大幅な低価格化が可能となり、またモジュール設置の自由度も大きく向上したとのことで、マイクロインバータ採用の恩恵が強く感じられる、非常に魅力的な商品です。

しかし一方で、停電時の使用ができず、また蓄電池の接続もできないというのは、災害時・非常時への備えにはならないということであり、かなり残念です。

この点は、現状のマイクロインバータが持つ課題なのかもしれませんが、災害への意識が高まっている日本国内向けの商品としては、是非とも今後の対応を願いたいところです。

ただそのような難点があるとしても、「マイクロソーラー」「ジャストコンパクト」のような小規模商品は、住宅用太陽光発電の新しい姿を示すものだと思うので、このカテゴリは(企業・メーカーを問わず)今後盛り上がってほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システムが39万8千円前後で設置できる「ジャストコンパクト」の販売を開始(エクソル社、2019/4/11)
https://www.xsol.co.jp/news/2019/04/20686/
[2]同上(PR TIMES、同上)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000043644.html
[3]ジャストコンパクト(エクソル社)
https://www.xsol.co.jp/house/just_compact/
[4]自家消費型小規模太陽光発電「マイクロソーラー」発売開始(カナメ社、2019/1/1)
http://www.caname.net/topics/index.php?id=667

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2019年02月25日

2018/4-12の京セラ「ソーラーエネルギー事業」は減収に赤字急拡大、昭和シェルの2018/10-12「太陽電池事業」も赤字拡大。いっぽうシャープは海外EPC事業が「大きく伸張」、カネカは高効率製品が好調で増産も準備中

今回は、

  • 京セラ
  • シャープ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
最新の四半期2018/10-12)の業績発表[1]〜[6]から、太陽電池・太陽光発電に関する状況をまとめてみました。

京セラ
生活・環境」セグメントの
2018/4-12(3Q累計)
(※[1]の5枚目より)
  • 業績:
    • 売上高:約585億円(前年同期比28.6%)
    • 事業損失:約639億円(前年同期は約26億円)
  • 背景:
    • 売上高の減少は、ソーラーエネルギー事業の売上減による。
    • 事業損失は、減収と
      • ポリシリコン原材料に関する長期購入契約の和解費用等(約523億円)の計上
      による。
シャープ
「スマートホーム」セグメント
2018/10-12(3Q単独)
(※[3]の8枚目より)
  • エネルギーソリューションの海外EPC事業大きく伸張した。
昭和シェル石油
太陽電池事業
2018/10-12
(※[4]の4枚目より)
  • 状況:
    国内市場では需要が伸び悩む中、価格競争一段と激化している。
    その中で
    • 旧製品在庫の整理に伴う、平均販売単価の下落
    • 特定案件における製品保証を引き当てたこと
    により、前年度比で赤字幅が拡大した。
  • 今後の方針:
    • 更なるコスト削減の推進
    • 電力事業との連携強化エネルギーソリューションの商品ラインナップ拡充
カネカ
PV & Energy management
2018/10-12
(※[5]の4枚目、[6]の7枚目より)
  • 状況:
    • 高効率太陽電池の市場評価が高く、販売は順調に伸びており、フル稼働だった。
      現在は需要拡大に対応すべく、増産の準備を進めている。
      構造改革の進展と合わせて、収益力が改善している。
    • 窓や壁が発電する太陽電池が、住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システム素材として注目を集めている。
  • 今後の方針:
    上記の建材一体型を、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく。


京セラは今回、全体での営業利益が約606億円、税引き前利益が約1041億円([1]の1枚目)。

それを考えると、米Hemlock社とのポリシリコン和解への出費(約523億円)が、如何に巨大な規模であるかが感じられます。

それでもこの出費は、あくまで一時的なものですが、一方でソーラーエネルギー事業の国内市場での売上減は、通期業績予想の引き下げの一因として挙げられています([2]の13p)。

実際「生活・環境」セグメントは、前期(2018年3月期)の売上高実績が約1122億円でしたが、今期(2019年3月期)の予想は690億円であり、日本の太陽光発電市場の縮小の深刻さが、端的に浮き彫りになっていると考えます。


いっぽうシャープは、今回も「太陽電池」の文言さえ有りませんが、「海外EPC事業」が(前回(2018年9月末時点)の「堅調」から)「大きく伸張」と、上向きの表現に変化したのが意外でした。

ただ、「二国間クレジット」に依存する状況[7]が果たして改善しているのか、というのは気になるところです。


昭和シェルは、前回はモジュール出荷量が横ばい・赤字幅が(前年同期比で)縮小でしたが、今回は赤字が拡大。

京セラのほうと合わせて、やはり国内市場の状況悪化が(歯止めどころか)更に進んでいることが感じられるものです。

このままだと、日本国内の太陽光発電市場は一体どうなってしまうのか、非常に暗い気持になります。


ただしカネカだけは今回、販売の伸びに増産準備中と、はっきり明るさのある内容。

もっともこれは、元々の販売・出荷の規模がどの程度だったか、ということにもよるとは思います。

それでも、高効率タイプに住宅屋根材との一体型[8]、公共・産業用のシースルータイプ[9]と、ユニークな製品の需要が伸びている・注目を集めている点は、新しい動きとして今後に期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第3四半期 決算短信(京セラ、2019/2/1)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2019.html」内)
[2]カンファレンスコール資料(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_cp.pdf
[3]2019年3月期 第3四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ、2019/1/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/2/1903_3pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内)
[4]2018年度 第4四半期決算(昭和シェル、2019/2/13)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.html」内)
[5]2019年3月期 第3四半期決算説明資料(カネカ、2019/2/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F_%E7%AC%AC3%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
[6]2019年3月期 第3四半期決算短信(同上)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B4%EF%BC%93%E6%9C%88%E6%9C%9F%E3%80%80%E7%AC%AC%EF%BC%93%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%80%95%E9%80%A3%E7%B5%90-.pdf
[7]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[8]宅用太陽光発電システム(カネカ)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_001.html
[9]公共・産業用太陽電池(同上)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_002.html

※関連記事:

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2019年02月01日

消費者庁が住宅用PVからの火災発生を注意喚起、屋根への延焼は「鋼板等なし型」モジュールに集中

消費者庁2019年1月28日に、

  • 住宅用太陽光発電システムによる住宅の火災事故についての注意喚起
を発表していました[1]。

この発表は、「消費者安全調査委員会」による調査報告書に基づいたもの。

今回は報道[2]〜[5]と合わせて、主なデータ等をまとめてみました。


<調査の要項>

  • 調査対象の火災事故等:72
    ※消費者庁「事故情報データバンク」に登録されている127(2008年3月〜2017年11月に発生)のうち、他の機関が調査している事案以外[3][4]。
    ※この72件の太陽電池モジュールは全て国産。[4]
  • 発生箇所:
    • モジュールやケーブル13
      ※うち、屋根側に延焼したのは7(神奈川、東京、千葉、愛知、広島、福岡で発生)。[3]
      ※発火したモジュールは、使用年数7年以上。[4]
    • パワコンや接続箱59[3]
      浴室付近に設置したパワコンに、水分(湿気)が入った可能性など。[4]
  • 火災の事例と推定原因:
    • モジュール付近での接触不良による発熱・発炎から延焼。
    • ケーブル小動物が噛んで被覆が損傷し、漏電が発生。
      そのスパークが堆積した落ち葉に着火し、出火した。
    • 施工時にケーブル架台に挟み込まれ、その箇所への荷重・振動・応力などにより絶縁劣化が進行。
      発電量の最大時に絶縁破壊し短絡回路(架台が経路)が形成され、過大電流により発熱・出火した。
  • 住宅用PVシステムの累積設置棟数237万4000棟(2018年10月時点)

<モジュールの種類と延焼の可能性>

[1]のp5〜6から。

分類設置形態構造住宅用PV
に占める割合
屋根への延焼
(今回調査)
「屋根置き型」 屋根材(瓦、スレート、金属屋根など)の上の架台に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • 建物側のルーフィング(※可燃物)
の間が屋根材で遮られている
94.8% 無し
「鋼板等敷設型」
  • 屋根材に組み込み
  • 屋根全面に設置
のいずれか。
モジュール直下のルーフィング表面に、不燃材料(鋼板など)を敷設。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間が鋼板で遮られている
※ただし「鋼板等付帯型」では、ケーブルの挟み込み等による発火・延焼のリスクが有る。
「鋼板等付帯型」 裏面に不燃材料(鋼板など)を付帯したモジュールを、ルーフィング上に直接設置。 0.7%
「鋼板等なし型」 裏面に鋼板が無いモジュールを、ルーフィング上に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間に遮るものが無い
4.5% 7件[3]

<対策>

  • 「鋼板等なし型」:
    「屋根置き型」「鋼板等敷設型」へ変更する。
  • 「鋼板等付帯型」:
    • モジュール下でのケーブルの挟み込み等を防ぐ。
    • ルーフィング上ケーブルを極力敷かない構造に変更する。
  • 地絡検知機能
    同機能を有しない製品を、有する製品へ変更する。
  • 点検の義務
    住宅用PVで売電する場合、事業者として点検等が義務づけられている。
    (※しかし所有者の7が、保守・点検をしていない[2])
  • パワコン、接続箱[3]:
    素材に安全対策が施されており、住宅火災に至る可能性は低い。
    水分が入らない措置などが必要。


約240万棟のうち、明確に発火が起こったのが約130件で、確率的には約1/2万。
更に屋根への延焼に至っては約0.0003%であり、少なくとも数字の限りでは、過剰に心配する必要は無いように思われます。


ただし実体的な構造として、まずモジュール・ケーブルと可燃物(ルーフィング)の間が不燃物によって遮られているかどうかが、火災リスクの有無に強く関わっていることから、その点はきっちり確認しておく必要がありそうです。

「鋼板等付帯型」については、モジュールと屋根の間は不燃物で遮られているものの、ケーブルは(そのままだと)ルーフィングに接することから、やはり明確な確認と対策が必要と思われます。

また、モジュール・ケーブルとルーフィングの間がちゃんと不燃物で遮られている場合でも、間に燃えやすい落ち葉が堆積すれば明らかなリスク要因となるので、この点も定期的なチェックが必須ではないでしょうか。


いっぽうでモジュールの設置場所は「屋根の上」という高所であり、素人には目視による点検でも危険が伴うと考えられます。

この障壁が、住宅用PVの保守・点検が一般化していない理由の一つと思われるので、何か気軽に依頼・利用できる専門サービスが、必要なのかもしれません。


発火したモジュールは、時期的にFIT開始(2012年)以前に設置されたものなので、その後はモジュール自体の安全性も向上していることが推測されます。

またFIT開始以前は、海外製モジュールは極めて少なかったと思われますが、海外製品が多く入ってきている現在では、国産モジュールと海外製モジュールに安全性の違いが存在するものなのかどうかが、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!(消費者庁、2019/1/28)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190128_0001.pdf
(※「https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/#190128」に掲載)
[2]「パネル近くは不燃性に」 太陽光発電の延焼対策呼び掛け(日本経済新聞、同上)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40570570Y9A120C1CR8000/
[3]太陽光発電で発火、10年で127件 住宅に延焼も7件(朝日新聞、同上)
https://www.asahi.com/articles/ASM1W6CTYM1WUTIL01T.html
[4]経年劣化・接続不良で発火=住宅用太陽光発電を調査−消費者事故調(リスク対策.com、同上)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/14813

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2018年11月20日

京セラの2018/4-9のソーラーエネルギー事業は売上減、昭和シェルの2018/1-9のモジュール出荷量は前年同期比90%程度

今回は、

  • シャープ
  • 京セラ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
の最近の業績発表[1]〜[5]から、太陽電池・太陽光発電に関わる情報をまとめてみました。


シャープ
2018年度上期
(2018/4-9)
エネルギーソリューション事業では、海外EPC事業が堅調だった。([1]の7p)
(※「太陽電池」「太陽光発電」の語句は全く無し。)
京セラ
2018年度上期
(2018/4-9)
ソーラーエネルギー事業売上は減少した。([2]の5p)
昭和シェル石油
2019年3月期3Q累計
(2018/1-9)
  • 太陽電池事業では、国富工場(2017年末から生産集約)において、
    • 製品高出力化の推進
    • 原材料コストの更なる低減
    を進めている。
    営業面では
    • FIT案件への確実な納入
    • 住宅市場シェアの向上
    • 低圧・産業用における新しい販売手法の推進
    • 商品・サービス戦略の強化
    に取り組んでいる。([3]の4p)
  • 3Qの太陽電池パネル出荷数量は、ほぼ前年同期並み。
    3Q累計期間では、前年同期比90%程度
    国内にフォーカスした販売を継続している。
    パネル製造での一部のコスト低減策に遅れが生じているが、太陽電池事業の赤字額は、3Qまでの累計では前年同期比で縮小した。([4]の12p)
カネカ
平成31年3月期2Q累計
(2018/4-9)
PV & Energy management」事業では、高効率太陽電池の新製品販売が拡大した。
これと構造改革の進展により、収益力が改善した。
窓・壁との一体型太陽電池を、住宅・ビル向け素材として展開しており、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく方針。([5]の4p)


シャープと京セラは、今回も記述が極めて乏しく、具体的な数値も全く無しであり、太陽電池事業の厳しさが変っていないことが伺えます。


いっぽう昭和シェル石油は、モジュール出荷量は3Q累計では前年同期比10%程度のマイナスも、3Q単独ではほぼ横ばいとのことで、まだプラスになってこそいないものの、改善の雰囲気が感じられます。

国内モジュール出荷量の減少が際立つ現状では、(コスト削減の取組みを含めて)かなりの健闘なのではないでしょうか。

また意外だったのは、「国内にフォーカス」としながら、再エネによる海外EPC事業への参入を検討中([4]の15p)とあることです。

ソーラーフロンティア社はちょうど1年前(2017年11月)に、経営資源を主に国内市場に集中する方針を発表していましたが、やはり縮小が続く日本市場のみでは、限界があるということかもしれません。


カネカについては、今回の4社のうち唯一「販売が拡大」と明記されています。

ただ、例えば同社の瓦一体型の高効率太陽電池は2年前(2016年)に市場投入されたばかりであり、まだ結晶シリコン型の販売規模が小さいためと思われます。


ちなみにパナソニックについては、今回[6]は太陽電池に関する言及が全く無し。

同社は最近、7月に海外重視への転換方針が報じられ、9月に日本でのモジュール生産終了を発表と、事業方針や体制の大幅変更が相次いでいました。

太陽電池事業についての報告が無かったのは、事業再編の真っ最中である故かと思われますが、それが果たしてどのような効果・結果をもたらすのか、今後の業績発表に引き続き注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/10/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/3/1903_2pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内。)
[2]2019年3月期 第2四半期 決算短信(京セラ社、2018/10/30)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_2Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]2018年度 第3四半期決算(2018年1月1日〜2018年9月30日)(昭和シェル石油、2018/11/14)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.html」内)
[4]2018年度(2018年1月〜2019年3月) 第3四半期決算説明資料(同上)
http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material_2018c.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material.html」内。)
[5]2019年3月期 第2四半期決算短信(カネカ社、2018/11/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2018/11/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F-%E7%AC%AC2%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1.pdf
[6]2018年度 第2四半期 連結決算短信・補足資料(パナソニック社、2018/10/31)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2018/10/jn181031-3/jn181031-3.html

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2018年08月13日

ハンファQセルズジャパンの日本市場での2017年度の太陽電池モジュール出荷量は770MW、シェア1位を獲得

ハンファQセルズジャパン社が2018年7月26日に、

  • 2017年度日本市場での太陽電池モジュール出荷量で、シェア1を獲得した。
等と発表していました。

その中から、同社の日本におけるモジュール出荷量の推移を抜き出してみました。


<ハンファQセルズジャパンの日本市場での太陽電池モジュール出荷量>

年度 出荷量シェア順位
2012年度 50MW
2013年度 500MWを突破外資系でトップ
2016年度 700MW2位
2017年度 770MW1位


発表[1]では住宅市場に関する記述が多いですが、2017年度のモジュール出荷量の用途別内訳(住宅・非住宅)は明らかにされていません。

そのため、住宅向け製品の充実がシェア1位獲得の主因なのかどうかは、判断しかねます。

ただ2018年1-3月の太陽電池出荷統計では、かつてFITでの高い電力買取価格を背景に急拡大していた「発電事業」向けの出荷量の減少が際立っていました。

高性能・高品質を誇るメーカーの1つであるハンファQセルズが、今回日本市場でシェア1位を獲得したのは、大規模事業の減少に伴い、ユーザーの需要が価格優先から性能・品質優先にシフトしていることを、示しているものと考えます。


ちなみに2017年度の太陽電池出荷統計で、太陽電池モジュールの「国内出荷」量は

  • 全体:約5246MW
  • 日本企業における出荷量:約2968MW
となっています。([2]の7p)

そのため海外企業による出荷量は、約5246MW-約2968MW=約2278MWであり、その中でハンファQセルズジャパン(出荷量770MW)は、実に約1/3のシェアを占めたことになります。

いっぽう、「国内出荷」全体における同社のシェアは約15%であり、こちらは1位といっても、それほど大きいシェアとは言えません。

その意味で今年度(2018年度)以降に、メーカー別のシェアがどう変動していくか、というのは、強く興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズジャパン、2017年度国内出荷量シェアトップの 太陽電池モジュールメーカーに(ハンファQセルズジャパン社、2018/7/26)
http://www.hanwha-japan.com/news/news-letter/overseas-news-letter/2018/0726-2/
[2]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(太陽光発電協会、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
(※http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html内。)

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2018年06月13日

JPEA発表の2018年1-3月の太陽電池モジュール出荷量は前年同期比26%マイナス、シリコン単結晶以外は40%以上の減少、用途別では「発電事業」でも国内企業が海外企業を上回る

3週間ほど前になりますが、太陽光発電協会が2018年5月22日に、

  • 2017年度第4四半期2018/1-3
  • 同年度通期2017/4-2018/3
太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池モジュールの出荷量について、個人的に気になった項目を幾つかまとめてみました。

※出荷量のうちkWのものは、当ブログ管理人が四捨五入し、MWに換算しました。
※前年同期比(カッコ内)は、管理人により増減の値に変換しました。



<太陽電池モジュールの総出荷量>

※[1]の4pの記述、5p・7pの表から。

種類2017年度4Q
(2018/1-3)
2017年度通期
(2017/4-2018/3)
シリコン単結晶 628MW(23%)2020MW
シリコン多結晶 741MW(43%)3014MW
その他 81MW(43%)636MW
合計 1450MW(26%)5670MW(17%)

2018年度4Qは、「多結晶」「その他」が極めて大きな減少幅(約4割マイナス)であることに、強く驚きました。

いちおう「単結晶」が2割超の増加だったことで、「合計」の減少幅は抑えられたようです。

ただし、国内企業のみだと「単結晶」も含む全ての種類で減少しており([1]の6p)、日本メーカーは極めて厳しい状況に置かれていると思われます。



<2018/1-3のモジュールの国内出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 594MW(26%)
シリコン多結晶 718MW(44%)
その他 63MW(48%)
合計 1376MW(26%)

前年同期比の増減は、前項の総出荷量と非常に近い数値であり、全体として、国内需要の急速な縮小ぶりが伺えます。

シリコン単結晶のみ伸びたのは、後述する用途別において、中小規模の設備向けの一部が伸びたことと、対応しているものと推測します。



<2018/1-3のモジュールの海外出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 34MW(15%)
シリコン多結晶 24MW(25%)
その他 17MW(11%)
合計 75MW(17%)

海外向けの出荷量は、国内向けの僅か1/20〜1/30程度に留まっています。

ちなみに[1]の5p・6pの比較から、海外出荷量は全てが、日本企業による生産です。


太陽光発電の導入が、(コストダウンの進展を背景に)新興国にも急速に広がりつつある<中で、海外大手メーカーは出荷量を大きく伸ばしており、JinkoSolar社に至っては、2017年通期は10GWが目前という勢いでした。

そのいっぽうで日本メーカーは、日本国内以外での競争力をほぼ失ってしまったのではないか、とさえ感じてしまう、今回の数字です。


ただ、上記表には書き出しませんでしたが、「日本企業」における「海外出荷」のうち「国内生産」で、多結晶型は前年同期比2511%増という、極めて大きな伸びとなっています([1]の6p)。

この点は、日本政府の「二国間クレジット」を背景とした海外事業[2]向けに、低コストな多結晶型を出荷した結果では、と想像します。



<2018/1-3のモジュールの用途別国内出荷量>

※[1]の3p・5pの表から。

用途日本企業海外企業合計
住宅188MW(25%)86MW(8%)274MW(18%)
非住宅発電事業355MW(24%)334MW(44%)689MW(35%)
一般事業241MW(36%)172MW(76%)413MW(13%)
その他0.4MW(67%)
合計784MW(28%)592MW(24%)1376MW(26%)

非住宅の「発電事業」「一般事業」の両方で、出荷量は国内企業が海外企業を上回っています。

「一般事業」はともかくとして、大規模設備を含む「発電事業」においては、前年度(2016年度)通期に海外メーカーがシェア6割近くに達していたので、今回、同カテゴリで日本企業の出荷量が逆転したのは、非常に意外でした。

ただし、「発電事業」の合計出荷量じたいが35%ものマイナスとなっているので、国内の大規模事業でのモジュール需要が、急激にしぼんでいることが推測されます。


FITにおいて、例えば2015年6月末時点では、導入量は認定量の約1/5という、低い水準でした。

もっともこのギャップの大きさ(=導入見込み量の大きさ)は、国内でFITの新規認定が急激に減速した中で、暫くの間、国内市場にプラス方向の影響を及ぼしてきた筈です。

その効果がいよいよ無くなってきたとなれば、国内の太陽光発電産業は更に厳しい状況になっていくのでは、と強い懸念が浮かびます。


ちなみに上記表では、海外企業による「住宅」「一般事業」が、前年同期比増となっています。

これらのカテゴリにおいては、(設置面積が限られるため)発電能力の高いモジュールが通常要求されると考えられるので、先の項目(国内出荷量)における、単結晶型の国内出荷量増加分と対応しているのでは・・・と推測するものです。


※参照・参考資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(JPEA、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
[2]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年05月29日

シャープ・パナソニックの2017年度通期業績で太陽電池事業の存在感なし、京セラでは「生活・環境」セグメントの減収減益の主因に

今回は、シャープ・パナソニック・京セラ2017年度通期2017/4-2018/3)業績の発表資料[1][2][3]から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。(※「太陽電池」と明記の無いものを含む)


<シャープ>

  • 「スマートホーム」セグメント内の「エネルギーソリューション事業」では、海外EPC事業などが堅調だった。
    ([1]のp6)

<パナソニック>

  • 「ソーラー事業」では、従来からの太陽電池モジュール販売に加えて、セル単体のデバイス販売を開始した。
    またモジュール生産体制では、滋賀工場の生産終息などの見直しを行った。
    ([2]のp12)

<京セラ>

  • 「生活・環境」セグメントの業績([3]のp4):
    • 売上高:約1122億円(前年度比24.8%
    • セグメント利益:約550億円の赤字(前年度は約13億円の黒字)
  • ソーラーエネルギー事業」の状況([3]のp3):
    • 米国事業の縮小
    • 主要市場である日本国内での売上減
    により、同事業を含む「生活・環境」セグメントは売上減となった。
    また同事業において、ポリシリコン原材料の長期購入契約等に係る引当損失(約502億円)を計上したことが主因で、セグメント損失となった。


シャープとパナソニックは、全体の業績がかなりの増収増益となっていますが、太陽電池事業による寄与については全く言及されていません。
そのため、セグメント業績は今回は書き出しませんでした。

少なくとも業績の数字においては、太陽電池事業の存在感が極めて小さくなっていることを感じます。


その中でシャープは、海外でのEPC事業が堅調とのことですが、これに関しては、ニュースイッチ(日刊工業新聞)の4月の記事[4]の内容が、ちょうど該当していると思われます。

ただ、日本政府の「二国間クレジット」による導入費用補助を利用しての成果ということであれば、海外メーカーと価格競争の直接勝負で渡り合っている訳ではなく、手放しで堅調とは言えないようにも思われます。


パナソニックの今回の業績発表における記述は、昨年(2017年)9月に発表されたソーラー事業の構造改革の内容と同じであり、同事業の具体的な状況(国内外での販売状況など)がどうだったのかは、残念ながら不明です。

米Tesla社との協業は、2017年夏に開始の予定だった筈ですが、こちらもその後どうなっているのかが気になるところです。


そして京セラは唯一、「ソーラーエネルギー事業」の状況が詳しく書かれていますが、同事業の低迷がセグメント業績の減収減益の主因となっており、プラスの要素が全く無いところに、現在の同事業の状況の厳しさが伺えます。


全体として、JikoSolarCanadian Solarといった海外の大手メーカーの2017年業績と比べると、その勢いに極めて大きな差がついてしまっている印象です。


※参照・参考資料:
[1]2018年(平成30年)3月期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/4/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2018/1/1803_4pre_nt.pdf
(※http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/内)
[2]2017年度 説明会資料(ノート付き)(パナソニック社、2018/5/10)
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/2017_full/financial_results_note_j.pdf
(※https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html内)
[3]2018年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2018/4/26)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY184Q_tanshin.pdf
[4]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年05月21日

アスクル社が物流施設4つにネクストエナジー社の電力プラン「グリーナでんき」を導入予定、グループ全体の電力使用量の約25%が再エネに

3週間ほど前になりますが、ネクストエナジー・アンド・リソース社とアスクル社が2018年5月1日に、

  • ネクストエナジー社提供の電力プラン「グリーナでんき」を、同日からアスクル社の物流センター「大阪DMC」に導入する。
と発表していました[1][2]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

アスクル社は2016年7月に、

  • 事業所から排出するCO2配送に関わるCO2を、2030年までにゼロにする。
との目標「2030年CO2ゼロチャレンジ」を発表。
そして2017年11月には、この取組みを進めるため「RE100」「EV100」への加盟を発表した。
(※「RE100」には、
  • 100%再エネによる事業運営
を目標とする世界の企業が参加している)


<「グリーナでんき」の導入計画>

GREENa RE100 プラン」(グリーン電力証書の活用により、100%自然エネルギーの電力を提供する)を、下記4つの物流センターに導入していく。

  • 2018年5月1日:大阪市の「大阪DMC
  • 6月1日:宮城県の「仙台DMC」と、愛知県の「名古屋センター
  • 7月1日:福岡県の「ASKUL Logi PARK 福岡

これにより、アスクル社のグループ全体の電力使用量(本社、物流センター、子会社含む)の25%が、再エネになる。



海外では、日本国内での想像を遥かに超えて、企業における再エネの導入・利用が進んでいるようで、例えばアップル社では今年4月に、世界の全事業所の事業電力が、100%再エネになったとのこと[4]。

そのアップル社は、2016年に「RE100」に加盟しており[5]、再エネの導入・利用が、ここ数年のうちに急激に、世界の趨勢となってきたことを感じます。


アスクル社での再エネ100%達成の目標時期は、まだ10年以上先ですが、日本企業の中では、極めて積極的な姿勢と取組みだと思います。

同社の埼玉県の倉庫で昨年2月に発生した火災では、屋根の太陽電池モジュールが消火活動の妨げとなっており、大規模な太陽光発電設備の直接導入によるマイナス点の一つが、浮き彫りとなった印象でした。

今回の「グリーナでんき」導入では、その心配は無く、このようなかたちでの再エネ利用は、企業にとって合理性が高いのかもしれません。

その意味で、同様のケースが今後増えていくのであれば、再エネ発電の電力を確保するべく、停滞している国内での太陽光発電の導入拡大に、(太陽光発電の急速なコスト低下も追い風として)再び弾みが付く可能性もあると考えます。


※参照・参考資料:
[1]5月1日よりアスクルにグリーナでんきを供給開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/5/1)
https://www.nextenergy.jp/info/2018/info20180501.php
[2]アスクル、ネクストエナジー社の「グリーナでんき」を本日より導入開始(アスクル社、2018/5/1)
http://pdf.irpocket.com/C0032/axM2/kXcE/pJ1Z.pdf
[3]電力小売/グリーン電力証書(ネクストエナジー社)
https://www.nextenergy.jp/service/green_electricity.php
[4]【アメリカ】アップル、世界全事業所で再エネ100%達成。サプライヤー9社も100%宣言(Sustainable Japan、2018/4/10)
https://sustainablejapan.jp/2018/04/10/apple-100-percent-renewable/31413
[5]アップルが“再生可能エネルギー100%クラブ”へ、部品メーカーにも要求(スマートジャパン、2016/9/21)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/21/news025.html

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2018年05月06日

JPEA「太陽電池モジュールの月次出荷速報」で、2015-2018年の1-3月は、大部分が前年同月比2ケタ%のマイナス

今回は、太陽光発電協会が発表している「太陽電池モジュールの月次出荷速報」[1]から、2015-2018年の1-3の数字を、抜き出してまとめてみました。

※数値は見やすくするため、四捨五入してMWに換算。
また前年同月比(カッコ内)は、当ブログ管理人が計算しました。


1月2月3月
2015年738MW863MW1240MW
2016年 598MW(19%) 653MW(24%) 873MW(30%)
2017年 544MW(9%) 566MW(13%) 833MW(5%)
2018年 344MW(37%) 413MW(27%) 686MW(18%)


今回は、2018年の数値がある1-3月だけをピックアップしてみましたが、とにかく減少一辺倒であり、しかもその幅が、大部分で2ケタ%減という大きさです。

2017年の世界のパワコン出荷量では、日本が2位[2]なので、FIT認定分の消化(=国内での太陽光発電設備の施工)は、まだかなりのペースを保っているものと思っていました。

そして「非住宅(10kW以上)」において、導入量は認定量のまだ半分程度であり、発電設備の施工は、今後もますます進まなければならない筈です。

加えて、JPEAの発表数字(月次出荷量)は海外への輸出分も含んでいる筈ですが、最近は一部の国内メーカーが海外市場へのシフトを進めている[3]ので、モジュール輸出量も幾分かは伸びていると思われます。

それらの背景の中で、この減少一途であり、結局どういう状況なのか、いまいち判断がつきません。

ただ2017年の1年間に、海外メーカーのJinkoSolar社が9.8GWCanadian Solar社が6.8GWを出荷していたこと、また世界の太陽光発電設備の新設容量が100GWを突破した見込み[4]であることと比べると、日本メーカーの出荷量、また国内での太陽電池モジュール需要は、正反対の状況になっていると考えざるを得ません。


※参照・参考資料:
[1]太陽電池モジュールの月次出荷速報(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html#fig
[2]太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望(日経XTECH、2018/5/2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/050211063/
[3]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[4]太陽光の新設容量、2017年に初めて100GWに、欧団体が公表(日経XTECH、2017/11/17)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/111709874/

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2018年02月26日

TDK社がアモルファス太陽電池の変換効率を、2018年中に従来比1.3倍(約10%)まで高める予定

3週間前になりますが、ニュース記事[1]で

  • TDK社が、自社製アモルファス太陽電池の変換効率を、従来比1.3に高める予定
であることが報じられていました[1]。

その中から、新開発する太陽電池に関する主な情報をまとめてみました。


太陽電池の種類 フィルム基板の、非晶質(アモルファス)シリコン太陽電池
特徴
  • 変換効率を向上
    光学設計や材料の改良により、電力吸収の性能を高め、変換効率(現在7%)を10%程度までアップする。
    実験では46mm×30mmの太陽電池で、従来比1.3倍の変換効率を実現している。
  • 薄型・フレキシブル
    太陽電池の厚さは0.2mm以下
    またフレキシブルのため、湾曲部にも取付でき、形状の加工も可能。
製品化の時期 2018年内の予定
生産拠点 山梨県の甲府工場

ただし現時点(2018/2/25)で、TDK社のウェブサイトに、この件に関する発表・情報は掲載されていませんでした。



個人的なことですが、てっきり数万円はするものと思い込んでいたソーラー電波腕時計が、数年前にホームセンターで2000〜3000円程度の製品が普通に販売されているのを見て、驚いたものです。

[1]のタイトル等では、腕時計向け太陽電池における、TDK社の国内シェアの高さに言及されていますが、ソーラー電波時計の低価格化には、TDK社の太陽電池も一役買っているものと想像します。


その変換効率を、今年(2018年)中に一気に1.3倍に高めるとのことで、予定通りに実現されれば、実に急進的・革新的な性能の向上だと思います。

その新しいアモルファス太陽電池が、腕時計などの従来からある身近な電子機器に、どのような変化を及ぼすのか。

また、IoT機器・ウェアラブル機器といった新しい分野に、どのような製品の登場を可能にするのか、楽しみにしたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]実は腕時計向け太陽電池が国内シェア6割、意外な実力企業の次世代技術(ニュースイッチ、2018/2/5)
https://newswitch.jp/p/11934
[2]太陽電池(TDK社)
https://product.tdk.com/info/ja/products/solar-cell/index.html

※関連記事:

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