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2020年03月28日

2020年度のFIT買取価格(円/kW)は、住宅用21、事業用(税抜き)は50kW未満が13、50〜250kWが12、250kW以上は入札

経済産業省2020年3月23日に、

  • FIT制度2020年度買取価格など
を発表していました[1]。

今回は、その中の太陽光発電について、過去年度の買取価格と合わせて表にまとめてみました。
(※2019年度以前の数値は、当ブログの過去記事から引継ぎ)



FIT前(余剰電力のみ)
年度 住宅 非住宅
2009 太陽光のみ W発電 太陽光のみ W発電
48円 39円 24円 20円
2010 48円 39円 24円 20円
2011 42円 不明 40円 不明

FIT以後(住宅は余剰、非住宅は全量)
年度 住宅用
(10kW未満)
事業用
(10kW以上、税別)
2012 42円 42円
2013 38円 36円
2014 37円 32円
2015 出力制御対応機器の 接続契約締結が
  • 4-6月:29円
  • 7月以降:27円
設置義務あり 設置義務なし
35円 33円
2016 太陽光のみ W発電 太陽光のみ W発電 24円
33円 27円 31円 25円
2017 30円 27円 28円 25円
  • 2000kW未満:21円
  • 2000kW以上:入札
2018 28円 27円 26円 25円
  • 2000kW未満:18円
  • 2000kW以上:入札
2019 26円 24円
  • 500kW未満:14円
  • 500kW以上:入札
2020 21
  • 50kW未満13
  • 50kW以上250kW未満12
  • 250kW以上:入札


まず住宅用については、前年度(2019年度)には「太陽光発電のみ」「W発電」の区別が取り払われていましたが、今回(2020年度)は更に「出力制御対応機器の設置義務」の区別が無くなり、判りやすい一律の価格になっています。

ただ前年度比では、「設置義務あり」(前年度26円)で-5円であり、これは実は(FIT開始以後では)過去最大の下げ幅です。

システム費用(1kWあたり)の平均値のグラフ([2]38p)を見ると、2015〜2017年は前年比の値下がり幅が小さかった(2000円〜1万4000円)ですが、2018年・2019年はいずれも約2万円に拡大。

このシステム費用低下の再加速が、今回の買取価格の大幅値下げにつながったものと考えます。


事業用のほうは、入札の適用範囲(前年度は500kW以上)が「250kW以上」まで拡大。

コスト低減を加速するために、入札対象範囲は拡大していく方針([2]の25・26p)とされているので、次年度以降も更に、(システム費用低下の状況を見つつ)入札対象の下限は引き下げられるものと思われます。

そのいっぽうで、入札対象外のうち「50kW未満」の買取価格は前年比-1円、「250kW未満」でも-2円に留まっています。

システム費用の値下がり([2]の26p)は、継続的に順調に進んでいるので、この値下げ幅の小ささは意外でしたが、2019年度の下げ幅(前年度比-4円)が大きかったぶんの調整とも感じられます。


※参照・参考資料:
[1]FIT制度における2020年度の買取価格・賦課金単価等を決定しました(経済産業省、2020/3/23)
https://www.meti.go.jp/press/2019/03/20200323005/20200323005.html
[2]令和2年度の調達価格等に関する意見(同上、2020/2/4)
https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/20200204001_1.pdf
(※「https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/20200204_report.html」内)

※関連記事:

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2020年01月30日

TrinaSolar社が210mmシリコンウエハを用いた「210モジュール」を完成、マルチバスバー技術と1/3カットデザインを採用

TrinaSolar社が2020年1月23日に、

  • 自社開発の210mmシリコンウエハを用いた最初の「210モジュール」が、生産ラインで完成した。
と発表していました[1]。

この中で、同モジュールに関する主な情報は次の通り。


モジュールの特徴
  • マルチバスバー(MBB)技術
  • 1/3カットデザイン
を採用。
  • 高出力
  • 歩留まり
  • 製造上の難点
  • ホットスポット発生リスク
  • 出力電流パフォーマンス
  • ジャンクションボックスの安全性
等の潜在的な課題を、総合的に考慮してデザインした。
研究開発の開始時期 2019
今後の見通し 大型モジュールの市場投入までの時間が、大幅に早められることになる。

また、TrinaSolar社のエンジニアリング技術研究開発の責任者によるコメントの中で、

  • 当社のチームは現在、PV業界をモジュール出力500ワットの時代へと導く先駆者として、最新の研究開発の成果を大量生産化するための製品開発を迅速に進めています。

との記述があります。



モジュールの写真や、主な仕様(出力、サイズ、重量など)については、今回の発表では全く情報が無いのが残念です。

「市場投入までの時間が大幅に早められる」との文言があるので、今回は生産ライン上で完成したと言っても、実際の商品として大量生産する段階にはまだ至っていない、ということかと思われます。


ただ「210ミリ」という数値だけでも、一般的な太陽電池セル(1辺5インチ(127mm)または6インチ(152.4mm))と比べて、一足飛びの大型化であることに驚きました。

またこの「210モジュール」は、開発開始から1年以内で生産ライン上での完成を実現した、ということになり、その研究開発のスピードには、メーカーの勢いが感じられる気がします。


今回の発表では他に、今後の業界の見通しとして「モジュール出力500ワット」と明記されており、やはりモジュール1枚で500Wが、一つの目標となっていることが伺えます。

当ブログでチェックしてきた限りでは、他社製モジュールではこれまで

が出力400Wを超えており、このぶんだと500Wへの到達も、(どのメーカーが最初かはともかくとして)そう遠くはないものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラーの210モジュール第一号完成(TrinaSolar社、2020/1/23)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/fri-01242020-1400
[2]インチ(ウィキペディア)

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2020年01月05日

シャープ子会社とベトナムNSN社が合弁会社「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC」を設立、EPC事業の強化・拡大や、顧客ニーズに合うソリューションを提供

シャープ社が2019年12月20日に、

  • 子会社「シャープエネルギーソリューション」(SESJ)が、ベトナム企業「NSN CONSTRUCTION AND ENGINEERING JSC」(NSN社)との間で、合弁会社設立に関する契約を締結した。
と発表していました[1]。

NSN社の発表[2]と合わせて、概要は次の通り。


背景[2]
  • ベトナムでは2017FITが開始され、太陽光発電設備の開発が急進。
    その後わずか2年で、系統連系した多数の設備(特に日射量の多い高温地域)が、発電量を能力の10〜50%超まで抑えなければならなくなり、投資家の財政問題に大きな影響を与えている。
    また2019年には首相が、太陽光発電プロジェクトのFIT価格をオークションに移行することを決定し、投資家に新たな課題が提起された。
  • いっぽう屋上太陽光発電プロジェクトは、
    • 送電線に圧力をかけない
    • 設置に別個の場所を必要としない
    ことから、安定したFIT価格による再エネ開発政策において、まだ開発の優先事項である。
    また、今後数年間における長期的な投資トレンドでもある。
  • NSN社は
    • ベトナム
    • カンボジア
    • ミャンマー
    • フィリピン
    で16年以上の経験を持ち、多くの国内外の顧客(特に日本、欧州、米国)に、国際品質の建設サービスを提供している。
    SESJとは2年以上協力しており、
    • 「TTC Phong Dien」(48MWp)
    • 「TTC Ham Phu 2」
    の2つの太陽光発電プロジェクトを完成させている。
合弁会社
  • 社名:「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC
    「NSN ENERGY SOLUTION JSC」(NSN社などが2019年3月に設立)の発行済株式の60%を、SESJが20203に取得して子会社化し、社名を上記に変更する。
  • 方針:
    この合弁会社の設立により、太陽光発電所の建設における設計・調達・建設を一貫提供する体制を構築し、
    • 顧客ニーズに応じたエネルギーソリューションの提供
    • ベトナムにおけるEPC事業の拡大
    を図る。
    また、今後更なる設置拡大が見込まれる、工場や商業ビル等での「屋根置き」タイプの太陽光発電システムの提案を強化する。


日本では2014年に送電網の受入限界が顕在化しましたが、それはFIT開始(2012年)から2年後のことでした。

奇しくも今回のベトナムの件(FIT開始から2年後に出力抑制の必要)も「2年」であり、この数字自体は深い意味は無い偶然だと思いますが、「劇薬」と呼ばれることもあるFIT制度の効果の強烈さを、示していることは間違いないように思われます。

当ブログでチェックしていた限りでも、ベトナムに関しては2018年には

とのモジュール供給(またはその予定)が発表されており、このペースでは出力抑制もむべなるかな、という感じです。


合弁会社では「お客様のニーズに応じたエネルギーソリューションをご提供する」とのことなので、今回の発表の中に具体的な記述は全く有りませんが、既存の地上設置設備を対象に(出力抑制への対策手段として)蓄電システムの提案を進める可能性もあるのでは、と考えます。

もっともこれは、蓄電システムの製品ラインナップやコスト如何だとは思われますが。


※参照・参考資料:
[1]ベトナムに太陽光発電所の建設を担う合弁会社「SHARP NSN ENERGY SOLUTION JSC」を設立(シャープ社、2019/12/20)
https://corporate.jp.sharp/news/191220-a.html
[2]Vietnam Japan Joint Venture Sharp - NSN, the handshake for the new direction of Solar Power(NSN社、同上)
https://nsn.vn/en/2019/12/20/vietnam-japan-joint-venture-sharp-nsn-the-handshake-for-the-new-direction-of-solar-power/

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2019年12月13日

ソーラーフロンティア社が中国「凱盛科技集団有限公司」と建材一体型太陽電池の開発で提携、中国市場での活用拡大を目指す

3週間ほど前になりますが、ソーラーフロンティア社が2019年11月19日に、

  • 中国「凱盛科技集団有限公司」との間で、CIS薄膜技術を用いる建材一体型太陽電池の開発に関する覚書を、締結した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景・目的
  • 凱盛科技集団有限公司は「中国建材集団」の子会社で
    • ガラス
    • 太陽光発電
    等での技術開発や産業化などを手がけている。
  • 今回の2社は、ソーラーフロンティアの親会社「出光興産」とともに、建材一体型太陽電池の中国市場における活用拡大を目指している。
今後の予定 調査に基づく検討結果は、その進捗に応じて発表する。


ソーラーフロンティア社はちょうど2年前(2017年11月)には、日本国内市場に注力する方針を示していました。

そのため今回の発表における、(まだ検討段階とはいえ)中国市場での展開方針の明示は、ちょっと驚きました。

ただ、やはり2年前には、ソーラーフロンティア社が2019年後半に建材一体型太陽電池の発売を目指していると、同社社長のインタビュー内容とともに報じられていましたが、現状ではまだ実現していない模様。

やはりソーラーフロンティア社にとっては、停滞する日本市場を中心に事業展開することには限界がある、ということなのかもしれません。


それはひとまず置いておいて、凱盛科技が示している太陽光発電設備の事例[2]からは、太陽電池パネルを建築物に溶け込ませよう・馴染ませようという意図が感じられます。

また同社が手がける中心分野は、(親会社の名前の通り)元々はガラスやセメントといった建設素材とみられ[3]、これらの点が今回、建材一体型太陽電池の開発を目指すベースにあるものと考えます。

中国市場で展開するとなると、やはり現地メーカー製太陽電池の価格の安さが最大の壁になるかと思われるので、その点に両社(と出光興産)がどう対応していくのか、まずは今後発表予定の検討結果を待ちたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]凱盛科技集団有限公司とソーラーフロンティア株式会社、覚書を締結
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2019/1119_press.html
[2]新エネルギー工程(中国凱盛国際工程集団有限公司)
http://www.ctiec.net/Japanese/business/system3_1.jsp
[3]公司紹介(同上)
http://www.ctiec.net/Japanese/corp_intro/profile.jsp

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2019年09月12日

千葉県の「山倉水上メガソーラー太陽光発電所」で「台風15号」後に火災が発生、太陽電池パネルが吹き寄せられ折り重なった箇所から出火

千葉県市原市の「山倉水上メガソーラー太陽光発電所」で2019年9月9日に、火災が発生していたとのことです。

各種の報道・発表[1]〜[7]から、主な状況は次の通り。


  • 経緯:
    • 2019年9月9日の午後1時頃:火災が119番通報される。
      消防車7台が出動[1]。
    • 同日午後5時20分:消防の消火活動により鎮火した。[1]
  • 現場の状況:
    湖面に敷き詰められていた太陽電池パネルが、「台風15号」の強風により一方向に吹き寄せられたとみられ、その一部で
    • フロートごと水面からのめくれ
      ([1]にアップ、[4]に上空からの遠景の写真)
    • パネルの折り重なり([2][3]の写真)
    が生じていた。
    火災は、湖岸近くの太陽電池パネルが折り重なった部分で発生し、黒煙と炎が上がった。
  • 被害の規模:不明[1]
    延焼した太陽電池パネルの枚数は「数十枚以上」[3]、「少なくとも約50枚」[2]
    (※発電所全体のパネル数は約5万枚)


私が写真を最初に見たのは[4]の記事でしたが、「めくれ」や「皺」を含めて、湖面の太陽電池パネル群があたかも「薄い膜」のように見え、発電設備の規模の巨大さがひしひし感じらました。

そのような大規模設備(燃えたのはごく一部ですが)で、しかも(燃えやすい建物屋根などでなく)「水の上」の設備で起こった火災だけに、インパクトも強かったです。


火災の原因は不明ですが、[2]のアップ写真からはやはり(フロートではなく)太陽電池パネル自体がメインで燃えているようです。

そのため発火の原因としては、台風の強風による無理・急激な移動でケーブルが断線し、その状態でパネルが発電を継続したためにアーク(直流のため消え難い)が発生して、バックシートや封止材に引火した・・・ということだと推測します。


それにしても水上太陽光発電所の場合、浮かべたフロート(+太陽電池パネル)が風で流されないような措置(湖底や湖岸からのワイヤーによる係留)が施されている筈です。
(しかも今回の発電所の設計・施工などは、京セラが担当

それにも関わらず吹き寄せられてしまったというところに、台風15号の凄まじさが想定を超えたものであったことが伺えますが、それだけに今回の火災から得られる知見が、他の水上発電所の安全確保に生かされることを願います。


また、自然災害の多い日本国内で今回のような火災が実際に起こったことから、その備え・対策として、火災発生時に各パネル毎に出力を自動停止する機能(例えばTigo Energy社のソリューション)の普及も、いよいよ本格的に進める必要があるのではないでしょうか。

それが、太陽光発電に対する「制御不能」「怖い」というイメージを払拭するためにも、必要なことだと考えます。


最後に、昨年の北海道・胆振東部地震での停電を経験したものとして、現在千葉県で停電にあわれている方々が、無事に苦境を乗り越えられることを、祈っております。

このような事態において、はっきりと社会を支え得るだけのインフラに、太陽光発電をはじめとする再エネが、(電力系統などの課題解決も含めて)成長・発展していってほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]水上メガソーラー焼ける 市原の山倉ダム(千葉日報、2019/9/10)
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/625796
[2]ダム水面の太陽光パネルが数十枚燃える 千葉・市原(朝日新聞、2019/9/9)
https://www.asahi.com/articles/ASM994V27M99UDCB01M.html
[3]鉄塔倒壊、パネルから火災も=「最強級」の爪痕深く−台風15号(時事ドットコム、2019/9/9)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019090900907&g=soc
[4]強風の影響か 千葉のメガソーラー発電所で火災(2019年9月9日)(BIGLOBEニュース)
https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0909/abt_190909_5983522241.html
[5]令和元年台風第15号による被害・対応状況について(9月11日(水)6時30分時点)(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2019/09/20190911002/20190911002.html
[6]空撮:台風の影響か ダム水面上の太陽光パネルが火災 千葉・市原(YouTube、アカウント「毎日新聞」の投稿動画)
https://www.youtube.com/watch?v=jzvYnmuzYII
[7]電柱倒れパネル炎上も・・・首都圏襲った台風15号の爪痕(19/09/09)(YouTube、アカウント「ANNnewsCH」の投稿動画
https://www.youtube.com/watch?v=jzvYnmuzYII

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2019年06月03日

京セラとBYDジャパンが、太陽光発電+EVバスの「需給一体型」ビジネスモデル構築に向け協業

京セラ社が2019年5月20日に、

  • BYDジャパン」社との間で、
    • 太陽光発電(供給)とEVバス(需要)を組み合わせる「需給一体型ビジネスモデルの構築
    に向けた協業を開始することで、合意した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景 日本では現在
  • 環境負荷の少ない自動車の普及及び使用の促進」
  • 「自家用自動車から環境負荷の少ない公共交通機関への誘導」
が推進されており、経産省は温室効果ガスについて
  • 自動車1台あたり:2050年までに2010年比で8割程度削減
  • 乗用車:9割程度削減
との目標を定めている。
各社の担当
  • 京セラ:
    • 自社製太陽光発電システムによる発電電力の提供
    • 需給バランスを最適に制御する、EVバス向け充電管理システムの開発など
      (VPP(仮想発電所)実証事業で培ったアグリゲーション技術を活用)
  • BYDジャパン:
    • 日本市場に最適なEVバス(小型車両「J6」等)の提供
    • 電力消費サイドからの課題抽出と、解決に向けたコンサルティング
      (EVバス開発で培った知見を活用)
今後の予定・方針 京セラは今回開発するビジネスモデルについて
  • 2020実証実験の開始
  • 2021年以降:「需給一体型」ビジネスの事業化
を目指す。
(※自治体・電力小売・送配電事業者の協力も得つつ、
  • 一般住宅用
  • カーシェアリングサービス
等、コミュニティー全体の自立電源として利用することも視野に入れる)


BYDの公共交通用の電気自動車は、9年前(2010年)に提案が開始された[2]とのこと。

その導入は、欧州や新興国において(私の想像以上に)旺盛に進んでいる模様であり[3]、同社製EVバスの性能・実用性の高さが推測されます。

今回の京セラとの共同事業については、(日本の公共交通での本格採用ではなく)あくまで再エネ有効活用の実証試験向けの車両提供になると見受けられます。

ただそれでも、実際の運行は必須になると思われるので、日本の何処で走ることになるのかが非常に気になるところです。


いっぽう京セラについては、現在の太陽電池モジュールの販売量は、2015年(120万kW)の約半分(60万kW)[5]に留まっているとのこと。

そして2018年度も「ソーラーエネルギー事業」の売上は減少しており[6]、国内の同業他社と同様に、太陽電池メーカーとしての退潮ぶりを(残念ながら)強く感じざるを得ません。

その中で今回のBYD社との協業は、新たなビジネスモデルにいちはやく取り組むことで、単なるメーカー(機器の製造・供給者)から脱却する狙いがあると思われますが、他の国内メーカーを含めて、今後どのような取組みが出てくるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]再エネ「需給一体型モデル」の新ビジネスで協業開始(京セラ社、2019/5/20)
https://www.kyocera.co.jp/news/2019/0505_byyu.html
[2]Commercial Vehicles > Car & Solution(BYD社)
http://www.byd.com/cn/en/BYD_ENProductAndSolutions/CarAndSolution_mob.html
[3]News Center(同上)
http://www.byd.com/en/News.html
[4]VPP(バーチャル・パワー・プラント)(環境ビジネスオンライン)
https://www.kankyo-business.jp/dictionary/012840.php
[5]土俵際の国内太陽電池メーカー、起死回生託す“最後のとりで”(ニュースイッチ、2019/4/5)
https://newswitch.jp/p/17139
[6]2019年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2019/4/25)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_4Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2019.html」内)

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2019年04月26日

エクソル社が住宅向け商品「ジャストコンパクト」を発売、マイクロインバータ採用により、太陽電池モジュール3枚以下での設置も可能

エクソル社が2019年4月11日に、

  • 少ない枚数(3枚以下)の太陽電池モジュールでも設置できる、住宅向け商品「ジャストコンパクト」を販売開始した。
と発表していました[1][2]。

商品の概要は次の通り。


商品開発の背景
  • 国内の住宅用太陽光発電の導入件数は、2013年度(34万4000件)をピークに、年々減少している。
    また新築住宅での搭載率も、2017年度は17.5%に留まっている。
    (※新築住宅の着工件数は約42万件、うち太陽光発電の搭載件数は約7万3000件)
  • エクソル社が行ったアンケート(戸建住宅の居住者、または購入予定者が対象)では、太陽光発電に対する
    • 高価格
    • 荷重に耐えられる広い屋根が必要
    というイメージにより、設置を諦めた・検討しなかった人が多い、との結果が得られた。
  • 太陽光発電システム用のパワーコンディショナでは、電圧の関係上、太陽電池モジュールを最低4設置する必要がある。
    (=3枚以下では設置不可)
特徴
  • マイクロインバータを採用
    太陽電池モジュールとセットで動作するマイクロインバータにより、
    • モジュール1枚からの設置
    • 方位に関係無い設置
    が可能となり、小さな屋根や複雑な形の屋根にも対応できる。
  • 小規模でも高い省エネ効果
    電力使用量が300kWh/月の家庭で、太陽電池モジュール3枚設置の場合、
    • 日中の電力使用量をほぼ賄うこと
    • 電気購入量の30%削減
    が見込まれる。
    また、余剰電力の売電も可能。(※電力会社との契約が必要)
  • 機器の20年保証
    • 太陽電池モジュール
    • マイクロインバータ(※故障時は修理ではなく交換のみ)
    • 架台・金具
    が故障した場合の
    • 修理対応時の修理費用
    • 交換対応時の代替品費用(※撤去・再設置・運送の費用は除く)
    を、無償で20年保証する。
予想実売価格
  • 太陽電池モジュール3枚
  • 新築時の設置
の場合、39万8000円前後(工事費用含む)。
その他 [3]のQ&Aより。
  • 停電時の使用は不可能
    自立運転機能が無いため。
  • 蓄電池の接続は現状では不可。


今年1月には、カナメ社が同種の小規模商品「マイクロソーラー」を発表していました[4]が、そちらは法人限定で材料のみの販売(卸のようなもの?)であるのが、今回のエクソル社の商品と大きく異なっています。

そのエクソル社「ジャストコンパクト」は、従来より大幅な低価格化が可能となり、またモジュール設置の自由度も大きく向上したとのことで、マイクロインバータ採用の恩恵が強く感じられる、非常に魅力的な商品です。

しかし一方で、停電時の使用ができず、また蓄電池の接続もできないというのは、災害時・非常時への備えにはならないということであり、かなり残念です。

この点は、現状のマイクロインバータが持つ課題なのかもしれませんが、災害への意識が高まっている日本国内向けの商品としては、是非とも今後の対応を願いたいところです。

ただそのような難点があるとしても、「マイクロソーラー」「ジャストコンパクト」のような小規模商品は、住宅用太陽光発電の新しい姿を示すものだと思うので、このカテゴリは(企業・メーカーを問わず)今後盛り上がってほしいものです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システムが39万8千円前後で設置できる「ジャストコンパクト」の販売を開始(エクソル社、2019/4/11)
https://www.xsol.co.jp/news/2019/04/20686/
[2]同上(PR TIMES、同上)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000043644.html
[3]ジャストコンパクト(エクソル社)
https://www.xsol.co.jp/house/just_compact/
[4]自家消費型小規模太陽光発電「マイクロソーラー」発売開始(カナメ社、2019/1/1)
http://www.caname.net/topics/index.php?id=667

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2019年02月25日

2018/4-12の京セラ「ソーラーエネルギー事業」は減収に赤字急拡大、昭和シェルの2018/10-12「太陽電池事業」も赤字拡大。いっぽうシャープは海外EPC事業が「大きく伸張」、カネカは高効率製品が好調で増産も準備中

今回は、

  • 京セラ
  • シャープ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
最新の四半期2018/10-12)の業績発表[1]〜[6]から、太陽電池・太陽光発電に関する状況をまとめてみました。

京セラ
生活・環境」セグメントの
2018/4-12(3Q累計)
(※[1]の5枚目より)
  • 業績:
    • 売上高:約585億円(前年同期比28.6%)
    • 事業損失:約639億円(前年同期は約26億円)
  • 背景:
    • 売上高の減少は、ソーラーエネルギー事業の売上減による。
    • 事業損失は、減収と
      • ポリシリコン原材料に関する長期購入契約の和解費用等(約523億円)の計上
      による。
シャープ
「スマートホーム」セグメント
2018/10-12(3Q単独)
(※[3]の8枚目より)
  • エネルギーソリューションの海外EPC事業大きく伸張した。
昭和シェル石油
太陽電池事業
2018/10-12
(※[4]の4枚目より)
  • 状況:
    国内市場では需要が伸び悩む中、価格競争一段と激化している。
    その中で
    • 旧製品在庫の整理に伴う、平均販売単価の下落
    • 特定案件における製品保証を引き当てたこと
    により、前年度比で赤字幅が拡大した。
  • 今後の方針:
    • 更なるコスト削減の推進
    • 電力事業との連携強化エネルギーソリューションの商品ラインナップ拡充
カネカ
PV & Energy management
2018/10-12
(※[5]の4枚目、[6]の7枚目より)
  • 状況:
    • 高効率太陽電池の市場評価が高く、販売は順調に伸びており、フル稼働だった。
      現在は需要拡大に対応すべく、増産の準備を進めている。
      構造改革の進展と合わせて、収益力が改善している。
    • 窓や壁が発電する太陽電池が、住宅やビルのゼロエネルギー・マネジメント・システム素材として注目を集めている。
  • 今後の方針:
    上記の建材一体型を、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく。


京セラは今回、全体での営業利益が約606億円、税引き前利益が約1041億円([1]の1枚目)。

それを考えると、米Hemlock社とのポリシリコン和解への出費(約523億円)が、如何に巨大な規模であるかが感じられます。

それでもこの出費は、あくまで一時的なものですが、一方でソーラーエネルギー事業の国内市場での売上減は、通期業績予想の引き下げの一因として挙げられています([2]の13p)。

実際「生活・環境」セグメントは、前期(2018年3月期)の売上高実績が約1122億円でしたが、今期(2019年3月期)の予想は690億円であり、日本の太陽光発電市場の縮小の深刻さが、端的に浮き彫りになっていると考えます。


いっぽうシャープは、今回も「太陽電池」の文言さえ有りませんが、「海外EPC事業」が(前回(2018年9月末時点)の「堅調」から)「大きく伸張」と、上向きの表現に変化したのが意外でした。

ただ、「二国間クレジット」に依存する状況[7]が果たして改善しているのか、というのは気になるところです。


昭和シェルは、前回はモジュール出荷量が横ばい・赤字幅が(前年同期比で)縮小でしたが、今回は赤字が拡大。

京セラのほうと合わせて、やはり国内市場の状況悪化が(歯止めどころか)更に進んでいることが感じられるものです。

このままだと、日本国内の太陽光発電市場は一体どうなってしまうのか、非常に暗い気持になります。


ただしカネカだけは今回、販売の伸びに増産準備中と、はっきり明るさのある内容。

もっともこれは、元々の販売・出荷の規模がどの程度だったか、ということにもよるとは思います。

それでも、高効率タイプに住宅屋根材との一体型[8]、公共・産業用のシースルータイプ[9]と、ユニークな製品の需要が伸びている・注目を集めている点は、新しい動きとして今後に期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第3四半期 決算短信(京セラ、2019/2/1)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2019.html」内)
[2]カンファレンスコール資料(同上)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_3Q_cp.pdf
[3]2019年3月期 第3四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ、2019/1/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/2/1903_3pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内)
[4]2018年度 第4四半期決算(昭和シェル、2019/2/13)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2019/021301.html」内)
[5]2019年3月期 第3四半期決算説明資料(カネカ、2019/2/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F_%E7%AC%AC3%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E8%AA%AC%E6%98%8E%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
[6]2019年3月期 第3四半期決算短信(同上)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2019/02/%E5%B9%B3%E6%88%9031%E5%B9%B4%EF%BC%93%E6%9C%88%E6%9C%9F%E3%80%80%E7%AC%AC%EF%BC%93%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1%E3%80%94%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%80%95%E9%80%A3%E7%B5%90-.pdf
[7]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[8]宅用太陽光発電システム(カネカ)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_001.html
[9]公共・産業用太陽電池(同上)
http://www.kaneka.co.jp/business/qualityoflife/pve_002.html

※関連記事:

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2019年02月01日

消費者庁が住宅用PVからの火災発生を注意喚起、屋根への延焼は「鋼板等なし型」モジュールに集中

消費者庁2019年1月28日に、

  • 住宅用太陽光発電システムによる住宅の火災事故についての注意喚起
を発表していました[1]。

この発表は、「消費者安全調査委員会」による調査報告書に基づいたもの。

今回は報道[2]〜[5]と合わせて、主なデータ等をまとめてみました。


<調査の要項>

  • 調査対象の火災事故等:72
    ※消費者庁「事故情報データバンク」に登録されている127(2008年3月〜2017年11月に発生)のうち、他の機関が調査している事案以外[3][4]。
    ※この72件の太陽電池モジュールは全て国産。[4]
  • 発生箇所:
    • モジュールやケーブル13
      ※うち、屋根側に延焼したのは7(神奈川、東京、千葉、愛知、広島、福岡で発生)。[3]
      ※発火したモジュールは、使用年数7年以上。[4]
    • パワコンや接続箱59[3]
      浴室付近に設置したパワコンに、水分(湿気)が入った可能性など。[4]
  • 火災の事例と推定原因:
    • モジュール付近での接触不良による発熱・発炎から延焼。
    • ケーブル小動物が噛んで被覆が損傷し、漏電が発生。
      そのスパークが堆積した落ち葉に着火し、出火した。
    • 施工時にケーブル架台に挟み込まれ、その箇所への荷重・振動・応力などにより絶縁劣化が進行。
      発電量の最大時に絶縁破壊し短絡回路(架台が経路)が形成され、過大電流により発熱・出火した。
  • 住宅用PVシステムの累積設置棟数237万4000棟(2018年10月時点)

<モジュールの種類と延焼の可能性>

[1]のp5〜6から。

分類設置形態構造住宅用PV
に占める割合
屋根への延焼
(今回調査)
「屋根置き型」 屋根材(瓦、スレート、金属屋根など)の上の架台に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • 建物側のルーフィング(※可燃物)
の間が屋根材で遮られている
94.8% 無し
「鋼板等敷設型」
  • 屋根材に組み込み
  • 屋根全面に設置
のいずれか。
モジュール直下のルーフィング表面に、不燃材料(鋼板など)を敷設。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間が鋼板で遮られている
※ただし「鋼板等付帯型」では、ケーブルの挟み込み等による発火・延焼のリスクが有る。
「鋼板等付帯型」 裏面に不燃材料(鋼板など)を付帯したモジュールを、ルーフィング上に直接設置。 0.7%
「鋼板等なし型」 裏面に鋼板が無いモジュールを、ルーフィング上に設置。
  • モジュール、ケーブル
  • ルーフィング
の間に遮るものが無い
4.5% 7件[3]

<対策>

  • 「鋼板等なし型」:
    「屋根置き型」「鋼板等敷設型」へ変更する。
  • 「鋼板等付帯型」:
    • モジュール下でのケーブルの挟み込み等を防ぐ。
    • ルーフィング上ケーブルを極力敷かない構造に変更する。
  • 地絡検知機能
    同機能を有しない製品を、有する製品へ変更する。
  • 点検の義務
    住宅用PVで売電する場合、事業者として点検等が義務づけられている。
    (※しかし所有者の7が、保守・点検をしていない[2])
  • パワコン、接続箱[3]:
    素材に安全対策が施されており、住宅火災に至る可能性は低い。
    水分が入らない措置などが必要。


約240万棟のうち、明確に発火が起こったのが約130件で、確率的には約1/2万。
更に屋根への延焼に至っては約0.0003%であり、少なくとも数字の限りでは、過剰に心配する必要は無いように思われます。


ただし実体的な構造として、まずモジュール・ケーブルと可燃物(ルーフィング)の間が不燃物によって遮られているかどうかが、火災リスクの有無に強く関わっていることから、その点はきっちり確認しておく必要がありそうです。

「鋼板等付帯型」については、モジュールと屋根の間は不燃物で遮られているものの、ケーブルは(そのままだと)ルーフィングに接することから、やはり明確な確認と対策が必要と思われます。

また、モジュール・ケーブルとルーフィングの間がちゃんと不燃物で遮られている場合でも、間に燃えやすい落ち葉が堆積すれば明らかなリスク要因となるので、この点も定期的なチェックが必須ではないでしょうか。


いっぽうでモジュールの設置場所は「屋根の上」という高所であり、素人には目視による点検でも危険が伴うと考えられます。

この障壁が、住宅用PVの保守・点検が一般化していない理由の一つと思われるので、何か気軽に依頼・利用できる専門サービスが、必要なのかもしれません。


発火したモジュールは、時期的にFIT開始(2012年)以前に設置されたものなので、その後はモジュール自体の安全性も向上していることが推測されます。

またFIT開始以前は、海外製モジュールは極めて少なかったと思われますが、海外製品が多く入ってきている現在では、国産モジュールと海外製モジュールに安全性の違いが存在するものなのかどうかが、気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]住宅用太陽光発電システムに起因した住宅の火災事故に注意!(消費者庁、2019/1/28)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/pdf/consumer_safety_release_190128_0001.pdf
(※「https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2018/#190128」に掲載)
[2]「パネル近くは不燃性に」 太陽光発電の延焼対策呼び掛け(日本経済新聞、同上)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO40570570Y9A120C1CR8000/
[3]太陽光発電で発火、10年で127件 住宅に延焼も7件(朝日新聞、同上)
https://www.asahi.com/articles/ASM1W6CTYM1WUTIL01T.html
[4]経年劣化・接続不良で発火=住宅用太陽光発電を調査−消費者事故調(リスク対策.com、同上)
https://www.risktaisaku.com/articles/-/14813

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2018年11月20日

京セラの2018/4-9のソーラーエネルギー事業は売上減、昭和シェルの2018/1-9のモジュール出荷量は前年同期比90%程度

今回は、

  • シャープ
  • 京セラ
  • 昭和シェル石油
  • カネカ
の最近の業績発表[1]〜[5]から、太陽電池・太陽光発電に関わる情報をまとめてみました。


シャープ
2018年度上期
(2018/4-9)
エネルギーソリューション事業では、海外EPC事業が堅調だった。([1]の7p)
(※「太陽電池」「太陽光発電」の語句は全く無し。)
京セラ
2018年度上期
(2018/4-9)
ソーラーエネルギー事業売上は減少した。([2]の5p)
昭和シェル石油
2019年3月期3Q累計
(2018/1-9)
  • 太陽電池事業では、国富工場(2017年末から生産集約)において、
    • 製品高出力化の推進
    • 原材料コストの更なる低減
    を進めている。
    営業面では
    • FIT案件への確実な納入
    • 住宅市場シェアの向上
    • 低圧・産業用における新しい販売手法の推進
    • 商品・サービス戦略の強化
    に取り組んでいる。([3]の4p)
  • 3Qの太陽電池パネル出荷数量は、ほぼ前年同期並み。
    3Q累計期間では、前年同期比90%程度
    国内にフォーカスした販売を継続している。
    パネル製造での一部のコスト低減策に遅れが生じているが、太陽電池事業の赤字額は、3Qまでの累計では前年同期比で縮小した。([4]の12p)
カネカ
平成31年3月期2Q累計
(2018/4-9)
PV & Energy management」事業では、高効率太陽電池の新製品販売が拡大した。
これと構造改革の進展により、収益力が改善した。
窓・壁との一体型太陽電池を、住宅・ビル向け素材として展開しており、世界的なエネルギー問題に対するソリューション事業として強化していく方針。([5]の4p)


シャープと京セラは、今回も記述が極めて乏しく、具体的な数値も全く無しであり、太陽電池事業の厳しさが変っていないことが伺えます。


いっぽう昭和シェル石油は、モジュール出荷量は3Q累計では前年同期比10%程度のマイナスも、3Q単独ではほぼ横ばいとのことで、まだプラスになってこそいないものの、改善の雰囲気が感じられます。

国内モジュール出荷量の減少が際立つ現状では、(コスト削減の取組みを含めて)かなりの健闘なのではないでしょうか。

また意外だったのは、「国内にフォーカス」としながら、再エネによる海外EPC事業への参入を検討中([4]の15p)とあることです。

ソーラーフロンティア社はちょうど1年前(2017年11月)に、経営資源を主に国内市場に集中する方針を発表していましたが、やはり縮小が続く日本市場のみでは、限界があるということかもしれません。


カネカについては、今回の4社のうち唯一「販売が拡大」と明記されています。

ただ、例えば同社の瓦一体型の高効率太陽電池は2年前(2016年)に市場投入されたばかりであり、まだ結晶シリコン型の販売規模が小さいためと思われます。


ちなみにパナソニックについては、今回[6]は太陽電池に関する言及が全く無し。

同社は最近、7月に海外重視への転換方針が報じられ、9月に日本でのモジュール生産終了を発表と、事業方針や体制の大幅変更が相次いでいました。

太陽電池事業についての報告が無かったのは、事業再編の真っ最中である故かと思われますが、それが果たしてどのような効果・結果をもたらすのか、今後の業績発表に引き続き注目していきたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/10/30)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2019/3/1903_2pre_nt.pdf
(※「http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/」内。)
[2]2019年3月期 第2四半期 決算短信(京セラ社、2018/10/30)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY19_2Q_tanshin.pdf
(※「https://www.kyocera.co.jp/ir/news/2018.html」内。)
[3]2018年度 第3四半期決算(2018年1月1日〜2018年9月30日)(昭和シェル石油、2018/11/14)
http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2018/1114.html」内)
[4]2018年度(2018年1月〜2019年3月) 第3四半期決算説明資料(同上)
http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material_2018c.pdf
(※「http://www.showa-shell.co.jp/ir/briefing_material.html」内。)
[5]2019年3月期 第2四半期決算短信(カネカ社、2018/11/8)
http://www.kaneka.co.jp/wp-kaneka/wp-content/uploads/2018/11/2019%E5%B9%B43%E6%9C%88%E6%9C%9F-%E7%AC%AC2%E5%9B%9B%E5%8D%8A%E6%9C%9F%E6%B1%BA%E7%AE%97%E7%9F%AD%E4%BF%A1.pdf
[6]2018年度 第2四半期 連結決算短信・補足資料(パナソニック社、2018/10/31)
http://news.panasonic.com/jp/press/data/2018/10/jn181031-3/jn181031-3.html

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