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2018年08月13日

ハンファQセルズジャパンの日本市場での2017年度の太陽電池モジュール出荷量は770MW、シェア1位を獲得

ハンファQセルズジャパン社が2018年7月26日に、

  • 2017年度日本市場での太陽電池モジュール出荷量で、シェア1を獲得した。
等と発表していました。

その中から、同社の日本におけるモジュール出荷量の推移を抜き出してみました。


<ハンファQセルズジャパンの日本市場での太陽電池モジュール出荷量>

年度 出荷量シェア順位
2012年度 50MW
2013年度 500MWを突破外資系でトップ
2016年度 700MW2位
2017年度 770MW1位


発表[1]では住宅市場に関する記述が多いですが、2017年度のモジュール出荷量の用途別内訳(住宅・非住宅)は明らかにされていません。

そのため、住宅向け製品の充実がシェア1位獲得の主因なのかどうかは、判断しかねます。

ただ2018年1-3月の太陽電池出荷統計では、かつてFITでの高い電力買取価格を背景に急拡大していた「発電事業」向けの出荷量の減少が際立っていました。

高性能・高品質を誇るメーカーの1つであるハンファQセルズが、今回日本市場でシェア1位を獲得したのは、大規模事業の減少に伴い、ユーザーの需要が価格優先から性能・品質優先にシフトしていることを、示しているものと考えます。


ちなみに2017年度の太陽電池出荷統計で、太陽電池モジュールの「国内出荷」量は

  • 全体:約5246MW
  • 日本企業における出荷量:約2968MW
となっています。([2]の7p)

そのため海外企業による出荷量は、約5246MW-約2968MW=約2278MWであり、その中でハンファQセルズジャパン(出荷量770MW)は、実に約1/3のシェアを占めたことになります。

いっぽう、「国内出荷」全体における同社のシェアは約15%であり、こちらは1位といっても、それほど大きいシェアとは言えません。

その意味で今年度(2018年度)以降に、メーカー別のシェアがどう変動していくか、というのは、強く興味を惹かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]ハンファQセルズジャパン、2017年度国内出荷量シェアトップの 太陽電池モジュールメーカーに(ハンファQセルズジャパン社、2018/7/26)
http://www.hanwha-japan.com/news/news-letter/overseas-news-letter/2018/0726-2/
[2]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(太陽光発電協会、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
(※http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html内。)

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2018年06月13日

JPEA発表の2018年1-3月の太陽電池モジュール出荷量は前年同期比26%マイナス、シリコン単結晶以外は40%以上の減少、用途別では「発電事業」でも国内企業が海外企業を上回る

3週間ほど前になりますが、太陽光発電協会が2018年5月22日に、

  • 2017年度第4四半期2018/1-3
  • 同年度通期2017/4-2018/3
太陽電池出荷統計を発表していました[1]。

今回はその中から、太陽電池モジュールの出荷量について、個人的に気になった項目を幾つかまとめてみました。

※出荷量のうちkWのものは、当ブログ管理人が四捨五入し、MWに換算しました。
※前年同期比(カッコ内)は、管理人により増減の値に変換しました。



<太陽電池モジュールの総出荷量>

※[1]の4pの記述、5p・7pの表から。

種類2017年度4Q
(2018/1-3)
2017年度通期
(2017/4-2018/3)
シリコン単結晶 628MW(23%)2020MW
シリコン多結晶 741MW(43%)3014MW
その他 81MW(43%)636MW
合計 1450MW(26%)5670MW(17%)

2018年度4Qは、「多結晶」「その他」が極めて大きな減少幅(約4割マイナス)であることに、強く驚きました。

いちおう「単結晶」が2割超の増加だったことで、「合計」の減少幅は抑えられたようです。

ただし、国内企業のみだと「単結晶」も含む全ての種類で減少しており([1]の6p)、日本メーカーは極めて厳しい状況に置かれていると思われます。



<2018/1-3のモジュールの国内出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 594MW(26%)
シリコン多結晶 718MW(44%)
その他 63MW(48%)
合計 1376MW(26%)

前年同期比の増減は、前項の総出荷量と非常に近い数値であり、全体として、国内需要の急速な縮小ぶりが伺えます。

シリコン単結晶のみ伸びたのは、後述する用途別において、中小規模の設備向けの一部が伸びたことと、対応しているものと推測します。



<2018/1-3のモジュールの海外出荷量>

※[1]の5pから。

シリコン単結晶 34MW(15%)
シリコン多結晶 24MW(25%)
その他 17MW(11%)
合計 75MW(17%)

海外向けの出荷量は、国内向けの僅か1/20〜1/30程度に留まっています。

ちなみに[1]の5p・6pの比較から、海外出荷量は全てが、日本企業による生産です。


太陽光発電の導入が、(コストダウンの進展を背景に)新興国にも急速に広がりつつある<中で、海外大手メーカーは出荷量を大きく伸ばしており、JinkoSolar社に至っては、2017年通期は10GWが目前という勢いでした。

そのいっぽうで日本メーカーは、日本国内以外での競争力をほぼ失ってしまったのではないか、とさえ感じてしまう、今回の数字です。


ただ、上記表には書き出しませんでしたが、「日本企業」における「海外出荷」のうち「国内生産」で、多結晶型は前年同期比2511%増という、極めて大きな伸びとなっています([1]の6p)。

この点は、日本政府の「二国間クレジット」を背景とした海外事業[2]向けに、低コストな多結晶型を出荷した結果では、と想像します。



<2018/1-3のモジュールの用途別国内出荷量>

※[1]の3p・5pの表から。

用途日本企業海外企業合計
住宅188MW(25%)86MW(8%)274MW(18%)
非住宅発電事業355MW(24%)334MW(44%)689MW(35%)
一般事業241MW(36%)172MW(76%)413MW(13%)
その他0.4MW(67%)
合計784MW(28%)592MW(24%)1376MW(26%)

非住宅の「発電事業」「一般事業」の両方で、出荷量は国内企業が海外企業を上回っています。

「一般事業」はともかくとして、大規模設備を含む「発電事業」においては、前年度(2016年度)通期に海外メーカーがシェア6割近くに達していたので、今回、同カテゴリで日本企業の出荷量が逆転したのは、非常に意外でした。

ただし、「発電事業」の合計出荷量じたいが35%ものマイナスとなっているので、国内の大規模事業でのモジュール需要が、急激にしぼんでいることが推測されます。


FITにおいて、例えば2015年6月末時点では、導入量は認定量の約1/5という、低い水準でした。

もっともこのギャップの大きさ(=導入見込み量の大きさ)は、国内でFITの新規認定が急激に減速した中で、暫くの間、国内市場にプラス方向の影響を及ぼしてきた筈です。

その効果がいよいよ無くなってきたとなれば、国内の太陽光発電産業は更に厳しい状況になっていくのでは、と強い懸念が浮かびます。


ちなみに上記表では、海外企業による「住宅」「一般事業」が、前年同期比増となっています。

これらのカテゴリにおいては、(設置面積が限られるため)発電能力の高いモジュールが通常要求されると考えられるので、先の項目(国内出荷量)における、単結晶型の国内出荷量増加分と対応しているのでは・・・と推測するものです。


※参照・参考資料:
[1]日本における太陽電池出荷統計 2017年度第4四半期及び2017年度(JPEA、2018/5/22)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h294q.pdf
[2]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年05月29日

シャープ・パナソニックの2017年度通期業績で太陽電池事業の存在感なし、京セラでは「生活・環境」セグメントの減収減益の主因に

今回は、シャープ・パナソニック・京セラ2017年度通期2017/4-2018/3)業績の発表資料[1][2][3]から、太陽電池事業に関する内容をまとめてみました。(※「太陽電池」と明記の無いものを含む)


<シャープ>

  • 「スマートホーム」セグメント内の「エネルギーソリューション事業」では、海外EPC事業などが堅調だった。
    ([1]のp6)

<パナソニック>

  • 「ソーラー事業」では、従来からの太陽電池モジュール販売に加えて、セル単体のデバイス販売を開始した。
    またモジュール生産体制では、滋賀工場の生産終息などの見直しを行った。
    ([2]のp12)

<京セラ>

  • 「生活・環境」セグメントの業績([3]のp4):
    • 売上高:約1122億円(前年度比24.8%
    • セグメント利益:約550億円の赤字(前年度は約13億円の黒字)
  • ソーラーエネルギー事業」の状況([3]のp3):
    • 米国事業の縮小
    • 主要市場である日本国内での売上減
    により、同事業を含む「生活・環境」セグメントは売上減となった。
    また同事業において、ポリシリコン原材料の長期購入契約等に係る引当損失(約502億円)を計上したことが主因で、セグメント損失となった。


シャープとパナソニックは、全体の業績がかなりの増収増益となっていますが、太陽電池事業による寄与については全く言及されていません。
そのため、セグメント業績は今回は書き出しませんでした。

少なくとも業績の数字においては、太陽電池事業の存在感が極めて小さくなっていることを感じます。


その中でシャープは、海外でのEPC事業が堅調とのことですが、これに関しては、ニュースイッチ(日刊工業新聞)の4月の記事[4]の内容が、ちょうど該当していると思われます。

ただ、日本政府の「二国間クレジット」による導入費用補助を利用しての成果ということであれば、海外メーカーと価格競争の直接勝負で渡り合っている訳ではなく、手放しで堅調とは言えないようにも思われます。


パナソニックの今回の業績発表における記述は、昨年(2017年)9月に発表されたソーラー事業の構造改革の内容と同じであり、同事業の具体的な状況(国内外での販売状況など)がどうだったのかは、残念ながら不明です。

米Tesla社との協業は、2017年夏に開始の予定だった筈ですが、こちらもその後どうなっているのかが気になるところです。


そして京セラは唯一、「ソーラーエネルギー事業」の状況が詳しく書かれていますが、同事業の低迷がセグメント業績の減収減益の主因となっており、プラスの要素が全く無いところに、現在の同事業の状況の厳しさが伺えます。


全体として、JikoSolarCanadian Solarといった海外の大手メーカーの2017年業績と比べると、その勢いに極めて大きな差がついてしまっている印象です。


※参照・参考資料:
[1]2018年(平成30年)3月期 プレゼンテーション資料(ノート付き)(シャープ社、2018/4/26)
http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/pdf/2018/1/1803_4pre_nt.pdf
(※http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/financial/内)
[2]2017年度 説明会資料(ノート付き)(パナソニック社、2018/5/10)
https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/2017_full/financial_results_note_j.pdf
(※https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/release.html内)
[3]2018年3月期 通期 決算短信(京セラ社、2018/4/26)
https://www.kyocera.co.jp/ir/news/pdf/FY184Q_tanshin.pdf
[4]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595

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2018年05月21日

アスクル社が物流施設4つにネクストエナジー社の電力プラン「グリーナでんき」を導入予定、グループ全体の電力使用量の約25%が再エネに

3週間ほど前になりますが、ネクストエナジー・アンド・リソース社とアスクル社が2018年5月1日に、

  • ネクストエナジー社提供の電力プラン「グリーナでんき」を、同日からアスクル社の物流センター「大阪DMC」に導入する。
と発表していました[1][2]。

その主な内容をまとめてみました。


<背景>

アスクル社は2016年7月に、

  • 事業所から排出するCO2配送に関わるCO2を、2030年までにゼロにする。
との目標「2030年CO2ゼロチャレンジ」を発表。
そして2017年11月には、この取組みを進めるため「RE100」「EV100」への加盟を発表した。
(※「RE100」には、
  • 100%再エネによる事業運営
を目標とする世界の企業が参加している)


<「グリーナでんき」の導入計画>

GREENa RE100 プラン」(グリーン電力証書の活用により、100%自然エネルギーの電力を提供する)を、下記4つの物流センターに導入していく。

  • 2018年5月1日:大阪市の「大阪DMC
  • 6月1日:宮城県の「仙台DMC」と、愛知県の「名古屋センター
  • 7月1日:福岡県の「ASKUL Logi PARK 福岡

これにより、アスクル社のグループ全体の電力使用量(本社、物流センター、子会社含む)の25%が、再エネになる。



海外では、日本国内での想像を遥かに超えて、企業における再エネの導入・利用が進んでいるようで、例えばアップル社では今年4月に、世界の全事業所の事業電力が、100%再エネになったとのこと[4]。

そのアップル社は、2016年に「RE100」に加盟しており[5]、再エネの導入・利用が、ここ数年のうちに急激に、世界の趨勢となってきたことを感じます。


アスクル社での再エネ100%達成の目標時期は、まだ10年以上先ですが、日本企業の中では、極めて積極的な姿勢と取組みだと思います。

同社の埼玉県の倉庫で昨年2月に発生した火災では、屋根の太陽電池モジュールが消火活動の妨げとなっており、大規模な太陽光発電設備の直接導入によるマイナス点の一つが、浮き彫りとなった印象でした。

今回の「グリーナでんき」導入では、その心配は無く、このようなかたちでの再エネ利用は、企業にとって合理性が高いのかもしれません。

その意味で、同様のケースが今後増えていくのであれば、再エネ発電の電力を確保するべく、停滞している国内での太陽光発電の導入拡大に、(太陽光発電の急速なコスト低下も追い風として)再び弾みが付く可能性もあると考えます。


※参照・参考資料:
[1]5月1日よりアスクルにグリーナでんきを供給開始(ネクストエナジー・アンド・リソース社、2018/5/1)
https://www.nextenergy.jp/info/2018/info20180501.php
[2]アスクル、ネクストエナジー社の「グリーナでんき」を本日より導入開始(アスクル社、2018/5/1)
http://pdf.irpocket.com/C0032/axM2/kXcE/pJ1Z.pdf
[3]電力小売/グリーン電力証書(ネクストエナジー社)
https://www.nextenergy.jp/service/green_electricity.php
[4]【アメリカ】アップル、世界全事業所で再エネ100%達成。サプライヤー9社も100%宣言(Sustainable Japan、2018/4/10)
https://sustainablejapan.jp/2018/04/10/apple-100-percent-renewable/31413
[5]アップルが“再生可能エネルギー100%クラブ”へ、部品メーカーにも要求(スマートジャパン、2016/9/21)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1609/21/news025.html

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2018年05月06日

JPEA「太陽電池モジュールの月次出荷速報」で、2015-2018年の1-3月は、大部分が前年同月比2ケタ%のマイナス

今回は、太陽光発電協会が発表している「太陽電池モジュールの月次出荷速報」[1]から、2015-2018年の1-3の数字を、抜き出してまとめてみました。

※数値は見やすくするため、四捨五入してMWに換算。
また前年同月比(カッコ内)は、当ブログ管理人が計算しました。


1月2月3月
2015年738MW863MW1240MW
2016年 598MW(19%) 653MW(24%) 873MW(30%)
2017年 544MW(9%) 566MW(13%) 833MW(5%)
2018年 344MW(37%) 413MW(27%) 686MW(18%)


今回は、2018年の数値がある1-3月だけをピックアップしてみましたが、とにかく減少一辺倒であり、しかもその幅が、大部分で2ケタ%減という大きさです。

2017年の世界のパワコン出荷量では、日本が2位[2]なので、FIT認定分の消化(=国内での太陽光発電設備の施工)は、まだかなりのペースを保っているものと思っていました。

そして「非住宅(10kW以上)」において、導入量は認定量のまだ半分程度であり、発電設備の施工は、今後もますます進まなければならない筈です。

加えて、JPEAの発表数字(月次出荷量)は海外への輸出分も含んでいる筈ですが、最近は一部の国内メーカーが海外市場へのシフトを進めている[3]ので、モジュール輸出量も幾分かは伸びていると思われます。

それらの背景の中で、この減少一途であり、結局どういう状況なのか、いまいち判断がつきません。

ただ2017年の1年間に、海外メーカーのJinkoSolar社が9.8GWCanadian Solar社が6.8GWを出荷していたこと、また世界の太陽光発電設備の新設容量が100GWを突破した見込み[4]であることと比べると、日本メーカーの出荷量、また国内での太陽電池モジュール需要は、正反対の状況になっていると考えざるを得ません。


※参照・参考資料:
[1]太陽電池モジュールの月次出荷速報(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/document/figure/index.html#fig
[2]太陽光の直流回路、「2000V」も視野、中国トリナ・ソーラーが展望(日経XTECH、2018/5/2)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/050211063/
[3]シャープやパナソニックの太陽電池、生き残りのカギは「海外進出」(ニュースイッチ、2018/4/13)
https://newswitch.jp/p/12595
[4]太陽光の新設容量、2017年に初めて100GWに、欧団体が公表(日経XTECH、2017/11/17)
http://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/111709874/

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2018年02月26日

TDK社がアモルファス太陽電池の変換効率を、2018年中に従来比1.3倍(約10%)まで高める予定

3週間前になりますが、ニュース記事[1]で

  • TDK社が、自社製アモルファス太陽電池の変換効率を、従来比1.3に高める予定
であることが報じられていました[1]。

その中から、新開発する太陽電池に関する主な情報をまとめてみました。


太陽電池の種類 フィルム基板の、非晶質(アモルファス)シリコン太陽電池
特徴
  • 変換効率を向上
    光学設計や材料の改良により、電力吸収の性能を高め、変換効率(現在7%)を10%程度までアップする。
    実験では46mm×30mmの太陽電池で、従来比1.3倍の変換効率を実現している。
  • 薄型・フレキシブル
    太陽電池の厚さは0.2mm以下
    またフレキシブルのため、湾曲部にも取付でき、形状の加工も可能。
製品化の時期 2018年内の予定
生産拠点 山梨県の甲府工場

ただし現時点(2018/2/25)で、TDK社のウェブサイトに、この件に関する発表・情報は掲載されていませんでした。



個人的なことですが、てっきり数万円はするものと思い込んでいたソーラー電波腕時計が、数年前にホームセンターで2000〜3000円程度の製品が普通に販売されているのを見て、驚いたものです。

[1]のタイトル等では、腕時計向け太陽電池における、TDK社の国内シェアの高さに言及されていますが、ソーラー電波時計の低価格化には、TDK社の太陽電池も一役買っているものと想像します。


その変換効率を、今年(2018年)中に一気に1.3倍に高めるとのことで、予定通りに実現されれば、実に急進的・革新的な性能の向上だと思います。

その新しいアモルファス太陽電池が、腕時計などの従来からある身近な電子機器に、どのような変化を及ぼすのか。

また、IoT機器・ウェアラブル機器といった新しい分野に、どのような製品の登場を可能にするのか、楽しみにしたいと思います。


※参照・参考資料:
[1]実は腕時計向け太陽電池が国内シェア6割、意外な実力企業の次世代技術(ニュースイッチ、2018/2/5)
https://newswitch.jp/p/11934
[2]太陽電池(TDK社)
https://product.tdk.com/info/ja/products/solar-cell/index.html

※関連記事:

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2018年02月12日

帝国データバンク社が「第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査」を発表、2017年は計88件(前年から21件増)

1ヶ月近く前になりますが、帝国データバンク社が2018年1月16日に、

  • 第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査
を発表していました[1]。

今回はその中(p4)から、地域別の倒産件数の年別推移を、表にまとめ直してみました。


地域別
北海道東北関東 北陸中部近畿 中国四国九州
20062 1 1
20074 1 2 1
20086 3 1 2
200911 16 12 1
20105 2 11 1
201112 8 11 2
201219 111 2 5
201316 123 42 121
201420 36 41 6
201538 514 113 14
201667 1524 11213 317
201788 1529 21314 4713
北海道東北関東 北陸中部近畿 中国四国九州


まず「計」を見ると、固定価格買取制度が開始された2011年以降は、倒産件数が2ケタで続いており、これは同年から国内市場がはっきり拡大したことの表れと思われます。

そして

あたりから、倒産件数が増加を開始。

その後は2017年まで右肩上がりが続いており、やはり上記の出来事が、国内の太陽光発電市場に(電力買取価格の毎年の引き下げ以上に)強力なブレーキをかけたと考えます。


地域別では、大都市圏である「関東」「中部」「近畿」と、日照条件が良い「九州」は、FIT開始以前から倒産が存在。

これらの地域の、太陽光発電市場の大きさが伺えますが、そのぶん2015年以降の倒産急増も、「計」と同様の動きとなっており、地域を問わない市場環境の急速な悪化が、伺えるものです。


今後については、2018年度の電力買取価格の案[2]が、

  • 10kW以上2000kW未満:税抜き18円/kWh(前年度から3円マイナス
  • 10kW未満:
    • 出力制御対応機器の設置義務なし:26円/kWh(同2円マイナス
    • 義務あり:28円/kWh(同上)
であり、産業用(10kW以上)はいよいよ20円/kWhを下回る見通し。

他に太陽光発電に対する新たな支援政策も無い以上、国内市場の縮小は今後も続くと考えざるを得ませんが、この国が太陽光発電をいったいどのような方向に進めていきたいのか、明確な意志が全く見えないことが残念です。


※参照・参考資料:
[1]第4回 太陽光関連業者の倒産動向調査(帝国データバンク、2018/1/16)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p180103.html
[2]平成30年度以降の調達価格及び調達期間についての委員長案(経済産業省、2018/2/7)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/036_03_00.pdf
※http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/036_haifu.html内。

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2018年01月04日

エコスタイル社が、「屋根借り」で行う「エコの輪太陽光発電ファンド18号」を出資募集開始

エコスタイル社が2017年12月25日に、

  • 施設屋根を借りて行う「エコの輪太陽光発電ファンド18」への、出資を募集開始した。
と発表していました[1]。

今回は、同ファンドに関する主な情報を、抜き出してまとめてみました。


発電設備
  • 場所:埼玉県春日部市
  • 発電容量:634.48kW
  • 屋根面積:2万3037.26m2
  • 太陽電池モジュール:
    ISOFOTON社製「ISFM-280P60」(出力280W)を2260枚。
  • パワコン:
    Huawei社製「SUN2000-40KLT-JP」(出力40kW)を13台。
  • 売電価格:24円/kWh
募集総額 1億2300万円(1口10万円)
※うち、匿名組合が8610万円、営業者(エコスタイル社)が3690万円。
資金の運用
  • 運用期間:1
  • 目標利回り:5.0(税引き前)
  • 目標分配率:105.0%(同上)
スケジュール
  • 募集期間:2017/12/22〜2018/1/31
  • 事業開始日:2018/2/1の予定。


私が過去に利用請求してみた同社のファンドでは、運用期間が5年だったので、今回の「18号」が1年と大幅に短縮されていることには驚きました。

そのぶん運用期間においては、以前のファンドよりも出資しやすくなっている印象ですが、その点は「太陽光投資に対するハードルを低く」するという狙いの、具体的な表れかと思われます。


また個人的に、屋根設置は野立てよりも高コスト、というイメージが強かったので、今回の発電設備が屋根設置型であることにも驚きました。

設備の設置コストは不明ですが、単純に募集総額を発電容量で割ると、1億2300万円/634.48kW=約19万3860円/kWと、1kWあたり20万円を切っています。

毎度ですがやはり、太陽電池モジュールパワコン等の価格低下が進んでいることが、最近の認定価格(※24円/kWhは2016年度)でも、屋根設置型での収益確保を可能にしている、ということなのかもしれません。


今回のファンドが該当しているのかは不明ですが、エコスタイル社では先んじて「屋根貸し太陽光発電」の新しい事業スキームも発表しており[2]、これから日本国内でどれだけ導入を進められるのか、新たな市場活性化に向けた動きの一つとして、注目・期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]エコの輪太陽光発電ファンド18号が募集開始(エコスタイル社、2017/12/25)
https://www.eco-st.co.jp/archives/15679
[2]太陽光:0円で屋根に太陽光発電を設置、無料リフォームと賃料も提供(スマートジャパン、2017/12/12)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/spv/1712/12/news027.html

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2017年12月26日

太陽光発電協会が「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」を公表、鉛・カドミウム・ヒ素・セレンについて、含有状況のメーカーサイトへの掲載を促す

太陽光発電協会2017年12月11日に、

  • 廃棄される太陽電池モジュールの処理に関する、「情報提供のガイドライン
を発表していました[1]。

その中から、主な内容をまとめてみました。


目的 太陽電池モジュールの製造/輸入販売事業者に、含有化学物質の情報を予め提供することを促す。
これにより、排出事業者(撤去業者など)が処理業者に対して、適正処理のための必要情報を提供する際の、参考に供する。
(※「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、
  • 産業廃棄物の排出事業者は、適正処理のために必要な情報を、処理業者に提供すること
とされている)
適用範囲 日本国内向けに出荷される太陽電池モジュール。
セルの種類は問わない
部位の区分
  • フレーム」:
    モジュール四辺に組まれている枠。
  • ネジ」:
    フレームの組み付け(縦フレームと横フレームの連結部分)に用いられる。
  • ケーブル」:
    モジュール背面の端子箱に接続されている。
  • ラミネート部」:
    太陽電池モジュールから、上記の「フレーム」「ネジ」「ケーブル」を外したもの。端子箱を含む。
※分解の容易さや資産価値などを考慮し、この4区分が現実的と判断した。
対象物質と含有率基準値
  • 0.1wt%
  • カドミウム0.1wt%
  • ヒ素0.1wt%
  • セレン0.1wt%
※環境への影響の可能性と、モジュールの含有の可能性を考慮し、この4物質とした。
含有率の計算式 各部位について、{(対象化学物質の含有量)/(部位の全質量)}×100
情報提供の方法 適切な分別・処理が行われるよう、使用者・撤去者・処理従事者などが、含有情報を容易に認識できるようにする。
  • 表示場所個社のウェブサイト
    • 新製品:ウェブサイト掲載時に表示することを、基本とする。
    • 過去の製品:少なくとも2012年度以降の出荷製品については、基準値を超えている場合、表示が望ましい。
  • 表示の方法
    製品の形式名を記載し、対象物質が含有基準値以上の場合、その「対象物質」と「含有部位」を表示する。
  • 安全製品データシート(SDS)」:
    表示対象製品の部材のSDSは、個社内で保存することが望ましい。
その他 これらの対象物質・含有率基準値・表示方法などは、実態に即して効果が上がるよう、都度見直しを行う。


上記には入れませんでしたが、総務省の調査(2017年9月)では、地方自治体・排出事業者・産業廃棄物処理業者において、必要情報のウェブでの提供に対するニーズが多かったというのが、個人的に興味深い点です。

スマートフォンやタブレット端末が普及している現在では、製品への添付書類などよりも、ウェブサイト上に掲載してもらうほうが、いつでも・どこでも簡単に参照・確認できる、ということなのかもしれません。


ただ、今回のガイドラインで気になるのは、掲載場所が個々のメーカーや販売事業者のウェブサイトということです。

メーカーが経営破綻し、最悪そのウェブサイトも消滅した場合は、データを参照できなくなることが懸念されます。

そのため将来的には、何処かの省庁のウェブサイト(例えば環境省)に、国内に出荷されている全メーカーの対象商品の情報を(データベース的に)まとめて掲載することが、必要になってくるのではと考えます。


今回のガイドラインは、法的な強制力は無いものですが、それでも太陽電池モジュールに含まれる有害物質について、公開されるべき情報の一つの基準を示したことで、一般の消費者にとっても、太陽光発電設備に対する安心感を高めるものになると考えます。

その意味で、国内・海外を問わず、広く各メーカーがこのガイドラインを利用することを、期待したいところです。


※参照・参考資料:
[1]「使用済太陽電池モジュールの適正処理に資する情報提供のガイドライン(第1版)」の公表について(太陽光発電協会、2017/12/11)
http://www.jpea.gr.jp/topics/171211.html
[2]廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)(環境省)
http://www.env.go.jp/recycle/waste/laws.html
[3]質量パーセント濃度(質量分率)(ウィキペディア「濃度」内)

※関連記事:

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2017年12月12日

NEDO等が太陽光発電システムの水没実験を実施、実際の使用に近い発電設備を組んで、池に水没

NEDO等2017年12月4日に、

  • 実際の設備に近い太陽光発電システムを用いて、池での水没実験を行った。
と発表していました[1]〜[3]。

実験の概要は下記の通り。


背景・目的
  • 国内ではFIT導入(2012年7月)により、太陽光発電システムの導入が増加している。
    その一方で、自然災害(台風、大雨など)により、太陽光発電システムが水没する事象も発生している。
    太陽光発電システムが水没した場合、絶縁性能の低下などが起こり、感電の危険性がある。
  • 今回の実験は、水害時の太陽光発電システムの感電リスク等を把握することを、狙いとしている。
実施場所 山梨県の「北杜サイト太陽光発電所」横の調整池
水没させた設備 太陽電池モジュール・接続箱・パワコン等を、実際の使用に近い状態(太陽電池アレイ)に組んだ。
実験方法 水没時発電が継続した場合を想定。
上記の設備を、クレーンによって調整池に水没させ、
  • 漏電状況の測定(感電リスクの把握)
  • 水没後の状態の測定
等、定量的な調査を行った。
(※この実験の前に、小規模での事前確認として、太陽電池モジュールや接続箱などを水槽に水没させ、漏電状態の計測を行っている)
実施者
  • NEDO
  • JPEA
  • 奥地建産
実施期間 2017/11/28〜12/1
今後の予定・方針 実験から得られた知見に基づき、2017年度末までに、水害時における
  • 点検・撤去の安全性の確保
  • 点検用の装備や対策
指針の策定を目指す。
また引き続き、感電防止のための啓発活動を行っていく。


実験時の写真を見ると、単管パイプの架台に太陽電池モジュールを20枚以上設置したものを、そのまま池に水没させており、かなり大胆な取組みです。

太陽光発電設備の水没については、特に、昨年(2016年)の九州での水害時に顕在化した(例えば[4])印象であり、災害時の安全性の確保が待った無しとなっていることが、今回の実験を後押ししたものと推測します。


今回は淡水における水没実験と思われますが、津波の際には(より導電性の高い)海水に漬かるので、将来的にはそのような場合の実験・検証も必要になるのでは、と考えます。


火災発生時の出力停止機能については、米国が先んじているようですが、水没時の対策に関しては、(自然災害の多い環境を逆に生かして)日本が先導役となれれば、面白いと思います。


※参照・参考資料:
[1]太陽光発電システムの水没実験を実施(NEDO、2017/12/4)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100881.html
[2]同上(JPEA、2017/12/4)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/t171204.pdf
[3]同上(奥地建産、2017/12/4)
http://www.okuji.co.jp/pv/docs/submerge_exp.pdf
[4]河川氾濫でパネル約2850枚を交換!川南町の太陽光に見る水害の教訓(日経テクノロジーonline、2017/8/3)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/302961/080200057/

※関連記事:

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