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2016年09月12日

産総研と信越化学工業が新型モジュールを開発、高分子フィルム・シリコーンゴム封止材・アルミ合金板の採用でコストを抑えつつ強度・耐久性などを向上

産業技術総合研究所信越化学工業2016年9月5日に、

  • シリコーンゴム封止材などを用いて、耐衝撃性や耐火性・長期信頼性などを高めた新型の太陽電池モジュール共同開発した。
と発表していました[1]。

主な内容は次の通り。


背景

  • 国内でFITにより普及が進む太陽光発電において、今後は太陽電池モジュールやシステムの長期信頼性・安全性が、より重要さを増すと考えられる。
    例えば住宅用システムにおいて、火災対策として
    • モジュールの難燃性アップ
    • 破損の防止
    を講じることにより、火災時の安全性が高まる。
  • しかし一方で、太陽電池モジュールはコスト競争が厳しいため
    • 新しい高信頼性モジュールの開発
    • 新しい部材(難燃性部材など)の導入
    は難しい現状がある。

開発したモジュール

  • 構造:下記部材によるサブストレート構造
    表面材高分子フィルム(厚さ約50μm、難燃性)
    封止材シリコーンゴムシート(厚さ約500μm)
    裏面材アルミ合金板(絶縁処理を施している)
    ※通常モジュールのようなガラス・アルミフレームは不使用。
  • メリット
    設置が簡単アルミ合金の裏面材によって、モジュールを直接固定・設置することができる。
    コストを低減シリコーン封止材は比較的高コストだが、従来型モジュールに比べて部材を削減することで、モジュール全体のコストを抑制できる。
    火に強い表面材・封止材・裏面材は、全て難燃材料。
    大幅な軽量化アルミ合金板の厚さを抑えることで、軽量化が可能。
    (※今回の試作品の重さは、同サイズの従来型モジュールの約半分
  • 評価試験の結果
    項目方法結果
    鋼球落下試験鋼球(直径38mm、重さ約225g)を高さ1mから、モジュール表面に合計3回落下させ、試験前後の
    • 出力
    • エレクトロルミネセンス特性
    を評価した。
    • 従来型モジュール:セルに割れが生じ、出力が初期値の87%に低下した。
    • 新型モジュール:局所的に僅かな暗所部が見られたものの、出力低下は殆ど無かった
    荷重試験小型モジュール(40cm角)の表面に、約88kgの荷重をかけた。 試験後に、セル割れによる出力低下は見られなかった
    燃焼・飛び火試験火種(木製、8×8×6cm)をモジュール上で燃焼。 これによる
    • 部材の燃焼
    • 外観上の変化(溶融、破損など)
    をチェックした。
    • 従来型:ガラスが割れ、火種下部のEVA封止材とバックシートが燃焼した。
    • 新型:火種の灰や樹脂成分が表面に付着したものの、部材に大きな変化は見られなかった
    高温・高湿(DH)試験温度セ氏85度・湿度85%の条件で実施。
    ※封止材をシリコーンにしたガラス型モジュールも使用。
    • 新型モジュール:3000時間終了時点で、出力は低下せず
    • ガラス型モジュール:8000時間終了時間で、出力は低下せず
      また、シリコーン封止材の赤外吸収スペクトルにも、試験前後で化学的な構造変化は全く見られなかった
    ※その他に現在は、温度サイクル試験(-40度〜+85度)や紫外線照射試験なども実施中。

今後の予定

実際の用途として、例えば

  • 車載用
  • 住宅の屋根材・建材一体型や、外壁面に設置可能なモジュール
等を想定し、モジュール開発を進める。
製造企業などとも協力して
  • モジュールの大きさ・構造・部材の最適化
  • 必要な信頼性試験
等を行っていく予定。


シリコーン封止材については1年以上前(昨年6月)の発表で、高い耐久性・PID耐性を持つとの試験結果が示されていましたが、今回はコスト増への対策として、モジュール全体の部材・構造を見直しを実施。

その結果として低コスト化だけでなく、多くのメリット(大幅な軽量化や、耐衝撃性・耐火性の向上など)が得られるとされているのは、非常に興味深いです。(一部の試験結果は、封止材のみ変更した従来型モジュールではありますが)

もちろん現時点では製品化を実現していないので、実際の製造コストがどうなるか等は不明です。

また、紫外線照射試験なども実施途中とのことであり、将来のことはまだまだ判りませんが、

  • 製造コストの抑制
  • 設置の容易化
  • 各種耐久性の向上
を同時に実現し、新しいタイプの結晶シリコン型モジュールが誕生することを、個人的には強く期待したいところです。


※参照資料:
[1]燃えにくくて軽量な、信頼性の高い太陽電池モジュールを開発(産総研)
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160905/pr20160905.html
[2]同上(信越化学工業)
https://www.shinetsu.co.jp/jp/news/pdf/s20160905J.pdf

※関連記事:

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2015年06月25日

産総研がシリコーン封止材の評価試験を実施、高温高湿・温度サイクル・PIDの各試験で好成績

産総研2015年6月22日に、「シリコーン」製の太陽電池モジュール用封止材(※「信越化学」社が開発中)に対して行った、評価試験の結果を発表していました[1]。(※信越シリコーン社も同内容の資料を発表[2])

ここではその中から、主な内容を抜き出してみました。


背景

  • 太陽光発電システムでは近年、
    ・設備の規模・形態の多様化
    ・従来より厳しい設置環境(海上、沿岸部など)
    単結晶n型セルの利用拡大(住宅用が中心)
    といった状況がある。
  • 産総研の「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」(2009年10月〜2014年3月)において、信越化学は2012年1月〜2014年3月に参画し、シリコーン封止材の研究開発に取り組んできた。

試験の内容と結果

  • 実施時期2014年4月〜2015年4月
  • 実施場所:産総研九州センター
  • 高温高湿試験
    • 使用モジュール:多結晶型(p型)
      封止材以外は、「高信頼性太陽電池モジュール開発・評価コンソーシアム」の標準部材を使用した。
    • 条件
      温度セ氏85度湿度85%の条件下に、長時間曝露する。
    • 結果
      ・出力:3000時間経過後に、初期出力の99.8%だった。
       (※モジュール認証試験の合格基準は、1000時間後で95%以上)
      ・EL画像:
       3000時間経過後も、(初期状態以外の)新たな暗部の発生は認められなかった。
  • 温度サイクル試験
    • 使用モジュール:高温高湿試験と同じ。(p型多結晶)
    • 条件
      ・昇温:セ氏-40度〜85
      ・降温:セ氏85度〜-40
      を1サイクルとし、これを繰り返す。
    • 結果
      ・出力:600サイクル経過後、初期出力の99.1%だった。
       (※モジュール認証試験の合格基準は、200サイクル後で95%以上)
      ・EL画像:
       600サイクル経過後も、(初期状態以外の)新たな暗部の発生は認められなかった。
  • PID試験
    • 使用モジュール:単結晶(n型)
      比較用として
      ・シリコーン封止材
      ・一般的なEVA封止材
      を各々用いた、2種類のモジュールを作製した。
    • 条件
      温度セ氏85度の中で、モジュール表面(ガラス)の全面に設置したアルミ板に対し、セルに-1000Vの電圧を2時間かけた。
    • 結果
      EVA封止材を用いたモジュールでは、試験後に出力低下・EL画像での輝度低下が確認された。
      いっぽうシリコーン封止材を用いたモジュールでは、試験の前後で、電気特性・EL画像での変化は見られなかった

管理人は正直、セルの原料である「シリコン」と、合成樹脂である「シリコーン」が(両方ともケイ素を用いているものの)別の物質であることを、今回初めて知りました。

シリコーンはその分子構造(「シロキサン結合」がベース)から、耐熱性・耐寒性や対候性、また電気絶縁性にも優れているとのこと。

(モジュール認証試験よりも)厳しい条件が課せられた今回の試験では、その特性がしっかり発揮されたことが伺え、太陽電池モジュール用封止材としての実用化の可能性を、十分に示す結果だと感じます。

ただし一方で、今回は紫外線の照射試験は行われておらず、太陽電池モジュールの一般的な設置環境(屋外で長期間日光を浴び続ける)を考えると、紫外線の照射による変化の検証は、今後の重要課題の一つと思われます。


※参照資料:
[1]信頼性の高い太陽電池モジュール用シリコーン封止材(産総研)
https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150622/pr20150622.html
[2]信頼性の高い太陽電池モジュール用シリコーン封止材を開発(信越シリコーン社)
https://www.silicone.jp/news/2015/images/release1506.pdf
[3]シリコーンとは? : ビギナーズサイト(信越シリコーン社)
https://www.silicone.jp/info/begin.shtml
[4]シリコーンの基礎知識(ダウコーニング社)
https://www.dowcorning.co.jp/ja_JP/content/japan/japanproducts/products_lecture_lecture_toph.aspx
[5]よくある質問と回答(シリコーン工業会)
http://www.siaj.jp/ja/silicone_world/faq.html
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2014年10月07日

住友化学が封止材向けEVA「スミテート」の新規グレードを開発、透明度とPID耐性を両立

住友化学2014年10月3日に、

  • PIDによる出力低下抑制と透明度の確保を両立する、太陽電池モジュールの封止材向けEVAスミテート」の新規グレードを開発した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 封止材用のEVAでは、酢酸ビニル(VA)濃度を下げること等により、PID現象を抑制することができる。
    しかしその場合、封止材の透明度も下がってしまい、モジュールの発電性能が低下してしまう課題があった。

特徴

  • イオン移動を抑制
    独自技術により、PID現象の原因となる、封止材中のイオン移動の抑制を実現。
    外部評価機関によるテスト(モジュールのガラス表面に水を張り、1000V・セ氏60度・湿度85%で96時間)では、発電量の低下率
    ・自社の現行EVA:94
    ・「スミテート」の新規グレード:2
    と、大幅な改善が確認された。
  • 封止材の透明度も確保
    今回の技術を高VA濃度のEVAに適用することで、PID現象の抑制と高い透明性を両立可能。
    (これにより、メガソーラー用モジュールに向くと考えられる)

EVA製封止材においては、PID現象への注目が高まったFIT開始以降に、メーカー側でのPID耐性向上の取り組みが進められ、比較試験による明確な成果も報告されています[2]。

今回の住友化学の新グレードも、その流れの中の一つだと思いますが、発電出力低下率の改善幅は劇的であり、EVAにおける技術革新が急スピードで進んでいることが伺えるものです。

この状況は、太陽光発電設備の長期の性能維持に間違いなく寄与すると思われ、大規模発電事業者、またひいては電力供給を受ける需要家・消費者側にとっても、非常に好ましいことだと考えます。


※参照・参考資料:
[1]太陽電池パネル向け新規封止シート用材料を開発 〜PID 抑制技術の確立と高透明化を達成〜(住友化学)
http://www.sumitomo-chem.co.jp/newsreleases/docs/20141003.pdf
[2]Solvisto誌 2014年2月号 p20〜21「第三者試験機関ケミトックス 封止材による耐PID比較試験第二弾、EVA軒並み性能アップ」
posted by 管理人 at 00:34 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2014年06月28日

日立化成が太陽電池用封止シート向けに「波長変換粒子」を発売予定

日立化成」社が2014年6月26日に、

  • 太陽電池用封止シート向けに「波長変換粒子」を発売する。
との予定を発表していました[1]。

製品の主な特徴は下記の通り。

  • 紫外線を可視光に変換
    封止材に混ぜることで、従来は太陽光発電に利用できなかった紫外線を、長波長の光(可視光)に変換できる。
    受光面側の封止シートに使用)
    これによりモジュールの発電能力は、従来の封止材採用品に比べ、(JIS C 8919に準じた屋外試験で)最大2.2%程度のアップが見込まれる。
  • アクリル樹脂を使用
    耐久性に優れるアクリル樹脂に、蛍光体粒子を含有させている。
    このため封止材に混合しても、太陽電池パネルの耐久性を損なわない。
  • 生産性の維持
    封止材の生産において、本粒子を混合させるためのプロセス変更が必要ない

素材の写真を見ると(粉末状態のせいもあるとは思いますが)透明ではなく、封止材に混ぜて透明度が下がらないのか、という懸念が浮かびますが、実験データ的には、仮に多少透明度が落ちたとしても、紫外線を発電に利用できることのメリットが上回る、ということかもしれません。

ただ封止材においては、その内部で(加水分解により)発生する酢酸が太陽電池パネル劣化の主因になる[2]とのことであり、アクリル樹脂は対候性が高い[3]とはいえ、本粒子の混合がその過程にどう影響するのか、というのは、十分な検証が必要になるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池の変換効率向上に貢献する、波長変換粒子の販売開始(日立化成)
http://www.hitachi-chem.co.jp/japanese/information/2014/n_140626.html
[2]PVeye誌 2014年4月号p18-21「短期間で客観的に寿命を測れ 『複合加速試験でリアルかつ、より速い劣化を生み出す』」
[3]アクリル樹脂(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 01:37 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2014年02月25日

日東電工が封止材向けの紫外光変換技術「レイクレア」を開発、モジュール出力が約2%アップの見込み

日東電工」社が2014年2月23日に、

  • 紫外線を高効率で発電可能な波長に変換できる新技術「レイクレア」を採用した、太陽電池用封止シートを開発した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

特徴

  • モジュールの出力アップに寄与
    紫外領域の光を、95%以上の効率で可視光に変換できる。
    これによりセルへの入射光が増え、モジュール出力を2%程度高めることが可能。
  • 部材の劣化を防止
    通常の封止材(UV吸収剤を含む)と同等以上の紫外線吸収能力を持つ。
    これにより、モジュール内部の部材の劣化を十分に防ぐことができる。
  • 高い耐久性を実現
    太陽電池モジュールでの長期使用を想定した加速試験において、特性の低下が殆ど無かった。
  • 既存の製造設備で利用可能
    新規設備を導入せずに、材料を変更するだけで良い。

販売計画

  • 製品形態:封止シート封止シート用添加剤
  • 発売時期:2014年度下期の予定
  • 販売目標:
    ・2015年:年間10億円
    ・2018年:同100億円

単純に考えると、全量買取適用の設備の場合は売電収入の2%アップが見込めることになりますが、従来の封止材を用いたモジュールとの価格差を(売電期間20年での収益増加見込み分の範囲内に)抑えられるのか、というのが、本技術の普及拡大において最も重要な条件になるのでは、と考えます。

また封止材に添加するということで、PID現象の発生率にどう影響するのかというのも、非常に気になりますが、その点が明確に示されれば、一気に普及する可能性があるのでは、とも考えます。


※参照・参考サイト:
[1]波長変換機能付き太陽電池用封止シートを新規開発(日東電工)
http://www.nitto.com/jp/ja/press/2014/0223.jsp
posted by 管理人 at 12:56 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2013年10月03日

クラレと産総研が封止材向けのPVBフィルムを開発、封止性能・弾性・長期耐久性・PID耐性に優れる

クラレ社が2013年10月2日に、

  • 産総研と共同で、太陽電池モジュールの封止材向けに、新しい素材「PVBポリビニルブチラールフィルム」を開発した。
と発表していました[1]。

主な特徴は下記の通り。

  • 高い封止性能
    太陽電池モジュールの端部シール(内部への水分の浸入防止を補強)が不要になる。
  • 高い弾性率
    荷重による負荷でのガラスのたわみを低減でき、モジュールの強度保持に寄与する。
  • モジュールのコスト削減に寄与
    上記の特長により、太陽電池モジュールの
    ・端部シール
    ・フレーム、支持体
    の除去・削減が可能になり、部材の簡略化・軽量化が見込まれる。
  • 高い長期耐久性
    従来の封止材よりも経年劣化が起こりにくく、極めて高い長期耐久性を持つ。
  • 高いPID耐性

現在は、市場でのサンプリング調査を開始している段階とのことです。


ケミトックス社が行った封止材のPID耐性試験では、EVA7製品のうち6製品でPIDが発生したとのことで、今回クラレ社と産総研が開発した新素材は、産業用太陽光発電設備の安定稼動のニーズに応える狙いがあるのでは、と考えます。

EVAでPIDが起きやすい理由は判りませんが、モジュールの部材変更により耐性を明らかに改善できるのであれば、今後は他社も含めて、新しい封止材の開発・発売が続くのかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]太陽電池封止材用新規PVBフィルムの開発について(クラレ社)
http://www.kuraray.co.jp/release/2013/131002.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 03:05 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2013年02月27日

ブリヂストンが耐PID性能の向上に寄与するフィルム製品を開発、ケミトックス社の試験でPmax保持率99.7%

ブリヂストン社が2013年2月26日に、

・太陽電池モジュールの耐PID性能の向上に寄与するフィルム製品を、「EVASKY」シリーズの新製品として発売する。

との予定を発表していました。

(ブリヂストンのサイト内ページ)
・耐PID性能が向上した EVASKY シリーズ新商品販売開始
 http://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2013022601.html

上記URL先ページによると、製品の概要は下記の通り。

・主な特徴:
 ブリヂストンがゴム・高分子技術をベースに培ってきた
 ・材料技術
 ・成型技術
 を活用している。

・試験:
 ・実施者:第三者試験機関「ケミトックス」社
 ・結果:
  今回の新製品では、Pmax保持率99.7%を達成。
  比較試験の対象となった各社のEVAフィルムの中で、発電効率の低下が最も少なく、耐PID性能が最も高いと評価された。

ただし現時点では、具体的な発売時期などについての情報は記載されていませんでした。


つい先日報じられていたケミトックス社による封止材のPID検証試験の結果では、EVA7製品のうち出力低下がほぼ起こらなかったのは1種類だけとのことでしたが、その1種類が今回のブリヂストンの新製品、ということなんでしょうか?

他社のこれからの動向も含めて、PIDへの対応が封止材の市場シェアにどう影響を及ぼすことになるのか、注目していきたいところです。


※参考サイト:
・[1]EVA Film for Photovoltaic Panel “EVASKY”(ブリヂストンのサイト内)
 http://www.bridgestone.com/products/diversified/evasky/index.html


※関連記事:
ケミトックス社が封止材の製品別にPID発生を検証、EVAの7製品のうち6製品でPIDが発生(2013/02/05)


ブリヂストン磐田工場が太陽電池用フィルムを増産する方針(2008/09/29)
ブリヂストンが太陽電池用フィルムを増産する方針(2008/10/22)
ブリヂストンが「エコプロダクツ2008」にブース出展予定(2008/12/08)
ブリヂストンの太陽電池用接着フィルムは、現在世界シェア約3割(2009/02/20)
ブリヂストンが関工場にEVAフィルム生産ラインを新設、生産能力増強を図る(2009/10/15)
ブリヂストンが、EVAフィルムの生産能力を約1.5倍に増強する方針(2010/07/20)
ブリヂストンが、ポーランドに太陽電池用封止シート工場を新設する方針、月産約1,080tで2013年前半に稼動予定(2011/03/08)
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2012年08月09日

大日本印刷が、太陽電池向けの封止材「CVFシリーズ」・バックシート「NRシリーズ」・「バスラインシート」を発表

大日本印刷」社が、太陽電池向け部材新製品3種類を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・大日本印刷、太陽電池モジュールの変換効率向上に対応した部材3種を量産開始(財経新聞)
 http://www.zaikei.co.jp/article/20120808/110390.html
・大日本印刷、太陽電池の部材量産 高性能封止材(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD0708Q_X00C12A8TJ2000/

(DNPのサイト内ページ)
・太陽電池モジュールの変換効率向上に対応した部材3種の量産を開始
 http://www.dnp.co.jp/news/10041801_2482.html

上記URL先ページによると、新製品の概要は

封止材CVFシリーズ」:
 ・開発の背景:
  現在は欧州の太陽光発電所などで、PID現象による出力低下が大きな問題となっている。
  この原因の一つとして、
  ・高電圧
  ・高温度
  ・高湿度
  等の厳しい条件下における、封止材の水分透過の増加が考えられている。
 ・主な特徴:
  ・高い水分遮断性
   素材にポリオレフィンを採用し、水分遮断性はEVA採用の製品の約10倍。
   このため、高温度・高湿度で1,000Vの電圧をかけた条件下でも、出力低下が殆ど生じない。
  ・生産性の向上:
   ポリオレフィンは、EVAよりも短時間でのラミネートが可能。
  ・紫外線に対する安定性:
   EVAでは、短波長(300nm前後)のUVが照射された際に、
   ・黄変
   ・酸性ガス
   を発生することがあるが、今回の「CVFシリーズ」ではこの現象が起きにくい
   このため、幅広い波長域の光の透過性に優れ、UV域の波長も発電に利用できる。
   (高効率セルへの採用で、発電効率向上が期待できる)

バックシートNRシリーズ」:
 ・開発の背景:
  ・太陽電池モジュールでは、変換効率の向上に伴い電圧が高まるため、バックシートには高い絶縁性が要求される。
  ・太陽電池モジュールにおいて、
   ・2012年2月の「JIS Q8901」(モジュールの信頼性保証体制に関する基準)の制定
   など、長期間の製品保証ニーズが高まっている。
 ・主な特徴:
  ・高い絶縁性・耐久性
   素材にm-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)を採用。
   絶縁性を従来の数倍に向上している。
   また難燃性も高く、高温度・高湿度下の長期信頼性評価で、従来の10倍以上の耐久性が確認されている。
 ・量産開始時期:2012年秋の予定

・「バスラインシート」:
 ・背景:
  ・バックコンタクト型の太陽電池モジュールは、セルの裏面に電極を形成する必要があり、生産工程が複雑化する点が課題となっている。
  ・DNPでは2010年12月に、バスラインシートの生産を開始し、生産性と品質の確認を行ってきた。
 ・主な特徴:
  ・生産工程の簡易化に寄与:
   電極の回路パターンをシート上に形成。
   ラミネート工程でセルに貼り合わせるだけで電極を形成できる。
  ・裏面電極セルの2方式に対応:
   ・MWT(Metal Wrap-Through)
   ・IBC(Interdigitated Back Contact)
   に対応している。

等というもの。

大日本印刷ではこれらの新製品の発売により、太陽電池用部材において、2014年度に売上高200億円(2011年度の2倍強)を目指すとのことです。


Dow Chemical社の封止材「ENLIGHT」では、絶縁性能の高さによるPID現象の防止に言及されており[1]、同じくポリオレフィンを用いているDNPの「CVFシリーズ」でも同様の特徴が打ち出されていますが、同現象の発生を防ぐには封止材の絶縁性能がカギを握っている、ということなんでしょうか。

また他の製品についても、その性能・特徴から、太陽電池用の部材に対する要求が変化してきていることが伺え、非常に興味深いです。


※参考サイト:
・[1]Dow Begins Production of ENLIGHT Polyolefin Encapsulant Films in Map Ta Phut, Thailand(Dow Chemical社)
 http://www.dow.com/news/all-news/article/?id=/company-news/dow-begins-production-enlight-polyolefin-encapsulant-films-map-ta-phut-th#.UCF_26AdV8U


※関連記事:
Q-Cellsの多結晶型モジュール「Q.PRO」が、Fraunhofer CSPによる耐PID試験において、最大出力の保証性能を証明(2012/06/23)
京セラ製の産業用モジュールがフラウンホーファー研究機構により、PID現象での出力低下が起きない、と認可されたとのこと(2012/07/11)
シャープの太陽電池パネルが、フラウンホーファー研究機構の試験でPID現象が起きないことが確認(2012/07/21)

Dow Chemicalがタイで封止フィルム「ENLIGHT」の新工場を稼動開始、生産能力は全社で2倍になる見通し(2012/08/08)

大日本印刷が福島県で、太陽電池用バックシートと充填材の工場を新設(2009/01/22)
大日本印刷が、ガラス並みに水蒸気透過率が低い超バリアフィルムを開発(2009/02/24)
大日本印刷が、アルミ箔を使わない高バリア性・低価格の太陽電池用バックシートを開発(2009/06/23)
大日本印刷が、旭硝子製フッ素樹脂フィルム(ETFE)採用の太陽電池用バックシートを開発(2009/09/08)
大日本印刷が、太陽電池用バックシートと封止材を一体化した製品を開発(2009/11/11)
大日本印刷が、バックコンタクト方式の太陽電池向けの「バスラインシート」を開発(2010/07/23)
大日本印刷が北九州市に、太陽電池用封止材・バックシート等の生産工場を新設する計画(2010/12/27)
posted by 管理人 at 13:50 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2012年08月08日

Dow Chemicalがタイで封止フィルム「ENLIGHT」の新工場を稼動開始、生産能力は全社で2倍になる見通し

Dow Chemical」社が2012年8月1日に、

タイで太陽電池用封止フィルム工場の稼動を開始した。

と発表したとのこと。

(ニュース記事)
・米ダウ・ケミカル、タイの太陽電池用ポリオレフィン封止フィルム工場稼働(newsclip.be)
 http://www.newsclip.be/news/2012806_035349.html

(Dow Chemical社のサイト内ページ)
・Dow Begins Production of ENLIGHT Polyolefin Encapsulant Films in Map Ta Phut, Thailand
 http://www.dow.com/news/all-news/article/?id=/company-news/dow-begins-production-enlight-polyolefin-encapsulant-films-map-ta-phut-th#.UCF_26AdV8U

上記URL先ページによると、新工場の概要は

・場所:ラヨン県のMap Ta Phut(マプタプット)
・生産品:
 太陽電池用のポリオレフィン封止フィルム「ENLIGHT
・生産能力:
 タイ工場の稼動により、Dow Chemical社全体で、早いうちに従来の2に達する見通し。
・雇用:新規雇用は約35人。
 (※Dow Chemicalのタイ全体での雇用人数は約1,000人に到達。
   同社にとってタイは、アジア太平洋地域で最大の生産事業を行っている国とのこと)

等というもの。

Dow Chemicalは更に、2012年内にはドイツのSchkopauに「ENLIGHT」の新工場(世界で3ヶ所目)を稼働開始する予定とのことで、同社のJerry Pritchett氏(Global Business Director)による

・これらの革新的なフィルムに対する市場の需要は、強いままである。
 今回のタイ工場の生産能力で、自社は急成長する需要に対応することができる。

等の内容のコメントが紹介されています。


タイとドイツでの新工場建設計画は約1年前に報じられていたものの、欧州の太陽電池市場が減速している中でも計画通りに実行する予定、というのが意外に感じましたが、Dow Chemical社としては、世界全体では中長期的に太陽電池需要の大幅な伸びを見込んでいる、ということでしょうか。

また発表資料によると「ENLIGHT」は、その絶縁性能の高さから、PID現象に対するモジュールの性能改善にも寄与するとのことで、この特徴がモジュールメーカーでの採用拡大にどの程度寄与するのか、という点も気になるところです。


※参考サイト:
・[1]マープタープット工業団地(ウィキペディア)


※関連記事:
米Dow Chemical社が、タイとドイツに太陽電池用封止材の工場を新設予定、生産量を現在の3倍に拡大(2011/08/08)
Dow ChemicalとTrina Solarが提携、太陽光発電製品・技術の研究開発で長期的・包括的に協力(2012/07/17)
posted by 管理人 at 09:14 | Comment(0) | 封止材・接着剤

2011年12月10日

富士経済のレポート「2012年 特殊粘接着・封止材市場の全貌と用途展開」で、太陽電池向け封止材の世界市場規模は2010年に1,200億円(前年比34.2%増)、2011年見込は1,243億円(同3.6%増)

富士経済」社が12月9日に、レポート「2012年 特殊粘接着・封止材市場の全貌と用途展開」を発表したとのこと。

(ニュース記事)
・富士経済、特殊粘接着剤・封止材の世界市場調査結果を発表(日経プレスリリース)
 http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=298831&lindID=4

(富士経済のサイト内ページ)
・タッチパネル、LED、太陽電池などに使用される特殊粘接着剤・封止材の世界市場を調査
 https://www.fuji-keizai.co.jp/market/11117.html

上記URL先ページによると、今回のレポートは、光学・エレクトロニクス分野を中心に使用されている粘接着剤・封止材の世界市場を調査・分析し、今後の予測を行ったもの。

この中で太陽電池向けについては、

・太陽電池向け特殊粘接着剤・封止材市場合計規模
 ・2010年:1,284億
 ・2011年見込:1,333億
 ・2015年予測:1,679億円(2010年比30.8%増)

・太陽電池向け封止材
 ・世界市場の規模
  ・2010年:1,200億円(前年比34.2%増)
   太陽電池市場の高成長に伴い、封止材市場も大きく拡大した。
  ・2011年見込:1,243億円(同3.6%増)
   ・前年の反動
   ・在庫調整に伴う価格下落
   により、伸びは鈍ると予想される。
  ・2012年予測:同約30
   ・欧州での補助金削減
   ・前年に積み増しされた在庫の調整
   により、前年比で大幅減少が予測される。
  ・2015年予測:1,533億円(2010年比27.8%増)
 ・その他:
  アジアでの現地メーカーの参入増加により、価格競争が激化している。

タブ線接着フィルム
 2010年に採用が開始。
 今後はウエハー薄肉化の進展に伴い、採用機運が高まると予想される。

等の内容が記述されているとのことです。


2012年の封止材の市場規模が前年比で3割も減少する見込みというのは、あくまで予想とはいえ非常に驚きましたが、そのような予想がなされるほどに現在の太陽電池モジュールの在庫過剰が深刻、ということも伺えます。

太陽光発電の普及・利用拡大のためには、必須の部材である封止材の需要も大きく拡大する必要があると思うので、今後の市況が予想を上回る回復・成長を見せることを、個人的には期待したいところです。
posted by 管理人 at 09:26 | Comment(0) | 封止材・接着剤