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2014年07月08日

産総研が、異なる種類の太陽電池セルを安価で接合できる「スマートスタック技術」を開発

産総研2014年7月7日に、

  • パラジウムナノ粒子などを用いて、材料が異なる太陽電池を直接接合できる「スマートスタック技術」を開発した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 多接合型太陽電池は、吸収する光の波長が異なるセルを直列接続するため、変換効率が高い。
    しかし現状の作製方法では下記の課題があるため、多接合型は作製コストが高く、用途が限定されている(集光型、宇宙用)。
    モノリシックスタック(結晶成長技術により複数セルを一括形成、現在の主流):
     結晶成長できる材料に制限があり、またその成長技術も難しい。
    メカニカルスタック(真空中で半導体表面を活性化し直接接合):
     半導体の滑らかさ(1nm以下)の制限から、高価なIII-V族化合物半導体太陽電池に特化されている。

手法

  1. ブロック共重合体を用いて、ボトム側セル上の接合界面に、Pd(パラジウム)のナノ粒子を配列導入する。(ナノ粒子の集合体の直径50nm程度、その中心間の距離100nm程度)
  2. トップ側として接合するためのセルを、ELO(エピタキシャルリフトオフ)法により、作成用の基板から分離する。(※この作成用基板は再利用が可能)
  3. 上記の2セルを、加重接着法により接合する。

特徴

  • 低コスト化・高効率化に寄与
    容易なプロセスにより、様々なセル材料を接合できる。(表面平坦性が劣るCIGS太陽電池も接合可能)
    また、トップセル作成用の基板が再利用可能。
    これらの利点により、低価格セル(Si、CIGS等)にIII-V化合物セルを安価で接合することが可能になる。
  • 接合部での損失が少ない
    ナノ粒子を用いた接合により、セル間の電気抵抗が小さく、また接合部分での光損失も少ない。

試作品の太陽電池

  • サイズ10mm四方
  • 種類と変換効率
    ・4接合(GaInP/GaAs/InGaAsP/InGaAs):30.4
    ・3接合(GaInP/GaAs/CIGS):24.2
  • 耐久性
    ・温度サイクル試験(セ氏-40〜+85度、200回)
    ・加速劣化試験(セ氏150度、100時間)
    で劣化は見られなかった。
    (これらの結果は、セ氏60度の場合で20年以上の安定性に相当する)

今後の方針

  • この技術による量産化を実現するため、
    ・大面積基板でのELO
    ・III-V化合物半導体トップセルの作製コスト低減
    ・GaAs基板の再利用
    の技術の研究開発を進める。(変換効率の目標は40%以上
    そして(集光型・宇宙用のみでなく)一般発電用への適用が可能になるよう、低コスト化・高効率化を目指す。

発表を読む限りでは、現在主流の結晶シリコン型やCIGS型の(製造コストを抑えつつの)高効率化が、狙いの一つと見受けられますが、まずその化合物半導体自体の製造コストが高いとのことなので、市販モジュールへの適用実現においては、(今後の予定の中にも挙げられていますが)トップセルの作製コスト低減が、特に重要な課題になるものと思われます。

また、温度変化に対する耐久性は高いようですが、セルを大型化して一般的なサイズのモジュール製品に適用された場合、外力(強風、積雪など)でたわみを繰り返した際に、ナノ粒子による接合部がきちんと維持されるのか(剥がれたりしないか)、というのは気になるところです。

とはいえ今回の試作品の時点で、CIGSを含む3接合が変換効率20%を軽く超えており、将来的に太陽光発電のコストダウンを大きく進める可能性も秘めていると考えます。


※参照・参考サイト:
[1]異種材料を組み合わせた次世代多接合太陽電池を開発(産総研)
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/nr20140707/nr20140707.html
posted by 管理人 at 01:21 | Comment(0) | その他の太陽電池

2013年01月25日

スイスのEMPAが、フレキシブル基板のCIGS薄膜太陽電池セルで変換効率20.4%を達成

スイスの「EMPA(連邦材料試験研究所)」が2013年1月18日に、

フレキシブル基板(ポリマー箔)を用いたCIGS薄膜太陽電池セルにおいて、変換効率20.4%を達成した。

と発表していました。

(ニュース記事)
・スイスEMPAがCIGS型太陽電池で変換効率20.4%、樹脂基板では全タイプで世界最高(Tech-On!)
 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130124/261937/?ST=energytech

(EMPAのサイト内ページ)
・Empa takes thin film solar cells to a new level
 A new world record for solar cell efficiency
 http://www.empa.ch/plugin/template/empa/3/131438/---/l=2

上記URL先ページによると、この太陽電池セルはAyodhya N. Tiwari氏らの研究グループが作成したもの。
(同グループはこれまでも、同タイプの太陽電池セルで
 ・2005年:14.1%(同グループ初の世界記録)
 ・2010年:17.6
 ・2011年:18.7
 との記録を達成してきているとのこと)

変換効率は独「Fraunhofer ISE」が測定したもので、これはガラス基板のCIGS型太陽電池セルの世界記録(20.3%)も上回っているとのことです。

また今後は「Filsom」社と協力し、ロールツーロール製造プロセスへの本技術の適用を目指していく方針だそうです。


発表では技術に関する解説が殆ど無いのが残念ですが、フレキシブル基板のセルの変換効率がガラス基板のものを上回った、ということには非常に驚きました。
(各種条件の違いが分からないので一概に判断はできませんが、ソーラーフロンティア社の記録(約0.5cm2のセルで19.7%)を上回っていることにも驚く)

Filsom社[1]は既に、ロールツーロール方式によるフレキシブルCIGS太陽電池を製品化しているようなので、今回の技術も製品への適用が早いうちに実現することを、強く期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]Filsom
 http://www.flisom.ch/


※関連記事:
ソーラーフロンティアがCIS太陽電池セル(約0.5cm2)で変換効率19.7%を達成、世界記録更新とのこと(2013/01/09)
posted by 管理人 at 03:10 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年12月13日

経産省が「酸化鉄太陽電池技術研究組合」の設立を認可、2014年度までの製造法開発(ロールツーロールを想定)を目指す

経済産業省2012年12月12日に、

・技術研究組合法に基づき、新しい技術研究組合3つの設立を認可した。

と発表したとのことです。

(ニュース記事)
・経産省、3つの技術組合を認可 エネルギー・環境分野で(日本経済新聞)
 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS12032_S2A211C1EE8000/

(経産省のサイト内ページ)
・エネルギー・環境分野の研究を行う3つの技術研究組合の設立を認可し組合設立数が62になりました
 http://www.meti.go.jp/press/2012/12/20121212003/20121212003.html
・酸化鉄太陽電池技術研究組合(略称:鉄太陽電池組合)の概要
 http://www.meti.go.jp/press/2012/12/20121212003/20121212003-4.pdf

上記URL先ページによると、今回の新設組合の一つが「酸化鉄太陽電池技術研究組合」で、その概要は下記の通り。

・組合員:
 下記の9企業1大学。
 ・ベネッセホールディングス
 ・戸田工業
 ・アイム21
 ・東洋クオリティワン
 ・日清鋼業
 ・吉永建設
 ・東洋電器
 ・ナノセルジャパン
 ・ザックス
 ・岡山大学

・事業内容:
 酸化鉄化合物「グリーンフェライト」が持つ
 ・光吸収特性
 ・光伝導効果
 を応用して、赤外線領域から動作する安価・高効率な酸化鉄太陽電池の早期実現にむけ、試験・研究を行う。

・目標・方針:
 安価なPN接合形成技術(塗布型ロールツーロール方式を想定)を、2014年度までに開発する。
 そして同技術の開発後に量産化技術を検討し、事業化に向けた工程を決定する。

・事業費:2012年度に3,060万


グリーンフェライトを用いる太陽電池の開発については、2011年6月に岡山大とベネッセHDが連携協定を結んでいましたが、今回の技術研究組合設立により開発体制が拡大されれば、実用化の時期が大幅に近づくのでは、と期待が高まります。

kWあたり100ドルという価格が本当に実現できるものなのかは分かりませんが、もし実現すれば文字通りのエネルギー革命をもたらすと思われるので、今後の取り組みに強く注目・期待したいところです。


※関連記事:
岡山大学とベネッセHDが、酸化鉄化合物「グリーンフェライト」(光吸収率がシリコンの100〜1,000倍)を用いる次世代型太陽電池の開発で連携予定(2011/06/23)
岡山大とベネッセHDが「グリーンフェライト」による太陽電池開発で連携協定を締結、2,000万円の資金提供により2013年の実用化を目指す(2011/06/28)
岡山大学が研究中の「グリーンフェライト」を用いる太陽電池は、赤外線も発電に利用できる可能性ありとのこと(2011/09/20)
posted by 管理人 at 07:11 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年10月06日

桐蔭横浜大と英オックスフォード大がペロブスカイト化合物を用いた太陽電池を開発、塗布により作成でき、変換効率は1cm四方のセルで10.9%

桐蔭横浜大学
オックスフォード大学

の研究チームが、「Perovskite(ペロブスカイト)」構造の化合物を光電変換材料に用いた太陽電池を、開発したとのこと。

(ニュース記事)
・桐蔭横浜大など、塗って作れる新タイプの太陽電池開発(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320121005eaah.html

(「Science」誌のサイト内ページ)
・Efficient Hybrid Solar Cells Based on Meso-Superstructured Organometal Halide Perovskites
 http://www.sciencemag.org/content/early/2012/10/03/science.1228604.abstract?sid=36b42d6c-7b3a-43a2-89c1-8e605de0bb7d

上記URL先ページによると、今回作成したセルの概要は

・サイズ:約1cm四方
・素材:
 ・光電変換材料
  ・メチルアンモニウム
  ・鉛
  ・ヨウ素
  ・塩素
  で構成されるペロブスカイト化合物。
 ・絶縁層:多孔質のアルミナ粒子
  ペロブスカイト層の表面積を広げ、光の吸収能力を高める役割も果たす。
 ・有機半導体スピロビフルオレン
・構造:
 酸化チタン層の上にアルミナ粒子、その上にペロブスカイト化合物を乗せ、有機半導体で覆っている。(単接合デバイス)
・作成方法:塗布型
・性能:
 ・吸収バンドギャップ:1.55eV
 ・開放電圧:1.1V以上
 ・変換効率:10.9
  改良により、15%までアップできる見通し。
 ・その他:
  近赤外線に近い可視光の吸収率が、非常に高い。

等となっています。


新しいタイプの太陽電池にも関わらず、(セルがまだ小さいとはいえ)変換効率が既に2桁を達成していることにちょっと驚きましたが、Perovskite構造が持つ特性(結晶格子内の八面体の向きが容易に変化する)が光電変換にプラス方向で影響している、ということなんでしょうか?

素材が安価で、製造も塗布により行え、更に変換効率向上の見込み水準も高いとのことなので、今後の研究開発の進展に強く期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]ペロブスカイト構造(ウィキペディア)
posted by 管理人 at 04:04 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年09月14日

金沢工大が、多結晶亜酸化銅基板を用いる太陽電池で変換効率5.09%を達成

金沢工業大学電気電子工学科の研究グループ(南内嗣教授、宮田俊弘教授ら)が、多結晶亜酸化銅基板を用いる太陽電池の変換効率アップに成功したとのこと。

(ニュース記事)
・金沢工大、亜酸化銅基板で太陽電池のエネ変換効率5.09%に向上(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/dennavi/news/nkx0720120913qtkg.html

上記URL先ページでは、研究の概要として

・手法:
 ・多結晶亜酸化銅基板
 ・酸化亜鉛系透明導電膜
 の間に、酸化ガリウムの薄膜を蒸着して積層する。
 酸化ガリウム薄膜は光の透過性に優れるため、光が基板に到達するまでのロスが低減される。

・変換効率:5.09%(従来の最高値は4.0%)

等の内容が記述されています。


金沢工大の研究グループは、今年5月にもCu2O系太陽電池の変換効率の記録更新(30年ぶり)を発表していました[1]が、今回は更に目標(アモルファスシリコン薄膜太陽電池の5〜10%程度を越える水準)の達成に近づいており、発電能力向上の急速さが伺えます。

Cu2O系太陽電池は素材が安価ということなので、低コストな太陽電池の一つとして、実用化の実現を強く期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]低コストで高効率の新型太陽電池を開発 南、宮田両教授の研究グループ(金沢工業大学)
 http://www.kanazawa-it.ac.jp/kitnews/2011/1188403_2414.html


※関連記事:
金沢工大の研究者が、銅板・亜鉛を用いる新型太陽電池の基板を開発、変換効率3.8%で製造コストはシリコン型の約1/100(2011/05/29)
posted by 管理人 at 22:13 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年09月05日

ソーラーフロンティア等が開発したCZTS太陽電池セルが、変換効率11.1%を達成

ソーラーフロンティア社が2012年8月30日に、

CZTS太陽電池セル変換効率で、11.1%を達成した。

と発表したとのこと。

(ニュース記事)
・ソーラーフロンティア、CZTS太陽電池の変換効率で世界記録、IBMなどと共同研究(環境ビジネス)
 http://www.kankyo-business.jp/news/003179.php

(関係各社のサイト内ページ)
・ソーラーフロンティア、CZTS太陽電池の変換効率で世界記録(ソーラーフロンティア)
 http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2012/C009560.html
・IBM Breaks Efficiency Mark with Novel Solar Material(IBM)
 https://www.ibm.com/developerworks/mydeveloperworks/blogs/iic-san-mateo/entry/ibm_breaks_efficiency_mark_with_novel_solar_material1?lang=en

上記URL先ページによると、今回のセルは

・IBMコーポレーション
・東京応化工業
・DelSolar

との共同開発によるもので、CZTS型セルでは世界最高の変換効率とのことです。


IBMが2010年2月に達成したセル変換効率は9.6%とのことだったので、その後2年半で1.5ポイントの向上となり、実用化にはまだ時間がかかりそうな印象ですが、CIS型太陽電池の大規模な商用化を実現しているソーラーフロンティアが携わっているだけに、今後の進歩に強く期待したいところです。


※参考サイト:
・[1]特集:低炭素社会の実現に向けた東京応化の技術(東京応化工業)
 http://www.tok.co.jp/company/csr/pdf/repo2011/2011_03.pdf
・[2]DelSolar
 http://www.delsolarpv.com/new_delsolar/index.asp?language=eng


※関連記事:
ソーラーフロンティアと米IBMが、CZTS薄膜太陽電池セルの共同開発で合意(2010/10/20)
昭和シェル石油などによる「CZTS薄膜太陽電池」の研究開発プロジェクトが、 NEDOの「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」の採択予定先に選定、早期の商業化実現に期待(2012/07/15)

AQT Solar社がCZTS太陽電池モジュール(60W)の試作品を開発、技術的なマイルストーンとのこと(2012/06/08)
posted by 管理人 at 05:59 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年07月27日

UCLAの研究チームが透過率66%のポリマー太陽電池セルを開発、軽量・フレキシブルで低コスト生産も可能とのこと

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究チーム(Yang Yang教授ら)が、透過率が高い太陽電池セルを開発したとのこと。

(ニュース記事)
・太陽光発電に大きな一歩! 透明なパネルの試作に成功 / ビルが巨大な発電所になる(ロケットニュース24)
 http://rocketnews24.com/2012/07/25/233217/

(UCLAのサイト内ページ)
・UCLA researchers create highly transparent solar cells for windows that generate electricity
 http://newsroom.ucla.edu/portal/ucla/ucla-researchers-create-highly-236698.aspx

上記URL先ページによると、太陽電池セルの概要は

・種類:ポリマーソーラーセル(PSC)
 プラスチックのような素材から作られ、
 ・軽量・フレキシブル
 ・低コストでの大量生産が可能
 とのメリットを持つ。
・構造:
 ・近赤外光活性ポリマー
 ・銀ナノワイヤー複合膜
 等を組み合わせている。
 (銀ナノワイヤー複合膜は
  ・銀ナノワイヤー
  ・二酸化チタンのナノ粒子
  を混合したもので、透明電極として使用)
・透過率:66
・変換効率:4

等となっています。


透過率が約2/3と高いとはいえ、写真を見る限りでは若干暗いので、明瞭な視野・表示が必要な箇所(例えば自動車のフロントガラスや、モバイル機器の表示部分など)には流石に向かないのでは、という気がしますが、透明性の他にも製造コストが低く大量生産に向くという長所があるとのことなので、実用化した場合に相当に広い適用用途が期待できるのでは、とも考えます。
posted by 管理人 at 03:06 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年07月15日

昭和シェル石油などによる「CZTS薄膜太陽電池」の研究開発プロジェクトが、 NEDOの「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」の採択予定先に選定、早期の商業化実現に期待

昭和シェル石油」社が関わる「CZTS薄膜太陽電池」の高効率化技術の研究開発プロジェクトが、 NEDOによる「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」の採択予定先として選定されたとのこと。

(ニュース記事)
・昭和シェル石油、次世代太陽電池の高効率化技術の開発がNEDOの委託テーマに選定(ECO JAPAN)
 http://eco.nikkeibp.co.jp/article/news/20120713/113623/

(各組織のサイト内ページ)
・NEDOによるCZTS薄膜太陽電池技術の研究開発助成について(昭和シェル石油)
 http://www.showa-shell.co.jp/press_release/pr2012/0711.html
・NEDOによるCZTS薄膜太陽電池技術の研究開発助成について(ソーラーフロンティア)
 http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2012/C007567.html
・平成24年度「太陽光発電システム次世代高性能技術の開発」の追加公募に係る採択予定先一覧(NEDO)
 http://www.nedo.go.jp/content/100496552.pdf

上記URL先ページによると、この研究開発は

・昭和シェル石油
・産業技術総合研究所
・立命館大学
・東京工業大学
・鹿児島大学
・筑波大学
・龍谷大学

の7機関による産学官連携コンソーシアムのプロジェクトとして提案されていたもので、昭和シェル石油とソーラーフロンティアでは、この共同プロジェクトによる早い段階での商業化実現を期待しているとのことです。

ちなみに本プロジェクトにおいて、昭和シェル石油グループの「厚木リサーチセンター」では、主に製造技術の開発を担当するとのこと。


CZTS型は高価な素材を用いず、現在のCIGS型よりも低価格化が見込めるとのことで、実用化には強く期待したいですが、それだけに現状では何時ごろ実現できる見通しなのか、というのが気になるところです。


※関連記事:
ソーラーフロンティアと米IBMが、CZTS薄膜太陽電池セルの共同開発で合意(2010/10/20)

AQT Solar社がCZTS太陽電池モジュール(60W)の試作品を開発、技術的なマイルストーンとのこと(2012/06/08)
posted by 管理人 at 06:23 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年07月04日

東工大の研究者が主導する「シリコンナノワイヤ太陽電池」の研究プロジェクトに、パナソニック・カネカ等が参画する、との報道

下記URL先ページでは、

東京工業大学の小長井誠教授が主導する「シリコンナノワイヤ太陽電池」の研究プロジェクトに、複数の企業・大学が参加することが、2012年7月2日に判明した。

と報じられています。

(ニュース記事)
・東工大・パナソニックなど、ナノワイヤ太陽電池研究プロに参画(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720120703eaaj.html
・次世代太陽電池、官民で共同開発 パナソニックやカネカなど(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB02004_S2A700C1EB2000/

上記URL先ページによると、プロジェクトの概要は

・背景:
 今回のプロジェクトは、東日本大震災の被災地復興に向けた文部科学省の「革新的エネルギー研究開発拠点形成事業」として行われる。

・目標:
 東京工大で開発している新技術を用い、
 ・高い変換効率30%)
 ・低コスト
 を両立する太陽電池を開発する。

・参加企業・大学・組織:
 ・パナソニック
 ・カネカ
 ・三菱電機
 ・東北大学
 ・京都大学
 ・奈良先端科学技術大学院大学
 ・福島大学
 ・物質・材料研究機構

・拠点:
 福島県郡山市の再生可能エネルギー関連の研究施設(経済産業省が2014年春に開設予定)

・予算:2012年度は12億

等となっています。


現時点では、名前が挙がっている各企業・大学のウェブサイトでこの件に関する発表は見当たらず、正式発表はまだされていないようですが、各々タイプが違う太陽電池を手がけている太陽電池メーカー3社が参画しているとのことで、今回の開発技術を各社がどのように活用することになるのか、非常に興味を引かれるところです。


※参考サイト・ページ
・[1]小長井誠・宮島晋介研究室&山田明研究室(東京工大のサイト内)
 http://solid.pe.titech.ac.jp/Research.html


※当ブログの関連記事:
物質・材料研究機構が、シリコン太陽電池の発電量を100倍までアップできるという新構造の材料を開発、5年後の実用化を目指す(2012/01/16)

韓国科学技術院が、カーボンナノチューブの採用により、有機太陽電池の変換効率の3割アップに成功(2010/12/09)
「韓国機械研究院」が、液状ナノワイヤーを利用する太陽電池の生産効率・発電能力をアップする技術を開発(2010/03/13)
posted by 管理人 at 06:18 | Comment(0) | その他の太陽電池

2012年06月08日

AQT Solar社がCZTS太陽電池モジュール(60W)の試作品を開発、技術的なマイルストーンとのこと

CIGS薄膜太陽電池セルの開発を手がけている「AQT Solar」社が6月6日に、

・モジュール化の提携企業と共同で、CZTS太陽電池モジュール(発電容量60W)の試作品を開発した。

と発表したとのこと。

(ニュース記事)
・AQTソーラーがCZTS太陽電池モジュールの試作品を開発し、節目となる大きな成果を達成(財経新聞)
 http://www.zaikei.co.jp/releases/47786/

(AQT Solar社のサイト内ページ)
・AQT Solar Reaches Significant Milestone with CZTS Solar Module Prototype
 http://www.aqtsolar.com/press-center/2012/06/aqt-solar-reaches-significant-milestone-with-czts-solar-module-prototype/

上記URL先ページによると、AQT社ではCZTS太陽電池モジュールについて、2012年初めから、太陽光の下で試験を実施。

今回の主な成果として、

・材料の制約を受けない独自製造プラットフォームを活用し、従来に無い早さで試作品段階に到達した。
・AQTの商用プラットフォームが、低コスト・高効率セルに対する需要を満たす上で、必要となる幅広い種類の材料サポートできることを実証した。
電力密度の点で、重要な節目となる。

との点が挙げられています。

また発表では、AQT社のCZTS太陽電池セルについて、これまでの研究により

製造コストが非常に低い。
広範な利点(下記内容を含む)を太陽電池モジュールメーカーに対して提供できる、潜在力を持つ。
 ・結晶シリコン型より優れるエネルギー獲得率
 ・高耐久性のガラス基板による、モジュール組立中の機械的歩留まりの低下の抑制
 ・既に実証済みの材料・装置の使用による、モジュールの適応性・拡張性の確保
 ・標準出力サイズでの提供が可能

との長所が判明している、とされています。


AQT Solarのサイトに掲載されている動画(下記)を見ると、同社はCIGS型では、小さいガラス基板上にセルを形成することで、結晶シリコン型と同じ方式でモジュールを作れる(結晶シリコン型セルとそのまま置き換え可能)とのことで、ニュース記事に掲載されている写真を見る限りでは、今回のCZTS型でも同様の方式を実現しているということでしょうか。



ただこの方式だと、モジュールの製造はしやすくなる一方で、日本メーカーが製造・販売しているCIGS型モジュール(セルが細長い短冊型)と異なり、日陰の影響を受けやすくなるのでは、という懸念を感じますが、その点はどう考えられているのかが気になるところです。


※当ブログの関連記事:
ソーラーフロンティアと米IBMが、CZTS薄膜太陽電池セルの共同開発で合意(2010/10/20)
posted by 管理人 at 23:29 | Comment(0) | その他の太陽電池