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2020年05月28日

JinkoSolar社が出力500W超の「Tiger Pro」モジュールを発表、9本バスバー・タイリングリボン・ハーフセルを採用し高出力・高効率を実現

JinkoSolar社が2020年5月15日に、

  • 2020年の太陽電池モジュールの主力製品「Tiger Pro」シリーズ
を発表していました[1]。

製品の紹介ページ[2]と合わせて、概要は次の通り。


主な特徴 従来の太陽電池モジュールよりも、LCOEを大幅に引き下げることが期待できる。
  • 500W超の出力:
    最大のモデルで580W。
    これは、大規模プロジェクトで現在主流のモジュールより40%高い。
  • 複数の革新的技術を採用:
    下記の技術を用いており、モジュール変換効率は、最高のモデルで21.6%に達している。
    • MBB(バスバー):
      9本のバスバーにより、電力の損失を減らす。
    • TR(タイリングリボン)テクノロジー:
      セル間のギャップを無くし、モジュール効率を大幅に高める。
    • HC(ハーフセル)テクノロジー:
      セルを半分に分割して、影に対する許容度を改善。
モデル [2]に掲載されているのは、下記の4種。
モデル名出力モジュール
変換効率
リニア
出力保証
Tiger Pro 72TR Monofacial535Wp21.6%25年
78TR Monofacial580Wp
72TR Bifacial530Wp21.4%30年
78TR Bifacial575Wp
今後の予定
  • 20203Q量産開始


JinkoSolar社は昨年(2019年)秋に豪州の展示会で、出力460Wの「Tiger」モジュールを発表していました。

そのため、モジュール1枚での500W超えもそう遠くないだろう、とは想像していましたが、それから僅か半年ちょっとで現実になるとは思いませんでした。

実際の市場投入にも、さほど時間はかからないものと思われるので、今後は他メーカーの追従の動きにも、注目したいところです。(個人的には特に、住宅用で400W超のモジュールをリリースした米SunPower社あたり)


[2]によるとこの「Tiger Pro」には、片面発電(Monofacial)と両面発電(Bifacial)のモデルがあるようですが、意外にも出力と変換効率は、片面のほうが(僅かですが)高くなっています。

その一方で、出力保証の期間は両面のほうが5年長くなっており、これらの違いが何によるものなのかは、ちょっと興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Launches 2020 Flagship Tiger Pro Series with Module Output of Up to 580W(JinkoSolar社、2020/5/15)
https://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-launches-2020-flagship-tiger-pro-series-module-output
[2]Tiger Pro(JinkoSolar社)
https://www.jinkosolar.com/en/site/tigerpro

※関連記事:

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2020年01月31日

JinkoSolar社が両面発電太陽電池モジュールで、最大変換効率22.49%を達成

JinkoSolar社が2020年1月20日に、

  • 両面発電bifacial)太陽電池モジュールで、最大変換効率22.49%を達成した。(TUV Rheinlandによる検証)
と発表していました[1][2]。

この中で、同社が量産モジュールの変換効率を改善した方法として、下記の技術が上げられています。
(ただしこれらの技術と、今回の両面モジュールの記録更新との関係は、明記されていません)


  • 新開発された
    • 「ARC」
    • 高度な金属化技術
  • 実証済みの高効率セル設計
  • 新しいタイリングリボン技術:
    セル間のギャップが解消され、高効率と信頼性を確保。
    また、モジュールの外観も改善した。


「ARC」の詳細は不明ですが、リリースの日本語版[2]では「不動態化技術」が該当するので、結局PERCと同じ意味かと思われます。

そのPERCは「Passivated Emitter and Rear Cell」の略称なので、ARCのRCもRear Cellのことだと思われますが、Aは判りません。


Jinko社の現行製品の両面モジュール[3]の変換効率は、60セルで最大19.40%、72セルで同19.72%。

これらと比べると、今回達成した記録(22.49%)は、確かにかなりの更新です。

ただ個人的には、両面で発電できるモジュールなら既に24〜25%ぐらいに達しているのでは、という思い込みがあったので、今回の数値も意外にまだ低いと感じてしまいました。

これについては、当ブログの過去記事を見返すと

という数字だったので、少なくとも製品仕様のうえでは、両面発電だからといって劇的に数値が高まるわけでは無いようです。

これが周囲からの反射光が強い設置環境、例えば冬の積雪がある場所で、発電電力量が(通常の片面モジュールに比べて)どのぐらい変わるのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Breaks World Record for Bifacial Modules Conversion Efficiency(JinkoSolar社、2020/1/20)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1923.html?lan=en
[2]ジンコソーラー両面発電モジュールの効率 世界記録を更新(同上)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1925.html?lan=jp
[3]Swan Dual Glass HC(JinkoSolar社)
https://www.jinkosolar.com/product_686.html?lan=en
[4]PERC - セル背面のパッシベーション処理(WINAICO)
http://www.winaico.com/jp/%E8%A3%BD%E5%93%81/perc%E6%8A%80%E8%A1%93/

※関連記事:

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2020年01月30日

TrinaSolar社が210mmシリコンウエハを用いた「210モジュール」を完成、マルチバスバー技術と1/3カットデザインを採用

TrinaSolar社が2020年1月23日に、

  • 自社開発の210mmシリコンウエハを用いた最初の「210モジュール」が、生産ラインで完成した。
と発表していました[1]。

この中で、同モジュールに関する主な情報は次の通り。


モジュールの特徴
  • マルチバスバー(MBB)技術
  • 1/3カットデザイン
を採用。
  • 高出力
  • 歩留まり
  • 製造上の難点
  • ホットスポット発生リスク
  • 出力電流パフォーマンス
  • ジャンクションボックスの安全性
等の潜在的な課題を、総合的に考慮してデザインした。
研究開発の開始時期 2019
今後の見通し 大型モジュールの市場投入までの時間が、大幅に早められることになる。

また、TrinaSolar社のエンジニアリング技術研究開発の責任者によるコメントの中で、

  • 当社のチームは現在、PV業界をモジュール出力500ワットの時代へと導く先駆者として、最新の研究開発の成果を大量生産化するための製品開発を迅速に進めています。

との記述があります。



モジュールの写真や、主な仕様(出力、サイズ、重量など)については、今回の発表では全く情報が無いのが残念です。

「市場投入までの時間が大幅に早められる」との文言があるので、今回は生産ライン上で完成したと言っても、実際の商品として大量生産する段階にはまだ至っていない、ということかと思われます。


ただ「210ミリ」という数値だけでも、一般的な太陽電池セル(1辺5インチ(127mm)または6インチ(152.4mm))と比べて、一足飛びの大型化であることに驚きました。

またこの「210モジュール」は、開発開始から1年以内で生産ライン上での完成を実現した、ということになり、その研究開発のスピードには、メーカーの勢いが感じられる気がします。


今回の発表では他に、今後の業界の見通しとして「モジュール出力500ワット」と明記されており、やはりモジュール1枚で500Wが、一つの目標となっていることが伺えます。

当ブログでチェックしてきた限りでは、他社製モジュールではこれまで

が出力400Wを超えており、このぶんだと500Wへの到達も、(どのメーカーが最初かはともかくとして)そう遠くはないものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラーの210モジュール第一号完成(TrinaSolar社、2020/1/23)
https://www.trinasolar.com/jp/resources/newsroom/fri-01242020-1400
[2]インチ(ウィキペディア)

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2019年12月09日

JinkoSolar社が高性能モジュール「Tiger」300MW分を、中国の超高電圧実証プラント向けに供給、「タイルリボン技術」でセル間の隙間を解消

JinkoSolar社が2019年11月29日に、

  • 中国国内の超高電圧実証プラント向けに、高性能の太陽電池モジュール「Tiger」を供給した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


実証プラントの場所 青海省(Qinghai Province)
「Tiger」モジュールの供給量 300MW
※地上設置型の大規模プロジェクトでの設置は、今回が初。
「Tiger」モジュールの特徴
  • モジュール変換効率:20.4%
  • 独自の「タイルリボン技術」を採用し、
    • 現実の環境(例えば部分的な影や、高温状況下)での出力アップ
    • 信頼性と効率の向上(セル間の隙間を解消)
    を実現している。


「Tiger」モジュールは新しい製品のためなのか、製品情報はまだJinkoSolar社のサイト内に見当たりませんが、豪州での展示会への出展レポート[2]で、ある程度の説明がされています。

その主な情報・データは次の通り。

モジュール変換効率 20.78%
ピーク出力 460W
採用技術とその効果
  • タイリングリボンテクノロジー:
    セル間のギャップを解消することで、効率を高める。
  • ハーフカットセル設計:
    セル電流の不一致とリボン電力損失を低減する
  • 9-Busbarテクノロジー:
    メインバスバーとフィンガーグリッドライン間の距離を縮めることで、抵抗損失を減らし、出力と効率を向上させる。

[2]のスマホ版ページでは、モジュールの写真を拡大すると、セル上の配線が細かい格子状になっていることが見て取れます。

ただ変換効率が[1]と異なるので、同じ「Tiger」でも違う形式の製品かもしれませんが、ともかく採用技術のユニークさには目を引かれます。

また出力400W超のモジュールは、SunPower社が今年(2019年)3月に400W・415Wの製品を発表していましたが、[2]のTigerモジュールはそれらを上回っており([1]も恐らく近い水準だろう)、500W到達も遠くないのではと思わせられます。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Supplies 300MW of High-Efficiency Tiger Modules for China Ultra-High Voltage Demonstration Plant(JinkoSolar社、2019/11/29)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-supplies-300mw-high-efficiency-tiger-modules-china
[2]JinkoSolar Unveils New Tiger Module with Tiling Ribbon Technology at All-Energy Australia 2019(同上、2019/10/23)
http://jinkosolar.com.au/2019/10/jinkosolar-unveils-new-tiger-module-with-tiling-ribbon-technology-at-all-energy-australia-2019/

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2019年12月08日

JinkoSolar社がオランダでの太陽光発電プロジェクト向けとして、Obton社に約40MWの太陽電池モジュールを供給

JinkoSolar社が2019年12月4日に、

  • オランダでの太陽光発電プロジェクト向けに、太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


発電設備の場所 オランダのAlmelo
太陽電池モジュール
  • 供給先:Obton
  • 供給量:40MW
    2019年の夏に設置された。
  • 機種:「Cheetah HC 60」


個人的にこれまでオランダについては、太陽光発電を導入しているイメージが無かったので、40MWものモジュールを供給したという今回の発表は、ちょっと意外でした。

ちょうどObton社ウェブサイトの1年前の記事[2]で、オランダのPV導入に関する解説がされており、それによると同国の国内エネルギーに占める再エネの割合は、2016年に6%(うち風力4%、太陽光2%)。
(※EUの再エネ導入目標は、2020年に20%)

この低調さの理由の一つに、国土が狭く人口密度が高い(=地上設置型の適地が限られる)ことがあり、それに対応する太陽光発電の有効な(継続的な導入が見込める)設置先として、Obton社は建物の屋上(rooftop)を挙げています。

欧州において、日本と似た制約を持つ国があることは興味深く、その意味でオランダでの太陽光発電導入の今後に、注目したいところです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Supplies 40 MW to Obton for Almelo Project in the Netherlands(JinkoSolar社、2019/12/4)
https://www.jinkosolar.com/press_detail_1890.html?lan=en
[2]Renewables: How the Dutch can meet its impossible targets(Obton社、2018/12/17)
https://www.obton.com/en/news/renewables-how-the-dutch-can-meet-its-impossible-targets/
[3]アルメロ(ウィキペディア)
[4]Cheetah Mono PERC HC(JinkoSolar社)
https://www.jinkosolar.com/product_484.html?lan=en

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2019年11月25日

JA Solar社が北海道・標津海岸でのメガソーラー+蓄電池プロジェクトに、32MWのPERC単結晶モジュールを供給、厳しい環境に耐え得る製品

JA Solar社が2019年11月11日に、

  • 北海道でのメガソーラー+蓄電池プロジェクトに、32MWPERC太陽電池モジュールを供給した。
と発表していました[1]。

プロジェクトの概要は次の通り。


設置場所 北海道・標津町の海岸
※寒くて風が強く、極端な気象条件である。
太陽電池モジュール PERC単結晶型
  • セ氏-40〜+85度の温度範囲
  • 強い風圧、低温と積雪
等の環境下でも安定した高出力を維持でき、また耐塩性・耐アルカリ性に優れる。
発電電力量の想定値 30GWh/年
蓄電池の容量 10445kWh
※これにより自己調整を行うことで、ピーク時とオフピーク時の両方において、発電所の安定稼動を可能にする。
また、地域の需要に基づくインテリジェント制御システムにより、出力を調整してエネルギー消費を改善し、投資収益を最大化できる。
現在の状況 系統連系は既に済んでいる


「しべつ」と読む北海道の地名は、他に「士別市」がありますが、そちらは海に面していないので、「coastal Shibetsu」にあたるのは標津町のほうだと判断しました。

個人的に中国のモジュールメーカーについては、これまでのところは赤道付近の新興国向けの供給が盛ん、というイメージが強いです。

そのため、全く環境が異なる北国での大規模プロジェクトで、実際にどれだけ安定稼動できるのか、というのは非常に気になるところです。

またその点で確かに、今回のケースはJA Solar社にとって「important milestone」なのだと思われます。


※参照・参考資料:
[1]JA Solar Supplies High-efficiency PERC Modules for a 32MW Solar-Plus-Storage Project in Hokkaido(JA Solar社、2019/11/11)
http://www.jasolar.com/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=55&id=56
[2]標津町(ウィキペディア)

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2019年09月25日

中国JinkoSolar社の2019/4-6の太陽電池モジュール出荷量は3386MW(前年同期比21.2%増)、中国市場や海外新興市場が活況

3週間以上前になりますが、中国のJinkoSolar社が2019年8月30日に、2019年第2四半期2019/4-6)の業績を発表していました[1]。

今回はその中から

  • 太陽電池モジュール出荷量
  • 太陽電池市場の状況
に関する数字や内容を、抜き出してまとめてみました。


太陽電池モジュールの出荷量 3386MW(前年同期比21.2%増)
市場の状況
  • グリッドパリティに急速に近づくにつれて、2019年は世界の太陽光発電産業のマイルストーンとなる見込み。
  • 海外の新興市場の多くは、太陽光発電の発電コスト低下につれて、GWレベルに急速に到達しつつある。
  • 中国国家エネルギー局は2019年5月に、風力発電と太陽光発電のグリッドパリティプロジェクトの、最初のバッチについて発表。
    続いて7月には、2019年の政府補助金が確保された承認済み太陽光発電プロジェクトのリストが発表された。
    中国では現在、40GWの太陽光発電プロジェクトが、今年末までに系統連系される見込み。


世界トップクラスの規模とは言え、いちメーカーの四半期単独のモジュール出荷量が約3.4GWに到達し、しかも前年同期から2割以上も伸びていることに驚きました。

政府補助を背景に大規模導入が計画される地元・中国の需要と、急拡大する海外新興市場の需要を、しっかり捕らえているものと思われますが、それにしても近年日本メーカーが退潮し、また2年前には老舗の独SolarWorld社が経営破綻したいっぽうで、なぜこうも好調を続けることができているのか、(今更ですが)やはり強い疑念を抱かざるを得ません。


太陽電池ではなく液晶ディスプレイの話ですが、最近の「中央日報」の記事[1]で、中国メーカー「BOE」が受けた政府支援について、下記の数字が示されていました。

  • 安徽省合肥の第10.5世代工場への投資額:600億元(約9151億円)
    しかし内訳は、
    • BOE社の独自調達分:5%程度
    • 地方政府が発行した公共ファンド:50%
    • 国策銀行による貸付:40%
  • 製品(液晶パネル)の出荷価格:
    上記の結果、韓国企業より約20%安い。

投資額の規模(日本円で1兆円に迫る)と、政府支援の割合(9割)、そしてそれらにより実現された価格競争力と、非常に興味深いデータです。

また続く記事[2]では、かつて韓国のディスプレイメーカーが、やはり大規模な政府支援を背景に、2000年代半ばに日本メーカーから世界シェアトップを奪ったことが記されており、こちらも政府による巨額支援の効果の絶大さが伺えます。

(もちろんいずれのケースも、その支援をメーカーがしっかり生かして努力したことは、確かだと思いますが)


中国政府による自国内太陽電池メーカーへの(公にならない)支援の規模については、2013年に欧州委員会が、売上高の11.5%相当との調査結果を公表していました。

当時はこれがどの程度妥当なのか全く判りませんでしたが、上述の(ディスプレイ分野の)事例を知ったうえだと、十分に有り得るという印象です。
(※JinkoSolar社の2019年2Q単独の売上高は、約69億人民元(約10億米ドル)[1]。)


ともかくこのような状況下では、日本の政府や産業界はもう、原子力発電に拘り続けている場合ではなく、再エネの導入・普及や再エネ産業の振興について、一刻も早く明確かつ強力な姿勢を示すべきだと考えます。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Second Quarter 2019 Financial Results(JinkoSolar社、2019/8/30)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-announces-second-quarter-2019-financial-results
[2]韓国ディスプレー最後の砦、有機EL…サムスン・LGに残された時間は3年(1)(中央日報、2019/9/18)
https://japanese.joins.com/article/730/257730.html
[3]同(2)(同上)
https://japanese.joins.com/article/731/257731.html

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2019年05月09日

中国LONGi社の2018年のセル・モジュール出荷量は計約7GW、モジュール生産能力は2019年末までに16GWの計画

中国のLONGi社が2019年4月30日に、

  • 2018年年次報告書と2019年第1四半期決算
を発表したとのことです[1]。

その中から、太陽電池モジュールに関する数字をまとめてみました。


2018出荷量 太陽電池セルとモジュールの合計で7.072GW(前年比50%増)。
モジュール生産能力の計画
  • 2019年末まで:16GW
  • 2020年末まで:25GW
  • 2021年末まで:30GW


2018年にはJinkoSolar社が11.4GW、Canadian Solar社が6615MWのモジュールを出荷しており、今回のLONGi社の数字(セルとモジュール合わせて7.072GW)はまだそれに及びません。

とは言え、前年の1.5倍というのは急激な伸びであり、またモジュール生産能力の拡大計画の規模にも、驚かされます。

中国メーカーの生産規模拡大というと、かつてモジュールの供給過剰を引き起こし、2012年頃には軒並み苦境に陥っていたことが思い出されますが、太陽光発電の導入が新興国にも広がっている現在では、モジュール需要の成長の度合いも異なる、ということなのかもしれません。

ただLONGi Solar社は、今年3月にハンファQセルズ社からPERC太陽電池に関する特許侵害訴訟を起こされており、そちらにどう対処していくか、というのも気になるところです。


※参照・参考資料:
[1]LONGiの容量計画、2021年末までに単結晶ウエハー65GW、単結晶モジュール30GW(共同通信PR Wire、2019/5/3)
https://kyodonewsprwire.jp/release/201905066004

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2019年03月08日

JinkoSolar社が米国で太陽電池モジュール製造施設を開所、年産能力400MWで高出力PERC単結晶型を製造

JinkoSolar社が2019年2月26日に、

  • 米国で、太陽電池パネル製造施設の開所式を開催した。
と発表していました[1]。

製造施設の概要は次の通り。


場所 フロリダ州Jacksonvilleの「4660 POW-MIA Memorial Parkway」
生産品 60セル・72セルの高出力PERC単結晶型モジュール
年産能力 フル稼働で400MW
2018年11月にパイロット生産を開始し、その後着実に増加している。
投資額 5000万ドル規模
雇用者数 200人以上
その他 JinkoSolar社ではの、米国での製造施設。


400MWと聞いて当初は、相当な規模の年産能力追加という印象でした。

ただ、JinkoSolar社の近年の太陽電池モジュール出荷量(通年)を見直すと

という伸び。(※2018年は何故か業績のプレスリリースがまだ無い)

これを考えると、年産400MWの追加は、実はそれほど大きいものではないように思われます。


JinkoSolar社にとっては、今回の生産施設は

といった状況への対応が、主な目的なのでは、と想像しました。

やはり先進国である米国内での生産ということで、太陽電池モジュールの激しい価格競争を勝ち抜けるだけの、生産コストの抑制が可能なのか、という点に強く興味を引かれるところです。


ともかく、プラスの材料が乏しい日本の大手メーカーの現状と比べると、歴然とした勢いの差を感じるものです。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Holds Opening Ceremony at its U.S. Solar Panel Manufacturing Facility(JinkoSolar社、2019/2/26)
http://ir.jinkosolar.com/news-releases/news-release-details/jinkosolar-holds-opening-ceremony-its-us-solar-panel
[2]POWMIA-Memorial-Parkway-Jacksonville-Florida(Cecil Field POW/MIA Memorial)
https://www.powmiamemorial.org/renaming-of-new-world-avenue-update/powmia-memorial-parkway-jacksonville-florida/
[3]経済(ウィキペディア「ジャクソンビル」内)

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2018年07月04日

Yingli Green Energy社の米国預託証券がニューヨーク証券取引所で取引停止+上場廃止措置を開始、平均時価総額や株主資本が基準を満たさず

Yingli Green Energy社が2018年6月29日に、

  • ニューヨーク証券取引所NYSE)が、Yingli社の米国預託証券ADS)の上場廃止措置を開始することを決定した。
と発表していました[1]。

今回は、投資に関する各種用語を調べつつ[2]〜[6]、発表の概要をまとめてみました。


背景・経緯
  • Yingli社のADSは、連続する取引日30日間
    • 平均時価総額5000万ドル以上の維持に失敗
    • 株主資本(純資産)が5000万ドル未満
    という状況だった。
    これが、NYSE上場企業マニュアルの802.01Bセクションにおける基準を満たさなかった。
  • Yingli社はNYSEに対し、この件について上訴するつもりは無いことを伝えた。
    そしてNYSEは直ちに、ADSの取引を停止。
    また上場廃止のために、証券取引委員会(SEC)に申請すると述べた。
NYSEからの通知日 2018年6月28日
今後の予定
  • Yingli社のADSは、2018年7月2日OTCピンクで取引を開始する。(シンボルは「YGEHY」)
    この移行は、ADS保有者の法的権利や、Yingli社の通常の事業運営に、影響を及ぼさないと予想している。
  • また移行後も、Yingli社はSECの公的報告要件(外国の民間発行体に適用)の対象であり、Yingli社はそれに応える。
  • ただし、定期的な四半期決算発表中止する。


Yingli社は、この発表の約3週間前には「PANDA BIFACIAL」モジュールのTUV Rheinlandの認証取得を発表しており、事業は健在な印象でしたが、証券市場での評価を取り戻すには至らなかったようです。

中国メーカーのNYSEでの上場停止と言えば、個人的には、昨年のTrina Solar社の事例が強く記憶に残っています。

もっともTrina社のほうは、言わば自発的な決定であり、その点は今回のYingli社とは異なります。

それでももし、(下位市場への移行により)短期的な業績アップを迫る(株主からの)圧力が弱まるのであれば、NYSEでの上場廃止も、Yingli社にとって決して悪いことではないと考えます。


※参照・参考資料:
[1]Yingli Green Energy Announces Suspension of Trading and Commencement of NYSE Delisting Procedures; ADSs Expected to Begin Trading on the OTC Pink(Yingli Green Energy社、2018/6/29)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2356649
[2]証券用語解説集 ADS(えーでぃーえす)(野村證券)
https://www.nomura.co.jp/terms/english/a/ads.html
[3]ADR特集 ADRの仕組み〜ADRは株なの?(楽天証券)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/master_adr/master_adr_01.html
[4]Market capitalization(Wikipedia)
[5]純資産(ウィキペディア)
[6]OTC Pink(BC Consulting)
http://pinksheets.capital-consulting.info/pinksheets

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