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2017年11月30日

レネソーラ・ジャパン社が全事業を中国本社(ReneSola)に業務移管、日本事業の業務効率化のため

レネソーラ・ジャパン社が2017年11月28日に、

  • 事業の一切を、中国のReneSola本社業務移管する。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


目的 日本における事業の業務効率化を図る。
移管日 2017年9月末日
その他 ReneSola社の
  • セル・モジュール
  • インゴット・ウエハー
  • ポリシリコン
の生産業務については、中国工場引き続きフル生産体制で稼動を続けている。


ReneSola社の日本法人「レネソーラ・ジャパン」については、今回の発表より1週間ほど前に、連絡が全くつかない状態になっている旨が報じられていました[2]。

今回のレネソーラ・ジャパンの発表は、その状況を受けてのものと思われますが、中国本社への業務移管日(2017/9末)は発表(2017/11/28)の2ヶ月も前のことであり、顧客に対する対応の雑さを、感じざるを得ません。


とは言え、大幅に遅れながらも、現状や方針を公式に発表したことは確かです。

かつて米カリフォルニア州では、中国メーカーの破綻により、何千枚ものモジュール(過熱・発火した)のメーカー保証がなされなかった、という事態があったとのこと[3]。

今回のReneSolaのケースについては、流石にそこまで酷い事態にはならないと思いますが、ともかくこれ以上の混乱を招かないよう、顧客に対する対応は、しっかり行ってもらいたいところです。


今回の発表(本社への全面的な業務移転)は、現在の日本市場に対する海外メーカーの見方を示す、一つの事例だと思われます。

またReneSola社について、[2]では

  • 「業績悪化で太陽電池関連の生産から撤退が報道」
  • 「IPP(独立系発電事業者)として売電事業に転換する見込み」
との状況・情報も示されており、それらの真偽は不明であるものの、(日本市場だけでない)世界市場の環境の厳しさも、伝わってくる気がします。


※参照・参考資料:
[1]業務移管に関するお知らせ(レネソーラ・ジャパン、2017/11/28)
http://jp.renesola.com/img/japan/datasheets/announcement.pdf
[2]中国・太陽光関連企業の行方は?(東京商工リサーチ、2017/11/21)
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20171121_01.html
[3]米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強(日経テクノロジーオンライン、2017/4.10)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/040600045/?P=5

※関連記事:

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2017年04月22日

Jinko・JA・Canadian・Yingliの2016年業績は、全体として通期では大きく伸びるも、4Qの減速感が目立つ

今回は、世界的な大手モジュールメーカーである

  • JinkoSolar
  • JA Solar
  • Canadian Solar
  • Yingli Solar
2016年4Q(10〜12月)と通期の業績発表が、ようやく出揃った[1]〜[4]ので、それらの中から、主な数字や状況を抜き出してみました。


<2016年4Qと通期の業績>

※カッコ内は前年同期比、「ドル」は米ドル。
※数値の四捨五入や、一部の数値は、当ブログ管理人が計算。
※企業の掲載順は、プレスリリースの発表順。

モジュール出荷量 売上高 粗利益率
4Q通期 4Q通期 4Q通期
Jinko 1733MW
(1.3%)
6656MW
(47.5%)
7.4億ドル
(13.7%)
31億ドル
(38.5%)
14.3%
(4.7ポイント)
18.1%
(0.9p)
JA 1353MW
(4.3%)
※外部向けのみ
4606MW
(25.4%)
※左に同じ
5.7億ドル
(13.1%)
23億ドル
(21%)
12.9%
(4.2p)
14.6%
(2.4p)
Canadian 1581MW
(13%)
5232MW
(11%)
6.7億ドル
(40%)
29億ドル
(18%)
7.3%
(10.6p)
14.6%
(2p)
Yingli 635MW
(26%)
※自社向け含む
2170MW
(11%)
※左に同じ
2.9億ドル
(3%)
12億ドル
(16%)
7.0%
(4.8p)
13.8%
(1.9p)

<背景、今後の見通し>

JinkoSolar
  • 中国は、JinkoSolar社にとって最大市場であり続けている。
    2017年の前半は、同6月のFITカットを前に、駆け込み需要が続くとみられる。
    いっぽう後半は、需要が和らぐ可能性がある。
  • 米国では、4Qは平均販売価格(ASP)が鋭く低下した。
    しかし2017年に入ってからは、安定し始めている。
JA Solar
  • 4Qの市場は全体として、挑戦的な環境が続いた。
  • アジア(特に中国)の需要が強く、APAC地域が総出荷量の83%超を占めた。
  • 中国での需要は、2017年前半まで堅調だが、後半減速すると予想。
Canadian Solar
  • 4Qの粗利益率の低下は、前年度の売上に関わる相殺関税・反ダンピング関税(AD/CVD)による。
    (※この費用が無ければ13.9%)
  • 4Qのモジュール出荷量の地域別割合では、米州向け(20%)が前年同期から30ポイント以上低下
    代わりにアジア向け(63%)が20ポイント増、欧州など向け(17%)が10ポイント増。
  • 4QのモジュールのASPは、前年同期から低下した。
Yingli Solar
  • 4Qは中国・日本で需要が伸び(特に中国)、モジュール出荷量は3Qから74%増えた。
    4Qの出荷量に占めた割合は、
    • 中国向け:約75
    • 日本向け:約20
    これら2市場は、2017年も2大重要市場であり続けると予想する。
  • ただし4Qの自社のASPは、世界的・全体的な販売価格の低下に伴い低下した。
  • 通期の出荷量の減少は、タイトなキャッシュフロー(2015年半ば〜)による、工場稼働率の低下による。


当ブログでモジュールメーカーの業績発表をちょくちょく見るのは、それを通して太陽電池モジュール市場の現状(地域別の需要や、販売価格の変化など)を知ろう、という狙いがありますが、中国大手を中心とする今回の4社の業績も、なかなか興味深い内容です。


まずモジュール出荷量は、工場稼働率が低下しているYingliを除いて、2016年通期は(前年から)大きく増加。

ただし、伸び率を4Qと通期で比べると、Canadian Solarはほぼ同じですが、JinkoとJAは差が非常に大きくなっています。(4Qの伸び率が低い)

売上高の増減を見ても、Yingliを除く3社で、4Qは(通期と対照的に)減速感が目立つ状況。

粗利益率に至っては、Canadian Solarの特殊な状況(AD/CVDの負担)を差し引いても、4社とも4Qは(通期よりも)明らかに悪くなっており、モジュールの価格低下を背景に、直近ほど厳しい事業環境となっていることが想像されます。


業績の背景に目を向けると、4Qはアジア(特に中国)向けの販売が好調だったことが、4社とも共通しています。

ただ、中国国内向けの販売価格が(他の地域より)低いことは、過去の業績発表の中でもたびたび言及されていました。

そのため、その中国向けの販売量が伸びたことが、4Qの売上高の伸びの減速・粗利益率の低下につながったと考えられます。


もっともその中国需要についても、好調なのは今年(2017年)の前半まで、との予想。

そのため、中国以外の地域で販売を伸ばせるか否かが、これら4社の2017年業績を大きく左右すると思われます。

ただし米国の重要市場の一部カテゴリ(分散型)において、中国製モジュール(そして中国メーカー)が、品質とサポートの点から信頼を失った事例があり[5]、本社がカナダのCanadian Solarは少し別としても、中国メーカーが中国以外の市場で確固たる地位を築いていくのは、そう簡単では無いように思われます。

特にYingli社は、つい最近(今年2月)にも、資本の不足によってニューヨーク証券取引所から警告を受けており[6]、経営の安定化が、引き続き大きな課題となりそうです。


最後に、モジュール出荷量で世界首位を争う筈のTrina Solar社については、4月に入っても一向に2016年業績が発表されず、何事かと思っていましたが・・・

3月の発表[7]によると、「Fortune Solar Holdings Limited」の子会社「Red Viburnum Company Limited」との合併を完了し、これに伴い上場は廃止し、Fortune Solar Holdingsの子会社となったとのことで、これが関係しているものと思われます。(法律上の扱い等、正確な事情は判りませんが)

ともかく、太陽電池モジュール販売で世界トップクラスのTrina Solar社でさえ、買収の対象となってしまうところには、現在の太陽電子モジュール市場の環境の不安定さを、極めて強く感じざるを得ません。


※参照資料:
[1]JinkoSolar Announces Fourth Quarter and Full Year 2016 Financial Results(JinkoSolar社、2017/2/27発表)
http://jinkosolar.com/press_detail_1284.html
[2]JA Solar Announces Fourth Quarter and Fiscal Year 2016 Results(JA Solar社、2017/3/16発表)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2254666
[3]Canadian Solar Reports Fourth Quarter and Full Year 2016 Results(Canadian Solar社、2017/3/21発表)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2255424
[4]Yingli Green Energy Reports Fourth Quarter and Full Year 2016 Results(Yingli Solar社、2017/4/13発表)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2261811
[5]米加州の太陽光パネルシェア、分散型では「米国製」が2強(日経テクノロジーオンライン、2017/4/10付)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/286991/040600045/
[6]Yingli Green Energy Receives Notice from NYSE of Falling Below Continued Listing Standards(Yingli Solar社、2017/2/15発表)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2246431
[7]Trina Solar Limited Announces Completion of Going-Private Transaction(Trina Solar社、2017/3/13発表)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2253566

※関連記事:

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2017年03月13日

Yingli社が新モジュール「Hotspot Free Module」を発表、全てのセルを個別に「バイパスダイオードで保護」するコンセプト

Yingli Green Energy Holding2017年3月3日に、

  • 新製品「Hotspot Free Module」を、日本の「PV Expo 2017」(3月1〜3日開催)に出展する。
と発表していました[1]。

その中から、同製品の特徴を抜き出してみました。


  • 全セルを保護
    「全てのセルを各々、バイパスダイオードで保護する」というコンセプトに基づいている。
    あるセルの電流が、ストリングの残りの部分にマッチしない場合(例えばあるセルが日陰になった場合)、バイパスダイオードが働く。
  • セルの発熱を防止
    上記の機能により、
    • 他のセルの正常な機能を維持する
    • 熱によるセルへの影響を防ぐ
    という効果が期待できる。
  • モジュールの寿命アップ
    熱の低減は、素材へのストレス軽減にもつながり、モジュールの寿命向上が期待できる。

本当に文字通り、太陽電池モジュール内のセル1枚1枚にバイパスダイオードを設けるとするならば、構造が(通常のモジュールより)複雑になり、

  • モジュール製造にかかる手間やコストの上昇
  • 裏面(バックシート側)での、ダイオード部分の凸の発生
といった難点が生じることが考えられます。

ただ、バイパスダイオード云々については「based on a concept〜」とあるので、実際には通常のダイオードをそのまま用いる(組み込む)わけでは、無いのかもしれません。

当記事の作成時点(2017/3/8)で製品の写真などは一切見当たらず、また出展が予定されていた「PV Expo 2017」は既に終了していますが、モジュールの実物が一体どのようなものだったのか、非常に興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]Yingli Announced Hotspot Free Module at PV Expo Japan 2017(Yingli社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2251489

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2017年01月30日

Jinko Solar社が日本の住宅用太陽光発電市場への参入を表明、2017年は出荷量100〜120MWを目標

3週間近く前になりますが、Jinko Solar社が2017年1月12日

  • 日本住宅用太陽光発電市場に参入する方針
を発表していました[1]。

その中から、主な情報を抜き出してみました。


  • Jinko Solar社は2017年に、日本向け出荷量500〜600MWを目指す。
    このうち20%を、住宅向けで占めることを目標とする。
  • 2016年12月開催の高性能住宅に関する展示会では、独SMA社製の新パワコンと組み合わせた住宅用太陽光発電システムを、参考出展した。


この内容からすると、Jinko Solar社による2017年の日本の住宅向けの出荷量目標は、100〜120MWということになります。

いっぽうJPEAの資料[2]から計算すると、2015年度の海外企業による日本国内での住宅向けモジュール出荷量は

  • 住宅用の合計出荷量154万7317[kW]−日本企業による住宅用出荷量131万3923[kW]=23万3394[kW]
つまり約233MWであり、数字の点から見ると、Jinko Solar社が掲げている目標は、相当にハードルが高いと思わざるを得ません。

ただ同社は現在、モジュール出荷量で世界トップクラスに達しており、その成長力は決して無視できないとも考えます。

モジュール出荷量に占める海外企業の割合が、いまだ10%前後に留まっている国内住宅用において、Jinko Solar社がどのような展開を行っていくのか、今後に注目したいと思います。


※参照資料:
[1]出荷量世界一のジンコソーラー 日本住宅市場参入(ドリームニュース)
http://www.dreamnews.jp/press/0000145619/
[2]2015年度の太陽電池モジュール出荷量(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/summary_h27.pdf

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2017年01月23日

Trina Solarが日本の景観条例に対応する黒色モジュールを発表、既存の「Honey M Plus」のバックシートを変更し、明度2.0・彩度0.5を実現

Trina Solar社が2017年1月11日に、日本の景観条例に対応できる単結晶モジュールの新製品「Honey M Plus (DD05A.05(II)」を発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 日本において、市町村が景観に関する条例・規定を施行するケースが、年々増えている。
    その中で太陽電池モジュールに対しては、だけでなく、明度・彩度の要求も多くなっている。
  • 景観条例を施行している自治体は
    • 観光地
    • 歴史的な建物・景観を守っている都市
    限定されている。
    そのためか、規定に対応する黒色モジュールを提供しているメーカーも、限られている。

製品の特徴

  • 日本市場向けに開発したモジュール。
  • 既存モジュールを改良
    既存の「Honey M Plus」のバックシート黒に変更し、
    • 明度2.0
    • 彩度0.5
    の黒色モジュールを実現した。
    (※「Honey M Plus」は元々、
    • 黒色フレーム
    • 高透過・反射防止強化ガラス
    を採用している)
  • 高性能
    幾つかの革新的テクノロジー(「PERC技術」を含む)を統合しており、高出力・高効率を実現している。

主な仕様

寸法650mm×992mm×35mm
重量18.6kg
出力275−295W
最大変換効率18.0%


出力・変換効率は通常の「Honey M plus」[2]と変わらないようですが、バックシートを黒くしたことで(表側から見たときの)セル間も黒くなり、外観の統一性が格段に増したと感じます。

現在の日本の太陽光発電市場は、FITに湧いた数年前と比べると

といった状況があり、減速感が際立ちます。

その中で景観条例への対応製品となると、更に需要量が限られると考えられるので、海外大手メーカーによる今回の製品の発表は、非常に意外でした。

もっともそれだけに、日本市場において自社ブランドの浸透を進めようという、Trina Solar社の積極的な姿勢も伺えるものです。


※参照資料:
[1]トリナ・ソーラー 景観条例に適合するブラックモジュール『Honey M Plus』を発表 (Trina Solar社)
http://2016.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_1201.html
[2]Honey M plus DD05A.08(II) モジュール(同上)
http://2016.trinasolar.com/jp/product/Mo_Honey-II.html
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[4]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[5]景観条例(ウィキペディア)
[6]景観法(同上)

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2017年01月09日

中国「Chint Solar」社が日本法人を新設、日本へのモジュール出荷量増加を受けてサポート体制を強化

1ヶ月以上前になりますが、中国の太陽電池モジュールメーカー「Chint Solar」が2016年11月28日に、

  • 日本法人「Chint Solar Japan」の新設
を発表していたとのことです[1]。

日本法人設立の背景は次の通り。


  • Chint Solar社は従来から、日本市場には中国本社から製品を出荷していた。
  • その出荷量が増加していることから、サポート体制を強化するために、今回日本法人を設立した。

また同記事では、日本法人の代表取締役の方による

  • 「日本市場は縮小気味と見られがちだが、オフグリッドや離島での需要などまだまだチャンスはある」
とのコメントも紹介されています。


「Chint Solar」の名前は、私は正直なところ今回初めて知りましたが、モジュール約50MWを調達済み(※2014年時点)の日本の事業者があること、またネクストエナジー・アンド・リソース社が同年時点で代理店になっている[3]ことから、日本市場で既に一定の位置を確保していることが推測されます。

日本国内ではモジュール出荷量の減少が続いており[5]、FITの新規認定量でも「非住宅」の伸びは毎月100MW前後の水準。

その厳しい状況の中で、今回の海外メーカーによる日本での事業体制拡充は意外でしたが、それだけに日本法人代表の方によるコメントは興味深いです。

現在(当記事の作成時点)のところ、Chint Solar社のサイト[2]では、「オフグリッド」用製品の情報は掲載されていません。

ただ、例えばサハラ以南のアフリカでは13ヶ国が、電化率向上を目的にオフグリッドソリューションの導入計画を明示している[7]とのことであり、コスト面の優位性が強い中国メーカーとして、既に対応製品を備えている(または開発を進めている)可能性は考えられます。

その意味で、Chint Solar社が日本市場で今後、どのような商品展開を行っていくのかは、興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]中国の太陽光発電メーカー、日本市場に参入 「まだまだチャンスはある」(「環境ビジネス」の記事)
https://www.kankyo-business.jp/news/014060.php
[2]Solar Power Generation System(Chint Solar社)
http://en.chint.com/solution/detail?classid=144396663052566528
[3]Chint Solar 社工場視察報告書(「旭電業」社)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/img/p549d2894e10e1.pdf
[4]新エネルギー・省エネルギー(省電力)システム(同上)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/solar.html
[5]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[6]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[7]Press Release: With new pledges and new projects, developing countries take clean energy lead globally(「Climatescope」のプレスリリース)
http://global-climatescope.org/en/blog/2016/12/15/Climatescope2016-launch/

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2016年12月26日

Trina Solarがp型単結晶セルで変換効率22.61%を達成、最新のPERC技術を用いた産業用プロセスで製造

Trina Solar社が2016年12月19日に、

  • p型単結晶シリコンセルで、変換効率22.61を達成した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


製造技術 ボロンをドーピングした大型のCz-Si基板上で、最新の「PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)」技術を用いた、低コストな産業用生産プロセスにより製造した。
(※このPERC技術には、
  • セル裏面のパッシベーション
  • セル表面の高度なパッシベーション
  • LID(Light Induced Degradation)への耐性
が含まれる。)
セルの大きさ 243.23cm2
変換効率 上記の全面積で22.61
※独「Fraunhofer ISE CalLab」で確認された数値。
Trina Solar社における
セル変換効率の推移
大面積のPERC単結晶シリコンp型セルにおける数値。
  • 2014年:21.40%
  • 2015年:22.13%
  • 2016年6月:
    量産ラインでの大量生産で、平均21.12%。

セル変換効率の(前年からの)上昇幅を計算すると

  • 2015年:+0.73ポイント
  • 2016年(今回の発表):+0.48ポイント
であり、最近の僅か2年分のみの数値ではありますが、上昇幅が明らかに縮小している印象です。

これについては、最も一般的なp型セルであるだけに、変換効率アップの余地がだんだん少なくなっているのでは、という懸念が浮かびますが、その限界をTrina社が独自技術により打ち破り、「25%」達成に向けて記録更新を継続していけるかどうかは、注目したいところです。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces New Efficiency Record of 22.61% for Mono-Crystalline Silicon PERC Cell(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2230468
[2]p型の単結晶Si太陽電池セルで変換効率を22.61%に更新、中国トリナ(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122005550/

※関連記事:

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2016年08月29日

Canadian・Trina・Jinko・JA・Yingliの2016年2Qは全体として好調が際立つ、中国でのFIT見直し(6月末)も寄与

8月中旬〜下旬にかけて、大手モジュールメーカーの

  • Canadian Solar
  • Trina Solar
  • Jinko Solar
  • JA Solar
  • Yingli Solar

が、20162Q(20164-6月期)業績を発表していました。[1]〜[5]

今回はそれらの中から、主な数字や背景を抜き出してみました。

※カッコ内は前年同期比(一部は当ブログ管理人が計算)、または前年同期の実績値。


業績

売上高粗利益率営業利益純利益
Canadian Solar約8億ドル(26.6%増)17.2%(2p増)約4000万ドル(22%増)約4000万ドル(116%増)
Trina Solar約9.6億ドル(33%増)18.3%(1.7p)約8400万ドル(38%)約4000万ドル(1%)
Jinko Solar約9億ドル(86.1%増)20.4%(0.3p)約6700万ドル(88%増)約4200万ドル(267%増)
JA Solar約6.2億ドル(51.9%増)15.3%(1.1p)約2800万ドル(20%増)約2500万ドル(21%増)
Yingli Solar約3.8億ドル(7%)18.2%(11.9p増)約2400万ドル(約1.8億人民元の赤字)約1100万ドル(約6億人民元の赤字)

太陽電池モジュールの出荷量

モジュール出荷量うち自社の下流事業向け
Canadian Solar1290MW(59%増)
Trina Solar1658MW(35%増)約39MW(83%)
Jinko Solar1716MW(87.9%増)
JA Solar1134MW(58.1%増)152MW
Yingli Solar662MW(9%)51MW

背景(主な状況)

Canadian Solar
  • 事前予想を上回る業績だった。
  • モジュール事業とプロジェクト事業は強さが続いている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、米州47.6%、アジア39.5%、欧州その他が12.9%
  • YieldCoについては経営計画の見通し改善のため、立ち上げないことを既に決定している。
Trina Solar
  • 手堅い四半期だった。
  • モジュール出荷量の増加は主に、中国での駆け込み需要による。
    (※中国では6月30日に、補助金政策の調整が行われると予想されていた)
    ただし一方で、米国・欧州・日本・その他アジア向けの出荷量は減少した。
  • タイの新工場からの出荷量を増やしたことが、米国市場での競争力強化に寄与している。
    (反ダンピング税・相殺関税の影響を大きく減らした)
Jinko Solar
  • 好調な業績だった。
  • 2Qのモジュール需要は強く、出荷量では特に米国と中国向けが大部分を占めた。
  • 最近は業界が困難な局面にあるが、世界需要は今後も堅調が続くと予想している。
    今年後半には、南米・インド・日本向けの出荷量が急速に伸びると予想。
  • 中国においては大規模分野の市場減速に対応するべく、「Top Runner Program」と「PV Poverty Alleviation Program」のプロジェクトに参加している。
JA Solar
  • 業績は事前の期待に沿ったものだった。
  • 2Qは中国が最も強い市場だった。
    ただし販売努力では、中国以外のより強固な市場に焦点を当てている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、中国63.9%・APAC(中国除く)12%・欧州3.7%・米州9.3%・その他11.1%
Yingli Solar
  • 手堅い業績だった。
  • モジュールの出荷量では、中国向けの割合が高かった
    中国向け出荷量は、大規模顧客との関係を活用したことで、前四半期(1Q)から倍以上に増加した。
  • 海外では、日本が最重要市場であり続けており、2Qにはモジュール出荷量の20%以上を占めた。 (7四半期連続の120MW超え)
  • 米国はITCポリシーが延長されたことで、安定した需要が続いた。

今回はCanadian Solarプラス中国4社という顔触れですが、中国市場でFIT変更前の駆け込み需要があったとはいえ、全体として米2社(First Solar、SunPower)の業績よりも好調さが際立って感じられます。

ちょっと意外なのは、縮小が続いている筈の日本市場を重要視しているメーカーがまだ有る(Jinko、Yingli)ことですが、このあたりは世界市場での厳しい競争を背景に、価格競争力を高めてきた故と思われます。

世界でのモジュール販売価格の競争は、現在も相当に厳しいようですが、今回の5社はいずれも、その中で好調な業績を示しており、不調が続く日本メーカーが(残念ながら)海外大手に大きく水を開けられていることを、強く感じざるを得ません。

またYingli社については、売上高・モジュール出荷量こそ前年同期よりは減らしているものの、利益はきっちり黒字化しており、かつての苦境から立ち直りつつあることを感じさせます。

最後にもう一つ、Canadian SolarがYieldCoを立ち上げないことを決めたというのは、ちょうどSunPower社が同期決算内で「YieldCo環境における、市場の継続的な混乱」を挙げているのと辻褄は合います。

ただ個人的には、昨年2月にSunPowerとFirst Solarによる立ち上げ計画が発表されて以来、太陽光発電所の保有・運営を独立事業とする(そしてそれを投資有価証券にする)YieldCoが市場・産業に新しい流れを生むのでは、との期待もあったので、いま具体的にどのような不都合が生じているのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2016 Results(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2196174
[2]Trina Solar Announces Second Quarter 2016 Results(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2196792
[3]JinkoSolar Announces Second Quarter 2016 Financial Results(Jinko Solar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2197344
[4]JA Solar Announces Second Quarter 2016 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2195893
[5]Yingli Green Energy Reports Second Quarter 2016 Results(Yingli Solar社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2196776
[6]Solar Investment Tax Credit (ITC)(SEIA)
http://www.seia.org/policy/finance-tax/solar-investment-tax-credit

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2016年04月18日

LDK Solar社の清算手続きが決定、ケイマン裁判所が「解散を命じ」る

LDK Solar社が2016年4月7日に、自社の清算手続き決定を発表していました[1]。
(※BusinessWireでのプレスリリース[2]は4月15日付ですが、[1]の発表は4月7日付となっています。)

概要は下記の通り。


  • 経緯
    LDK Solar社については2016年2月11日に、共同債権者がケイマン諸島大法廷(ケイマン裁判所)に申し立てを提出していた。
    これを受けて同裁判所が2016年4月6日に、会社法(2013年改正)に従ったLDK Solar社の解散を命じた
  • 清算について
    ケイマン裁判所は
    ・「FTI Consulting (Cayman) 」のDavid Martin Griffin氏
    ・「FTI Consulting」のJohn Howard Batchelor氏
    共同正式清算人に任命。
    この清算人には、LDK Solar社の清算・事務整理において必要または望ましいと判断される、あらゆる行為・事柄を行う権限が付与されている。

LDK Solar社は、かつては中国の大手メーカーの一角を占めていただけに、今回「解散を命じ」られたということには非常に驚きました。

2013年には業績が上向きつつあるとの報道がありましたが、その後は2014年末以降の日本市場の減速もあり、結局は経営を立て直せなかった、ということなのかもしれません。

中国大手メーカーの経営破綻としては、

に続くインパクトのものと思われますが、その中国市場については太陽電池の需要低下を指摘する調査結果もあるだけに、今後も同様の大きな変動が有り得るのではないでしょうか。

ともかく今回のLDK Solar社の件については、製品ユーザーに起こる混乱も、強く懸念されるところです。


※参照資料:
[1]LDK Solar in Official Liquidation and Onshore Restructuring(LDK Solar社)
http://investor.ldksolar.com/phoenix.zhtml?c=196973&p=irol-newsArticle&ID=2155999
[2]LDKソーラーが正式清算手続きと国内での債務再編を開始(BusinessWire)
http://www.businesswire.com/news/home/20160415005629/ja

※LDK Solar社に関わる記事:

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2016年01月09日

Trina Solar社が6インチのp型単結晶セルで、変換効率22.13%を達成

Trina Solar社が2015年12月16日に、

  • p型単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、変換効率の自社記録を更新した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • セルのサイズ156mm四方
  • セル変換効率:総面積で22.13
    • 独「Fraunhofer ISE」により認められた数値。
    • Trina社での前回の記録は、2014年の21.40%。
    • 同タイプのセルでの世界記録は、「University of New South Wales」が研究室で記録した25%。
      ただしセルのサイズは2cm四方。
  • 用いた技術
    「Honey Plus」プロセスにより、基盤の表裏両面の不活性化処理を行った。

日本メーカー各社が進めるHITセルでの変換効率(例えば長州産業23%カネカ25.1%パナソニック25.6%)には流石に及びませんが、通常の単結晶セルにおいて1年で約0.7ポイント変換効率を高めたこと(しかも実用サイズでの数値)が、大きな成果であることは間違いないと思います。

Trina社は業績の成長継続とともに、R&Dへの投資額も伸びており、今回のセル変換効率の記録更新からは、その投資が明確な成果を出していることが伺えます。

もっとも他の世界トップメーカーも、R&Dへの投資額はTrina社に劣るわけではなく(むしろYingliFirst SolarSunPowerあたりは、Trinaを大きく上回っている)、変換効率をはじめとする技術開発は、今後も予想を上回るハイスピードで進んでいくのかもしれません。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces New Efficiency Record of 22.13% for Mono-crystalline Silicon Solar Cell(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2122938
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