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2017年01月23日

Trina Solarが日本の景観条例に対応する黒色モジュールを発表、既存の「Honey M Plus」のバックシートを変更し、明度2.0・彩度0.5を実現

Trina Solar社が2017年1月11日に、日本の景観条例に対応できる単結晶モジュールの新製品「Honey M Plus (DD05A.05(II)」を発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景

  • 日本において、市町村が景観に関する条例・規定を施行するケースが、年々増えている。
    その中で太陽電池モジュールに対しては、だけでなく、明度・彩度の要求も多くなっている。
  • 景観条例を施行している自治体は
    • 観光地
    • 歴史的な建物・景観を守っている都市
    限定されている。
    そのためか、規定に対応する黒色モジュールを提供しているメーカーも、限られている。

製品の特徴

  • 日本市場向けに開発したモジュール。
  • 既存モジュールを改良
    既存の「Honey M Plus」のバックシート黒に変更し、
    • 明度2.0
    • 彩度0.5
    の黒色モジュールを実現した。
    (※「Honey M Plus」は元々、
    • 黒色フレーム
    • 高透過・反射防止強化ガラス
    を採用している)
  • 高性能
    幾つかの革新的テクノロジー(「PERC技術」を含む)を統合しており、高出力・高効率を実現している。

主な仕様

寸法650mm×992mm×35mm
重量18.6kg
出力275−295W
最大変換効率18.0%


出力・変換効率は通常の「Honey M plus」[2]と変わらないようですが、バックシートを黒くしたことで(表側から見たときの)セル間も黒くなり、外観の統一性が格段に増したと感じます。

現在の日本の太陽光発電市場は、FITに湧いた数年前と比べると

といった状況があり、減速感が際立ちます。

その中で景観条例への対応製品となると、更に需要量が限られると考えられるので、海外大手メーカーによる今回の製品の発表は、非常に意外でした。

もっともそれだけに、日本市場において自社ブランドの浸透を進めようという、Trina Solar社の積極的な姿勢も伺えるものです。


※参照資料:
[1]トリナ・ソーラー 景観条例に適合するブラックモジュール『Honey M Plus』を発表 (Trina Solar社)
http://2016.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_1201.html
[2]Honey M plus DD05A.08(II) モジュール(同上)
http://2016.trinasolar.com/jp/product/Mo_Honey-II.html
[3]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[4]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[5]景観条例(ウィキペディア)
[6]景観法(同上)

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2017年01月09日

中国「Chint Solar」社が日本法人を新設、日本へのモジュール出荷量増加を受けてサポート体制を強化

1ヶ月以上前になりますが、中国の太陽電池モジュールメーカー「Chint Solar」が2016年11月28日に、

  • 日本法人「Chint Solar Japan」の新設
を発表していたとのことです[1]。

日本法人設立の背景は次の通り。


  • Chint Solar社は従来から、日本市場には中国本社から製品を出荷していた。
  • その出荷量が増加していることから、サポート体制を強化するために、今回日本法人を設立した。

また同記事では、日本法人の代表取締役の方による

  • 「日本市場は縮小気味と見られがちだが、オフグリッドや離島での需要などまだまだチャンスはある」
とのコメントも紹介されています。


「Chint Solar」の名前は、私は正直なところ今回初めて知りましたが、モジュール約50MWを調達済み(※2014年時点)の日本の事業者があること、またネクストエナジー・アンド・リソース社が同年時点で代理店になっている[3]ことから、日本市場で既に一定の位置を確保していることが推測されます。

日本国内ではモジュール出荷量の減少が続いており[5]、FITの新規認定量でも「非住宅」の伸びは毎月100MW前後の水準。

その厳しい状況の中で、今回の海外メーカーによる日本での事業体制拡充は意外でしたが、それだけに日本法人代表の方によるコメントは興味深いです。

現在(当記事の作成時点)のところ、Chint Solar社のサイト[2]では、「オフグリッド」用製品の情報は掲載されていません。

ただ、例えばサハラ以南のアフリカでは13ヶ国が、電化率向上を目的にオフグリッドソリューションの導入計画を明示している[7]とのことであり、コスト面の優位性が強い中国メーカーとして、既に対応製品を備えている(または開発を進めている)可能性は考えられます。

その意味で、Chint Solar社が日本市場で今後、どのような商品展開を行っていくのかは、興味を惹かれるところです。


※参照資料:
[1]中国の太陽光発電メーカー、日本市場に参入 「まだまだチャンスはある」(「環境ビジネス」の記事)
https://www.kankyo-business.jp/news/014060.php
[2]Solar Power Generation System(Chint Solar社)
http://en.chint.com/solution/detail?classid=144396663052566528
[3]Chint Solar 社工場視察報告書(「旭電業」社)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/img/p549d2894e10e1.pdf
[4]新エネルギー・省エネルギー(省電力)システム(同上)
http://www.asahi-dengyo.co.jp/solar.html
[5]日本における太陽電池出荷量2016年度第2四半期(報道発表資料)(JPEA)
http://www.jpea.gr.jp/pdf/statistics/h282q.pdf
[6]固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト
http://www.fit.go.jp/statistics/public_sp.html
[7]Press Release: With new pledges and new projects, developing countries take clean energy lead globally(「Climatescope」のプレスリリース)
http://global-climatescope.org/en/blog/2016/12/15/Climatescope2016-launch/

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2016年12月26日

Trina Solarがp型単結晶セルで変換効率22.61%を達成、最新のPERC技術を用いた産業用プロセスで製造

Trina Solar社が2016年12月19日に、

  • p型単結晶シリコンセルで、変換効率22.61を達成した。
と発表していました[1]。

概要は次の通り。


製造技術 ボロンをドーピングした大型のCz-Si基板上で、最新の「PERC(Passivated Emitter and Rear Cell)」技術を用いた、低コストな産業用生産プロセスにより製造した。
(※このPERC技術には、
  • セル裏面のパッシベーション
  • セル表面の高度なパッシベーション
  • LID(Light Induced Degradation)への耐性
が含まれる。)
セルの大きさ 243.23cm2
変換効率 上記の全面積で22.61
※独「Fraunhofer ISE CalLab」で確認された数値。
Trina Solar社における
セル変換効率の推移
大面積のPERC単結晶シリコンp型セルにおける数値。
  • 2014年:21.40%
  • 2015年:22.13%
  • 2016年6月:
    量産ラインでの大量生産で、平均21.12%。

セル変換効率の(前年からの)上昇幅を計算すると

  • 2015年:+0.73ポイント
  • 2016年(今回の発表):+0.48ポイント
であり、最近の僅か2年分のみの数値ではありますが、上昇幅が明らかに縮小している印象です。

これについては、最も一般的なp型セルであるだけに、変換効率アップの余地がだんだん少なくなっているのでは、という懸念が浮かびますが、その限界をTrina社が独自技術により打ち破り、「25%」達成に向けて記録更新を継続していけるかどうかは、注目したいところです。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces New Efficiency Record of 22.61% for Mono-Crystalline Silicon PERC Cell(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2230468
[2]p型の単結晶Si太陽電池セルで変換効率を22.61%に更新、中国トリナ(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/122005550/

※関連記事:

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2016年08月29日

Canadian・Trina・Jinko・JA・Yingliの2016年2Qは全体として好調が際立つ、中国でのFIT見直し(6月末)も寄与

8月中旬〜下旬にかけて、大手モジュールメーカーの

  • Canadian Solar
  • Trina Solar
  • Jinko Solar
  • JA Solar
  • Yingli Solar

が、20162Q(20164-6月期)業績を発表していました。[1]〜[5]

今回はそれらの中から、主な数字や背景を抜き出してみました。

※カッコ内は前年同期比(一部は当ブログ管理人が計算)、または前年同期の実績値。


業績

売上高粗利益率営業利益純利益
Canadian Solar約8億ドル(26.6%増)17.2%(2p増)約4000万ドル(22%増)約4000万ドル(116%増)
Trina Solar約9.6億ドル(33%増)18.3%(1.7p)約8400万ドル(38%)約4000万ドル(1%)
Jinko Solar約9億ドル(86.1%増)20.4%(0.3p)約6700万ドル(88%増)約4200万ドル(267%増)
JA Solar約6.2億ドル(51.9%増)15.3%(1.1p)約2800万ドル(20%増)約2500万ドル(21%増)
Yingli Solar約3.8億ドル(7%)18.2%(11.9p増)約2400万ドル(約1.8億人民元の赤字)約1100万ドル(約6億人民元の赤字)

太陽電池モジュールの出荷量

モジュール出荷量うち自社の下流事業向け
Canadian Solar1290MW(59%増)
Trina Solar1658MW(35%増)約39MW(83%)
Jinko Solar1716MW(87.9%増)
JA Solar1134MW(58.1%増)152MW
Yingli Solar662MW(9%)51MW

背景(主な状況)

Canadian Solar
  • 事前予想を上回る業績だった。
  • モジュール事業とプロジェクト事業は強さが続いている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、米州47.6%、アジア39.5%、欧州その他が12.9%
  • YieldCoについては経営計画の見通し改善のため、立ち上げないことを既に決定している。
Trina Solar
  • 手堅い四半期だった。
  • モジュール出荷量の増加は主に、中国での駆け込み需要による。
    (※中国では6月30日に、補助金政策の調整が行われると予想されていた)
    ただし一方で、米国・欧州・日本・その他アジア向けの出荷量は減少した。
  • タイの新工場からの出荷量を増やしたことが、米国市場での競争力強化に寄与している。
    (反ダンピング税・相殺関税の影響を大きく減らした)
Jinko Solar
  • 好調な業績だった。
  • 2Qのモジュール需要は強く、出荷量では特に米国と中国向けが大部分を占めた。
  • 最近は業界が困難な局面にあるが、世界需要は今後も堅調が続くと予想している。
    今年後半には、南米・インド・日本向けの出荷量が急速に伸びると予想。
  • 中国においては大規模分野の市場減速に対応するべく、「Top Runner Program」と「PV Poverty Alleviation Program」のプロジェクトに参加している。
JA Solar
  • 業績は事前の期待に沿ったものだった。
  • 2Qは中国が最も強い市場だった。
    ただし販売努力では、中国以外のより強固な市場に焦点を当てている。
  • モジュール出荷量の地域別割合は、中国63.9%・APAC(中国除く)12%・欧州3.7%・米州9.3%・その他11.1%
Yingli Solar
  • 手堅い業績だった。
  • モジュールの出荷量では、中国向けの割合が高かった
    中国向け出荷量は、大規模顧客との関係を活用したことで、前四半期(1Q)から倍以上に増加した。
  • 海外では、日本が最重要市場であり続けており、2Qにはモジュール出荷量の20%以上を占めた。 (7四半期連続の120MW超え)
  • 米国はITCポリシーが延長されたことで、安定した需要が続いた。

今回はCanadian Solarプラス中国4社という顔触れですが、中国市場でFIT変更前の駆け込み需要があったとはいえ、全体として米2社(First Solar、SunPower)の業績よりも好調さが際立って感じられます。

ちょっと意外なのは、縮小が続いている筈の日本市場を重要視しているメーカーがまだ有る(Jinko、Yingli)ことですが、このあたりは世界市場での厳しい競争を背景に、価格競争力を高めてきた故と思われます。

世界でのモジュール販売価格の競争は、現在も相当に厳しいようですが、今回の5社はいずれも、その中で好調な業績を示しており、不調が続く日本メーカーが(残念ながら)海外大手に大きく水を開けられていることを、強く感じざるを得ません。

またYingli社については、売上高・モジュール出荷量こそ前年同期よりは減らしているものの、利益はきっちり黒字化しており、かつての苦境から立ち直りつつあることを感じさせます。

最後にもう一つ、Canadian SolarがYieldCoを立ち上げないことを決めたというのは、ちょうどSunPower社が同期決算内で「YieldCo環境における、市場の継続的な混乱」を挙げているのと辻褄は合います。

ただ個人的には、昨年2月にSunPowerとFirst Solarによる立ち上げ計画が発表されて以来、太陽光発電所の保有・運営を独立事業とする(そしてそれを投資有価証券にする)YieldCoが市場・産業に新しい流れを生むのでは、との期待もあったので、いま具体的にどのような不都合が生じているのかは、非常に気になるところです。


※参照資料:
[1]Canadian Solar Reports Second Quarter 2016 Results(Canadian Solar社)
http://investors.canadiansolar.com/phoenix.zhtml?c=196781&p=irol-newsArticle&ID=2196174
[2]Trina Solar Announces Second Quarter 2016 Results(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2196792
[3]JinkoSolar Announces Second Quarter 2016 Financial Results(Jinko Solar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2197344
[4]JA Solar Announces Second Quarter 2016 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2195893
[5]Yingli Green Energy Reports Second Quarter 2016 Results(Yingli Solar社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2196776
[6]Solar Investment Tax Credit (ITC)(SEIA)
http://www.seia.org/policy/finance-tax/solar-investment-tax-credit

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2016年04月18日

LDK Solar社の清算手続きが決定、ケイマン裁判所が「解散を命じ」る

LDK Solar社が2016年4月7日に、自社の清算手続き決定を発表していました[1]。
(※BusinessWireでのプレスリリース[2]は4月15日付ですが、[1]の発表は4月7日付となっています。)

概要は下記の通り。


  • 経緯
    LDK Solar社については2016年2月11日に、共同債権者がケイマン諸島大法廷(ケイマン裁判所)に申し立てを提出していた。
    これを受けて同裁判所が2016年4月6日に、会社法(2013年改正)に従ったLDK Solar社の解散を命じた
  • 清算について
    ケイマン裁判所は
    ・「FTI Consulting (Cayman) 」のDavid Martin Griffin氏
    ・「FTI Consulting」のJohn Howard Batchelor氏
    共同正式清算人に任命。
    この清算人には、LDK Solar社の清算・事務整理において必要または望ましいと判断される、あらゆる行為・事柄を行う権限が付与されている。

LDK Solar社は、かつては中国の大手メーカーの一角を占めていただけに、今回「解散を命じ」られたということには非常に驚きました。

2013年には業績が上向きつつあるとの報道がありましたが、その後は2014年末以降の日本市場の減速もあり、結局は経営を立て直せなかった、ということなのかもしれません。

中国大手メーカーの経営破綻としては、

に続くインパクトのものと思われますが、その中国市場については太陽電池の需要低下を指摘する調査結果もあるだけに、今後も同様の大きな変動が有り得るのではないでしょうか。

ともかく今回のLDK Solar社の件については、製品ユーザーに起こる混乱も、強く懸念されるところです。


※参照資料:
[1]LDK Solar in Official Liquidation and Onshore Restructuring(LDK Solar社)
http://investor.ldksolar.com/phoenix.zhtml?c=196973&p=irol-newsArticle&ID=2155999
[2]LDKソーラーが正式清算手続きと国内での債務再編を開始(BusinessWire)
http://www.businesswire.com/news/home/20160415005629/ja

※LDK Solar社に関わる記事:

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2016年01月09日

Trina Solar社が6インチのp型単結晶セルで、変換効率22.13%を達成

Trina Solar社が2015年12月16日に、

  • p型単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、変換効率の自社記録を更新した。
と発表していました[1]。

概要は下記の通り。


  • セルのサイズ156mm四方
  • セル変換効率:総面積で22.13
    • 独「Fraunhofer ISE」により認められた数値。
    • Trina社での前回の記録は、2014年の21.40%。
    • 同タイプのセルでの世界記録は、「University of New South Wales」が研究室で記録した25%。
      ただしセルのサイズは2cm四方。
  • 用いた技術
    「Honey Plus」プロセスにより、基盤の表裏両面の不活性化処理を行った。

日本メーカー各社が進めるHITセルでの変換効率(例えば長州産業23%カネカ25.1%パナソニック25.6%)には流石に及びませんが、通常の単結晶セルにおいて1年で約0.7ポイント変換効率を高めたこと(しかも実用サイズでの数値)が、大きな成果であることは間違いないと思います。

Trina社は業績の成長継続とともに、R&Dへの投資額も伸びており、今回のセル変換効率の記録更新からは、その投資が明確な成果を出していることが伺えます。

もっとも他の世界トップメーカーも、R&Dへの投資額はTrina社に劣るわけではなく(むしろYingliFirst SolarSunPowerあたりは、Trinaを大きく上回っている)、変換効率をはじめとする技術開発は、今後も予想を上回るハイスピードで進んでいくのかもしれません。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces New Efficiency Record of 22.13% for Mono-crystalline Silicon Solar Cell(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2122938
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2015年12月18日

JinkoSolar社の2015年3Qは売上高6億3760万ドル(前年同期比58.2%増)、モジュール出荷量は約1.1GWに到達

1ヶ月近く前になりますが、JinkoSolar社が11月19日に、2015年第3四半期2015/7-9)の業績を発表していました[1]。

今回は前回記事に引き続き、過去の四半期業績と合わせつつ、主な数字・状況を抜き出してみました。


業績と背景

※金額は大まかな数字、カッコ内は前年同期比。

売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
2013 2Q(4-6月)2億8760万ドル
(52.6%増)
17.7%212万7000ドル2540万ドル
2014 2Q(4-6月)3億9000万ドル
(37.8%増)
22.6%378万9000ドル4056万ドル
(61.5%増)
3Q(7-9月)20.6%
4Q(10-12月)4億7890万ドル
(35.8%増)
22.8%606万3000ドル3810万ドル
(9.8%)
2015 1Q(1-3月)4億4350万ドル
(36.5%増)
20.3%402万1000ドル3710万ドル
(13%増)
2Q(4-6月)5億1620万ドル
(31.6%増)
20.7%642万5000ドル3820万ドル
(5.8%)
3Q(7-9月)6億3760万ドル
(58.2%増)
21.3%627万3000ドル6040万ドル
(60.0%増)

(2015年3Qの背景)

  • 売上高の増加
    • 太陽電池モジュール出荷量の増加
    • 発電所プロジェクトからの売電収入の増加
    が主因だった。
  • 下流事業の売上増
    自社の保有プロジェクトが、数・容量共に増加したことが主因。
  • 粗利益率
    前四半期比・前年同期比での向上は、
    • モジュールのコスト削減の継続
    • 売電収入の増加
    が主因。
  • その他:9月には下記の事項があった。
    • 米「Ygrene Energy Fund」社との間で、同社による住宅用・商業用システム向け融資プログラム「YgreneWorksTM」にJinko社製モジュールを統合することで合意した。
    • JinkoMX」モジュールシリーズの正式立ち上げを発表した。
      これは「Maxim Integrated Products」製の単一チップオプティマイザを組み込んだもので、UL認証を取得済み。
    • 「the Industrial and Commercial Bank of China(ICBC)」との間で、最大100億人民元の信用枠を締結した。
    • メキシコ最大の太陽光発電所向けに、モジュール49.8MWを供給することを発表した。
      (供給先企業は「TSK Electronica y Electricidad, S.A.」)

売上増の主因は1Q・2Qと同じであり、今年の好調を支えている柱が

  • モジュール出荷量の増加
  • 保有発電所(=売電収入)の規模拡大
の2点であることが伺えますが、肝心の地域別(国別)の状況は、今回は何故か書かれていません。

ただし9月の各種の動きから、幅広い市場(米国、中国、他の新興国)での販売拡大に向け、積極的な布石を打ち続けていることは推測されます。

そして、粗利益率もしっかり2割台をキープし続けており、販売競争が厳しい中でも、高い競争力を維持していることが伺えるものです。


自社保有の発電所事業

※カッコ内は前年同期比。

系統連系済み
の累計(期末時点)
発電電力量売電収入粗利益率
2013 2Q(4-6月)55MW
(※中国国内分)
2014 2Q(4-6月)252MW980万ドル
(1150%増)
4Q(10-12月)502.6MW1300万ドル
2015 1Q(1-3月)617MW115.27GWh
(149.1%増)
※下流事業全体
の売上高は
1650万ドル(111.1%増)
42.8%
2Q(4-6月)725MW203GWh
(201.9%増)
2860万ドル
※下流事業全体
の売上高は
2870万ドル
(191.6%増)
62.7%
3Q(7-9月)846MW
(※121MWを追加)
233.7GWh
(207.6%増)
3240万ドル(205.8%増)61.3%

今年は四半期ごとに100MW超が追加されており、売上高も3Qには、1Qの2倍にまで拡大。

全体の売上高に占める割合は、まだ5%程度ですが、6割超という粗利益率の高さは驚異的であり、今後もこのペースで保有プロジェクトの増加が進めば、業績における重要度もジワジワと高まっていくと考えられます。

ただし一方では、保有プロジェクトは殆どが中国国内とみられるだけに、突然の政策変更によるリスク(開発の急減速)は気になるところです。

また次(4Q)とその次(2016年1Q)は、日照量が落ちる期間であり、発電電力量がどの程度変化するものなのかは、注目していきたいと思います。


モジュール出荷量

※カッコ内は前年同期比。

総量自社の下流事業向け
2013 2Q(4-6月)460.0MW
2014 2Q(4-6月)570.8MW(24.1%増)
3Q(7-9月)658.1MW
4Q(10-12月)1078.3MW339.1MW
2015 1Q(1-3月)703.5MW(35.8%増)50.3MW
2Q(4-6月)823.0MW(44.2%増)90.4MW
3Q(7-9月)1134.5MW(61.7%増)70.6MW

先述の通り、今回の業績発表では地域別の状況に乏しく、モジュール出荷量についても、地域別・国別の情報はありません。

ただ、同じ中国大手の一社であるJA Solar社の同期業績[2]では、中国向けの伸びが非常に際立っています。

翻ってJinkoSolar社の発表でも、今年後半のモジュール需要の急増は今年初めに予想しており、その対応のために在庫水準の戦略的計画を立てていたとの記述があります。

それらの点からJinkoSolar社においても、市場の状況(政策の変更や需要の変化)が掴みやすい自国内向けの出荷量が、全体の伸びを支えたものと推測されます。

こうなると、最近の中国の太陽光発電市場に一体何が起こっているのかが非常に気になりますが、その情報が著しく乏しいのは残念です。


※参照資料:
[1]JinkoSolar Announces Third Quarter 2015 Financial Results(JinkoSolar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2113885
[2]JA Solar Announces Third Quarter 2015 Results(JA Solar社)
http://investors.jasolar.com/phoenix.zhtml?c=208005&p=irol-newsArticle&ID=2113017

※関連記事:
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2015年12月08日

Trina Solar社の2015年3Qはモジュール出荷量が約1.7GW、営業利益はSolyndra社との和解費用(4500万ドル)で大幅減

Trina Solar社が11月23日に、20153Q2015/7-9)の業績を発表していました[1]。

その中から今回も、主な項目について、過去の数字(前回記事でまとめたもの)と合わせて表にしてみました。


業績

※1万ドル未満は四捨五入。
 またカッコ内は前年同期比。

売上高粗利益率R&Dの費用営業利益
2013 1Q(1-3月)2億6022万ドル1.7%548万ドル4007万ドルの赤字
2Q(4-6月)4億4073万ドル11.6%409万ドル2386万ドルの赤字
3Q(7-9月)5億4839万ドル15.2%436万ドル603万ドル
4Q(10-12月)5億2564万ドル15.1%601万ドル1981万ドル
2014 1Q(1-3月)4億4481万ドル20.6%477万ドル3825万ドル
2Q(4-6月)5億1943万ドル15.4%515万ドル1570万ドル
3Q(7-9月)6億1680万ドル16.7%548万ドル3560万ドル
4Q(10-12月)7億504万ドル15.7%686万ドル3051万ドル
2015 1Q(1-3月)5億5809万ドル18.0%768万ドル2915万ドル
2Q(4-6月)7億2290万ドル
(39.2%増)
20.0%801万ドル6070万ドル
(286.5%増)
3Q(7-9月)7億9260万ドル
(28.5%増)
17.4%717万ドル580万ドル

売上高は2Qから更に伸びて、8億ドルに届かんとする規模であり、販売の際立った好調さが感じられます。

粗利益率の(前四半期からの)低下や、営業利益の急減などについては、後の項目(3Qの背景)で見ることにします。


モジュール出荷量

※カッコ内は前年同期比。

総出荷量出荷先
外部顧客自社の
下流事業
2013 1Q(1-3月)392.6MW
2Q(4-6月)646.6MW
4Q(10-12月)770.1MW
2014 1Q(1-3月)558.0MW534.2MW23.8MW
2Q(4-6月)943.3MW794.6MW148.7MW
3Q(7-9月)1063.8MW936.8MW127.0MW
4Q(10-12月)1098.8MW1070.5MW28.3MW
2015 1Q(1-3月)1026.2MW891.7MW134.5MW
2Q(4-6月)1231.6MW1000.7MW230.9MW
3Q(7-9月)1703.2MW
(60.1%増)
1353.2MW350.0MW
  • 中国・米国向けの出荷量は、記録を更新した。
  • 新規・新興市場(タイ、インド等)は、過去2四半期に渡り、第三の出荷目的地となっている。
  • 創業以来の累積出荷量は、15GWを超えた。

3Qのモジュール出荷量は1.7GWを超えており、1四半期(3ヶ月間)のみでこの規模に達していることには驚きました。

出荷先別でも、外部顧客向け・自社下流事業向けの両方が大きく伸びており、総じてモジュール需要が旺盛だったことが伺えます。


2015/3Qの背景

  • 売上高とモジュール出荷量の増加
    前年同期比・前四半期比での大幅な伸びは、大部分が
    • 中国
    • 米国
    • 新興市場
    の需要成長による。
  • 粗利益率
    前四半期比での低下は、
    • 主要市場の大部分における、平均販売価格の低下(自社での生産コスト低減のスピードを上回った)
    • 販売地域構成の変化(中国や新興市場(インド等)向けが拡大)
    が主因。
    いっぽう前年同期比での上昇は、
    • 規模の経済の拡大
    • 運用効率の向上
    により、生産コストの低下(素材コストと人件費を低減)が、平均販売価格の上昇ペースを上回ったことが主因だった。
  • 売電事業
    下流事業の売電による売上高は、1350万ドル。
    また、粗利益率は66.9%。
  • 研究開発
    • p型多結晶シリコンセルで、変換効率21.3%を達成
    • HJ(多接合)シリコンセルで、研究所での変換効率22.0%を達成
    • 高温・乾燥地域向けの「Desert Double Glass」モジュールの製品化(2015年末までには量産の準備が整う予定)
    等の成果を得ている。
  • 営業利益
    今回は、米Solyndra社による訴訟(Solyndra settlement provision)における支払い額4500万ドルが、営業費用に加わっている。
    (※Solyndra社は2012年10月に、中国の太陽電池パネルメーカー(Trina社含む)を相手に、反トラスト等の訴訟を起こしていた。
     Trina社は2015年11月17日に、この件についてSolyndra社と和解し、同年末までに計4500万ドルを支払うことで合意している。)

前四半期(2Q)比では、モジュール出荷量の伸び(約4割増)に対し、売上高の伸び(約1割増)は明らかに小さいですが、粗利益率の低下と合わせて、販売価格が低い中国や新興国への出荷割合が増えたため、ということのようです。

Trina社は新興国市場を新たな主要市場と捉え、拡販に注力しているとのことなので、今後も出荷量が伸びる一方で、この傾向(売上の伸びの鈍化、粗利益率の低下)は続くものと予想します。

その中で、自社保有の太陽光発電設備による売電事業は、利益率こそ驚異的であるものの、売上高に占める割合は1/60程度であり、設備の保有規模が急速に伸びているとはいえ、業績を支える重要部門になるには、まだ程遠いと思われます。

R&Dの費用は、売上高の1%前後で推移していますが、今回挙げられている成果の例を見ると、競争力アップに確実な効果をもたらしていると感じられます。

もうひとつ見逃せないのが営業利益の急減ですが、その要因として、4年前(2011年)に経営破綻したSolyndra社の名前を見ることになるとは、全く思いもしませんでした。

その破綻発表時には「中国メーカーが手厚い政府補助を受けている」との指摘があり、これが後の反ダンピング関税・相殺関税の適用にもつながったものと思われますが、それから数年が経過した現在でも中国大手メーカーが高い競争力を維持していることについて、米国政府や同国PV産業がどう考えているのか、というのは非常に気になるところです。


下流事業

当該四半期
に系統連係
内訳
分散型(DG)大規模発電所(utility)
2015 1Q(1-3月)55MW
2Q(4-6月)121.3MW(全て中国)31.3MW90MW
3Q(7-9月)251.9MW(全て中国)213.0MW38.9MW
  • 自社保有のプロジェクトは、計610.4MWに到達。
    その内訳は、
    中国:588.2MW(utilityが513.0MW、DGが75.2MW)
    米国:4.2MW
    欧州:18.0MW

3Qの量は2Qの2倍以上に達しており、1Q以降に、保有プロジェクトの完成が加速していることが伺えます。

売電事業は66.9%という驚異的な粗利益率を叩き出しているだけに、今後しばらくは、この増加の勢いが続くと予想します。

ただし地域別では、現状あくまで自国内が殆どであり、他地域でも同様の利益率を得られるのか、というのは疑問です。


太陽電池モジュールの生産能力

生産能力
2014 3月末時点約3.0GW
6月末時点約3.6GW
9月末時点約3.6GW
2015 3月末時点約4.0GW
6月末時点約4.4GW
9月末時点約4.7GW

今年は四半期ごとのモジュール出荷量が急激に伸びており、1Q時には年産4GWで十分と思われた生産能力も、もはや完全に不足になりつつあると思われます。

ただ数年前には、中国メーカーの過剰な生産能力が、大幅な供給過剰(そして長期に渡る赤字)を引き起こしただけに、当時の教訓を生かして、Trina社が今回の状況にどう対応するのか(自社の生産能力を増強するのか、OEM調達を拡大するのか)、というのは強く関心を引かれるところです。


※参照資料:
[1]Trina Solar Announces Third Quarter 2015 Results(Trina Solar社)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=2114607

※関連記事:
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2015年12月05日

Yingli Green Energyの2015年3Qは長期性資産の減損(約6億ドル)で粗利益率を大幅改善、モジュール出荷は現金先払い優先も出荷量急減

Yingli Green Energy社が12月2日に、20153Q2015/7-9)の業績を発表していました[1]。

今回もその中から、個人的に関心のある項目の数字・状況を抜き出してみました。


業績と背景

※過去の業績(※前回記事でのデータ)と合わせてまとめています。
※金額の単位は米ドル、カッコ内は前年同期比(当ブログ管理人が計算)です。

売上高売上高の内訳粗利益率R&Dの費用営業利益
モジュール販売システム販売その他全体モジュール販売
2013 3Q13.7%
4Q12.2%
2014 1Q15.7%
2Q15.6%
3Q5億5152万5億1822万423万2906万20.9%20.6%1707万3254万の黒字
4Q5億5548万5億1711万890万2947万16.8%3410万3220万の赤字
2015 1Q4億6870万4億3270万1008万2597万14.1%14.8%2163万1070万の赤字
2Q4億3810万
(20%)
3億8769万
(26%)
1401万
(56%増)
3638万
(115%増)
6.3%7.9%1461万
(28%)
2880万の赤字
(107%増)
3Q3億5148万
(36%)
2億5984万
(50%)
938万
(122%増)
8226万
(183%増)
16.0%19.0%1377万
(19%)
4億5047万の赤字

(2015年3Qの背景)

  • 売上高
    前四半期(2Q)比での減少は、太陽電池モジュールの出荷量減少による。
    (この出荷量減少は、内製モジュールの生産設備の稼働率低下による)
  • 粗利益率
    前四半期比での改善は、
    • 減価償却費用の減少(長期性資産の減損による)
    • モジュールの平均販売価格の僅かな改善
    による。
    長期性資産の減損の影響を除いた粗利益率は、
    • 全体:8.6
    • モジュール販売:9.0
  • 営業損失
    長期性資産の非現金減損費用5億9850万ドル)を含んでいる。
  • 生産活動
    生産施設の稼働率(OEMも含む)は、3Qには約70%まで改善した。

上記では取り上げませんでしたが、保有資産のデータをみると「Property, plant and equipment, net」(2Qは約110億人民元)が3Qには約69億人民元まで減少。

モジュール生産施設の稼働率が低下していることから、今回減損処理を行ったとみられますが、約6億ドルという規模だけに、(生産施設の価値低下により)粗利益率には大きな改善をもたらしたようです。

いっぽう売上高は、前年同期から3割超のマイナスであり、品目別では特にモジュール販売での減少(前年から半減)が際立っています。

この点は、(次項で取り上げますが)現金先払いの受注を優先していることが影響していると思われますが、運転資金の確保を優先するうえで当面の売上減少は止むを得ない、ということかもしれません。


モジュール出荷量

総量うち自社の
下流事業向け
2014年 1Q630.8MW
2Q887.9MW
3Q903.4MW109MW
4Q939.2MW73.7MW
2015年 1Q754.2MW27.5MW
2Q727.9MW43.2MW
3Q460.4MW

(2015年2Qの背景)

  • 先払いを優先
    • 全額決済の注文
    • 競争力がある利益率の注文
    を優先し、運転資金の回転率改善を図った。
    中国と日本では、現金での完全前払いで受けた供給契約が、計約350MWに達した。
  • 日本市場
    3Qの供給量は120MWで、累計では1.5GWに到達した。
  • 米国市場
    • 競争力のある貿易関税率が適用されたこと
    • ブランドの高い認知度
    により、良いポジションにある。
    分散型発電では、数MWの納入を開始した。

前項での「モジュール販売」による売上高と同様に、モジュール出荷量も急減。

支払いにより受注対応に優先順位をつけていることの影響(顧客側の敬遠など)が、より強く出てきたものと推測します。

今後業績の改善が進んで、この優先付けが解消される(不要になる)までは、程度の多少の違いこそあれ、モジュール出荷量の減少は続くと予想します。

そして当面は、見かけ上は業績の後退も続くと考えますが、その中できっちり資金繰りの改善を実現できるかどうかは、強く注目したいと思います。


下流事業の状況(2015年3Q)

  • 中国
    全国的に補助金配分が遅れており、地上設置型の大規模プロジェクトでは、大きな資本が必要になっている。
    Yingli社ではキャッシュフローの課題から、2015年9月以降の中国国内におけるプロジェクト開発事業を、中断することを決定した。(これは財政状態が健全化するまで続く)
    また、下流事業に関わる資金を集めるために、自社保有のプロジェクト資産の売却も加速している。
    今回のプレスリリース発表日(12月2日)までに、計約115MWが売却済み。
    また計約200MWが、売却を目指して交渉中である。
  • 海外
    プロジェクトの保有よりも、売却に焦点を当て、欧州・アフリカ等でプロジェクト開発を進めた。
    • ポーランド:30MWを追加(計60MWに到達)
    • トルコ:20MWのパイプラインを合弁で開発開始
    等により、今回のプレスリリース発表日(12月2日)までに、中国以外での下流事業は計200MW以上に達している。

中国国内での補助金配分の遅れは、前四半期(2Q)業績でも記載されていましたが、Yingli社の対応(国内プロジェクト開発事業の中断)は今回更に一歩踏み込んでおり、ここでも資金確保の取組みを加速していることが伺えます。

そのいっぽうで、中国以外の地域では積極的にプロジェクト開発を進めているようで、下流事業がモジュール販売と並んで重要な事業分野であること自体は、変わっていないことも感じられます。


※参照資料:
[1]Yingli Green Energy Reports Third Quarter 2015 Results(Yingli Green Energy社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2119539
[2]財務の急所(3)減損、どんな損失?(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/money/features/32.aspx?g=DGXMZO8453803018032015000000

※関連記事:
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2015年10月23日

JinkoSolarが単一チップによるMPPT機能搭載の「JinkoMX」モジュールシリーズを立ち上げ、米国向けと見られる

1ヵ月半ほど前になりますが、JinkoSolar社が2015年9月10日に、

  • 単一チップによるオプティマイザー(「Maxim Integrated Products」社製)を搭載する「JinkoMX」モジュールシリーズを、正式に立ち上げた。
と発表していました[1]。

製品の特徴は下記の通り。


  • 出力の最適化
    ジャンクションボックスにオプティマイザーを搭載し、セルストリング毎にMPPTを行う。
    これにより、次のメリットが得られる。
    • 発電量の増加
      発電に理想的ではない現実環境の殆どにおいて、通常モジュールよりも高い発電量が期待できる。
    • 設計の自由度アップ
      屋根設置・地上設置の両方で、発電設備の設計の自由度(影の配慮など)が高まる。
    • 導入負担の低減
      後付けの装置が要らないため、既存の最適化ソリューションよりも低負担・低コストで導入できる。
  • UL認証
    「JinkoMX」シリーズのモジュールは、UL認証を取得している。

「JinkoMX」の販売地域は明記されてはいませんが、米国を起源とするUL認証を取得していること、また発表内で「US solar market」「US market」「US customers」と繰り返されていることから、少なくとも現状では、あくまで米国市場向けの製品と見受けられます。

そう言えばここ最近では、他社でも

といった動きがありましたが、今回の「JinkoMX」と合わせて、中国メーカーが現在は米国市場を非常に重視していることが伺えるものです。

ただ今回の「JinkoMX」モジュールでは、米国向けを想定していながら、(火災発生時の備えとしての)出力の自動停止機能を搭載していないのは意外でした。

この点について、例えばTigo Energy社の「TS4プラットフォーム」では、「出力の最適化・最大化」は追加機能(全4段階)の3段階目になっています。(※1段階目はモニタリング、2段階目は出力遮断)

また東芝が開発中のマイクロインバータの機能は、出力の最適化・AC-DC変換・系統連系保護などであり、一口に「スマートモジュール」と言っても、どの機能を優先して搭載するかがメーカーにより大きく異なっているのは、非常に興味深いところです。


※参照資料:
[1]JinkoSolar Announces New PV Module Series with Integrated Single-Chip Electronic Optimization(JinkoSolar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle_print&ID=2086784
[2]UL (安全機関)(ウィキペディア)
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