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2015年01月28日

Yingli Solarが、米Enki Technologyのコーティング技術「CleanARC」を太陽電池パネル生産ラインの全てに導入、過酷な気候下でのプロジェクトに最適とのこと

Yingli Solar社が2015年1月18日に、

  • 米「Enki Technology」社のガラスコーティング技術「CleanARC」が、自社の太陽電池生産ライン全てで使用可能になった。
と発表していました。

まず[1]〜[3]から、「CleanARC」の概要は下記の通り。


主な特徴

  • 優れた性能
    米Westpak社による、CleanARCを施した太陽電池モジュールのIEC認証試験では、
    • 耐摩耗
    • ダンプヒート
    • 温度サイクル
    • 高湿度凍結
    • UV劣化
    • 酸性雨
    • 塩水噴霧
    • 耐酸性・アルカリ性
    • 沸騰水
    • 洗浄(一般的な洗剤)
    等に全て合格。
    既存の他社製品よりコーティング膜滑らか緻密であり、
    • 耐久性
    • 反射防止
    • 防汚効果(セルフクリーニング)
    で優れる。
  • 使用状況に応じたカスタマイズ
    個々の顧客・設置場所・使用環境に応じて、
    • 耐久性
    • 光学的性能
    等を、製造工程において調整最適化することができる。
  • 製造工程への導入が容易
    市販のロールコーターによる、低コストでの実装が可能。
  • 太陽電池パネルの競争力強化
    • 物流のシンプル化
    • 製品品質の強化
    • 高い付加価値による製品の差別化
    を可能にする。

実地試験

  • 場所
    米国の
    • カリフォルニア州
    • フロリダ州
    • コロラド州
    • ニューメキシコ州
    で、サードパーティーにより試験を実施中。
  • 継続期間:開始から3年半以上が経過している。

そしてYingli社の発表[1]の中では、製品への適用に関して

  • 「CleanARC」をコーティングした太陽電池パネルは、
    • 砂嵐
    • 海の霧
    • 高湿度
    • 極端な温度変動
    等、過酷な環境条件下での発電プロジェクトに最適である。
  • 気候の厳しさから太陽光発電の導入が制限されていた地域でのプロジェクト開発で、「CleanARC」をコーティングした新しいパネルが、既に用いられている。
との記述があります。


IEC試験はパスしているとはいえ、実地試験が数年程度なので、実際の性能はまだ未知数の部分もあると思われます。

また、米国政府が中国製太陽電池パネルにペナルティー関税を課している中で、中国メーカーのYingliとしては、米企業の技術導入に心情的な抵抗感があってもおかしくないはず。

それだけに今回の全面導入には、Enki Technology社の技術に対する(Yingliによる)評価の高さと、製品の付加価値アップに対するYingli社の積極的な姿勢が伺えます。

パネルの製造工程全てで使用可能とはいえ、実際にどれだけの割合の製品にCleanARCを適用するのかは不明ですが、まず(他社でもプロジェクト開発が滞りがちな)過酷な気候である中国西部での発電所事業向けには、既に採用パネルの供給が開始されていると推測されます。

また日照条件が良い(=同じ期間での発電電力量がより大きくなる)地域ほど、発電性能維持に寄与するコーティングの恩恵も大きくなると考えられるので、例えば(First Solarも重視の方針を示している)日照と砂塵が多い中東地域での展開でも、優位性となりうるのではないでしょうか。

また日本においても、例えば鳥の糞害が多い場所への設置パネルにCleanARCを施すことで、発電性能維持にどの程度効果があるのか、というのは非常に興味を引かれるところです。


※参照・参考資料:
[1]Yingli Introduces CleanARC(R) Coated Solar Panels for Tough Climates and Harsh Conditions(Yingli Solar社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=2008489
[2]INTRODUCING CleanARC ANTI-REFLECTIVE GLASS COATING(上記URL内にリンク有り)
http://ds0vkn8xw05ff.cloudfront.net/assets/uploads/downloads/downloads/About%20Yingli%20CleanARC%20Coating.pdf
[3]Solar Module Cover Glass Coating Solution(Enki Technology社)
http://enkitech.com/solutions/
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2014年12月17日

Trina Solarの2014年第3四半期はモジュール出荷量1GW超、下流事業も好調で増収増益

既に1ヶ月ほど経っていますが、Trina Solar社が11月18日に、2014年第3四半期の業績を発表していました[1]。

その中から、主な数字・状況を抜き出してみました。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)

業績

  • 太陽電池モジュールの出荷量1063.8MW(前四半期比12.8%増、前年同期比37.3%増)
    ※うち127MWは、自社の下流事業向けの出荷だった。
  • 売上高6億1680万ドル(前四半期比18.8%増、前年同期比12.5%増)
  • 粗利益率16.7%(前四半期は15.4%、前年同期は15.2%)
  • 営業利益率5.8%(前四半期は3.0%、前年同期は1.1%)
  • 純利益1060万ドルの黒字(前四半期比2.7%増、前年同期比7%増)

背景

  • モジュール・下流ともに好調
    ・為替の変動
    ・欧州での需要減少
    といったマイナス要因はあったものの、
    ・モジュール事業
    ・下流事業
    の両事業とも好調だった。
    太陽電池モジュールについては、主に日本中国で需要が増加し、営業利益の大幅増加(前四半期比127%増)につながった。
    また、モジュール総出荷量のうち新興市場向けは約15%を占めており、近年取り組んできた地域的な展開拡大が功を奏しつつある。
    下流事業では、中国国内で100MW規模のプロジェクト(分散型発電も含む)が複数進行中。
    また、欧州・中東でもプロジェクト開発を進めている。
  • 粗利益率の向上
    粗利益率は予想より大きく向上しており、これは
    売上品構成の変化(日本向け出荷の増加と、米国向け出荷の減少による)
    ・社内での製造コスト削減(スケールメリットの拡大と、業務効率の向上による)
    等、複数の要因による。
    英国での発電プロジェクト(10.6MW)の売却における利益率が、モジュール販売のそれより比較的高かったことも影響した。

モジュール出荷量は四半期単独で1GWを超えており、Yingli Green Energyの同期(903.4MW)とともに、現在の中国トップメーカーの勢いに驚かされます。

利益のほうも、TrinaのほうはYingliより先に黒字化を果たしているようですが、両社とも前年同期から大幅に改善している点は同じであり、かつての製品価格急落の中での「売れば売るほど赤字」という状態からは、完全に脱していることが伺えます。

そして両社は、技術力の向上(製造コスト削減、発電性能アップ)に注力している点も共通しており、この調子で行くと、日本や欧米のモジュールメーカーにとって、市場競争は更に厳しい状況になっていくと考えざるを得ません。

下流事業については、Trina・Yingliとも世界各地で展開しているとはいえ、現状では中国国内の割合がかなり高いようですが、政府が太陽光発電の積極的な導入推進策をとっていることも丁度、地場メーカーにとって強力な追い風になっているものと思われます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー、2014年第3四半期の業績を発表(Trina Solar社)
http://www.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_732.html

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2014年12月12日

Yingli Green Energyの2014年第3四半期は売上高7%減も、営業利益は約3年ぶりに黒字

Yingli Green Energy社が11月25日に、2014年第3四半期の業績を発表していました。

主な数字・状況は下記の通り。

業績

  • 売上高:5億5150万米ドル
    (前四半期(2014年Q2)比0.7%減、前年同期(2013年Q3)比7%減
  • 粗利益率20.9
    (前四半期は15.6%、前年同期は13.7%)
  • 営業利益:3254万ドル(1億9971万元)の黒字
    (前四半期は8590万元の赤字、前年同期は7029万元の赤字)
    2011年第2四半期以降で、初めての黒字転換となった。
  • 営業利益率:5.9
    (前四半期はマイナス2.5%、前年同期はマイナス1.9%)
  • 純損益:2001万ドル(1億2285万元)の赤字
    (前四半期は2億8516万元の赤字、前年同期は2億3559万元の赤字)
  • 太陽電池モジュールの出荷量903.4MW(前四半期比1.7%増)
    特に伸びた地域は、
    日本向け:同30%増
    中国向け:同19%増
     ※自社の下流事業への出荷量は109MW。
    その他の新興国向け:同17%増

背景

  • 粗利益率の上昇
    モジュール製造の全プロセスにおける、継続的なコスト低減の努力が功を奏した。
  • 営業費用の低減
    特に、一般管理費と販売費のコントロール強化が功を奏した。
  • 中国市場
    モジュール販売
     平均販売価格は比較的高く、また支払条件も良かった。
    パイプラインプロジェクト
     国内の多くの地域に渡り、計約1.4GWを有している。(※ただし、承認段階は各事業で様々)
    分散型プロジェクト
     国家エネルギー局による新しい推進策の発表(9月)があった中で、新たに120MWの承認を受けた。
  • 日本市場
    最近100MWの受注を新たに獲得した。
  • 欧州、米国市場
    堅調に推移。
    フランスでは、単独プロジェクト向けで120MWのパネル供給契約を締結した。
  • 下流事業全体
    上半期の開発は予想よりスローペースだったが、下半期は好調で、第3四半期には185MW分の建設を開始。
    これで建設中のプロジェクトは計340MWに達し、それら自社事業向けのモジュール出荷量は計187MWに到達している。

モジュール出荷量と売上高は、前四半期からほぼ横ばいですが、一方で粗利益率や営業利益率は大幅に改善。
純損失でも赤字幅が前四半期比・前年同期比でほぼ半減しており、モジュール出荷量で世界トップクラスのメーカーにおいて、生産コストの引き下げも相当に進んでいることが伺えます。

モジュール出荷量については、流石にトップメーカーらしく、第3四半期単独で0.9GWという規模に驚かされますが、一方で通年での予想は約3.3GWと、昨年実績(約3.2GW[2])から微増に留まっているのは意外でした。

ただ、中国国内向けを中心に下流事業が好調であることから、今後は各プロジェクトの進捗状況や、新規事業の受注次第で、モジュール出荷量が大きく変化する可能性はありそうです。

Canadian Solar米First Solarもそうですが、大規模メーカーにおいては下流事業の動向が、業績の鍵を握りつつあるのかもしれません。


※参照・参考資料:
[1]Yingli Green Energy Reports Third Quarter 2014 Results(Yingli Green Energy社)
http://ir.yinglisolar.com/phoenix.zhtml?c=213018&p=irol-newsArticle&ID=1992720
[2]Annual Report 2013(同上)
http://media.corporate-ir.net/media_files/IROL/21/213018/YingliGreenEnergyHoldingCompanyLimited_20F_20140411_final.pdf

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2014年10月21日

Trina Solarの2014年第2四半期はモジュール出荷量・売上高は増加、ただし利益は前四半期から減少

もう1ヶ月以上前になりますが、Trina Solar社が9月11日に、2014年第2四半期の業績を発表していました[1]。

主な数字・状況は下記の通り。(※一部数字は当ブログ管理人が計算)

  • 太陽電池モジュールの出荷量943.3MW(前四半期(558.0MW)比69.1%増、前年同期(646.6MW)比45.9%増)
  • 売上高5億1940万ドル(前四半期(4億4481万ドル)比16.8%増、前年同期(4億4073万ドル)比17.9%増)
  • 売上原価4億3920万ドル(前四半期(3億5330万ドル)比24.3%増、前年同期(3億8951万ドル)比12.8%増)
  • 粗利益8020万ドル(前四半期(9150万ドル)比12.3、前年同期(5120万ドル)比56.6%増)
  • 営業利益1570万ドル(前四半期(3825万ドル)比59.0、前年同期は2386万ドルの赤字)
  • 純利益1030万ドル(前四半期(2647万ドル)比61.1、前年同期は3365万ドルの赤字)
  • 背景
    • モジュール販売
      中国・海外での販売が劇的に好転した。
      特に米国では、長期に渡る多数の顧客から、旺盛な需要を引き続き受けた。
      中国は前四半期には比較的低調だったが、第2四半期には目覚しく伸びた。
    • 出荷量・売上高の増加
      前四半期比増の主な要因は、中国・米国での需要増加。
      また前年同期比増の主因は、主要地域(特に中国・日本・米国)での需要増加。
    • 粗利益の前四半期比減
      中国向け売上高の割合増加(※他の市場は価格設定が比較的高い)
      ポリシリコン原価の僅かな値上がり
      が主な理由だった。

出荷量・売上高・利益ともに、前年同期から大きく増加しており、Jinko Solar社の業績と同様に、モジュール需要が増加に転じている現状が強く感じられるものです。

ただしTrina社のほうでは、利益が前四半期から大きく減少しており、販売価格が安い中国国内での販売増が、必ずしも良い面だけではないことも伺えます。

もっとも、主要市場の一つだった日本が接続回答保留で大きく揺れていることを考えると、例え利益が少なくなるとしても、自国内で確実な販売先を確保できていることは大きなプラス要因という気もします。

もう一つ気になるのは米国での今後ですが、Trina社へのアンチダンピング関税の税率[2]は確かに(他社と比べて)大幅に低いものの、それでも26%超であり、これが販売にどの程度影響するかは、非常に気になるところです。
(ただ課税の最終決定は来年1月とのことなので、今年いっぱいは懸念の必要は無いとは思いますが)


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー、2014年第2四半期の業績を発表(Trina Solar社)
http://www.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_667.html
[2]米、中国・台湾製太陽電池にアンチダンピング関税を仮決定(PVeye web)
https://www.pveye.jp/news/view/1118
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Trina Solarの単結晶型60セル「ハニーモジュール」が、ピーク出力335.2Wを達成

Trina Solar社が2014年10月14日に、

  • 自社の「ハニーモジュール」が、P型単結晶シリコン太陽電池モジュールのピーク出力における世界記録を達成した。
と発表していました[1]。

モジュールに関わる数値などは下記の通り。

  • 太陽電池セル
    Trina Solar社の太陽光発電技術国家重点実験室で開発されたもの。
    ・種類:単結晶シリコン型
    ・1枚のサイズ:156mm×156mm
    ・モジュール1枚の使用枚数:60枚
  • モジュールのピーク出力の記録335.2W
    ※従来の記録は、同じくTrina Solar製ハニーモジュールが今年4月に記録した326.3W。

現在の同社の市販製品(単結晶型)の出力は約270W[2]であり、今回の記録を達成した技術が市販モジュールに反映されるには、まだ時間を要するとは思いますが、中国メーカーの武器が価格競争力だけではなくなりつつある(技術力の向上も著しい)ことを、強く感じさせる発表であることは確かです。

ただTrina Solar社は設立(1997年)からまだ20年経っておらず、例えばバスバーを細くすることが、(試験ではなく)複雑な条件が重なり合う実際の設置環境での長期設置(10年以上)で、モジュールの性能維持にどう影響するかというのは、慎重に判断する必要があるとも考えます。


※参照・参考資料:
[1]トリナ・ソーラー 高効率単結晶ハニーモジュール 出力335.2Wの世界記録更新(Trina Solar)
http://www.trinasolar.com/jp/about-us/newinfo_689.html
[2]DC05A Honey M モジュール(同上)
http://www.trinasolar.com/jp/product/Mo_Honey.html
[3]PVeye誌 2014年4月号p14-24「太陽電池の出力保証を疑え」
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2014年10月17日

Jinko Solarの2014年第2四半期のモジュール出荷量は約570MW、前年同期比で24.1%増、前四半期では25.4%増

既に2ヶ月前になりますが、Jinko Solar社が8月18日に、2014年第2四半期の業績を発表していました。

主な数字は下記の通り。(※一部は当ブログ管理人が計算)

出荷量など

  • 全製品の合計出荷量659.5MW(前年同期(489.2MW)比34.8%増、前四半期(2014年1Q、581.2MW)比13.5%増)
    米国向けは前四半期比61.3%増。
    製品別では、
    • 太陽電池モジュール570.8MW(前年同期(460.0MW)比24.1%増、前四半期(455.1MW)比25.4%増)
    • ウエハー54.1MW(前年同期(11.1MW)比387%増、前四半期(92.1MW)比41.3
    • セル34.6MW(前年同期(18.1MW)比91.2%増、前四半期(34.0MW)比1.8%増)
  • 太陽光発電事業(系統接続済み)の規模
    2014年6月末時点で累計252MWに到達した。
    ※第3四半期には、更に100MWが追加の予定。

業績

  • 売上高:約3.9億ドル(前年同期比37.8%増、前四半期比20.8%増)
    • 製品販売:約3.8億ドル(前年同期78.9%増、前四半期比20.7%増)
    • 太陽光発電事業の売電:約980万ドル(前年同期比1150%増、前四半期比26%増)
  • 売上総利益率22.6%(前年同期は17.7%、前四半期は24.0%)
  • 営業利益:約4056万ドル(前年同期比61.5%増、前四半期比23.6%増)

生産能力(2014年6月末時点)

  • 太陽電池モジュール2.1GW
  • インゴット、ウエハー、セルの合計2.0GW

モジュールの需給が逼迫しつつあることは8月に報じられていましたが、Jinko Solarのモジュール出荷量は今年上半期だけで既に1GWを超えており、2.1GWという年産能力と合わせて、確かに需給バランスがかつての供給過剰から一変していることが伺えるものです。

また出荷量だけでなく、売上高・利益のほうも大きく伸びており、赤字が続いていた2012年頃までと比べて、製品の生産コスト低減が格段に進んでいることも推測されます。

発電事業の売電収益は(売上高全体からみると)まだ微々たるものの、前年比では劇的に増加しており、(Jinko Solarでの主な展開地域と見受けられる)中国で、政府の導入支援方針に変更がなければ、今後も急速に伸びていくものと思われます。

もうひとつ気になる点として、今回の発表では、CEOによる「南アフリカ・南米で地位を固めている」とのコメントも紹介されています。

それらの地域における具体的な業績は、今回は明記されていませんが、これまで急成長市場の一つだった日本が、系統申請への回答保留により大きな不安材料を抱えただけに、特定地域の市場に頼り過ぎない体制づくりを進めることは、合理的な判断だと思われます。

他方で日本のモジュールメーカーは、現状で出荷量が国内向けに大きく偏っているので、今後も業績を維持することができるかは、かなり懸念されるところではあります。


※参照・参考資料:
[1]JinkoSolar Announces Second Quarter 2014 Financial Results(Jinko Solar社)
http://phx.corporate-ir.net/phoenix.zhtml?c=234421&p=irol-newsArticle&ID=1958988
[2]ジンコソーラー2014年第2四半期財務報告(同上、日本語サイト)
http://www.jinkosolar.com/press_detail_978.html?lan=jp

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2014年08月15日

JinkoSolarが、南ア・ケープタウンで太陽電池モジュール工場(年産能力120MW)を完成

JinkoSolar社が2014年8月11日に、南アフリカ太陽電池モジュール工場を完成したことを発表していました[1]。

同国における海外メーカーのモジュール工場は、今回が初とのことで、その概要は下記の通り。

  • 場所:ケープタウン内の「Epping Industrial 1」
  • 敷地面積5000m2
  • 生産能力:年120MW
    中国での最先端の生産設備をモデルにしている。
  • 投資額:約750万米ドル
  • 雇用人数250人の見込み

またJinkoSolar社では2012年以来、南アフリカ市場でのモジュール供給実績が300MWに達しているとのことです。


Jinko Solarは約1年前にも大規模発電所向けの供給契約(94MW分)を発表しており、南アフリカ市場での展開で先行している印象ですが、今回の現地工場新設についても、それだけ同市場でのモジュール需要に手応えを掴んでいる、ということだと推測します。

中国の太陽電池メーカーとしては、(FITでの認定分・稼動分の差が莫大な)日本市場はともかく、かつての最大需要先である欧州市場が急速に縮小し、更に最近は米国向け輸出も急減速しているだけに、他市場開拓の必要性がより増していると思われますが、その中で南アフリカが(Jinko Solarに限らず)新しい有力市場の一つになるのか、強く注目したいところです。

また新工場の立地場所であるEppingは、海に近い工業地域であり[2]、南ア国内向けだけでなく、他地域への輸出用としても、Jinko Solar社の重要拠点になる可能性があるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]JinkoSolar Opens Solar Module Factory in Cape Town, South Africa(JinkoSolar社)
http://www.jinkosolar.com/press_detail_969.html
[2]Epping, Cape Town(Wikipedia)

※関連記事:
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2014年06月28日

上海超日太陽能科技(Chaorisolar)の破産が決定、裁判所が債務返済不可と判断

中国の太陽電池メーカー「上海超日太陽能科技Chaorisolar)」が2014年6月27日に、破産手続きに入ることが決定したとのことです[1]〜[3]。

主な状況は下記の通り。

経緯

  • 超日太陽は近年赤字が続いており、2014年3月にはデフォルト(債務不履行)状態になっていた。
  • 同社の取引相手(サプライヤー)の「上海毅華金属材料」は2014年4月に、上海市第一中級人民法院に同社の破産申請を実施。
    同裁判所は6月26日に、超日太陽が債務返済できないとみなし、上海毅華の申請を受理した。

今後の予定

  • 裁判所が指定した弁護士事務所と会計事務所が管財人になり、債務整理にあたる。

Solvisto誌のデータ[4]によると、超日太陽の日本市場での2013年のモジュール出荷量は、海外メーカーで5位の300MW(※世界出荷量は800MW)と、一定のポジションを築いているだけに、本社破綻によるユーザーへの影響(保証の継続可否など)が懸念されますが、日本法人と中国本社の間に資本関係は無く、また再保険会社にも加入済み[6]とのことなので、適切な対応がとられて混乱が起きないことを願いたいものです。

無錫サンテックの破産時と異なり、現在は中国国内需要も爆発的に拡大しているだけに、政府の認定メーカーに入っている[5]超日太陽が業績建て直しに至らなかったのは意外でしたが、競争が激化している中で、中国の太陽電池パネルメーカーにおいても明暗がはっきり分かれつつある、ということなのかもしれません。

超日太陽の今後については、中国パネルメーカー間で再編(買収、合併)が活発化している[7]との現状から、(ブランド名の存続はともかく)他社による買収・生産能力取得の可能性があるものと考えます。


※参照・参考サイト:
[1]中国の太陽電池中堅が破産(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM27035_X20C14A6FF2000/
[2]上海超日の再編申請を裁判所が受理−中国企業破綻史の節目(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N7TLBG6JTSEH01.html
[3]上海一中院受理?上首例民?上市公司破?重整案 上海超日太?能科技股?有限公司破?重整?入司法程序(上海市第一中級人民法院)
http://www.a-court.gov.cn/platformData/infoplat/pub/no1court_2802/docs/201406/d_2663156.html
[4]Solvisto誌 2014年3月号p27「海外メーカーの日本戦略」
[5]同誌 2014年5月号p50-51「中国政府に認定されたPV関連メーカー一覧」
[6]お客様各位 日本経済新聞に掲載されました内容について(日本法人「CHAORI SOLAR」)
http://www.chaorisolar.net/topics/2014/03/post-3.html
[7]Solvisto誌 2014年5月号4-8p「最前線 中国PV市場」

※関連記事:
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2014年05月23日

Trina Solarの2014年1Qは売上高が前年同期比7割増・出荷量は42%増、中・日・米での需要増が牽引

中国のTrina Solar社が5月21日に、2014年第1四半期の業績を発表していました。

主な数字・状況は下記の通り。(※一部は管理人が計算)

業績

  • 売上高4億4480万ドル(前四半期(2013/4Q)比15.3、前年同期(2013/1Q)比70.9%増)
  • 出荷量558.0MW(前四半期比27.5、前年同期比42.1%増)
  • 純利益2650万ドル(前四半期比73.5%増、前年同期比9020万ドルの増益)

背景

  • 川下事業への注力
    当期出荷量のうち23.8MWは、英国自社が手がける発電所向けだった。
    また同期には、甘粛省に建設した発電所(50MW)の売却に成功しており、現在は更に中国国内で幾つかのプロジェクトを着工している。
    2014年内には、川下領域で400〜500MWのプロジェクト開発を目標としている。
  • 売上高と出荷量の増減
    前四半期(2013/4Q)比減は、
    中国での季節的な需要減
    EUへの出荷減(中国-EU間での最小価格設定が影響)
    による。
    一方、前年同期(2013/1Q)比増の大部分はキー地域、特に
    中国
    日本
    アメリカ
    での需要増に牽引された。

出荷量は第1四半期トップのシャープ(750MW弱)を確かに下回っていますが、中国需要は(今回は季節的に鈍化したものの)基本的には急拡大が続いているだけに、第2四半期以降は、中国メーカーが出荷量トップに返り咲く可能性は高いと考えます。

モジュール価格の競争激化で、中国メーカーも長く赤字が続いてきましたが、Trinaの純利益は2013年3Qには黒字に転換しており[2]、政府主導による中国需要増加の恩恵が、顕著に表れていることを感じます。

また同社は川下分野(発電所建設)にも注力しているとのことで、これはTrina社の方針である垂直統合型の事業体制が更に一歩進んだもの、ということかもしれません。


※参照・参考サイト:
[1]Trina Solar Announces First Quarter 2014 Results(Trina Solar)
http://ir.trinasolar.com/phoenix.zhtml?c=206405&p=irol-newsArticle&ID=1932988&highlight=
[2]月刊PVeye誌 2014年4月号31p(「成長か死か 中国メーカー最後の賭け」内)

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2014年03月09日

上海超日の社債利払いが一部不履行、資金調達のため海外関連プラントの一部売却を目指す

中国の「上海超日太陽能科技(ChaoriSolar)」が、2014年3月7日に予定していた社債の利払い8980万元)について、全額を履行できなかったと報じられています[1]。

またこの件について、同社の副社長が同日、

  • 債務返済の資金調達のために、海外に保有する太陽光関連プラントの一部売却を目指している。
と語ったとのことです。


上海超日のデフォルトの可能性については、数日前から多くのニュース記事(例えば[2])で報じられていましたが、現実のものとなってしまったようです。

同社のウェブサイトでは、現時点でこの件に関する発表は掲載されていませんが、各報道によると支払い可能額は400万元のみで、支払い予定額の5%未満。

1年前には資金繰りの急速な悪化が報じられていましたが、FITにより活況な日本市場での太陽電池パネル販売も、十分な業績改善にはつながらなかったのかもしれません。

上海超日のパンフレット[3]からは、製品・サービスにおける堅実な姿勢が伺えるだけに、個人的には何とか経営を立て直すことを期待したいです。


※参照・参考サイト:
[1]中国の上海超日、本土社債で初のデフォルト状態−利払い不能(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N21TNW6KLVRD01.html
[2]中国の太陽光発電大手「社債利払い難しい」(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM05044_V00C14A3FF2000/
[3]CHAORISOLAR総合パンフレット
http://www.chaorisolar.net/download/files/chaorisolar_pamphlet_2013.pdf

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