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2014年10月09日

米Quantum Materials社が量子ドット太陽電池セルの商業生産に向け、パイロット工場のパートナー企業を探し中

米「Quantum Materials」社が2014年10月1日に、量子ドット太陽電池生産能力増強する方針を発表していました[1]。

概要は下記の通り。

背景

  • 量子ドットは、太陽光発電に用いた場合に多大な利点(発電能力など)があるが、一方で生産コストが高く、それが太陽電池セル(薄膜型)の商業生産における障壁となっていた。
  • Quantum Materialsでは、
    • 材料
    • 量子ドット太陽電池の基礎設計と、その製造方法
    • 印刷技術(高速ロールツーロール等)を適用するディスプレイや太陽電池セル、他の印刷型の電子デバイス
    等、量子ドット薄膜太陽電池セルの商業生産に必要となる知的財産を、広範囲に確保している。
    これらの技術により、量子ドット材料の十分な供給と、太陽電池生産コストの大幅な低減が見込まれる。

現状

  • 量子ドット太陽電池セル(ロールツーロール工程により製造する)のパイロット工場を構えるための、パートナー企業を探している。
    (Quantum Materials社はこの提携において、毎日の生産に必要な材料を供給する)

また同社のサイト内[3]では、自社技術を太陽電池セルに適用した場合のメリットとして、下記の点が上げられています。

  • 光エネルギーを有効活用
    現在主流の結晶シリコン型セルと異なり、紫外光・赤外光も発電に利用できる。
    (※日射ピーク時の太陽光エネルギー(1m2あたり1kW)の内訳は、赤外光527W・可視光445W・紫外光32W。
      このため従来の結晶シリコン型(可視光のみを発電に利用)では、太陽光エネルギーの半分以上を逃していることになる。)
  • 低コストで製造可能
    量子ドットをテトラポッド状に自動的に構成でき、ロールツーロールでの生産が可能。
    また特殊な製造装置や、高価な材料(インジウム等)も必要ない。

量子ドット太陽電池はまだまだ研究段階と思っていましたが、少なくともQuantum Materials社においては、既に実用化・製品化が目前の段階まで来ているようです。

ただ同社自身による長所のアピールでは、結晶シリコン型に対する優越性は主張されているものの、製造コスト・太陽電池価格や、発電性能(変換効率など)・耐久性といった具体的な数字は記載されておらず、その点は気になるところです。

量子ドット型セルの変換効率については、NRELによるグラフ([4]掲載)では研究段階の最高値が8.6%(MITの記録)であり、Quantum Materials社の製品は当然それを下回ると思われ、結晶シリコン型との直接の競合よりは、低コスト生産に軽量・フレキシブル性といった長所を生かせる用途を開拓することが、当面の課題になるのではないでしょうか。


※参照・参考資料:
[1]Quantum Materials Scaling Up Photoactive Quantum Dot Production for Solar Power Generation(Quantum Materials社)
http://www.qmcdots.com/press/press.php
[2]量子ドット太陽電池、量産体制へ 米企業、量子ドット材料の生産能力拡充(環境ビジネスオンライン)
http://www.kankyo-business.jp/news/008892.php
[3]Solar Cells(Quantum Materials社)
http://www.qmcdots.com/products/products-solar.php
[4]Comparison(Wikipedia「Solar cell efficiency」内)
posted by 管理人 at 00:36 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2012年06月04日

東北大学が、シリコン製の量子ドット太陽電池の試作品で変換効率12.6%を達成、1年以内に約30%・5年後に45%以上を目指す

東北大学の「流体科学研究所」の研究チームが、シリコン製量子ドット型太陽電池試作品で、変換効率12.6%を達成したとのこと。

(ニュース記事)
・東北大、量子ドット太陽電池で世界最高効率−12.6%(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320120604eaaa.html?news-t0604

上記URL先ページによると、現在の量子ドット太陽電池の研究では化合物半導体が主流となっていますが、シリコンを用いる場合には既存の半導体製造プロセスが利用でき、低コスト化が可能になるとのこと。

今回の研究チームでは今後、変換効率について

1年以内:30%程度
5年後:45%以上

を達成し、実用化を目指す方針とのことです。


シリコンで量子ドットを形成する基本技術の開発については昨年6月に報じられていましたが、約1年で明確な成果を出してきた、ということに、技術の確実さが伺えます。

また、今後の変換効率の達成目標も(数値・期間とともに)かなり高い水準だと感じますが、高性能が見込まれるものの一般的には遠い存在である量子ドット型太陽電池の、早期実用化の可能性として、研究開発の進展に強く期待したいところです。


※当ブログの関連記事:
東北大学の研究チームが、シリコン材料を用いる量子ドット型太陽電池で、変換効率45%以上を見込める基本技術を開発(2011/06/22)
東北大の研究者が、円盤形のシリコン量子ドットを重ね合わせた高密度の超格子構造の形成に成功、太陽電池の変換効率では45〜60%程度が見込まれるとのこと(2011/07/13)
posted by 管理人 at 13:56 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2012年03月24日

東大とシャープが軽量・フレキシブルな量子ドット太陽電池セルの試作に成功、変換効率は10%、重さはガリウムヒ素基板採用セルの1/10

東京大学
シャープ

の研究グループが、軽量・フレキシブル量子ドット太陽電池セル試作に成功したとのこと。

(ニュース記事)
・東大・シャープ、フレキシブルな量子ドット太陽電池を試作−セルの変換効率10%(日刊工業新聞)
 http://www.nikkan.co.jp/news/photograph/nkx_p20120324.html

(東京大学のサイト内ページ)
・東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構記者会見 「量子ドット太陽電池の開発について」
 http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_240314_j.html

上記URL先ページによると、試作セルの概要は

・製作手順:
 1.ガリウムヒ素の基板上に、量子ドット構造を含む発電層を形成する。
 2.上記の基板を反転し、200度でプラスチック基板に張り合わせて、ガリウムヒ素基板を取り除く。
  (プラスチック基板の張り合わせには、銀のナノ粒子を利用した導電性エポキシ材料を採用)
・変換効率:10
 プラスチックに張り合わせる前後で、性能は劣化しなかった
・重さ:ガリウムヒ素基板の量子ドット太陽電池の1/10

等となっており、またニュース記事ではセルの拡大写真が掲載されています。

また、フレキシブルなプラスチック基板上の量子ドット太陽電池の実現は、今回が世界初とのことです。


東京大学のサイトでの発表内容を見ると、今回の成果はセル変換効率約19%の量子ドット太陽電池と同時に発表されたとのことで、東大の同分野における研究開発の進み具合が伺えます。

実用化がいつ実現するのか、個人的には非常に楽しみな技術です。


※参考サイト・ページ
・[1]ニュースリリース(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/corporate/news/index.html
posted by 管理人 at 20:03 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2012年03月16日

東大とシャープが、セル変換効率約19%の量子ドット太陽電池を共同開発

東京大学の生産技術研究所
シャープ

の2者が、セル変換効率約19%の量子ドット太陽電池を開発し、3月14日に発表したとのこと。

(ニュース記事)
・最高効率の太陽電池開発 東大など
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012031502000046.html
・【応物学会プレビュー】非集光の量子ドット型太陽電池でセル変換効率18.7%、東大とシャープが最高値を更新(日経BPネット)
 http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20120315/302454/?rt=nocnt

上記URL先ページによると、今回達成されたセル変換効率は

・非集光時:18.7
 (※従来の最高値は、「Russian Academy of Sciences」による18.3%)
2倍集光下:19.4

とのこと。

また記事では、開発に携わっている東大の教授の方(1982年に量子ドット太陽電池のアイディアを考案)の

・(非集光時の18.7%は)「量子ドット型太陽電池として業界最高」
・「新方式では、床と天井の間を広げ、さらに中間の棚を作る。
  無駄がなくなり、エネルギーの小さい光も利用できる」
・「現在はガリウムヒ素などの半導体薄膜を重ねている。
  さらにいい材料を探索し、十〜二十年程度で実用化させたい。
  ベランダで家一軒分の発電をすることも可能」

とのコメントが紹介されています。


当ブログでこれまでチェックしてきた限りでは、量子ドット太陽電池の理論的な変換効率は

・60%(2009年7月のニュース記事)
・75%(2011年4月のニュース記事)

とされていたので、今回の記事では80%と更に高い数字が挙げられていることに驚きましたが、まず理論についても現在は進歩の真っ只中、ということなんでしょうか。

また、その理論値よりはまだ大幅に低いとはいえ、今回既に約20%のセル変換効率を達成した、ということにも驚きます。

モジュールでどの程度の効率が見込めるのか、ということは分かりませんが、太陽光発電の実用性を飛躍的に高めるためにも、早期の実用化を強く期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]研究開発・知的財産(シャープ)
 http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/intellectual/index.html
・[2]グリーンエレクトロニクス・フォトニクス(東京大学の荒川・岩本研究室)
 http://www.qdot.iis.u-tokyo.ac.jp/research/research1105.html
posted by 管理人 at 13:13 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2011年07月13日

東北大の研究者が、円盤形のシリコン量子ドットを重ね合わせた高密度の超格子構造の形成に成功、太陽電池の変換効率では45〜60%程度が見込まれるとのこと

東北大学流体科学研究所の研究者の方が、量子ドットの作製において、円盤形にしたシリコンを重ね合わせ、高密度配置超格子構造を形成することに成功したとのこと。

(ニュース記事)
・河北新報 東北のニュース/シリコンで超格子構造 次世代太陽電池に応用
 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/07/20110713t15001.htm

上記URL先ページによると、今回の研究の概要は、

・製造法:
 ・直径10nm・厚さ2〜8nmのシリコンの量子ドットを作成。
  これを、厚さを揃えて1cm2あたりに1012個ずつ詰め込み、超格子構造を実現した。
  更に、厚さが異なるもの同士を重ねることで、幅広い波長の太陽光の吸収を可能とした。
 ・均一なシリコンの成型においては、タンパク質の特性(同じ形を複製可能)を用いている。
  (シリコンをタンパク質で覆い、円盤形に加工する技術なども確立した)
・メリット:
 ・既存の材料(ガリウムヒ素など)で同様の構造を作る場合と比較して、
  ・密度:約100
  ・コスト:約1/10
  まで低減される。
 ・太陽電池の変換効率では、45〜60%程度が見込まれる。

等となっています。

また記事では、本研究に取り組んでいる寒川誠二教授(知的ナノプロセス工学)の、

・「実用化には、量子ドットを収めるパッケージや電極部分の開発など課題も多い。
  今後はデバイスメーカーとの試作などさらに研究を進め、2020年ごろの実用化を目指したい」

とのコメントが紹介されています。


今回の研究は、先月報じられていた寒川氏の研究グループによる研究成果と強く関係するものだと思われますが、今回はコストや太陽電池の変換効率といった数字、また実用化の目標時期が具体的に示されているのが、非常に興味深いです。

変換効率の高さはやはり非常に魅力が高いと感じるので、まだ10年近くはかかるようですが、実用化に強く期待したいところです。


※参考サイト・ページ
・[1]東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/
・[2]寒川 誠二 教授
 http://www.ifs.tohoku.ac.jp/samukawa/samukawa.htm
・[3]量子ドット - Wikipedia
posted by 管理人 at 20:49 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2011年06月22日

東北大学の研究チームが、シリコン材料を用いる量子ドット型太陽電池で、変換効率45%以上を見込める基本技術を開発

東北大学流体科学研究所の研究チームが、シリコン材料を用いる量子ドット太陽電池において、変換効率45%以上を見込める基本技術を開発したとのこと。

(ニュース記事)
・asahi.com(朝日新聞社):東北大、シリコンでエネ変換効率45%超の太陽電池作る技術開発 - 日刊工業新聞ニュース - デジタル
 http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201106210016.html

上記URL先ページによると、技術の概要は、

・背景:
 従来は、シリコンでは均一な量子ドットの作製が困難だった。
 このため量子ドット太陽電池においては、化合物半導体(材料コストはシリコンの10倍以上)を用いる研究開発が主流となっていた。

・研究内容:
 ・手法:
  均一な構造を作る蛋白質に、の微粒子を含ませることで、規則正しい構造を作成。
  そして、蛋白質の除去後に残った鉄が等間隔に並ぶプレートを型として用い、シリコン基板上に円盤状の量子ドットを形成する手法を開発した。
  (一般的な量子ドット(球状)と比較し、円盤形状は厚さを調整しやすい)
 ・成果:
  今回は特に、
  ・高密度(直径10nm以下)なシリコン量子ドット
  ・中間層の炭化ケイ素(SiC)
  を組み合わせた場合に、量子ドット太陽電池の高効率化に不可欠な「ミニバンド」を作成できることを、初めて確認した。
  (自然には存在しない人工的な結晶構造「超格子構造」が形成されており、デバイスの特性を発揮しやすい形状に、自在に制御できるとのこと)
  また、シリコンの発光現象(欠陥が無いことを示す)も確認している。

・今後の方針:
 1〜2年後を目処に、太陽電池の試作を目指す。

等となっています。


高い変換効率の実現が期待されている量子ドット太陽電池において、更に(まだ基本技術の段階とはいえ)安価な素材の適用可能性が開かれたということで、実用化はまだまだ先のことだとは思いますが、今後の展開に強く期待したいです。


※参考サイト・ページ
・[1]東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-
 http://www.tohoku.ac.jp/japanese/
・[2]寒川 誠二 教授
 http://www.ifs.tohoku.ac.jp/samukawa/samukawa.htm
posted by 管理人 at 11:51 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2011年04月26日

東大の研究者とシャープが、量子ドット太陽電池について理論変換効率75%を算出

東京大学の研究者とシャープの研究グループが、

量子ドット太陽電池理論変換効率75%に達する。

との計算結果を公表したとのこと。

(ニュース記事)
・東大、量子ドット太陽電池の理論変換効率75%に:日刊工業新聞
 http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720110425eaao.html

上記URL先ページによると概要は、

・背景:
 従来の量子ドット太陽電池の理論変換効率は、1つの中間バンドの構造を前提としており、上限は63%とされていた。

・今回の成果:
 量子ドット太陽電池のバンドギャップ間に、中間バンド(電子の足場)を複数持つ構造にした場合、太陽光スペクトルの有効利用が可能となり変換効率が向上することを、理論的に発見。
 中間バンド4つを設けた場合、理論変換効率は最大75%になる。

・今後の方針:
 今回の計算結果に基づいて、量子ドット太陽電池の構造の最適化を進め、実験的に検証を行う。

等となっています。


今回の理論数値は非常に高いですが、量子ドット太陽電池については、当ブログでチェックしている限りでは実験段階での変換効率はまだ1ケタ台であり、また富士キメラ総研は約1年前のレポートで量子ドット太陽電池は、2020年時点でもサンプル出荷段階を脱し得ないと予想していますが、理論変換効率を実現できる見通しは一体どの程度あるのかが、非常に気になるところです。


※参考
・[1]教授 荒川 泰彦 | 東京大学 先端科学技術研究センター
 http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/research/pioneers/008/index.html
・[2]荒川・岩本研ホームページ
 http://qdot.iis.u-tokyo.ac.jp/
・[3]最新のニュースリリース:シャープ
 http://www.sharp.co.jp/corporate/news/index.html
posted by 管理人 at 00:18 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2010年03月20日

東京工業大学の研究者が、シリコン量子ドット薄膜太陽電池で、開放電圧の世界最高値(518mV)を達成

東京工業大学の研究者が、シリコン量子ドット薄膜太陽電池で、開放電圧の世界最高値を達成したとのこと。

asahi.com(朝日新聞社):東工大、シリコン量子ドット太陽電池の開放電圧で世界最高値を記録 - 日刊工業新聞ニュース - デジタル

上記リンク先記事によると、この技術の詳細は、

・太陽電池の特徴:
 発電層には、直径数nmのシリコン量子ドットを使用。
 CVD(プラズマ化学気相成長)法により非晶質のSiC(炭化ケイ素)膜を作製する独自手法を採用して、シリコン量子ドットの粒径を制御して積層化した。
・研究成果:
 シリコン量子ドットを囲むSiC層に酸素を添加。
 これにより、SiCの結晶化を抑え、電気伝導性の改善に成功した。
 そして、試作素子の開放電圧で518mVを記録。
 (従来の世界記録は、豪州の研究グループが作製した492mV)
 また、試作素子の効率は約0.1%程度と、世界最高水準となっている。
・期待されるメリット:
 太陽電池の変換効率は、開放電圧と電流値などの積で算出される。
 このため、今回の開放電圧向上は、変換効率の大幅アップにつながる。

となっています。


量子ドット太陽電池では、変換効率の上限がかなり高く見込まれている(60%以上)とのことですが、今回の研究成果ではどの程度の変換効率アップが見込まれるのか、非常に気になるところです。
posted by 管理人 at 07:32 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2009年08月12日

産総研が量子ドットの50層積層を実現、変換効率8%の量子ドット太陽電池も試作

産業技術総合研究所が、太陽電池の変換効率向上を目的としている、量子ドット積層技術について、

量子ドットの、規則正しい50層の積層
10層積層した場合には、変換効率8%の量子ドット太陽電池として機能する

ことを実現・実証したとのこと。

変換効率60%を目指す太陽電池に向け、産総研量子ドットを50層積層 | EE Times Japan

上記リンク先記事によると、単結晶Si太陽電池の変換効率においては、シリコンのバンドギャップエネルギーの都合から、理論上の上限値は約30%。

より高い変化効率実現のためには、複数のpn接合を含む多接合方式(タンデム方式)が、有望と考えられているそうです。

これは、異種材料(ガリウムやインジウム、リン、ヒ素等)でpn接合を形成することで、複数のバンドギャップ設定が可能となり、シリコン単結晶よりも広い範囲の波長の光が吸収可能となるため。

しかし現実には、バンドギャップの値は物質固有であることから、バンドギャップの自由な変更はできず、開発されているのは3〜4接合のものに留まっているとのことです。

そこで、この限界を超える方法として考えられているのが、直径10nm程度の微細な結晶(量子ドット)を規則的に配列する方法で、これにより太陽電池の変換効率の理論上限が、一気に60%以上まで高まるそうです。

今回産総研では、「MBE」(Molecular Beam Epitaxy)法によって、GaAs基板上に、InGaAsからなる量子ドットを、50層に渡り規則正しく積層することを実現。

そして、この量子ドットを用いて試作した太陽電池量子ドットの組成:In0.4Ga0.6As)で、変換効率8%を達成したとのことです。


単結晶シリコン太陽電池の変換効率の限界が約30%というのは、私は今回初めて知りましたが、量子ドット太陽電池の理論上限が60%以上というのも、驚きました。

もっとも現状では、変換効率8%と、上限にはかなり遠いようですが、今後の研究で果たしてどこまで高まるのか、気になるところです。
posted by 管理人 at 20:03 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池

2009年07月22日

シャープ等が量子ドット型太陽電池で、シリコン系を上回る変換効率を実現?

7月21日朝の日本経済新聞で、シャープ量子ドット太陽電池で、シリコン系太陽電池を上回る変換効率を実現した旨が報じられていたとのこと。

シャープは「次世代太陽電池の性能向上」報道で3日ぶり反発 2009/07/21(火) 10:27:56 [サーチナ]

上記リンク先記事では、報じられた内容として、

・東京大学やシャープの研究チームが、量子ドット太陽電池において、現在一般的なシリコン系太陽電池を上回る発電効率を持った試作品の作成に成功。

量子ドット太陽電池は、ナノテクノロジーを用いて作られるもので、理論的には60%の高変換効率が期待されている。

との内容が記述されています。


今回開発された量子ドット太陽電池について、より詳細な情報(達成された、具体的な変換効率など)が報じられることを、期待したいです。
posted by 管理人 at 07:13 | Comment(0) | 量子ドット太陽電池