【現在位置】トップページ > 架台

(スポンサード リンク)

2017年05月13日

NEDO・奥地建産などが「水平型動風圧試験装置」による架台の耐風圧性能試験を開始、パネルや架台を破壊できる風圧が可能

NEDO奥地建産2017年4月26日に、

  • 大型の「水平型動風圧試験装置」を用いての、地上設置型太陽光発電設備の耐風圧性能の実証試験を開始した。
と発表していました[1][2]。

概要は次の通り。


<背景>

  • 固定価格買取制度の開始により、太陽光発電システムの導入量が増えているが、それに伴い、構造設計の不十分な設備などで、強風による損壊被害が発生するようになった。
    このため現在では、太陽光発電システムの「安全性」と「経済性」を両立させた設計ガイドラインが、必要となっている。
  • NEDO・太陽光発電協会・奥地建産の3者は、
    • 太陽光発電システムの自然災害・経年劣化に対して、安全性・経済性を確保する、評価・設計の手法
    を確立するために、設備の構造安全性の課題に関する、調査・研究・実証試験を進めている。
    (※プロジェクト名は「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト/太陽光発電システムの安全確保のための実証」、期間は2016〜2018年度)
    そしてこのプロジェクトでは
    • 地上設置型設備設計ガイドライン
    を、20192月末までに策定することを目指している。

<実証試験>

目的 強風(台風など)に対する、架台構造安全性を確認する。
ここで得られる知見を、設計ガイドラインの策定に生かす。
実験設備 「世界最大規模」の「水平型動風圧試験装置」を用いる。
この装置は、下記の特徴を備える。
  • 実際の設備を試験可能
    大空間(幅16m×奥行6m×高さ4m)を有しており、これに実際の太陽電池パネル+架台を設置して、試験を行うことができる。
  • 破壊可能な風圧
    太陽光発電設備のパネルや架台を破壊できるだけの、圧力を加えることができる。
    これにより、実際の台風などを超える条件で、試験することが可能。
実施場所 奥地建産の本社工場(大阪府松原市)
開始日 2017/4/26(※リリース[1][2]の発表当日)


世界的にも類を見ないという規模の試験装置には驚きましたが、当ブログで記録している限りでも、奥地建産はこれまでに

と、非常にユニークな設置環境での実証試験に携わっていました。

そして同社の架台「sun catcher」の開発レポート[4]では、架台に関する(実際の環境に即した)豊富な知見や、きめ細かい性能追求の姿勢が伺えます。

その点で、今回の強力な「水平型動風圧試験装置」の導入も、自然な流れだったのかもしれません。

またガイドラインの完成は、予定通りでも約2年後とまだ先のことですが、日本国内の環境に基づいた明確な基準を確立することで、設計や施工のコストダウンが進むことが、期待できるのではないでしょうか。


※参照資料:
[1]NEDO:地上設置型太陽光発電システムの耐風圧性能試験を開始(NEDO)
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100757.html
[2]地上設置型太陽光発電システムの耐風圧性能試験を開始(奥地建産)
http://www.okuji.co.jp/news/20170426news.pdf
[3]産業用太陽光発電システム架台 sun catcher(同上)
http://www.okuji.co.jp/pv/suncatcher/index.html
[4]研究レポート01 sun catcher(同上)
http://www.okuji.co.jp/pv/randd_report01.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 架台

2016年09月12日

エクソル社が既設発電所向けの増設工法「X-large」を発表、アレイをスライドさせて設置場所を確保

XSOL社が2016年9月2日に

  • 野立て既設太陽光発電所で、新たな土地がなくても太陽電池モジュールを増設できるオリジナル工法「X-large(エクスラージ)」
を発表していました[1]。

概要は次の通り。


背景・目的

  • 今年成立した改正FIT法では、設備認定基準に、定期的なメンテナンスを行わないと満たせない項目が追加された。
    このため、「太陽光発電はメンテナンスフリー」という認識が強い時代に作られた太陽光発電所では、事業計画に支障が出るケースが想定される。
  • 今回の「X-large」では、上記の事態への対応として
    • 発電量の増加(収益の確保)
    • 設備の強化・改善(長期の安定稼働につながる)
    をもたらすことが期待できる。
  • また、日本においては
    • 太陽光発電所の適地発見の困難化
      (土地・土木・造成のコストによる、コストダウンの阻害)
    • 電力系統の強化需給バランスの制御に対する、より高度な対応(導入量は増加中)
    との懸念・課題がある。
    今回の「X-large」には、それらに対するソリューションの一つという意味合いもある。

「X-large」の特徴

空きスペース無しで、太陽電池モジュールを増設設置済みの太陽電池アレイをスライド移動させて、それらの間隔を詰める。
これにより確保したスペースに、新たなモジュールを増設できる。
実発電量を最大化
  • 冬季にアレイの一部に影がかかることを前提に設計する。
    この影によるロスは生じるが、モジュールを増設することで、発電所全体の発電電力量を最大化する。
  • モジュール増設後もパワコンの容量は変わらないため、日射量の多いときに、ピークカットによる発電ロスが生じる可能性がある。
    しかしシミュレーション設計で、通年の発電量とのバランスを考慮することで、このロスを最小限に留める。
電力需給の制御に寄与ピークカット設計によって、ローカル系統に負荷を与えずに、発電カーブをよりフラットに近づける。
これにより、需給バランスの制御を行いやすくする。
架台の強化 太陽電池アレイの
  • 固定点増加
  • 前後の連結固定
により強度が増す。

その他

  • 提供価格:規模・条件により異なる。
  • 提供開始日:
    見積受付2016年9月20日に開始する。
    (※受注開始の当初は、高圧以上の布基礎設備を優先とする)

太陽電池モジュール増設のためにアレイ自体をスライドさせてしまう、というのは全く想像もしませんでしたが、このようにユニークな工法に対するニーズが日本国内で生まれているとすれば、非常に興味深いことです。

最新の国内モジュール出荷量統計(2016/4-6分)に基づくと、「発電事業」(500kW以上)向けでは海外メーカー製が3/4近くを占めていますが、価格競争力の高い海外メーカー製モジュールの流入が、既設発電所における増設ニーズにも繋がっているのでは、と想像します。

また今回の工法には、モジュールの増設だけに留まらず

  • 設備の強度アップ
  • 電力系統への配慮
も盛り込まれており、現在の日本国内の「非住宅」設備全般における課題を示しているとも感じられます。


※参照資料:
[1]【太陽光発電所増設の新工法「X-large」提供開始】のご案内(エクソル社)
https://www.xsol.co.jp/news/2016/09/12008/
[2]本日、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令」及び「調達価格及び調達期間を定める告示の一部を改正する告示」が公布されました。(資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/kaisei_kakaku.html

posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 架台

2015年02月18日

ソーラーフロンティアが関わる熊本県八代市のメガソーラー(1.4MW)で、架台の2割に木製架台を採用予定

ソーラーフロンティア社が2015年2月17日に、

  • 熊本県八代市に建設するメガソーラー(1.4MW、2015年5月末に稼動開始予定)の一部で、木製架台を採用する。
との方針を発表していました。

概要は下記の通り。

  • メリット:今回は、木製架台が持つ下記の特徴が評価された。
    • 塩害への耐性
      海岸付近での塩害
      融雪剤の影響
      による腐朽が少ない。
    • 熱伝導率の低さ:炎天下でも高温になり難い
    • 国産木材を使用
      将来的に設備を解体する場合も、廃棄材を木質バイオマス燃料などに利用できる。
  • 技術
    木材保存技術を保有する「ザイエンス」社(発電所用地の地権者でもある)のノウハウを活用。
    また工法には、ソーラーフロンティア製モジュールへの構造計算を踏まえた連結工法を採用する。
    加えて、第三者機関(一般財団法人ベターリビング)による性能評価試験を受けている。
  • 木製架台の採用割合:全架台のうち約2割

ザイエンス社の製品は、木材の使用が通常は考えられない場所でも実績があり[2]、またその防腐技術は兵庫県の「木製架台メガソーラー多可発電所」にも採用済みなので、部材(木材)の耐久性に関する懸念は少ないと思われます。

その多可発電所では、サンフォレスト社製の架台が採用されています[3]が、今回の発電所ではパネルメーカー(ソーラーフロンティア社)自身の肝入りとのことで、同じ木製架台でどのような違いが生じているのかは、非常に興味を引かれるところです。

また今回のメガソーラーは、国内大手モジュールメーカーが関わる案件であり、設備稼動後の実績(腐食や変形の度合い等)次第で、木製架台のPRや普及拡大にも大きく寄与する可能性があると考えます。


※参照資料:
[1]ソーラーフロンティア、国産木製架台を用いて太陽光発電所を建設(ソーラーフロンティア社)
http://www.solar-frontier.com/jpn/news/2015/C042170.html
[2]土木資材(ザイエンス社)
http://www.xyence.co.jp/products.html?id=PRD00035
[3]多可発電所完成までの流れ(サンフォレスト社)
http://www.sunforest.jp/taka/progress.asp
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 架台

2015年01月22日

エクソルが重ね式折板屋根向けの「ダブル接着工法ナイックス」を発表、高機能両面テープの採用で工期を大幅短縮

EXOL(エクソル)社が2015年1月13日に、折板屋根(重ね式)向けの太陽電池パネルの設置工法「ダブル接着工法NAI-Xナイックス)」を発表していました[1]。

概要は下記の通り。


特徴

  • 屋根への穴開けが不要
    • 建材用の高機能両面テープ
    • 専用接着剤(セメダイン社との共同開発)
    の2つを用いて、屋根にパネル設置用金具を固定する。
    これにより、ネジによる屋根への穴開けが不要になり、雨漏り発生の懸念が無くなる。
  • 工期を短縮
    従来の「XSOL 接着剤工法」(接着剤2種(初期固定と長期持続性)を使用)から、専用金具の接着面を改良している。
    具体的には、初期固定接着剤の代わりに高機能両面テープを用いたことで、設置した瞬間から接着強度を発揮。
    これにより、従来の同様の接着工法と比べて、養生期間(長期持続性接着剤の強度発揮まで)が大幅に短縮される。
  • 両面テープは「JIS Z 1541(超強力両面粘着テープ)1種1号」に相当
    アクリルフォーム基材を用いており、
    • 接着面の凹凸の伸縮追従
    • 強い接着力
    • 高い耐久性・耐熱性
    といった利点を持ち、屋外での接着に向く。
  • 屋根から突き出た剣先ボルトにも対応可能
    専用金具は、60mmまでの剣先ボルトであれば、ボルト先端の切断などをせずに太陽電池パネルを設置できる。
    (パネルのバックシートの損傷を回避可能)

設置条件

  • 屋根の種類:重ね式折板屋根(※設置面が幅35mm以上)
  • 地上高:11m以下(※風速38m/s以下の場合は11mまで可)
  • 海岸線からの距離(塩害対策):500m以上(※海岸線から遮蔽物がない場合は、現場確認が必要)
  • 屋根勾配:水勾配〜3寸勾配
  • 設置用基準風速:38m/s以下の地域
  • 積雪量:150cm以下(多雪施工)

また発売時期は、2015年2月中旬の予定とのことです。


ニュース記事[2]によると、工期の短縮期間は(従来の接着工法比で)最大約34日とのことで、施工の負担を軽減する効果も、かなり高いと思われます。

施工費用は不明ですが、約3年前には従来の接着剤工法+アモルファス型パネル「SOLAFUL」で29万円/kW

接着剤と両面テープの価格差にもよりますが、旧工法の発表から数年が経っていること、また新工法では工期を大幅短縮できることから、更にコストダウンが進んでいる可能性が考えられます。

系統連系の制限やFITの制度変更(予定)により、太陽光発電導入を巡る環境は以前より厳しくなっていますが、一方で50kW未満の産業用設備の導入量は、メガソーラーの100倍以上にも達しており([3]の22ページ)、中小規模設備の需要が高まる中で、このように施工の省力化に寄与する新工法が持つ価値は、小さくないものと考えます。


※参照・参考資料:
[1]【プレスリリース】ダブル接着工法NAI-X(ナイックス)販売開始のご案内(エクソル社)
http://www.xsol.co.jp/news/?p=4488
[2]屋根に太陽電池を取り付け、両面テープで工期を1カ月短縮(スマートジャパン)
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1501/15/news152.html
[3]資料1 最近の再生可能エネルギー市場の動向について(経済産業省)
http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/pdf/016_01_00.pdf

※関連記事:
posted by 管理人 at 06:00 | Comment(0) | 架台

2014年09月20日

日本軽金属が、アルミ製架台「アルソルメガ」の傾斜地向けモデルを発売

日本軽金属」社が2014年9月12日に、

  • アルミ製の太陽電池パネル架台「アルソルメガ」において、傾斜地対応モデルを発売した。
と発表していました[1]。

製品の概要は下記の通り。

開発の背景

  • 平地用の「アルソルメガ」は、
    ・工場でのユニット化(施工現場での作業効率アップ・工期短縮に寄与)
    物件ごとの設計・コスト提案(施工地域の条件、顧客の指定条件に従って構造計算)
    により好評を得ており、販売実績は累計100MW以上に達している。
  • 今後は傾斜地への太陽光発電設置の増加が予想されることから、「アルソルメガ」が傾斜地にも対応できるように、改善・改良を加えた。

主な特徴

  • 設置の容易化
    起伏が異なる傾斜地でも、簡単に設置できる。
    また軽量(アルミ合金製)のため、重機が入れない場所でも設置しやすい。
  • ユニット工法
    平地用と同様に予めユニット化することで、現場での施工時間の短縮につながる。
  • 販売価格のダウン
    販売価格は、従来品と比べて2割程度引き下げている。

NEDOの「太陽光発電多用途化実証プロジェクト」でも、対象分野(設置場所)の一つに「傾斜地」が挙げられており、今回のアルソルメガの新製品発表と合わせて、平地の適地減少が差し迫った課題となっていることが伺えます。

平地向けアルソルメガの元になったアルミ製架台「アルソル」[2]は、建物屋根への負荷軽減が特徴の一つになっていますが、その点では今回の傾斜地向け「アルソルメガ」も、アルミの軽量さが、設置後の安定性・安全性確保においてどう有利に働くのか、というのは興味を引かれるところです。

ただ基礎については、案件ごとに別途用意する必要があると見受けられるので、傾斜地での太陽電池パネル設置の拡大においては、基礎のほうの技術開発(強度確保と施工効率化の両立など)も進められる必要があるものと考えます。


※参照・参考資料:
[1]傾斜地対応仕様『アルソルメガ』の発売について(日本軽金属)
http://www.nikkeikinholdings.co.jp/news/news/post-26.html
[2]アルミ製ソーラーパネル架台(日軽形材)
http://www2.nikkeikin.co.jp/nkt/manufactured/index11.html
[3]アルミ製メガソーラーパネル架台 『アルソルメガ』(住軽日軽エンジニアリング)
http://www.sne.co.jp/products/alproducts/alsol.html

※関連記事:
posted by 管理人 at 03:28 | Comment(0) | 架台

2014年08月30日

Hilti社の地上設置用架台を紹介している「日経テクノロジーonline」の記事

「日経テクノロジーonline」の記事[1]で、欧州の「Hiltiヒルティ)」社が手がける地上設置用架台について詳しく解説されていました。

記事によると同社の架台は、一般プラント用の配管支持具が元になっているもので、

  • 横材の位置・角度調整能力(支柱上端の金具、杭打ち深さの調整)
  • 2種類の杭基礎工法(杭打ち工法、キャストイン工法)
により土地形状への対応能力が高く、メガソーラー建設コストの低減に寄与することから、架台で世界トップクラスのシェアを占めているとのこと。

そして記事後半では、欧州で同社製架台の評判を高めたというスペインのメガソーラー(350MW、2010年建設)が取り上げられ、日本市場では最近までその外観(波状に設置された太陽電池パネル)が受け入れられなかった、という状況も紹介されています。


記事に掲載されているメガソーラーの写真は、太陽電池パネルの巨大な帯が大きく波打っているダイナミックなもので、太陽光発電システムと言うと外観的にも静的、と思い込んでいた私には、ある種のカルチャーショックでした。

日本で当初理解が進まなかったというのは、文化・民族性の違いも強く影響していたものと思いますが、そのままの地形での施工ができるのであれば、コスト面だけでなく、例えば工事におけるエネルギー消費量の削減(整地に使う土木建設機械の燃料など)や、土地へのダメージ軽減といった点でも、メリットが非常に大きいものと考えます。

また現場での施工・組立のしやすさについても、相当に洗練されていることが伺えるものであり(下記動画)、電力買取価格が引き下げられ、また認定分と稼動分のギャップが大きい日本の産業用で、今後販売を伸ばしていく可能性は高いものと予想します。


(アカウント「Steflea Petru」さんの動画)

またHilti社は、地上設置用だけでなく建物屋根用の架台も取り扱っているようなので、日本の住宅用太陽光発電システムの導入ハードル(屋根を傷つける懸念など)を軽減するような製品が開発・製品化されることにも、ちょっと期待したいところです。


(アカウント「Hilti Group」さんの動画)

※参照・参考サイト:
[1]世界最大級の架台メーカー、建設費削減を武器に32円市場で拡大目指す(日経テクノロジーonline)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140818/371119/?ST=pv&P=1
[2]EVERYTHING UNDER THE SUN(Hilti社)
https://www.hilti.com/solar
posted by 管理人 at 02:12 | Comment(0) | 架台

2014年08月23日

三重県津市内で、木製架台「SOLA WOOD」採用の太陽光発電所(150kW)が稼動中

三重県のウェブサイトで、木製架台を用いた太陽光発電施設の見学会の模様が紹介されていました[1]。

この見学会は2014年7月に津市内で行われたもので、発電施設の概要は下記の通り。

  • 事業者:岐阜県の「塩見」社
  • 設置場所:津市美杉町竹原
  • 発電容量150kW
  • 稼動開始時期2014年5月(見学会時点では稼動から3ヶ月目)
  • 架台
    • 製品名:「大日本木材防腐」社の「SOLA WOOD
      価格50kW以下の施設の場合、アルミ製架台同程度
      今回の施設は発電容量が大きいが、発電事業者が製造時の環境負荷を考慮して、木製架台を選択した。
      (木材(製材)の製造時のCO2排出量は、アルミの約1/200と言われているとのこと)
    • 木材:地元・美杉産の杉材を乾燥させて、防腐・防蟻処理を施したものを用いている。
    • 設置数:75

記事の写真を見る限りでも、木製の架台は骨太ながら、やはり温かく親しみやすい雰囲気があります。

低圧設備以外では価格的に不利なようですが、発電設備の印象を和らげる役割から、特に地域の小規模な発電設備に用いられる場合にメリットが大きいのでは、と考えます。

また、素材製造時の環境負荷の小ささも非常に大きな魅力であり、その点でも太陽光発電設備との相性が良いものと考えますが、一方で気になるのは、実地での10〜20年の設置における耐久性(部材どうしの接合部の緩みが生じないか等)であり、その点の観測・検証も、今後この発電設備でなされることを期待したいところです。


※参照・参考サイト:
[1]木製太陽電池アレイ架台見学会を実施しました(三重県)
http://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/2014080277.htm
[2]環境資材製品(大日本木材防腐)
http://www.d-m-b.co.jp/products/kankyo.html
[3]木製太陽電池アレイ架台『SOLAWOOD』(塩見)
http://www.shiomi.ne.jp/solar/sangyo/solawood.html
posted by 管理人 at 14:03 | Comment(0) | 架台

2014年08月07日

XSOLが野立て用架台「XSOL RACK」を発表、施工の労力・期間や設置面積の大幅削減が可能

XSOL社が、野立ての太陽光発電設備の施工を大幅に省力化できる架台XSOL RACK」を発表していました[1][2]。

その主な特徴は下記の通り。

  • 基礎工事が不要
    支柱を地中深くに打ち込む方式を採用した。
  • 太陽電池パネルの取り付けが簡単
    パネルを架台の上に置き力をかけることで、
    ・架台への固定
    ・電気的な配線
    の2つを同時に済ませることができる。
    (※パネルメーカーの協力により、パネル側にはあらかじめ専用部材を取り付けている)
  • 必要な土地面積を削減
    パネルの設置では(従来のように)架台全ての完成を待たずに、組んだ架台から順にパネルを設置していくことが可能。
    これにより架台の間に、部材運搬用の車両の通り道を確保する必要が無くなり、1MWの設備を、約3500坪の土地に設置することができる。(従来は約6000坪が必要)
  • 施工期間とコストを大幅削減
    ・基礎工事の不要化
    ・部材運搬の効率化
    ・パネルの固定・配線作業の簡略化
    ・ネジ・ボルトの必要数の削減
    により、
    工期:従来の約1/4
    作業人数:同約1/2
    に削減することができる。

ちなみに発売予定日は、2014年10月21日とのことです。


太陽電池パネルは通常のものではなく、専用の部材を取り付けたものが必要になるので、例えば20年間の稼動でパネルの交換が必要になった際に、交換用の製品がちゃんとキープされているかどうかは気になるところですが、一方で工期が1/4に人員も1/2で済むこと、更に必要な土地面積もかなり縮小できることから、相当な魅力を持っていることも確かだと考えます。

支柱の数が少ないのは米First Solar社の方式[3]と似ており、強度の点から設置可能地域は限られそうですが、未稼働の大規模設備については経産省の報告徴収が予定されているだけに、この「XSOL RACK」が一気に需要を掴み、販売を伸ばす可能性もあると考えます。


※参照・参考サイト:
[1]エクソルラック(XSOL)
http://www.xsol.co.jp/product/industrial/lineup/xsolrack/
[2]太陽電池モジュールをワンタッチで固定して配線も完了、エクソルが発売(Tech-On!)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20140804/368991/?bpnet
[3]Fixed Mounting Solutions(First Solar社)
http://www.firstsolar.com/Home/Technologies-and-Capabilities/Mounting-Systems/First-Solar-Fixed-Mounting-Solutions
posted by 管理人 at 00:43 | Comment(0) | 架台

2014年06月19日

丸紅が米Zep Solarと提携、同社の住宅用太陽電池パネル架台を日本で独占販売

丸紅2014年6月17日に、

  • 米「Zep Solar」社製の住宅向け太陽電池パネル架台の、日本での独占販売について、同社との間で契約を結んだ。
と発表していました[1]。

背景・目的は下記の通り。

  • 日本の住宅向け・小規模産業向け太陽光発電では、電力買取価格の引き下げや施工の人手不足により、
    施工コストの削減
    ・施工の時間短縮、簡便化
    が課題となっている。
  • Zep Solarの製品ではレールを使わずにパネルを設置でき(独自開発のアルミフレームと取付用架台を組み合わせる)、
    ・施工時間の大幅短縮
    ・施工コストの削減
    を実現できる。

またニュース記事ではこの提携に関して、下記の数字が記載されています。

  • Zep社製品による施工時間:従来の半分以下
  • 販売目標3年間で2万5000
    住宅メーカーや施工会社と連携する。

導入コスト低減の取り組み「Rooftop Solar Challenge」が進められている米国の製品が、いよいよ本格的に日本市場に進出するとのことで、減速している既築住宅向け需要を少しでも上向かせるものとなりうるのか、非常に興味を引かれるところです。

販売目標を単純に年平均にすると約8000戸ですが、これは2013年度の既築住宅での補助金申請件数(約15万件)の約6%にあたり、達成されれば、日本市場でZep社製品が一定のポジションを確保することになると思われます。

ただ、各金具などを取り付ける大本の土台になる部品は、(ハゼ折部をクランプする方式を除き)やはり屋根材に穴を開けて屋根に固定する方式と見受けられ[3]、長期設置において雨漏り発生の可能性がどの程度なのか、というのは明確にする必要があると考えます。


※参照・参考サイト:
[1]米国Zep Solar社と住宅向け新型太陽電池用架台の独占販売契約締結(丸紅)
http://www.marubeni.co.jp/news/2014/release/zepsolar.pdf
[2]紅、住宅向け太陽電池架台で米社から販売権(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDZ17077_X10C14A6TJ2000/
[3]Products(Zep Solar)
http://www.zepsolar.com/index.php/products

※関連記事:
posted by 管理人 at 03:30 | Comment(0) | 架台

2014年04月17日

グリテックス社が自律稼動の追尾システムを開発、全天空光源視覚センサー・CPU・シリンダーで稼動

神奈川県の「グリテックスインターナショナルリミテッド」社が、センサーとCPUで自律稼動する太陽追尾システムを開発したとのことです[1][2]。

システムの概要は下記の通り。

背景

主な特徴

  • 全天空光源視覚センサー
    独自開発のセンサーは広い視野角を持っており、全天空の中で、太陽光エネルギーを最も吸収できる方角を認識できる。
  • CPUによる判断
  • 一般的な追尾システムではプログラム方式(位置・方角情報や時刻情報から太陽位置を割り出す)が用いられているが、本システムではCPUが上記センサーからの光源位置情報を用いて、パネル駆動用のシリンダー2本を作動させ、
    ・光源の方角
    ・太陽電池パネルの向き
    の差を補正する。
    これにより、人間による補正メンテナンス等不要になる。
    また追尾能力が高く、移動体(車両、船舶など)への搭載にも向く。
  • シリンダー駆動
    ハイドロを媒体にして作動するため、機械式(ギア等)で生じるようなパネルのバタ付きを防ぐ。

移動体での実証実験

  • 実施体制
    神奈川県産業技術センターと共同で行った。
  • 設置場所:水産技術センターの漁業調査指導船「江の島丸」の船外
    風雨・海水・船の振動を受けるようにした。
  • 機器
    ・太陽電池パネル:310mm×350mm、最大電力10W
     ※比較用に、固定式と追尾式の両方を用意した。
    ・追尾機構:グリッテクス社の開発品を改造して使用。
  • 実施期間20132〜3月と8月(おのおの約1ヶ月)
  • 結果
    機器へのダメージ
     損害・腐食は、目視では確認されなかった。
     追尾機構にも大きな問題生じていない
    発電電力
     平均では、追尾式は固定式の1.65倍に達した。
     時期別では、
     ・春:1.8
     ・夏:1.4
     ・冬:4.7
    発電時間
     最大で、固定式に比べて
     ・日出時:1時間早い時刻
     ・日没時:1時間遅い時刻
     まで発電できることが確認された。

製品[1]

  • 名称:「傾斜駆動型ソーラー追尾発電システム
  • 搭載する太陽電池パネル4kW(6.64m)
  • 追尾機構
    パネルの重心を支柱(直径約30cm、高3.5m)で支持。
    「全天空光源視覚センサー」の情報から、2本のシリンダーによりパネルの角度を調整する。
    (追尾機構の消費電力は、1日あたり5Wh程度)
  • 想定価格250万

グリテックス社のサイトでは小型(140W)の追尾装置[3]が掲載されており、今回の開発品もその延長上にあるものと思われます。

実証試験の期間は短いものの、実際の(海を航行した)船舶上で問題なく稼動したとのことで、シリンダーを用いた追尾機構の信頼性・耐久性の高さが伺え、また集光型では無いにも拘らず、発電電力量を(固定式の)約1.5倍にできるという点には、追尾性能の高さが伺えます。

今後はより長期の試験での実証・検証が必要になると思いますが、コスト(kWあたり62.5万円)がパネル込みだとすれば(機能に対して)意外に抑えられている印象であり、船などは勿論のこと、地上でもパネルの設置規模が限られる場所(例えば農地のソーラーシェアリングや、山岳地域など)や新興国の無電化地域で、高い有効性を発揮できるのでは、と考えます。


※参照・参考サイト:
[1]グリテックスインターナショナルリミテッド、追尾式太陽光発電システムを開発(日刊工業新聞)
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0320140416bfak.html
[2] 横浜スマートコミュニティ 〜未来のコミュニティを創る構想と取組みについて(神奈川県産業技術センター)
http://www.kanagawa-iri.go.jp/wp-content/uploads/filebase/koryukai/2013/H25_2AM-A.pdf
[3]太陽追尾発電装置 おっかけ(グリテックスインターナショナルリミテッド)
http://www.gritex.com/product.html#%E5%A4%AA%E9%99%BD%E8%BF%BD%E5%B0%BE%E8%A3%85%E7%BD%AE
posted by 管理人 at 02:37 | Comment(0) | 架台